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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

シークレットオリジンはハル・ジョーダンがランタンとなるまでのお話。
このリバースでは冥府に堕ちたハルの再生が描かれる。
これは多分傑作だろう、熱いぜ!
多分と言ったのには理由があって、上のあらすじを見ると何となく分かるかもしれない。
何の予備知識もなく見た人はどうなるか。オリジンでハルがランタンになりました。これからハルはどうなるのかわくわくです。リバースを見ました。え!?何でハル冥府に堕ちちゃってんの?しかもその前に最高のランタンになってたわけ?てか冒頭の地球担当のランタン達は誰よ?
あれ?キングクリムゾン時ぶっ飛ばしちゃった?
実際ダイジェスト的な感じでリバースの作中で大まかな経緯は説明されるので大筋はつかめても、細部の情報は全く足りない。事前にグリーンランタン/グリーンアローを読んでると多少はましだがそれでも足りない。解説見ても実感できるのとは違うしね。
こんな不親切な刊行になっているのもしょうがない部分はあって、まずランタンは連続したストーリーが続いているのでそれを全て邦訳することは恐らく出版社的に難しい。また、リバースからリニューアルされたこのシリーズだが、ハルが堕ちるまでの作品群はその一つ前のシリーズにあたるということ。ということでかなり流れをぶっ飛ばした邦訳になってしまったと。
バットマンだとそれ自体でほぼ完結する作品が多いんだけど、ここらへんは長い時に渡って連載されるアメコミならではの楽しさでもあり弊害でもある。
このリバースというのはスターウォーズを彷彿とさせるような壮大なエピソードなわけです(実際参考にしたらしい)。スターウォーズとは逆ベクトルの、堕ちて、苦悩し、それでも内で戦い続けたハルの堂々の復活とランタンズの再生。しかしエピソード1を見て、2を飛ばして、3を見たときにそれが十分に楽しめるかというと否でしょう。
ハル復活!!ハル復活!!ハル復活!!ハル復活!!なんて烈海王ばりにテンション上がりつつもそれだからこそこの作品をそういう事情で十全に楽しめなかったことは残念だなと思う。いやー、でもランタンズには熱くなったしガンセットは渋かったし、何だかんだかなり楽しめた。相変らずオリーもかっけぇよ。ランタン/アローが大好きな私は彼とハルとの絆にはほろっとね。
本作のライターのジェフ・ジョーンズはマーク・ミラーあたりと並んで間違いなくこれからのアメコミを引っ張っていく人。フランク・ミラーがDKRでスーパーマンをぼこぼこにしたように、ハルがバットマンを殴り倒してるのも彼の新たなヒーロー像を作るという決意の表れと思える。
結果熱く無鉄砲な少年漫画の主人公としては共感できる好感度の高い主人公に仕上がったわけだけど、あまりヒーローとしては魅力的ではないかもしれない。でもDKR以降ミラーのバットマンの類型がスタンダードになっていた中でそれに風穴を開けたというのはかなり歓迎すべきことだし、すばらしいことだろう。もっと色んなヒーローがあっていいよね。
リバース後も話は続いていきます。それらが邦訳されるかというと、正直映画がアメリカでは大コケしたのでめちゃくちゃ不安。映画に合わせてそれ関連の邦訳というパターンが多いので続編がないと果たしてどうなるか。
皆さん今からでも映画見に行きません? もちろん邦訳されたランタンシリーズを買ってもいいです。このままだとブラッケストナイトまで行き着くかが怪しいような…。
ヴィレッジさん、よろしくお願いします! そして願わくばエメラルド・トワイライトあたりから邦訳を!
誰かまじでAKB買いしてくれないものか笑。
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[投稿:2011-09-21 01:48:27] [修正:2011-09-21 08:25:49] [このレビューのURL]
フランク・ミラーが手がけるダークナイト・リターンズの続編、ダークナイト・ストライクス・アゲイン。
DKRが非常に完成度の高い作品なのでいったいどうなるのかと思えば…いやはやとんでもない。ミラーさん好き勝手やってるぜ笑。
実はアメリカはスーパーマンの宿敵レックス・ルーサーに影で牛耳られていた。大統領さえルーサーが作り出したホログラム。
バットマンは囚われた仲間を救い出し、地下からアメリカに対して反旗を翻す。
とまあヒーローが敵に支配されたアメリカとはいえテロを起こしちゃうわけだからそれだけでもけっこうパンクな内容。それに加えてミラーさん、色々とめちゃくちゃなことをやらかしてます。
だってアメリカの電気料金が安いのはフラッシュ(超高速の能力を持つヒーロー)がネズミよろしく走って車輪を回すことで大量に発電しているからだったり、グリーンランタンが姿を変えて異星人と結婚していたり、おいおい大丈夫か?笑っていう展開が盛りだくさん。
正直けっこう笑ったんだけど、ここらは原書で未邦訳の作品を読んでたりと熱心なファンの人はより楽しめるんだろうと思う。
物語としてはフランク・ミラーの「衝動」や「怒り」が刺激的に楽しめるものの、悪く言えば暴走気味、破綻気味なのでわりと否定的な意見が多い作品な気がする。私はけっこう好きだけど。
細部がかなりブラックで何気に興味深い。アメリカに従うスーパーマンは、そのアメリカが悪に乗っ取られたらどうするのか。グリーンランタンにしろ何じゃありゃとは思いつつも背筋が冷える部分もあったりする。強烈な皮肉とブラックジョーク。
何より色んなDCコミックのヒーローが登場するのでそこが1番好きだったり。基本的に邦訳されるのは知名度のあるバットマンやスーパーマンが中心で、最近ようやく映画化でグリーンランタンがそこそこ邦訳され始めたかなというくらい。
他のヒーローに関してはこれやキングダム・カムあたりのクロスオーバー系やジャスティス・リーグ系の作品でしかほぼ見れないからね。フラッシュやアトムあたりは単体での作品も見てみたいな。
ミラーの暴走に笑いつつ、そのブラックな要素に刺激を感じつつ、色んなヒーローを楽しめるこのDK2、なかなかおすすめしがたいです。正確に言うと、ある程度DC社のアメコミを読んできた人が読むと楽しめる作品ってこと。私もまだまだ。
今は小プロからDKRとDK2がセットの完全版が出てるので一緒に読んでもいいのだけど、バットマンしか読んでなかったりすると間違いなくぽかんとなります。少なくとも私はそうだった笑。
でもアメコミにはまっていくほどにDK2もより楽しめるようになっていくと思う。そういう意味で気にせず読んでもいい。それもまた一興。
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[投稿:2011-09-19 15:21:29] [修正:2011-09-20 00:35:06] [このレビューのURL]
おもしろいのかというとよく分からない。
すごいってのはひしひしと伝わってくる。
これ物語にトリップできたらとんでもない快感なんだろうなと思いつつ全然そこまで行けてないので一応7点で。
高野文子作品ほぼ全般に言えることだけど、思うことはたくさんあってもそれを文章にするのが難しい。
書けそうになったらまた修正します。
まあとりあえず読んでみようってこと。色んな意味で孤高の人です。
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[投稿:2011-09-17 02:59:35] [修正:2011-09-17 02:59:35] [このレビューのURL]
7点 こどもの体温
父親と息子の父子家庭を中心としたよしながふみのオムニバス短編集。
傑作佳作ぞろいのよしながふみ作品ですが、こどもの体温は比較的マイナーな気がします。とはいえかなり良い作品。
「僕の見た風景」以外は物語は淡々と進みます。ちょいちょい(1話目とか)多少ショックなことも起きるものも流れる空気はあくまで穏やか。
それではつまらないのかというと決してそうではなくて、登場人物のちょっとした仕草や何気ない会話、表情などが実に良いためか、がんがん読まされます。ストーリーに重きを置いているのではなくて、志村貴子に代表されるように行間を読むのがすごく楽しい。
よしながふみはフラワー・オブ・ライフを読んでから好きになりましたが、こどもの体温でさらに好感度が上がりました。何か良いよねぇ。
あまり目立たない作品ゆえに、ぜひぜひおすすめ。この頃からこの人が描く食べ物はおいしそうで読んでるとお腹が減ってきます笑。
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[投稿:2011-09-14 00:51:46] [修正:2011-09-14 00:51:46] [このレビューのURL]
7点 ももんち
何気に冬目作品で1番好きかもしれない。
ももの家族に守られてる感じや、ちょっと抜けてて、でも優しい性格に癒されますね。
冬目先生が「昔の少女漫画を目指した」と言っているように、シンプルで淡い恋が描かれています。恋の手前の憧憬だったり、恋のようなそうでないようこの淡くもどかしい感じが好きです。
ももが一歩踏み出すまでをほのぼのと描いたこの作品、冬目作品の「陽」の部分を良いとこ取りしたみたいで実にいいです。
今後も何となく読み返していくだろうな。良作。
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[投稿:2011-09-08 02:13:31] [修正:2011-09-08 02:13:31] [このレビューのURL]
7点 岳
山岳救助漫画なのだが、新人とは思えないほど一話一話のクオリティーが高い。何の装飾もなく描かれる遭難者たちは、あるときは救出され、またあるときは間に合わず死んでしまう。
助かるか、死んでしまうかの割合は半々くらいで、中々重い話も多いのだが、死んでも何かを残していくというのがほとんどであるので素直に感動できる。ラストの三歩の「また山においでよ」という言葉によってうまくしまって読後感はすっきりとしたものだ。
択一というエピソードが個人的には一番好き。すごく切ないです。今後ますます知名度上がると思われるので、今のうちに読んでおくことをすすめます。
【追記】
9点から7点に変更。
岳も10巻過ぎてきてマンネリ化が否定できない。以前の評価は4巻時点で、このあたりはまだ鮮烈な印象を受けていたからこその評価だったわけで…。
基本的に話が2パターンしかないのが見えてきてしまった。人が亡くなったら、近親者や友人がそれを受け入れるまでの話。そうじゃなければ、悩みを持った人が山に来ることで新たな光明を見出す話。
これから新境地を開拓してくれれば良いとして、このままの調子で続けるなら5巻くらいで終わるべきだったなとは思う。阿久津やナオタ、おばちゃん辺りの話で試行錯誤をしているのは感じるのでまだ希望はあるんじゃないか?
まだぎりぎりで良作。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2007-09-16 22:21:42] [修正:2011-09-01 15:33:03] [このレビューのURL]
7点 ORANGE
サッカー漫画の隠れた名作といわれる作品。
スペイン帰りの天才ストライカーを中心にJ1(作中ではF1)への昇格に熱く燃える南予オレンジ の躍進を描く。
J2のクラブを舞台として貧乏クラブの経営問題、弱小クラブへの地方自治体のお荷物としての批判、代表への召集、サポーター問題などかなりマニアックな題材を取り上げている辺りがかなり先進的です。数多あるサッカー漫画とは目の付け所が違っていてかなり興味深い。
そういう二次的な要素が楽しめるのも、やはり熱くなれる試合があってこそ。最初の方の期待されてなかった仲間がどんどん覚醒していく展開なんて王道ですが鳥肌ものでした。下柳なんてあのフラミンゴがめちゃくちゃかっこよく思えましたから笑。最後の昇格をかけた2試合は言うに及ばず。さくさく進むのもいいですね。最後の方には戦力外通告や移籍を示唆する場面もあり、勝負の世界の厳しさというのも感じられる作品でもありました。
欠点としては導入部とフロントのリアリティのなさ、そして何といっても画力です。
導入部のあまりに漫画的な感じはその後と比べてかなり違和感がありました。そして結局最後まで違和感ありありのフロント。社長、スカウト、広報、マネージャーなど絶対こなせない内容を高校生の女の子がほぼ1人でやるのはいくら貧乏といってもちょっとね…。ここは作者も反省があったのか後にオーレ!で詳しく描いてはいるようですが。
絵は正直きつかった。意外なことにここのレビュー見てるとあまり気になってる方はいないようですね。個人的には、話に深く没頭している時に絵のせいで現実に引き戻されることがけっこうありました。特に序盤の効果線なんてひどかった。下手というかアクション向きではないというか。当たり前のことですが、やはり漫画は絵と話の両輪そろってこそだなというのを強く感じます。
ジャイキリとよく比べられるのは似たような題材を扱っているからでしょうね。どちらにもそれぞれの良さはあると思いますよ。サポーター問題一つ見ても明らかですが、ORANGEがテーマを分かりやすくすっきりと描いているのに対して、ジャイキリはより肉付けしてやることでドラマ的なおもしろさをも楽しませてくれます。
何を求めるかは人それぞれでしょうが、良質なのは間違いないんだからどっちも読めばいいじゃない!別に片方がもう片方の下位互換とかではなくて一長一短あるのでどちらも楽しめればベターです。
主に絵が原因で話に乗り切れなかったので7点。絵と相性がよければもっとはまれるのにというこの残念さは話が非常に良かったからなのでしょう。しかし高得点も納得の傑作ということは間違いない。
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[投稿:2011-08-23 15:36:39] [修正:2011-08-24 22:25:41] [このレビューのURL]
7点 乱と灰色の世界
漆間家は灰町に隠れて暮らす魔法使い一家。乱はお気に入りの靴を履くことで大人の美女に変身できるし、兄と父は動物に変身できる。母の静は単身赴任中。まだまだ子どもでトラブルを起こしがちな乱を中心に漆間家のとんでもない日常を描く。
大人乱とどこぞの御曹司凰太郎の恋愛?や兄の陣の発情期など見ていて楽しくなる日常も描きつつ、あちらの世界の暗い部分が平行して語られます。見た目は美女でも中身は天真爛漫な子どもの乱は可愛らしいですね。凰太郎がドキッとくるのも分かります。珊瑚ちゃんは正統派美少女的な可愛さですが。
やはり乱と灰色の世界の一番の魅力は繊細で個性的な絵。
古き良き時代の少年漫画に少し前の魔法少女もののテイストを足して今っぽくリファインした感じというと伝わらないかな?多少懐かしさを感じつつも洗練された他にないような絵柄ですね。表紙のような色彩感覚もセンスあるなーと感じます。fellows!でいうと星屑ニーナと並んできらきらした魅力的な世界を描ける方です。同誌の入江系の絵の多さを考えるとかなり影響力のある看板と言っても良いかも。
今の所話がまだあまり進んでないというのもあって世界観ありきの雰囲気漫画の域を出ていません。日常以外にあちらの世界など重めの要素が垣間見えるのでまだ方向性が定まってないぐらぐら感を読んでいて感じています。
欠点といえば、今まで長編作品がなかったからなのか話のスムーズさや各話の全体的な統一感がないような…。時系列の前後や構成のせいか話のぶつ切り感が全体的にものすごいです。慣れなのかな?後、凰太郎の外道っぷりがだんだん洒落にならないレベルになってきててもはや不快。
絵と世界観があまりに魅力的なので色々ともったいないように感じて欠点を書き連ねてしまいましたがおもしろいです。
学校に居場所がないゆえに背伸びして大人に変身してしまう乱とか、大人の乱を好きな凰太郎とありのままの乱が好きな日比とか掘ればさらにおもしろくなる要素はたくさんあって伸びしろは大きくありますし。雰囲気だけでなく深みも感じられる作品に化けたら加点するつもり。
余談ですが、何気に至る所にドロヘドロの影響を強く感じます。脱力系の美容魔法、虫や扉などのあの世界の雰囲気、たま緒の能力とか。うまく消化してプラスにしてますね。
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[投稿:2011-08-22 02:51:43] [修正:2011-08-22 03:06:25] [このレビューのURL]
7点 いつもポケットにショパン
「天然コケッコー」などで知られるくらもちふさこのピアノ漫画。くらもち先生の出世作です。
幼馴染の麻子と季晋(きしんちゃん)。彼らは同じピアノ教室に通い、いつも一緒に遊ぶ仲良しだった。しかしきしんちゃんはピアノ留学のために中学校からドイツに行くことに。その2ヵ月後、麻子が新聞の中にドイツで事故があったという記事を見つける。きしんちゃんのお母さんは死亡し、きしんちゃんは失明の恐れありということだった。その後きしんちゃんの消息はつかめず麻子は高校生となるが…。
天コケでくらもち作品に触れた私にとってはこの作品は相当意外でした。それだけ今と作風が違いすぎます。天コケ以降のくらもち作品はリアルさを追及している印象ですが、いつもポケットにショパンは話といい絵柄といい少女漫画色が強いです。また、30年ほど前の作品なのでしょうがないことですが古さを感じる場面がちらほら。悪い女が不良に金を払ってヒロインを怪我させようとするなんて実際見たのはこれが初かもw
ストーリーは本編以外に脱線しがちで全体的に弛緩しているように感じましたが要所要所で非常に印象的なシーンがいくつかあります。実際に読んで欲しいのでネタバレは避けますが、退屈な話も多いんだけど爆発力は半端じゃないという感じ。ラストも良いですけど、愛子の麻子に対する愛情をたった一言で表した場面は個人的漫画史に残る名シーンです。くらもちふさこすげぇーよ。
演奏シーンは迫力があり、ドラマ性の高い演出で盛り上げます。麻子のきしんちゃんや愛子に対する気持ちがびんびんに表現されていて鳥肌ものです。まさにありえないほど劇的。
スポーツ漫画とかだとトラウマとかその競技以外の話を持ち込むことが純度を損なうとかで嫌う人もいますがピアノ漫画はまた別ですね。感情表現に直でつながるので見応えがありますし、カタルシスがものすごいです。
これ以降くらもち作品はどんどん絵も話もソリッドになっていきます。しかし初期の作品ではあるもののいつもポケットにショパンは未だに1番人気で、少女漫画好きの中ではこの作品の評判は非常に高いそうです。とはいえくらもち先生は「最初と最後だけ良くて、中盤がどかっとだめ」という風に仰っておりあまり気に入っていないというのも分かるような気がします。私はリアル志向の現在の作風の方が好みですが、違った味わいのあるこの頃の作品も良いです。
欠点は多いもののそれを補う爆発力と魅力がこの作品にはあります。私が一つピアノもので選ぶとしたらこれです。おすすめ。
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[投稿:2011-08-16 01:56:03] [修正:2011-08-18 00:49:53] [このレビューのURL]
7点 鉄コン筋クリート
少し懐かしいような温かさを持つ街、宝町に生きる孤児「シロ」と「クロ」のお話。純真無垢なシロと喧嘩に強くたくましいクロが共に生きる姿を描く。
この作品の魅力の殆どは松本ワールドとも言うべき宝町の雰囲気や独特なキャラクターの魅力にあります。
宝町は古き良き時代のまだ義理や人情が生きていた個性的な街でした。そこに外部の企業やヤクザが手を伸ばしていき、宝町は少しずつ変容していきます。1巻最初の見開きで見られるような開放的でぶっ飛んだ町並みは話が進むごとに変化し、退廃的で無個性な灰色の町並みへ。その変化に抵抗するシロとクロ、ヤクザの木村の話が主に描かれます。
町が変化し、彼らが傷ついていくのを見ているのは本当に辛い。そんな中、シロに接することで人間味のある優しい人間になった沢田には感動させてもらいました。また木村の話はもうね…。そして怒涛の勢いで描かれるクライマックス。
好きな作品ではあるものの、少し消化不良に感じられたのが残念。宝町は明らかに近代化されつつあった時代の日本のメタファーだろうし、そこここに作者の主張を感じるものの結局何が言いたいのか分かりにくい。恐らく連載当時あまり人気がなくて打ち切り(有り得ないだろ…)になったことで最後の方が急ぎ足になったことが影響しているのかもしれませんが惜しいですね。
世界観の魅力は松本作品の中でも随一でしょう。特に宝町の描写は大好きでした。言葉選びもこの頃からセンス抜群です。
街に浸り、その住人に酔える作品。まさにかっちぶー。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-08-13 01:27:17] [修正:2011-08-13 07:12:53] [このレビューのURL]
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