「パンダマン」さんのページ

総レビュー数: 134レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年11月22日

 歌手に多いのだけど、自分を侍とか武士(もののふ)とかに例える人を見るとそれは正直どうなのよと引いてしまう。

 日本の武士道、西洋でいう騎士道は誇り高い象徴みたいに扱われるが、なぜそのような心得が必要なのか、その元々の理由を知っている人は少ない。これは暗に隠されたのかな?そこまではわからないが、武士道や騎士道は心の最後の防波堤みたいなものです。つまり、戦場で命をかけた究極の精神状態におかれた兵士はどの世界も決まった行動を起こす。犯す、殺す、奪うという行為だ。不快に感じるかもしれないが、これが歴史が語る現実。それを予防する為に昔の人は、心の防波堤として、個人の誇りに訴る武士道やらを作ったのです。だから命をかける必要もない平和な時代の日本で侍とかって言われるとやっぱりどうしても引いてしまう
 なんだか作者も軽く侍とかいう人に嫌気がさしていたのかもしれない。武士(もののふ)の頂点を目指そうと血塗られた修羅の道を突き進む武蔵。逆に、誇りある武士道の世界に生きようとするが、怖くて、情けなくて、挫折し、逃げ出す又八との対比は凄く面白い。

 この漫画は、武蔵の史実とは随分違う。超有名な剣豪の宮本武蔵の頂点を目指す足跡までの心の葛藤は、同時に作者自身の心の葛藤でもあり、だからまぁ史実からそれちゃうのもしょうがないのかもしれない。作者が迷っていたりテンションが落ちたり上がったりの様は即作品に出ている。逆にそれが、生々しく、残酷さ、誇り、狂気、挫折、そういった武士の生き方を素直に実感できた
 
 バガボンドって意味は英訳で放浪者、意訳すると浪人とか武士を指す言葉でもあったはず。確か・・・
 最初は単に強さを求める旅をしている武蔵のことを指してるのかと思ったけど、彷徨い迷う作者自身をも指しているのかと今更ながらに気づいた。 
 頂を目指す武蔵の、そして作者の心境はどういったものになるのか。逃げずに最後まで描ききって欲しい。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2006-12-02 19:19:33] [修正:2006-12-02 19:19:33] [このレビューのURL]

 作者が「正義の味方」の欠点に気づいていないのがわかった時点で作品に入れなかった。この日本ではよくつかわれる「正義の味方」の意味を作者は少しでも考えたことがあるのかなぁ

 「義」とは「人が進むべき道」を指す言葉で、それの正しい方向を「正義」というのです。だから、人の数だけ信じる道があり、似ているようだけどみんな違うわけです。
 だけど、この主人公は正義、正義うるさいけど、この主人公の「正義」が全然見えてこないから気持ち悪い。それがはっきりしていないのに主人公を信じる人達も気持ち悪い。
 しかも自分の正義を疑わず突っ走りまくる馬鹿な性格に、巨大ロボットという強すぎる暴力の力までゲットしちゃったこの恐怖。これでどうやってこの作品に入っていけばいいんだぁ

 まぁ、こうなっちゃってるのも少しわけがあって、「ロボットモノ」には、昔の作品のオマージュ的な意味でわざと同じような話や設定にしたりします。他のロボットものの作品でも設定が似てたりするのはそのせいで、もちろんこれもそう。それもかなりのもの。だから、「正義の味方」という単語が出てきてもわかるんですが、それにしてももうちょっと考えて欲しかった。

 絵はうまいし、ロボットのデザインもかっこいい。コマ割りも派手でいい。けど、いかんせんロボットは形がゴチャゴチャしてるから、色分けでもしないと敵か味方かもわからない。色変わるロボットまで出てくるともう混乱の極み。
 あともう一個ダメだしすると、無痛覚症の人の苦しみもわからずに適当に出してること。これは無知とは罪と言っていいかもしれない程の問題。

 がんばってはいるけど、読んでて色々虚しくなってしまった。アニメ化されたみたいだけど、こりゃ相当人物像にテコいれしないと見れないかも。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2009-04-28 00:16:43] [修正:2009-04-28 01:13:46] [このレビューのURL]

10点 BECK

 絵の迫力や大きいコマワリで音楽の表現に成功した良作音楽マンガ
 強い悪役が出てきて、主人公達は弱者だけど才能と結束で乗り切るというコテコテサクセスストーリー少年漫画なんだけど、そんな事は感じさせないのは、題材と絵の迫力だと思う
 コテコテな分ハマリやすく面白い

 多くの男性漫画家がステレオタイプな女性像しか描けない中、この作者は生きた女性が書ける数少ない男性漫画家だと思う
 なので、恋愛マンガとしても、それなりに成功している
 作中で少女マンガがよく出てくるところから、よく少女マンガを読んで研究してるんでしょうね

 追記
 ただの音楽サクセス漫画として読んでて少し後悔した。
途中で飽きた人もこれは最後まで読んで欲しい。成功したから良かったねという漫画ではなかった
 昔、宮崎駿監督がなんで映画を作るのかというのを書いていた本があった。自分が何かを見て受け継いだものを次の世代に渡すため、その為にアニメを作っていると言っていたのに感銘を覚えたものだ
 BECKもそういう漫画だった。伝えたいから歌う。受け継ぎたいから歌う。そういう流れが一つの大きな力となっていく話だった。
 なので何かを感じ取りたいという感覚というのかな?。なんとも表現しにくいけど、そういう受容体がないとただの音楽サクセス漫画となるが、受容体がある人にはかなりの感動が待っていると思う。作者は受け継いだバトンを次に渡すために今までがんばって書いてきたんだな。感動した

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-27 03:55:39] [修正:2009-03-08 03:10:54] [このレビューのURL]

3点 黒執事

 「英国」「執事」「女王直属の裏を仕切る貴族」「執事の正体が謎」。キーワードを並べるとすごく面白くできそうなんだけどいまいち。結構設定が適当。話に穴が多いなど読んでるこっちがう〜んとなってちょっとガッカリ。
 たぶんなんとなく英国な雰囲気で、軽めのダークな話でいい男が活躍する漫画を求めている人が対象なのかも

 大体、黒執事以外使えない使用人ばっかり雇っているけど、その理由が5巻現在まで一切語られないまま。なんでクビにしないんだか謎。裏家業やっているから表の仕事は出来なくても裏では凄腕でなのかと思いきや、どうやらただの引き立て役みたいだ。ただの場を和ませるだけの引き立て役なら四人もいらない。女王の番犬というには、実行力が実質、黒執事しか出てこないというのはどうしたものか。
「英国」「執事」という誰かが築いてくれた世界観にのっかてるからかろうじて読めるけど、これの世界観事態はかなり薄い。執事ブームに乗っかっただけの出たとこ勝負はやめて欲しかった。

 正直、これ書いてる時点で執事漫画は他にも結構出てるけど、みんな上辺だけで中身がない執事ばかり。非常にどの執事漫画の執事も浅い。これは絵もうまくて雰囲気あっただけに期待していたんだけど、これもやっぱり浅かった。
 まぁ、この執事がまた特殊というのもあるんだけど、別に特殊にしなくても、英国の貴族というだけでかなり面白い話作れるし、執事の世界というのもかなり歪んでいるから、いくらでも面白くできると思うんだけどなぁ

 メイドものは森薫さんのがあるが執事ものの面白い漫画はしばらく出そうもないなぁ。
 「日の名残り」っていう執事小説を読んでから、その異質な執事の世界に興味を持って調べた自分は執事ものにはちょっと辛口かもしれない。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2009-02-18 07:54:00] [修正:2009-02-18 07:54:00] [このレビューのURL]

 この漫画は、軍事知識がある程度ないと面白味がわからない漫画です、たぶん
 いや自分もそんなにある訳じゃないんですが、逆に半端な知識だから楽しめたのかもしれません
 RPGと書かれてロールプレイングゲームが浮かぶ人は避けた方がいいです。

 これの一話目を読んで、理解できなければ多分ダメです
 なんでベテラン兵士二人が少年兵を恐れるのか。ジャベリン(対戦車ミサイル)のイキなかわし方・・・とか全然興味ない人には全然面白くないし、それに対しての説明も全然ないです。
 いきなりトップギアにして突っ走ってるこの漫画。多くの読者を置き去りにするのは間違いないです
 
 だけど逆をいうと、徹底して無駄な所をそげ落とした作りはテンポがよく、スピードを感じさせる。同時に登場人物にプロフェッショナルさを醸し出しています。派手なドンパチ漫画を望むなら他を読んだ方がいい。無駄のない戦いは派手さがなくつまらない。逆にその無駄のなさがこれの魅力なのです。
 なんでこの作戦をとっているのかとか、なぜその武器を使ってるのかとかの親切な解説が入ればわかりやすのかもしれないけど、それをするとこの漫画の魅力はなくなってしまうというなんともやっかいな漫画なのです
 
 あらゆる情報を見逃さず、あらゆる知識を総動員しなければ、音も無く近づき、今まさに自分を飲み込もうとしている大蛇に気づくこともなく喰われるだけ。あらゆるものを飲み込む大蛇の殺し合いを観戦することもできない・・・といったかなり挑戦的な姿勢。

 武器商人の話なのですが、映画のLOAD OF WARの用に人道的に訴えかけてる所は少ないです。いかにうまく武器を売るか。いかにライバルを蹴落とすか。そしていかに危険な地域へ商売をしにいき、うまく抜け出すか、なんかが主な話です
 ライバルにC○Aが出てきた時は吹いてしまった。その情報収集力と情報操作技術は確かに営業向けだ。これってミリタリーマニアには常識的な知識なのかな。

 ここまで人道主義や国際問題、そして読者を気にしないやりすぎな話は珍しいと思う。このまま突っ走って欲しいんだけどそう書くとちょっと人道的に疑われそうだなぁw
 いや、それくらいやっちゃってるからこそ面白いんです、これは

ナイスレビュー: 3

[投稿:2008-02-16 07:50:22] [修正:2008-02-16 07:50:22] [このレビューのURL]

 高校野球漫画だと、弱小校を強くして甲子園を目指す高校野球生活が一般的だけど、これは強豪校での高校野球生活を描いてんですよねぇ。新鮮だ。
 強豪校だからこその、苦労や負けられないプライド、プレッシャー、そういうこの漫画で見たい部分も丁寧に書いてて面白い

 この漫画で一番好きなのが試合よりも練習シーンが多いこと。
練習とか特訓シーン好きなんだよねー。スラムダンクとかでも試合よりも特訓場面をよく読み返します。そういう「勝つための布石」の部分がより多く書かれてるほうが全然キャラクターへの思い入れも変わってくるし、試合も俄然面白くなってくる

 後、絵はそんなにうまいわけじゃないんだけど打ったり投げたりのフォームがビチィッっと決まっててなんだかかっこいいです。野球が好きで野球を知らないとかっこいいポーズってかけないから、作者の思いが感じられる結構大事なところだと思った

 主人公はありがちな剛速球派じゃなく、くせ球を投げるやや特殊な投手っていうのも変わってて興味が出ました。これからどうやって剛速球派のライバルと競っていくのかも気になる部分

 真面目でまともで野球への愛情がこもってるいい作品
 

ナイスレビュー: 3

[投稿:2008-01-27 07:26:18] [修正:2008-01-27 07:26:18] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

 シガテラっていうのは、熱帯地方の魚がもってる毒の事
もともと持ってるわけじゃなく、毒もってる海藻食って毒化しちゃうんだと思った。確か
 そんな魚食うと軽い食中毒になったりする

 この話は、社会人とかになってる年齢、まぁ大人なわけですがその人にとっては「過去」の話で、今青春まっさかりな人には「現在」の話です
 なんて言ったらいいか、青春時代の象徴の話というのか
 主人公は、まっとうに生きようとする自分の分身
 話には、ショッキングな事や悪いヤツ、友達、恋人なんかいますが全部は象徴として描かれている
 でもそういうの経験してないと、これは「現在」なんです

 いや、まぁつまり大人の人が観ると、イィィィヤァァァと思うほど後悔した事や、失敗したこと。汚れちまったーという経験。もうフトンにくるまって忘れちまいたいけど忘れられない過去の事。そういうのが描かれているんです。もちろん恋や受験やセックスとか、モンモンとしたのもね

 なんで作者がこういうの描きたかったのかわからないど、まぁこんな作品もあってもいいか
 この作者にしか書けないし
 ただ非常に理解されにくいと思う
 主人公を見ていると滑稽で面白いのだが、自分に置き換えると笑えなくなる

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-30 07:13:07] [修正:2006-11-30 07:13:07] [このレビューのURL]

0点 FAIRY TAIL

 絵がだれかに似てるっていうのは、まぁしょうがない。絵の上達の早道はだれかを真似るのが一番だから。だれかしらの絵に似てくるもんだと思う。
 しかし、キャラクターは自分で作り出さないとやっぱりだめだろう。わかるだけでも、10作品近い有名な漫画やゲームからかっぱらってきてる。オリジナルキャラを探す方が難しいくらいだ
 もう話の作りとかいう以前の問題
 かっぱらってきたキャラクターで漫画かきたいなら同人誌でやることだろう
 これをプロの作品と認めたら他はやってられないだろう
 作者が悪いのか、編集者が悪いのかわからないが、2番煎じでもなんでも売れればいいじゃんってノリは読んでてつらくなる

 著作権とか大丈夫なのかなぁ、これ

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-02-19 13:54:43] [修正:2008-02-19 13:54:43] [このレビューのURL]

 「土塚理弘さんって漫画家じゃなかったっけ?なんで原作?」って思ったけど、土塚さんの書いたタマチャンをみて妙に納得した。怖いよ、それっ!

 正直読む前は。女の子いっぱい出せば読者喜ぶでしょっていうポジションの漫画かと思ったんだけど、しっかりした剣道漫画でした。
 キャラクターありきのキャラ先行型漫画だけど話もしっかりしてます、これは。
土塚さんは絵はヘタだけど、こんだけしっかりした漫画かける人は少ないと思った。まさに漫画職人。

 というのも、最近の漫画(ゲームや映画も含めて)はキャラクターのパターン化がどんどん進行していて、だれでも漫画が書きやすくなっていて、見ている側も話に入っていきやすい。
反面、ありきたりのキャラクターで作られたものはマンネリ化しやすい。どの漫画も似たような話になり個性が出にくく、結果「つまらない」となる

 バンブーでは、オリジナナリティーが出ているだけじゃなく、ちゃんと個性としてしっかり身についており、どれも生き生きしている。「借り物」じゃないキャラクターは、どう動くのかわからなく、予想が余りつかない。結果キャラクターに興味がいき、それがまた話の面白さに繋がるっていう良作漫画コンボを見事に決めてくる。う?ん、職人芸だ、これは

 逆にキャラクター先行漫画なので、このキャラクターは嫌いとか気にくわないって人にはすっごいつまらない作品になるというデメリットもはらんでいます
 
 というか、キーマンのタマチャンの個性が立ちすぎて、主人公のコジロー先生が今現在脇役的なポジションに落ち着きそう。ってかもう主人公変わっちゃってる?
 なんかDrスランプを思い出しちゃったよ。
 さすがキャラクター先行漫画。全然先が読めない
 がんばれコジロー。負けるなコジローw

 なんで剣道強くてアニメオタクなのに、タマチャンかわいくみえるんだろね。すごいね、本当。巧みの仕事だね。もう

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-01-24 02:45:13] [修正:2008-01-24 02:45:13] [このレビューのURL]

 死臭がする。これは漫画なのに死臭がしてくる

 少年少女が世界を守るために使うのは命。命をつかって動かすロボットを使ったゲーム。負けは即世界の死を意味する。
 主人公達は行けども戻れども逃れられない絶対的な死がすぐそこまで待ち受けてる

 生は死が近いほど輝くが、人間が生を感じるのは死から遠ざかろうとする力。死を感じさせないほどのエネルギーにこそ生を感じる。
 だけど、これは死に向かって生きていく、生きなければならない状況に追い込まれる絶望的な話。感じられるのは生ではなくやっぱり死だった。

 この状況が受け入れるかどうかでこの漫画は変わってくると思う。正直死臭の濃さはかなりのもの。普通に読むと気持ち悪くなる人も多いかもしれない

 命を考えるにはいい作品。でも読んでも気は晴れない。そこが逆に先を読ませる原動力なのかもしれない

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-09-23 18:44:40] [修正:2007-09-23 18:44:40] [このレビューのURL]

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