「Scrooge」さんのページ

ゴッサムシティで記念日ごとに人を殺す殺人鬼ホリデイは誰か?
ハードボイルド探偵小説のようなバットマンコミック。
は、良いのだが、漫画としての可読性が低すぎる。

誰に対し何を表現しようとしてるのかが不明で、全編を通し首尾一貫しない。
派手なキメゴマの多用は食い違いの違和感を助長し、読む側の徒労感をいや増す。
瑣末なエピソードがやたら多いのもマイナス。
苦労して小さな文字を読んでも作品の理解の助けにならず、
キャラクターへの感情移入を強めもしない。
バットマンとキャットウーマンの恋の鞘当てなどどうでもいい。

クライマックスも酷い。
ホリデイの正体はひねりがない上に、バットマンによる看破でなく本人が自ら登場してしまう。
何のために正体を隠していたのか。
さらに記念日と殺人に全く関係がないと来ては、根本的に貧しい作品と言わざるを得ない。

バットマンシリーズに長く親しみ、キャラクターの人格設定や背景、動機付けなどを熟知した読者なら(詰まらないなりにも)読むことは可能だろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-03 14:43:28] [修正:2011-10-03 14:52:59]