「blackbird」さんのページ

総レビュー数: 185レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年03月31日

谷川ワールド全開!
バツイチ、仕事に燃える女、新婚、と、それぞれ立場の違う女性の、それぞれの悩みと、楽しさを描く。
きっと女性なら誰でも感じたことのあるような、寂しさとか、女友達の鬱陶しさとか、焦りとか、そんなものをさらっと、でも、心に響く描き方をする。

「おひとりさま物語」を楽しめた人なら読むべし。

短編も一つ入っています。
これを読むと、誰かと会う時間や、日々を大事にしようと思えるかも。

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[投稿:2011-06-07 09:07:45] [修正:2011-06-07 09:07:45] [このレビューのURL]

3点 天顕祭

書店のお勧めでつい買ってしまいました。

はっきり評価が分かれていますね。
好みの問題かもしれませんが、決して嫌いではないタイプの話だったので、なんで楽しめなかったのかよく分からないです。

導入辺りは面白かったんですが、途中からストーリーがぼやけてきた感じがします。

絵のタッチは嫌いではなかったんですけどね。

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[投稿:2011-06-06 11:30:01] [修正:2011-06-06 11:30:56] [このレビューのURL]

伝説のダンサー、ニジンスキー。
彼の天才たる所以、常人とはかけ離れた魂、精神は、まさに踊りの神が降臨したと思わせる。
そして、彼の悲劇は、降臨したところで、世俗に染まっていかざるを得なかったこと。

同性愛やバレエ団の経営的なことなど、あまりに踊りに専念できない環境によって、どんどん黄金の光が奪われ、狂気に捕われてしまうまでが、哀しくも良く描かれている。

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[投稿:2011-06-02 13:37:13] [修正:2011-06-02 13:37:13] [このレビューのURL]

皆さん書かれた通りです。

最初は笑えましたが、音楽好きな自分としても、笑えたのは2冊程度。
下ネタとしても面白くない。

だんだんワンパターンが苦しくなってギブアップです。


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[投稿:2011-06-02 13:22:04] [修正:2011-06-02 13:22:04] [このレビューのURL]

9点 石の花

名作の名高いこの作品を読むのは、なかなか覚悟がいりました。
日本人にはよくわからない、複雑な民族・宗教・言語の入り混じったユーゴ。その近代史、内戦に至る事情と、そこに巻き込まれる国民、
とりわけ若者の苦しい心情を、よくここまで描いたなと感心します。

話としては、前半の丁寧さに比べ、後半なぜナチスの勢いが失速し、
解放されたのかというところがざっくりしているのが残念でした。
でも、多民族国家の複雑さと、それを悪用したナチスの狡猾さは良くわかり、読んでいてため息が出ます。

幸福を求めることがすでにいけないことなのか?と、そんな哀しいことを問いかけなくてはいけない世界が、すでに哀しすぎます。

そんなに絵が際立って上手いわけでもないのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
ところどころ本当に動き出しそうな場面があったり、自然の中に吸い込まれそうになったり。
コマを見ただけで涙が出そうになったところもあります。

朦朧とした中で森をさまようクリロや、一人死を迎えた老人、
収容所でのフィー、理想を語るマイスナー。
そんな描写に引き込まれました。

簡単に手に取ることはできないけど、一度は読むといい名作と思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-06-02 11:07:18] [修正:2011-06-02 11:07:18] [このレビューのURL]

「自分なんていなくてもいいのでは」と悩むことは思春期の頃は誰にでもある。
それが、親に愛されずに育ったとなれば一層その思いは強くなる。

「愛されずに育った」と思う子は一杯いるわけで、なんでも、たとえば
友達に何か悪く言われても、すべて母親のせいと思ってしまう、という
晶子のマイナス思考はあまり共感できない。
自分の糧を稼げずにきちんと生きていないという事も、
夢がないというコンプレックスも、全部ひっくるめてそのせいにしがち。

実際、夢を実現している人は少ないんだし、何となく周りのせいに
して、ちょっとしたことで優越感に浸る人が多いんだから、そんなに
落ち込まなくてもと思うけど、結構ドツボにはまってます、晶子ちゃん。
目がうつろ・・・。

でも「愛される」ということが、自分の自信を作ったり、人を愛して
いけるという源になる事は確か。
母親の愛し方に問題はあったけど、一言でもいいから何か自分を認めて
くれるものがあるだけで、前に一歩進んでいけるようになる。

一方、母親の愛情を妹の分も浴びて過干渉に育った兄。
彼もまた母親の被害者。
やっぱり愛するって難しいですね。
愛しすぎてもいけないし、どこかで信じて手を離さないといけない。

同級生の漫画家・真希は、成功したものの常に不安を抱えている一人。
病的ぎりぎりの人って、人の愛情にはかなり敏感だから、晶子の行動に
相当神経質になっています。人を試すようなことを言ったりして
いらつきますが、すごく愛情を求めているんですね。

最後に二人が大ゲンカしたとこで、お互いがお互いの事、自分の事を
分かった時、何かふっきれた様子。
最後に晶子の顔がすっきりして、良かったです。

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[投稿:2011-05-29 02:16:53] [修正:2011-05-29 02:17:19] [このレビューのURL]

面白かったですね。
十種競技という、日本ではマイナーな競技にこれだけの光をあてた、名作?迷作? いや、愛される作品です。

無茶苦茶な構図も叫び声も、おちゃめなお父さんも、楽しめる範囲です。
オブライエンの対照的なクールさも引き立てます。

ようやくこれで十種のルールも面白さもわかりました。
ラストはよく覚えていない程ですが、それでも十分楽しめると思います。

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[投稿:2011-05-29 01:54:50] [修正:2011-05-29 01:54:50] [このレビューのURL]

7点 月と湖

信じていた祖父に裏切られてしまったような気持。
祖母への愛を脅かしたような愛人(?)への不信感。
そして、3人の愛情や交錯した思いに、自分が現在直面している彼との
ぎくしゃくした関係を重ねて、色々と思案する一葉。

複雑な事情の中で秘めてきた大人の想いは、まだ純粋な一葉には
理解しがたいけど、だんだんとそんな秘めた感情があるということ、
正直にばかり生きてはいられないことを知っていく。

不器用に、真正直に思い悩み、今度は自分の恋愛に決着をつけようとする
一葉。応援したくなりますね。

作者の誠実さを感じます。

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[投稿:2011-05-28 14:30:31] [修正:2011-05-28 14:30:31] [このレビューのURL]

ええ年をしたおっさん、しかもかなり地味で銀行員のような
おっさんが、ただ町を歩く。
ただ歩くのではなく、いきなり木に登ったり、こっそり
プールに入って全裸で泳いじゃったりと、結構びっくりな行動をとる。

好きなのは路地をくねくねと歩く回ですね。
普通、「ここは人の敷地内かも?入っちゃまずいかな」と
思うような小道も、この人は入って行けちゃうんだろうなあ。

おじいさんと抜きつ抜かれつ歩くのもいいですね。

そよぐ風、雨の降りそうな湿った空気、汗が伝ってきそうな暑さ、
そんなものが伝わってくるような、谷口氏の画力、
相変わらずすごいなと思います。

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[投稿:2011-05-28 14:25:05] [修正:2011-05-28 14:25:05] [このレビューのURL]

7点 海猿

「ブラックジャック・・・」は現実世界との擦り合わせが出来ない主人公が
痛すぎて読めませんでした。

同じような救急を扱った曽田氏の「大吾」ではだんだん超人的、非現実的な事故のレスキューになり、やりすぎだろうと、後半は引いちゃいました。

しかし、この作品は痛くて苦しくて、生死の境の厳しさを突きつけられるけど、その分読みごたえもある力を持つ作品です。

ドラマや映画も頑張って作ったなと思いましたね。
やはりこの原作の良さを壊してはいけないという
スタッフの意気込みの表れでしょうか。

飛行機事故の話もよく描いたと思うし、海上保安庁の事を
世に広めた功績は大きいと思います。

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[投稿:2011-05-19 20:17:03] [修正:2011-05-28 14:13:09] [このレビューのURL]