「チーズカバオ」さんのページ

総レビュー数: 75レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年07月23日

[ネタバレあり]

愚直なまでに、男子学生向きな少年漫画。
バトル!バトル!!バトル!!!の王道的展開に、既視感があるが魅力的なキャラクター、色々な名作からのパクリ・オマージュ・リスペクト。

作者が裏表なくシンプルに楽しいものを描こうとしているので、ぶっちゃけ描かれているもの以上でも以下でもない、読んだまんまの作品。
ある意味潔いし、少年誌的バトル漫画としてはある種の正解と言えなくもないと思う。

ただ間違いなく、画力は超一流である。
烈神召喚時の八竜同時召喚の演出、そして柳の炎のカラー扉だけで理屈抜きにこの作品を讃えたい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-10-04 21:52:57] [修正:2017-10-04 21:52:57] [このレビューのURL]

5点 犬夜叉

[ネタバレあり]

ゴールデンタイムにアニメを放送し、商業的に成功を収めた最後の少年漫画と言える。
そしてそのせいで、引き延ばしや対象年齢の引き下げなどの弊害をくらい、中盤で完全にグダグダになってしまった不幸な漫画。
そのつまらない期間のイメージを強く持っている読者も多いと思う。

しかし、その偏見を取っ払って改めて読んでみて欲しい。
間違いなく序盤の完成度の高さに驚くはずである。20巻くらいまでで言えば、個人的にはサンデー史上でもトップ10に入る名作だと思っている。

そして中盤の中弛みの期間は確かに相当つまらないが、ラスト10巻は中々良い。
特に話の畳み方は、数多のキャリアを積んだ高橋留美子が、これまで自身が描いてきた少年漫画と青年漫画の作風の境界を調和させた、とても味のあるものとなっている。

最初と最後が良いので、総じて見れば決して悪くない作品と言えるのではないだろうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-04 21:30:07] [修正:2017-10-04 21:30:07] [このレビューのURL]

ゴッド・オブ・コミックである。
ストーリーがどうだとか、伏線がこうとか、そんな観点で昨今の漫画と比べて優劣を論じることすら馬鹿けている。
あまつさえ、ドラゴンボールに『今読んだら普通』みたいな評価を下すことは愚の骨頂だ。

手塚治虫神が基本を造り倒し、藤子不二雄や石ノ森章太郎、永井豪、松本零士ら数多の天才が発展させまくった漫画というメディアを、この作品が究極の娯楽にまで進化させたことは間違いない。
この漫画がやったことは謂わば、漫画の概念や、表現の天上を吹っ飛ばしたに等しい。
漫画界だけに留まらず、あらゆるクリエイター達の礎となり、全ての創作物の表現レベルを爆発的に押し上げた、漫画界至高の遺産である。
しつこいようだが、そんな本作に『今読んだら普通』など………!

古今東西未来に至るまで、本当の意味でこれを超える漫画は存在しないだろう。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2017-10-04 13:17:08] [修正:2017-10-04 14:34:55] [このレビューのURL]

作者の描きたい場面や台詞が点在していて、その点を繋ぐために登場人物や物語を繋げているかのようなプロットになっている。
そのためか、作品全体としての展開が浮き足立っていて、地に足が着いていないような気がする。
しかしそれも含めて本作の個性であり、中々面白いと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-08-19 09:04:50] [修正:2017-08-19 09:04:50] [このレビューのURL]

藤田和日郎の漫画はどれも独創的で刺激的だが、あえて最高の作品を挙げるなら私はからくりサーカスを選ぶ。
かつて、これ程までに漫画的表現技法の限界を超えた作品を見たことが無かったから。
数多くの名シーンがある本作の中でも、特に凄まじかったのはルシールの最期の、見開きのセンターカラーである。
残念ながらコミックスではモノクロページになっているが、当時のサンデー紙面で見たあのシーンは、究極のカラーページの使い方としていまだに心に焼き付いている。

作品全体を総じて見れば無駄もあるし、正直あまり面白いとは思えない展開も少なくないが、それでもこも作品が漫画の凄みの本質を描いていたことは間違いない。
鬼才・藤田和日郎の真骨頂を存分に体感できる逸作である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-08-13 20:47:01] [修正:2017-08-13 20:47:01] [このレビューのURL]

完結の告知を大々的に出していたのに、(掲載紙の事情もあるとは言え)しれっと連載を続けていたり、その割に数年間にわたり支離滅裂な展開でグダグダやっていたり、もはや全盛期の面白さが嘘のような駄作に成り下がってしまった。
せっかくの登場人物の魅力も、作者自ら潰していっているので、キャラ萌え要素すら薄れてしまっている。
もはや魅力的な要素が絵柄しかない。
10年くらい前は大好きな作品だったため、非常に残念である。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2017-08-11 23:18:22] [修正:2017-08-11 23:18:22] [このレビューのURL]

この漫画を文章でレビューすることは難しい。
本質的な意味で漫画や映画などの創作物を愛する人間の思いや精神が、隅々まで表現されているという、まるで白昼夢のような作品である。
自分が漠然と感じた気持ちが、漫画として可視化されていることに、形容しがたい魅力を感じる。
もはや優しい精神攻撃である。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-08-11 22:36:15] [修正:2017-08-11 22:36:15] [このレビューのURL]

この作者は読者に甘えすぎだと思う。
ヘルシングの後半から言えることだが、平野耕太がどんな話を描いても「ヒラコーカッコイイ」って感じで全肯定する読者が多いものだから、もはやこの十余年は作者も「以下に楽に、適当に仕事するか」しか考えていないと思う。
だから、1、2年に一度出るコミックスでまとめ読みをした時ですら、滅茶苦茶散漫な展開で、メリハリがまるで無い。
たまにちょっと閃いたときや、少し興が乗った時にイカす話は描くものの、基本的に向上心も探究心も無いのですぐになぁなぁで終わるし。
ドリフターズもこれだけ完璧なベースを創ったのに、作者のモチベーションがこれでは名作には成り得ないだろう。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2017-07-30 20:46:08] [修正:2017-07-30 20:46:08] [このレビューのURL]

確かに面白いし、冨樫義博の他の漫画家を超越したセンスや技術が遺憾なく発揮された傑作である。
しかし、その特異なセンスと連載ペースが相まって、テンポが悪く、勢いで読ませる痛快さや娯楽性に欠ける。
鉄は熱い内に打てではないが、読者の心が熱くたぎっている状態で畳みかけないと到達できない、刹那的な面白味みたいなものがあると思う。そして、この漫画ではそれが味わえないような気がする。
そういう点では個人的に、ハンターハンターより幽遊白書を推したい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-07-28 10:14:53] [修正:2017-07-28 10:16:25] [このレビューのURL]

能力者バトルの原点にして頂点であり、漫画界の至宝。ジョジョを語るには、全ての言葉が陳腐にすら感じるので、必要以上のレビューは無粋というもの。もし未読の漫画読みがいるならば、必ず読まなければいけないバイブルである。ジョジョを読まずして、能力者バトルが何たるかなどわかるはずがないし、語る権利も無いと言っても過言ではないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-23 16:43:09] [修正:2017-07-23 16:43:09] [このレビューのURL]