「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

[ネタバレあり]

小6でサンデーを購読するきっかけになった作品です
シロとイコロの短く、けれど懸命な、ふたつのカケラの物語

吹雪の中、切り立つ山肌に沿って走る列車の大破シーンから始まる第一話の引きは圧倒的
「高いカベに囲まれ、ただ雪に埋まって死んでしまうことを待ってる……」というプロローグで描かれる世界観は、ディストピアな夜の国と大きく迫る月とのコントラストでもの悲しい美しさを感じさせます

独特な設定、美しく壮麗な背景、丸っぽくデフォルメの効いたキャラクター
6巻のシロとコロリの話には泣かせてもらいましたが、正直、戦うたびに記憶を失う野生児シロを扱い切れてない。度々記憶喪失になるのでテンポが悪いです。
そして最後にはどうしてもナウシカとの比較になっちゃいます。クライマックスの戦族とな問答なんかも漫画版ナウシカに酷似。そしてかませ犬で終わる戦族。
最終兵器彼女と比べれば設定も終わり方もわかりやすいですけど

これ、作者の自費出版なんですね。連載打ち切り後の大幅な加筆修正で、当時時と進行や内容が大分変わってしまってます。
正直連載時の方が面白かった。
特に3巻の重剣士対シロのバトルシーンは好きだったのですが、サンデー連載時はかなり臨場感と躍動感のあるシーンだったのに、修正されたコミックスでは劣化。サンデー捨てなきゃよかったなぁ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-10 20:52:22] [修正:2016-01-02 21:52:50] [このレビューのURL]

旧版2巻のscene 8とその続編の10がお気に入り。
この二話の主人公の男の子は、敷居の住人や放浪息子みたいな巻き込まれ型の受け身形なんだけど、Hな話な分、奔走してしまう少年の姿(特に表情や目線)にいつも以上に萌えさせられます。
素直になれず堪え忍んだ少年時代を経て、ひねくれた青年へと順調に成長(?)していく……これぞ志村節!

若者に支持される作家だと言われるけど、永島慎二とも岡崎京子とも浅野いにおとも違う感じ。
ダメ人間を描くところは同じだけど、それを暗い話なんかには絶対にしない。
事件もない。日常の一部を切り取っただけの、オチのない深夜番組のような世界観。
ほんと大好きです。

ちょっとアブノーマルで、ちょっとダメダメな人たちを集めた短編集。
ポイントは、登場人物は皆ちゃんと自分がアブノーマルでダメ人間だと自覚しているところ。性癖が特殊なだけの一般人。
だけどダメ人間だから流されちゃうんです。
それでもまぁ、どうにかなる日々。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-29 01:02:00] [修正:2015-12-20 04:25:33] [このレビューのURL]

とんでも系でエロ重視の漫画だが、ところどころ激熱展開が待っているから見逃せない。
ジュナザード編や、緒方一神斎編でリミが崩れた後のケンイチが達人に挑むシーンは本当に素晴らしかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-10 06:54:27] [修正:2013-04-26 07:41:36] [このレビューのURL]

7点 惡の華

大なり小なり思春期の内に鬱屈としたものを抱える少年というのは多いと思う。自分の心の中だけに存在する、誰にも知られたくない中二病、あるいは変態性。誰に打ち明けるでもなく自分の中だけで育んでいくからこそ、その妄想は自身の精神バランスを保つ鎮静剤となりうる。
しかし主人公の隠し通さねばならないそれは、ドS女にばれてしまうのだ。
そうして主人公は仲村さんの操り人形となる。仲村さんもまた、自身の中に底なしの鬱屈さを抱えていた。一見、彼女はそれを大々的にぶちまけているように見えるが、二人だけが見ることのできる本当の心の闇━━悪の華は、大きく、気高く、成長していくのであった……

漂流ネットカフェは合わなかったけど、これは面白いです。

(追記 第2部 1点UP)
文学(?)少女との交流、そして彼女の抱えていた孤独感に共感できて、最近の展開が面白いです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-08-24 12:34:56] [修正:2012-11-18 22:46:21] [このレビューのURL]

美しい筆致で有名な作者ですが、自分はこの作品が初めてです。
中世ヨーロッパ大好き人間にはたまらない!画がマッチしすぎです。
ですが、いくつか不満も。
1.日蝕は、博識のクリスチャンなら知ってそうだけれど。日蝕は天動説時代でも紀元前で既に解明されていましたし。確かに神秘現象としてはもってこいですけど、もう一工夫欲しかった。
2.最後に明かされる真実は本当に必要だったのか。別に、理屈抜きの神託にしても良かったと思う。ニコラとクリスの画策は蛇足だったのでは?

正直序盤は冗長で、盛り上がるのは魔の森以降の異端審問、悪魔崇拝などから。
悲惨な運命を辿ることで有名な少年十字軍とテンプル騎士団を併せたストーリーは見事です。
蝿の王よろしくの残酷展開ですが、中世といえば魔女狩りもあったように、(基本的に)ノンフィクションなのだからやむなし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-02 02:09:50] [修正:2012-03-02 02:09:50] [このレビューのURL]

まず画が好き!
そして暴力女嫌い。需要がわからん。
ギャグがシリアスのいい緩衝材にはなってるんだけど、暴力ネタばかりなのは少年漫画的過ぎるというか古典というか
でもこういうリアリティある画力でリアリティもった話を描いてるのに、若干空気に合ってない気がする。
毒が混じって無い青春模様が「ハチクロ」的な不幸に繋がりそうなんだけど繋がらない。
設定やキャラ配置が「ピアノの森」っぽくもあって、だけど異性だし貧乏でもないから、全然雰囲気が違う。
展開が早い分、早期完結が望ましいのだけれど、このマンガがすごい!に選ばれたらどうなるんだろ。
とにかくどこまでも清々しくて初々しい作品。音楽漫画に外れなし、は間違いない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-02 01:46:54] [修正:2012-03-02 01:46:54] [このレビューのURL]

当時を知る漫画ファンに聞いたのですが、手塚治虫が海外へ行くとなると総理大臣並のもてなしを受けたそうですね。
今で言えば、SMAPが北京へライブしに行ったとき、人民大会堂の「重慶庁」へと招かれ国賓級の扱いをされたのと同じかなぁ。
それなのにこの漫画の描き方じゃ、手塚センセーきったないおっさんだよ!そのくせ、目がキラキラって輝いてやんの。かと思えば、すっごい形相で原稿睨んで描き出しちゃって。
基本丸山氏の「英雄も側近の目にはただの人」って言葉通りに手塚治虫を描いているのに、びっくり仰天のエピソードがやっぱり手塚治虫を偉人にしちゃってるんです。

漫画として構成や言葉回しがうまく、非常に惹きつけられるのですが、最後まで同じテンションが続くので意外とだれる気がする。
いつの間にか永井豪の話にすり替わってたときには、結構冷めちゃったんだよなぁ、別に豪先生嫌いではないんだけれども。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-22 02:02:05] [修正:2012-01-22 02:02:05] [このレビューのURL]

流石の画。職人。

イルカみたいな伏線回収技術は、本当に読み手に安心感を与えてくれる。
現代日本を舞台にしながらも、小さくまとまらせずノスタルジーにも頼ることもなく、新鮮で魅力的な冒険SF・海洋ロマンに仕上げた今作。
良い作品というのは、筆が遅くとも待てるものだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-13 00:54:31] [修正:2011-12-13 00:54:31] [このレビューのURL]

萩尾望都の画には不満ないです。少し古臭いですが。
原作者評価というわけではないのですが、話の方の感想を。

アトランティスの造形やイエス(キリスト)を悪役とする大胆な歴史の捉え方は好きでした。
問題はまとまっているとも投げているとも取れるラスト。
壮大なSFとして間違いなく完成度は高いのだけれど、せっかくならもっともっと踏み込んでほしかったなぁ。「あらかじめ滅びの宿命を植え付ける」とか「ディラックの海」とか、そこまで盛り上げてくれたならマトリョーシカのような宇宙論じゃなくて、百億と千億の彼方まで描いてもよかったのに。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-17 22:16:03] [修正:2011-11-17 22:16:03] [このレビューのURL]

もう少し作者側にもガンガン側にも余裕があれば、より良いバトル・より掘り下げたストーリとしてこの章を完成させられたかと。
ガンガン本誌で連載された時、ページの順番間違えて発行したガンガン編集部許すまじ。マイナーだからってなめやがって…


本編と短編がセットになっていて、本編と絡ませると素晴らしく面白い。
何より本編のラスト、衝撃の結末が…


(追記 ネタばれ注意)
切り裂き魔にとって大事な女性
それは、心の隙間を埋めることで30指を募った…
利用するための方法が仇となる、漫画史に残る伏線でした。素晴らしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-30 01:17:26] [修正:2011-11-09 23:31:51] [このレビューのURL]