「パンダマン」さんのページ

総レビュー数: 134レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年11月22日

10点 暁星記

 未来の金星が舞台のお話で、非常に練られた金星の環境と生態、そこに生きる人々の生活は本当に存在してそうな存在感。

 非常に高い完成度の世界設定。ドラマチックに展開される話。深いテーマ。これほどのハイファンタジーを作者が暖めていたのは正直驚いた
 連載中もあまり知られておらず、連載も休載気味。最後は雑誌に掲載されずに2巻ほど丸々描き上げた作者の熱意は素晴らしい。これだけのものを最後までくじけずに描き上げてくれた作者には感謝の言葉しかない。
 傑作です

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-28 21:09:49] [修正:2010-03-28 21:12:28] [このレビューのURL]

10点 BECK

 絵の迫力や大きいコマワリで音楽の表現に成功した良作音楽マンガ
 強い悪役が出てきて、主人公達は弱者だけど才能と結束で乗り切るというコテコテサクセスストーリー少年漫画なんだけど、そんな事は感じさせないのは、題材と絵の迫力だと思う
 コテコテな分ハマリやすく面白い

 多くの男性漫画家がステレオタイプな女性像しか描けない中、この作者は生きた女性が書ける数少ない男性漫画家だと思う
 なので、恋愛マンガとしても、それなりに成功している
 作中で少女マンガがよく出てくるところから、よく少女マンガを読んで研究してるんでしょうね

 追記
 ただの音楽サクセス漫画として読んでて少し後悔した。
途中で飽きた人もこれは最後まで読んで欲しい。成功したから良かったねという漫画ではなかった
 昔、宮崎駿監督がなんで映画を作るのかというのを書いていた本があった。自分が何かを見て受け継いだものを次の世代に渡すため、その為にアニメを作っていると言っていたのに感銘を覚えたものだ
 BECKもそういう漫画だった。伝えたいから歌う。受け継ぎたいから歌う。そういう流れが一つの大きな力となっていく話だった。
 なので何かを感じ取りたいという感覚というのかな?。なんとも表現しにくいけど、そういう受容体がないとただの音楽サクセス漫画となるが、受容体がある人にはかなりの感動が待っていると思う。作者は受け継いだバトンを次に渡すために今までがんばって書いてきたんだな。感動した

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-11-27 03:55:39] [修正:2009-03-08 03:10:54] [このレビューのURL]

 日本ではコメディーの評価は低く見られがち。まぁ色気とセットでとかで作られてきたから余計軽く見られる
 ハリウッドではコメディーを作れる人は一目置かれる。作るのにはセンスが必要だし、演技するのも凄い難しいことだ。コメディーができればなんでも演じられると言われているくらいで、大物俳優や演技派と言われる人にはコメディアン出身者が多いのがその証明だろう
 コメディーはすぐにそのキャラクターを理解できるほどの作りこみがないと、その先の笑いの部分に入っていけないのだ

 この作者は、原作者がいたスピンナウト以外ずーっとコメディーを描いてきた。逃げずに描いてきただけあってレベルが違う。どんなキャラクターでも作れるし、演じることもできる。
 これに出てくる大和撫子の部長さんは、今の日本ではもうファンタジーに近いくらい貴重な存在だけど嘘っぽくない。ちゃんとした存在感がある。主人公のまーくんやその他の存在感もすぐに心に残るほどの強さがある
 キャラクターのリアクションもツボを押さえてるし、話の展開、テンポ、タイミングなんかは抜群にうまい。つまらない日常の切り口から話がどんどんふくらむ展開はお見事
 やろうと思えば、もうどんな展開でも可能だろう
 一番作るのが難しいといわれてる悪人も数多く作り出してきてる。今回は変化球をつけて悪人ができるまでを読者を楽しませながらみせる余裕っぷり

 もう正直いうことない
 なんか、横綱相撲をみてるくらいの安定感
 まだ序盤だろうと、この評価は変わらないだろう
 面白いっす

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-19 13:29:28] [修正:2008-02-19 13:29:28] [このレビューのURL]

 主役の不思議な少年は、時空を超えられ、幻覚をみせられ年すら変えられる永遠の命をもつ神に近い存在です
 でも、この話は別に、この少年の能力を見せつける為のお話ではないのです
 少年に名前がないのは、彼がマンガを読む読者の代弁者であるからだ
 しかし、彼には一つだけ意志がある
それが人間に対する興味
 そんな少年が様々な世界の人間の心の世界を、人間の可能性を探るお話

 作者の山下和美が長年積み上げてきた人間観察力が発揮されている
「天才柳沢教授の生活」を読めばその研ぎ澄まされていく観察力がわかるはず
 色々な人間の心を描いてきた作者の集大成的な作品

 題材が人間そのものなので、個人個人でどう写るかはその人次第
 この作品をどう見るかによってその人が見えてくる
 怖いな、ほんと

 それくらい出てくる人たちは生きているかのように様々な顔をみせます
 これを読めば作者は他人を通して自分の心の深いとこまで潜っているのかわかるはず
 深い面白みがあります
 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-02 20:05:15] [修正:2006-12-02 20:05:15] [このレビューのURL]

10点 ぼくんち

 読んでない人は、戦後すぐの生きるので精一杯の日本の姿を想像するといいかもしれない。シャブを売り、体を売り、あまり見たくない人間の生活だ。それくらい貧しくてみんな生きていくだけで精一杯だ
 余裕がない彼らの心は剥き出しだ
だからこそ、滑稽で笑えるし、素直に心が動かされる

 そんな世界を見るのがダメな人はキツイかもしれない
それくらい、この世界はリアルだ。絵がリアルでもないのにね
いや絵がリアルだったら、こういちくんの技は笑えないか(笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-02 18:34:09] [修正:2006-12-02 18:34:09] [このレビューのURL]

 広大な宇宙と向き合うために、それぞれの姿勢で立ち向かう姿が描かれているSFマンガ

 読者の目を広大な宇宙に向けさせて、自分と対話させようとする話の数々はかなり練り込まれていた
 舞台は未来の宇宙でも、内容はチャリンコで坂を全力疾走で転げ落ちてるような漫画だった
 作者の幸村誠は反骨精神剥き出しな、ロックンローラーのようなやつだ
 漫画で全人類を幸せにしてやるっことを大真面目に考えてる大馬鹿野郎だ
 でも、そういう大馬鹿野郎は大好きだ
 どっちかっていうと、オレよりも年上の中年達のほうが、この10代の頃の熱病みたいなのに感化されるような漫画だと思う
 一般向けそうで、この漫画は年上向けなのかも

 人は苦痛を知らねば、幸福を知ることもできないとなんかで読んだ
 どん底中のどん底を知らないで生きていこうとするほど、幸福は遠ざかる矛盾のなかに人間はある
 でも、どうなんだ
 どん底知らないと伝わらないのか
 まぁ、愛があふれて愛マヒ中毒になってる日本で、今更愛なんて叫ぶなよっていう気もするが、漫画界で大真面目に叫んでるヤツがいても許される位の世の中ではあって欲しいね、ほんと

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-11-28 03:33:51] [修正:2006-11-28 03:33:51] [このレビューのURL]

10点 SLAM DUNK

何度読んでも奮える感動がある

ダンクができる高校生がそんなにいるわけないって?
こんなのリアルな高校バスケットじゃないって?

そんなこたぁ二の次だぁ
思いと思い、技と技、そして最後は気迫のぶつかりあい。それがスポーツ漫画の華だろう
それを見せつけられた漫画だ

話を支えてると思うのが、安西先生の存在
「諦めたらそこで終わりですよ」の台詞は安西先生がいうからすごい重みがある

読む度になぜかバスケがやりたくなる気分になってしまうほどバスケ愛に満ちた作品

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-27 01:05:33] [修正:2006-11-27 01:05:33] [このレビューのURL]

 主人公のガッツは産まれた時から死に限りなく近い場所にいる存在。どんな時にでもそれを突っぱねる彼の生き方には限りなく強い生命力を感じる。
 しかし、それを切り開く力は、破壊と暴力によるもっとも原始的な力。すべてをなぎ倒そうとするばかりのガッツの未来は破滅の道なのか。その力でなにかを守ろうとする事はできるのか。その難題が常につきまとう死と生が煌めくファンタジー漫画

 圧倒的な世界観、壮大な運命、そして血塗られた行いこそファンタジーの王道。これ以上濃いファンタジーはそうそうお目にかかれるものじゃない

 未だにゴールの予想がつかないほど壮大になってきてるんだけど、作者生きてる内に終わるのかな?
 しかし長期連載にもかかわらず全然勢いは衰えない
 ガッツの生き方はますます輝くばかりだ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-26 05:38:29] [修正:2006-11-26 05:38:29] [このレビューのURL]

10点 谷仮面

[ネタバレあり]

 柴田ヨクサルのすさまじい魂の叫びが爆発していく作品
 谷くんのパワーが魂レベルに比例してドンドン上がっていくさまは見ていて清々しいほどだ
 後日談もちゃんとかかれてて、読み終えた後は満足するはず
 元気がなくなった時にみると元気をわけてもらえる

 再発行される度におまけが追加されていくところもポイント
新しいのにはエアマスターとの出会い編とかも追加されてた

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-11-22 21:27:51] [修正:2006-11-22 21:27:51] [このレビューのURL]

 「そこ行く兄さん観てらっしゃい!」と気軽にお勧めできるほど読みやすい王道中国歴史漫画。ここまで出来がいいのは久々
 ハッタリが効いた武将と、ハッタリで終わらせない深みのある作り込みで読者を引きつけ、そんな武将同士のガチンコぶつかり合いで燃えないわけがない。
 知力を生かした知略戦から、暗躍しまくる政治バトルまで見所満載。ミーハーな戦国好きから、戦術大好き君まで大抵の人を満足させる出来映えだ

 もう一つ鉄板理由として加えるなら、主人公の信の存在だろう。単純バカ、真っ直ぐで絶対ぶれない精神、絶対に仲間を裏切らない心と主人公属性をばっちり備えている。他の漫画で言うならONE PIECEのルフィ、ダイヤのAの沢田、ちはやふるの千早なんかがこういう主人公属性持ちの代表例。でもこれらのキャラクターは核の部分は一緒だが、みんなそれぞれちゃんと個性を出している。信は信以外の何者でもないのだ。
 こういった主人公属性をもったキャラに命を吹き込める作者は例外なく力がある。なによりこういった主人公が真ん中にいると、ムードメーカーでもあり話をかきまぜてくれるので話が盛り上がるし、一番重要なのが読んでる側を前向きな気持ちにさせてくれる事だ。そういった意味でこの漫画は信を作り出せた事でほぼ鉄板の面白さを持っている

 加えてこの作品に向ける作者の熱量が半端じゃない。大群同士のぶつかり合いを週刊連載でやってる時点で気合いが違う。
 そんな訳で大抵の人に勧めやすい見所満載な中国戦国時代のお話。この面白さは鉄板っといっていいんじゃないかな

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-26 00:29:05] [修正:2011-06-26 23:23:51] [このレビューのURL]

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