「Scrooge」さんのページ

ヤクザ組織に潜入捜査する警察官の話。
泥臭い絵柄でオシャレさは欠片もないが、それすらも作品の魅力にとりこんでしまっている。

面白さで言うと海外ドラマ24の初期シリーズに近い。
次々に危険がせまり追い詰められた主人公がどうやって危険を乗り越えるかがポイント。
単行本10巻まで読んだところでは、このサスペンス要素は非常に成功している。
絶体絶命の状況を演出し、打つ手なしに見える場面で主人公が何とかする。
この繰り返しはやはり気持ちいい。

ストーリー本筋の語り方も巧み。
ヤクザにはヤクザの事情がある。凶暴だが人間的に魅力を感じる。
警察には警察の事情がある。一般市民を蝕む麻薬犯罪を抑制しなければならない。
読者はヤクザと警察の狭間でややもすれば揺れる。
だが主人公は迷わない。最終目標であるヤクザの大ボス逮捕へ向けてひたすら突き進む。これも気持ちいい。

まとめて読むとえづきそうなほど濃い漫画なので、ちょっとずつ読むのがよろしかろう。

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[投稿:2013-07-01 09:41:05] [修正:2013-07-01 09:41:05]