「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

8点 神童

無駄なものは描かず最小限の情報を。
漫画らしくキャラは記号に。けれど2人の主人公はのびのびと自由に。
なんとも漫画らしい漫画だと思います。
決して画力が低いとは思いません、少なくとも表現力で補える範囲かと。仮にも実技試験のある京都精華大学マンガ学部マンガ学科の准教授ですしね。

『のだめ』『ピアノの森』と比較されがちだけど土俵は違います。
前半の野球部分、漫画じゃよくあるパターンだけど、正直あまり好きではないです。けれどそれを含めて、全体のテンポが良い。
特筆すべきはやはり後半部で、特に4巻(文庫版3巻)の流れるような展開は素晴らしいです。

全てが音で表現され、音で感じ、音で見、音に生きる世界観。
うたとわおが求めた音、得た音、すれ違う音、行きついた音。
名をあげるほどに遠ざかる音、音を失って得た音。

自分もピアノを嗜んでいますが、同じ曲を弾くにしても弾き手次第で全く異なる音が生まれるのは本当に神秘的で奥深いです。
最近では全盲のピアニスト・辻井伸行が有名になっていますが、ぜひ聾者(耳が聞こえない人)のピアニストの音も感じてみてください。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-23 00:15:09] [修正:2010-12-23 00:15:09] [このレビューのURL]

ちょっと思い入れが強すぎて冷静に評価できない類の作品です。
コロコロ厨だったある日、出かけようとしたらたまたまジャンプが自分の自転車のかごに捨ててあったんです。当時はカードゲームブームで、ジャンプはたまに本屋で「遊戯王」だけ立ち読みするくらいでしたから、そのジャンプで初めて隅から隅まで読みました。
コロコロ厨だった自分にとって、連載作品全てが新鮮で大人な感じがして…案の定、続きが気になりコロコロを卒業してジャンプを買い始めるきっかけになったのですが、何の続きが気になったのかと言うと、この「シャーマンキング」だったわけです。「H×H」や「ワンピ」も差し置いてこれ。
シャーマンファイトの3回戦、葉対蓮のバトルの始まりの回。画・内容ともに魅せられました。

ゆるーい雰囲気を楽しめるかがポイントであり、作者もそれやギャグを楽しんで描いていて、人気が落ちない程度にバトルも描こうって印象があります。恥ずかしいこと大好き!って作者で、そこが好き。
でも悲しいかな、正直この人はシリアスの方が面白い。ゆるさも独特で味ではあるけれど、時にウザったく、でもそれでもシリアスは外さない。

実際キャラは好き嫌いはっきり分かれて、木刀の竜なんて絶対作者お気に入りだろうけど、ちょっと生理的に無理…
最初のファウストvs葉なんて大好きなんだけど、葉の仲間になった後のファウストさんはよくわからん。ガンダーラなんかは仏ゾーン繫がりのスターシステム。
それに対して麻倉家はみんな個性的で好きだし、リゼルグ、蓮、パッチ族、そして葉王一派!とにかく葉王のインパクトは強烈で、マタタビとの過去編も大好きです。カッコよすぎだろ葉王!

通常版と完全版のどっちを買おうかと「ちっちぇえ」ことで迷ってるあなたへ。
完全版は高いので24、26,27だけ買えばあとは通常版で「なんとかな」ります!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-17 21:46:08] [修正:2010-12-12 11:20:44] [このレビューのURL]

8点 GANTZ

(2010年12月 冷静に面白いので加点させていただきました)
グロテスクな表現などが嫌いでなければ、間違いなくはまれる漫画です。

発想がすげーの、楽しめるーの、敵星人個性的ーの、不条理ーの、玄野の恋愛応援できるーの!レイカじゃなくてたえちゃん選んだ時点で、こいつ漢だって思ったよ!
仏像編はアドレナリン出まくり、やりすぎでしょ!?

人が簡単に蘇ることについては、作中でも議論されてます。師匠とか。要するにそういうテーマ性も持っている話なので、個人的には減点ポイントじゃないです。設定自体、一度死んだ人間がGANTZに来るわけで、元よりこの世界観では命を軽視されている。最近の展開もばんばん人が死にますし。
命の価値を極限まで低めることで、命について問う漫画だと思ってます。

CGを駆使した圧倒的な背景画と見開きは必見。
小説版も面白かったですよ。アニメ版はつまらなかったですが。
巻は長いけど1巻当たり10分程度で読めます。レビュー数の多さからも、この作品は読んでみるべき。評価なんて人それぞれっす。。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-10 21:24:07] [修正:2010-12-05 02:12:07] [このレビューのURL]

数あるロックマン漫画の中でも、この人のものが間違いなくNo.1!

ロックマン自体も大好きですが、この人の描くロックマンには葛藤も強く描かれていて、幼い頃読んだときは結構衝撃的でした。
特にボンボン冬季刊号に掲載された「史上最強の敵」はヤバかった。
もう一人のロックマンの、切なく、心に残る話。
メットを外したロックがカッコよすぎるっ!ロールちゃんマジ天使!!
十数年ぶりに改めて完全版で読んでみたけど、全然色褪せてませんでした。

有賀氏は超ゲーマー、特に超ロックマンオタクです。自分の大好きなものでお金を稼げるのは羨ましい限りですが、実際には復刊したのは最近で、かなり苦しい思いをしたようで。
児童向けと侮ることなかれ、有賀ロックマンは子供から大人まで楽しめるかなりの良作です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-17 00:08:33] [修正:2010-12-02 01:54:26] [このレビューのURL]

エニックスお家騒動のため、掲載誌も変わりコミックも分けられてしまいましたが、池田屋事変までの一区切りつくところまでしっかり描かれています。

ほんわかしたペースで進む話に心安らぎ、歴史を動かすシリアスバトルはかなり厳しくシビアで戦闘の中に緊張感があります。
多少グロい表現、緩急の激しい展開、きれいな画。
新撰組の物語を、鉄之助という実在しながらスポットの当たることが少ないキャラ視点で描いています。

この作品の続きである「PEACE MAKER鐵」は描写や表現、展開が凄まじいので、こっちの心温まる絡みを存分に味わっておいてくださいw
鉄之助と鈴…この二人の関係に注目です!


追記と余談
ドラマ化されましたが、うん、漫画のが全然良いです。
ブレイド版とガンガン版がありますが、ガンガン版の方が個人的にオススメ。表紙が好みス。あと後書きもあるし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-11 01:34:17] [修正:2010-11-15 03:51:51] [このレビューのURL]

(2010年10月更新)
自分は漫画もアニメも小説も全部おいしくいただきました。面白さは漫画=小説>アニメって感じです。結構読み返した数少ない漫画。

カタルシスってだけの終わり方ではなく、死の中にも救いを見ることができる。死を意識することで、否が応にも各自の特別な事情のある日常と決着をつけるために現実と向き合って成長していかねばならない子供たち。

確かにチズやカナのエピソードでは、泣かせようって意図も見えなくもないけど、重要なのはチズのラストエピソードとカナを通したウシロの成長。
「自分の命をかけてまでこの世界を守る価値はあるのか?」
「命懸けで得た力を、何のために使うのか?」
好き嫌いはあれど、こうしたテーマをこうも独特(鬼畜)な設定で、巧みで自然な伏線と抜群の構成力で描き上げる漫画家は、彼くらいなものです。

何故パイロットが子供なのか?
そこにはパイロットの残りの生命力に比例して強くなるという設定や鬼頭さんのロリータな趣味(笑)もあるだろうが、一番の理由は、打算で動いてしまう大人たちより、純粋に「大切なものを守りたい」と覚悟を決めて大きく成長していく子供たちの方が強くたくましいからだろう。
実際、コモ戦やウシロ戦では敵側の大人たちは自分の地球を見限っている。
精神的成長は大人以上に、子供の方が飛躍的。
戦いの前の、子供たちの「成長」のエピソードを、じっくり大切に読んでみてほしいす。


以下余談
・ナカマの話が一番好き!ナカマニア!
・11巻につくオマケ編はマニアックなギャグです(アニメ版の中の人を知らないときついものも)。
・画集は、後日談も付いてますが、ファン以外買う必要はないと思います。
・ガイドブックはストーリーに深みを持たせる話題もあるので、興味があれば是非!
・ぼくらののセルの移動の概念は、なるたるの竜の子の再生・複製の概念に匹敵。鬼頭作品は設定に一貫したリンクがあるそうです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-12-10 19:59:19] [修正:2010-10-17 02:04:55] [このレビューのURL]

凄い。

物語は全てラストのために描かれるのだが、その過程も丁寧で面白く仕上げられている。
そして迎える激動のラスト…

似たラストの作品を挙げるなら、古くは「ナウシカ」や「地球へ…」など。
最近のSFやセカイ系にも似たようなものが挙げられる(というか最近のものはこれらの影響を受けているので当然っすよね)。
なので作品の古さを特別視しないならば、単に「SFらしいラスト」で括られてしまうかも。だが、この作品の凄さはそこ(だけ)じゃない。
神のデザイン、表現の素晴らしさ・美しさ、敵味方問わず魅力的なキャラの数々…それらも備品にすぎない。

この作品の凄さ、それは物語を通して導き出されたその「結論」
‐神は「必要とされない」存在になったこと‐

宗教や信仰をテーマに入れながら、結果的に神は必要ないと結論付けてしまった!神殺しの作品はあれど、神を捨てる作品はそうそうないだろう。
ましてこれほどのクオリティと説得力をもってそれを描いた作品はこれ以外ない!まさに、今となっては宗教への関心薄く、特定の宗派に属さない人の多い日本だからこそ許された結論だ(欧米やイスラム圏じゃ…)。

救いは人それぞれ異なり、それは時に善であり、時に悪である。永遠の平穏が約束された理想郷では決して癒せぬ傷もある。
善だけが、悪だけが人の姿なのではない。人間とは「進化する反調和」だ!

こうした結論がかなりの説得力をもって描かれていることが凄い。
善なる透祜と殺戮に快楽を感じてきた夭祜が一つになるシーン
平和を尊ぶ亞神の味方をしてきた鷹野が、平和の楽園を築いた亞神の天音を斬り消すシーン
決して剣を取らなかった青比古が、一狼太を殺すことで救うシーン
敵も味方も誰も彼もが血にまみれ辿りついた結論。

凄い。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-08-11 00:03:55] [修正:2010-08-18 15:26:35] [このレビューのURL]

私は最初同名小説からこの作者の作品に入った。

小学生で小説嫌いだった私が、はじめて好きになった小説。

面白い。本当に笑える。大笑いもあるけど、基本はニヤニヤ

その後漫画もあることを知り、読んだわけだが…

一番思ったことは、やはり画力は漫画の質に影響を与えないということ。それよりも重要なのはセンスや感性だということ。
この作品も小説には小説の、漫画には漫画のよさがあった。ほんわか感や目で訴えてくる感じは、漫画だけの特典だろう。

この作品の舞台はリアリティのある日常だが、リアルな日常ではない。
各キャラが役割分担されてる感があるが、そこがまた漫画というメディアの性質を生かしていると思う。
しんみりな話は本当にしんみりする。

アニメ化もされ、もはや日本を代表する作品と言えるかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-27 01:51:17] [修正:2010-08-13 03:02:27] [このレビューのURL]

8点 モテキ

自分が主人公に感情移入できるか否かで、この作品の面白さも変わってくると思う。

この漫画はかなりのリアリティをもって描かれている。しかし、これがリアルかどうかは、人それぞれだ。
でもこの漫画を120%楽しめるのは、やはり自分が今でいう「草食系男子」である必要があると思う。というか、そうであれば嫌でも主人公に自分を重ねてしまえるのだ。そうなると、ストーリー的に面白いかどうかはどうでもよく、自虐感に苦笑さえしてしまえる。
しかし痛みを感じるのは序盤だけで、中盤以降この作品は指南書的な役割を果たすかもしれない。読んでいて「やっぱそうだよなぁ」と思えることも多々(わかっていても実践できないのが問題なんだけどね)。だが、そこに大きな希望を抱かせてくれるのは、作者が女性であるということ!女性が描く、男性の恋愛コンプレックス話なので、「あ、やっぱ女性もこう思ってるんだ!」って感じるのは、もうこれ以上とない援護射撃だ。

女性のタイプも1通りでなく、様々なので、自分に近い状況も見つけやすい。別にに自分が草食系男子じゃなくとも、どのキャラでもいいから感情移入できてしまえば、この作品は「面白い」という枠組みを超えた価値をもつはず。

従来の恋愛漫画とは違う、現代的な作品。
あなたにとって、このお話は「現実的」なお話ですか?それとも「現実」なお話でしたか?

(2010年8月追記、全巻読了)
締め方は、後書きで言っている通り、フジの成長譚として十分だったと思う。結局この話は恋愛物語ではなく、フジの自信のなさやモテないというレッテルが根拠のない妄想であったことを気付かせる話だったのだ。
作者は、世の草食系男子達に警鐘を鳴らしているのかもしれない。

「モテ期は向こうからやって来るものではなく、自分で行動を起こして手にするもの。
自信を持てない自分に嘆き、草食系なんて枠組みに甘えて、時間があなたに出会いをプレゼントしてくれると思ってるの?
さあ、行動するんだ!!
周りの人間に頼ったっていい、フジでさえ動き出したんだ、乗り遅れるな!!」

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-03-30 15:46:34] [修正:2010-08-05 22:27:41] [このレビューのURL]

例えるなら、「ハリウッド映画長編3部作」とでもいったところでしょうか。
ジェットコースター式のアクションシーンは少年漫画も目が点です。

画の描き分けがうまくできていないので、最初のうちは本当にわかりにくいです。でも読み進めてだんだんと人物関係などがわかってくると、描き分けが下手でもわかるようになってきます。要はその頃には作品の世界観に飲み込まれちゃってるってこと。

BLと取るか友情と取るかは人それぞれかと…それより、注射とか打たれて気が狂ったりする様を見るのが嫌な人は覚悟を。自分も苦手ですが、話の面白さの方がどうにか勝ちました。

とにかく舞台の全てがアッシュのためにあります。
脇を固めるキャラクターも非常に良い味出しているのですが、全てアッシュの凄さ・活躍のお膳立てになっちゃってます。
でも良いんです。これはアッシュに始まり、アッシュに終わる、アッシュのための物語だから。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-31 20:23:34] [修正:2010-07-31 20:23:34] [このレビューのURL]