「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

この手のジャンルは好きだし、今のマガジンで一番好き
少年漂流より長期化したけど、安定以上の面白さがあります
絶滅動物の脅威、Lost的な雰囲気、怪異現象を論理的・科学的に証明してくれるところも魅力

最近のトレンド・エロシーンもちょくちょく入っていてなごみになるけれど、人数多い割に特定のキャラ以外がほとんど空気なのが残念。その点、同ジャンルの「7seeds」の凄さが際立ってしまう…

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-11 15:38:20] [修正:2010-07-19 21:20:13] [このレビューのURL]

勝利の際に大喜びするでもなく、ひたすら淡々と進んでいく野球漫画。
かといってテンポが速いかといえばむしろ遅い。試合に3巻以上かけるのは当たり前。また日常的な部分もかなり丁寧に描いている。

それでも個人的に面白いと思うのは、従来の野球漫画のような暑苦しさがないからだと思う。勝っても騒がない淡々としたテンポや、女性作者の画、恋愛のないストーリーに、主人公の武器が速球ではなくコントロールとスローボールという珍しい設定が、一切の暑苦しさを排除してくれているのだ。
高校野球らしい戦略野球、スモールベースボールを女性作家がここまで描いているのは凄すぎる。

主要キャラ以外のキャラが薄く、ピッチャーキャッチャー田島(4番)くらいしか感情移入できないのが難点かもしれない。でもそれも巻を重ねるごとに徐々に解消されつつある。

くよくよな主人公と強引な捕手、2人の極端な性格は葛藤と成長の材料。
二人が心を通わせ、真のバッテリーになるまで、長い目で見守ろうという心持でないと、この作品は辛いかも。

(2010年7月、最新15巻読了につき更新)
リアル志向のくせに綺麗すぎるという意見があります。
全くもってその通り、確かにたばこなし、反抗なしで綺麗すぎる。15巻では特に顕著。

でもそこが良いんです。

青春全部つぎ込んで、生活全部野球に捧げて、真っ直ぐで素直でモチベーション高く、親の理解・協力も万全。
こんなチーム、マジであったら1年だけでも確かに強い。
でもこんなチーム、どこにもあるわけないんすよ。
つまり、この作品、試合や練習法とかはリアル風味に仕立ててるけど、根本部分は漫画らしい「ぶっ飛んだ」設定なんです。
漫画の醍醐味、「虚構だからこそ楽しめる部分」をしっかり残してる。
というかむしろそこから出発させて、ただの超人スポーツ漫画にならないよう理論だった努力を付け加えたら綺麗になりすぎたって感じなのかな。

綺麗すぎて本格派じゃないって言う意見は確かに最もだけれど、じゃあルーキーズが非の打ち所なく満点、ってわけでもないはず。
要するにどちらも漫画らしく一点に突き進んだ作品で、かたや「不良の成長」を、かたや「真っ直ぐで理想的な野球生活」を描いたわけです。
だから個人的には、この漫画にはどこまでも綺麗であり続けてほしい。
それがこの漫画の楽しみ方だから。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-12-17 23:24:44] [修正:2010-07-12 00:51:16] [このレビューのURL]

東京の闇、人の闇…あなたは「東京」がきらいですか?


「聖伝」「魔法騎士レイアース 」とこの「東京BABYLON」は、衝撃的なラストが印象的だとファンの間では言われている。
特にこの作品、確かに、漫画に救いを求めている人には向かないだろうが、最終話以外のエピソードが非常に出来が良いのでぜひお勧めしたい。
特にCLAMP嫌いの人に。

自分も最近のCLAMP作品は大っ嫌いで、あの狙いすましたキャラやら雰囲気やらが鼻についてしょうがなかった。長編化も辛い。
でもこの作品には、キャラからしてその嫌らしさがない。
星史郎には若干そんな感じがあるかもしれないが、(演技とはいえ)彼のゲイっぷりと裏表の顔のきっちりとした使い分けのおかげで気にならない。
巻数も少なく、コマ割りのためか見た目の分量よりサラッと読めるのも◎(それでいて決して無駄なコマ割りや大ゴマが連発しているわけではなく、非常に効果的なコマ割りをしていると思う)。
初期の頃の作品のため、キャラの動きがあまり感じられず未熟だが、ストーリー・キャラ・表現・演出どれをとっても高レベル。
よくある切り口から、多岐な展開・結末が描かれる。
ハッピーエンドとは程遠い話が多いのもCLAMPの持ち味だ。娘を殺された母親が復讐をしようとしてるのを諭すため、娘の霊を呼び寄せる話の結末とか良かったです。

この作品の魅力はやはり、東京に潜む闇をあぶり出し、解決はできないまでも妥協点をみつけて向き合っていくところだろう。3人の登場人物の彼らなりの考え方・向き合い方には共感できるものも多々。

毒のある話がオムニバス形式で詰まったこの作品、ぜひラストの猛毒まで読んでみてはいかが?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-01 01:48:55] [修正:2010-07-01 01:54:55] [このレビューのURL]

現代を生きる若者へ捧げる、浅尾いにおの青春狂想曲!


深みはないけど、読みやすさがある!
熱くはないけど、がんばろうって思える!
シンクロ率が高ければ高いほど、心に染みるし面白いと思える作品です。

王様のブランチの特集で興味を持ちました。
種田のモデルはいにおさん自身なんですね。あまりにそっくりでビックリ!
芽衣子の部屋も職場にクリソツ。。ちゃんとギターもあって、インタビューでは「昔の自分をそのまま漫画にした」とのこと。
納得のリアリティ♪
もの凄くきれいな背景は、実際の場所や風景を写真にとってコンピューター処理してできるもの。もちろんあくまでベースの話なんで、作者の画力が決め手ではありますが、内容的にも技術的にも「現代の」漫画なんですね。
ちなみに、どことなく背景とかがサイカノやキミのカケラに似てるのは、高橋しん先生のアシスタントだったから。(気になったのは俺だけ?)

モラトリアムの時期の恋愛を描いた今作、とにかく登場人物たちの考え方が今時っぽい。
淡々としてるのに、どこか重い。
そして浅野さんらしい残酷な展開。
でもそこから物語が加速して、漠然とした今に終止符を打つべく、みんなで音楽へ向かっていく。
そしてライブのシーン…
熱くは、ない。所詮素人。でも、すごく心に響いて、目頭が熱くなる。
何も解決はしてないのに、進歩もしてないのに、何か一歩を踏み出せたという感触。たぶんその感触を掴んだ人の方が、きっとその先の人生も楽しく過ごせるのだろうな。

説教臭くはないけど、作者の考え方や感性が前面に出まくっているので、合わない人には合わないのかも。そして自己完結的な思考ばかり描かれているので、決して深くはない。
だからこそ読みやすい。ここ重要っす

画力の高さは言わずもがな、表現力もすごいです。
基本は会話や心内語ばかりなのに、ライブシーンでは全く言葉を使わないで魅せる。

色々言わせていただきましたが、この漫画のポイントは、「作者の感性に共感できるか」だと思います。だからレビュー見て買うか決めるのは、あまり参考にならないと思いますよ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-31 01:48:04] [修正:2010-05-31 01:48:04] [このレビューのURL]

ノンストップで読んでしまう面白さ!

のだめと千秋のやり取りがギャグにしか見えない序盤から、話はのだめの成長譚へと大きく発展し、本格的な音楽要素と恋愛要素も絡んだストーリーへ!

漫画というメディアでは表現できなかった「音」を、CDとのメディアミックスで、漫画を読みながらその進行に合わせて曲を聞けるという新たな分野を切り開いたのもすごい。
曲に浸って雰囲気は感じ取れる、というのはクラシック漫画にとって非常に重要なことだ。面白さ倍増っす!漫画を読むペースが遅くなったり、アニメで事足りてしまうなどまだまだ不備がありますが。

もちろん曲なしでも楽しめるクオリティの内容。のだめの性格が肌に合わない、なんてことがなければ、老若男女誰でも楽しめます!
ただ、23巻のラストは若干不満が残るのも確か。作者の一大事だったとはいえ、やはり読者心理としては、のだめと千秋の行く末、せめて恋の結末くらいは描いて欲しかった。
でも24巻から、蛇足というより「新・のだめカンタービレ」といった展開がスタート!24巻でものだめと千秋の恋の行方は触れられてませんが、今後も巻を重ねていきそうなので、そこで期待ですかね。

少女漫画の中ではとっつきやすいほうです。この作品はもちろん、これを足掛かりにぜひ他の少女漫画もてにとってみてはいかが?
はっきりいって名作が多い少女漫画。新たな漫画人生を開けるかもしれません。
なにはともあれ、まずはのだめの変態ワールドに飛び込んでみてください!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-11 03:12:39] [修正:2010-05-11 03:17:41] [このレビューのURL]

(最新12巻読了、漫画版の感想が主ですが、少し映像版も混ざっています)

レイにアスカ、ミサトにリツコといった魅力的な女性キャラの誰よりも、物語の鍵を握るゲンドウが固執し、主人公シンジが愛されたのは、母:ユイだった。
息子らしい扱いをしてもらえず、避けながらも、父に認められたいという思いももつシンジ。
光を与えてくれたユイを溺愛するがあまり、ユイの愛情を一身に受けたシンジを妬むゲンドウ。
それでもEVAと化したユイが(パイロットとして)選び、守ったのは、シンジだった…
このいびつな親子関係が自分にとって衝撃的で魅力的だったのが、エヴァンゲリオンだ。


この作品のそこかしこに出てくる愛の形。愛に満ち溢れた作品ともいえるかもしれないが、その愛は総じて歪んでいる。そして何より、報われないのだ。

アスカの「認められたい」という気持ちは、狂った母親から娘として見てもらえなかった過去から生まれたもの。加持を愛するも叶わず、(母親の化身である)EVA弐号機とのシンクロ率が下がり、更に使徒の精神攻撃で廃人と化す。それでも立ち直りA.T.フィールドが母親の愛の形であると悟るも、ロンギヌスの槍に貫かれて果てる。それは彼女が受けた母親からの愛の脆弱さを物語っているのかもしれない。アスカほど愛に飢えたキャラクターはいない。

レイはユイの代わりに作られたもの。シンジと距離を近づけるたび、戦いの中で死に「次のレイ」に代わってしまう。ゲンドウからの愛も、レイに対してではなくユイに対するもの。

ミサトはセカンドインパクトを通じて初めて父からの愛に気付く。その後の加持との愛が父を映していると思い別れるも、次第にヨリを戻しかけていく。しかし加持は死に、自身もシンジを庇って死ぬ。ミサトさえも、愛を実現することはできなかった。

リツコは母子そろってゲンドウにふりまわされる。利用されていると知りつつも、ゲンドウへの愛から凌辱さえ甘んじて受けるほど。「女としての自分はいらない」、「女としては母を憎んでいる」という言葉とは裏腹に、ゲンドウへの愛は強く、MAGIを母親として見ていたりもする。

他にもトウジと委員長など、男女愛、親子愛、いずれもねじれていながら人間臭くもある(カヲルの同性愛も)。現代的といえばそうかもしれないが、こうも救いがないというのも珍しい。


本編の内容は、エンターテイメントとしては言わずもがな、細かいところに聖書やキリスト教を絡ませているのが遊び心満載で、奥深さも醸し出している(カバラの樹やロンギヌス、死海文書やネルフの葉のロゴなど)。
ストーリーは難解だが、アニメ版や旧劇場版はエンターテイメント性を重視せざるを得ない商業事情があったと庵野監督は言っている。そのためアクションシーンや演出は素晴らしいが、心理や内容説明が甘い。
ここで漫画の出番。
漫画版はアニメ版とは逆にアクションシーンの盛り上がりは(映像より)欠けるものの、心理や内容が充実したため物語をより楽しめる。(結論的には、両方合わせて楽しむのがベストだけど)
漫画版のポイントはアニメや旧劇場版をどこまで掘り下げて見せていけるかにかかっている。とくに漫画版が旧劇場版に追いついた今が、アニメを越えれるか否かの別れどころだ。旧劇場版は内容的にはかなり敷居が高く、エンターテイメントとしては良くても、内容はカオスだという評価が多い。至る所に聖書やキリスト教の知識が絡むが、それだけで物語やテーマが完全に理解できるわけではなく、肝心の人類補完計画も情報が少ないため自分なりの解釈しかできない(それはそれで楽しめると思うけど)。


そんなわけで、漫画に期待するものはどうしても大きくなってしまうが、エヴァの楽しみは内容だけではない。例えば上で述べた人間ドラマだけでもかなりのクオリティをもっている。難解な本編を解説しろとやっきになるよりも、せっかく漫画版で心理描写が細かく描いてくれているのだから、そちらも存分に楽しもうではないか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-04 19:39:08] [修正:2010-05-04 20:00:24] [このレビューのURL]

ちはやふるのノリで、恋愛ものかぁと思っていたためあまり期待をせず読みましたが…

面白かったです。。

素直に感動できました!

思うに長さがちょうどよく、感情移入できたのだと思います。あれ以上長ければ短編の持つスピード感やピンポイントさが失われるし、あれ以上短ければ感情移入できる前に終わってしまう。ただ、最後の話だけはもう少し長めにして、話を膨らませてほしかったです。

ハルコイ:写真は伏線だと思ったけど、まさかフラグだったとは…
ラストのインパクトが凄い!ただ冷めて見るとラストさえ目につく部分もあるかと。流れに乗って読んだ時のインパクトを感じてください。

指輪の片思い:まとまりが一番良かったと思います。少女漫画らしくなくて好きです。

美彩食堂:完成度高いなぁ。

ななつの約束:いまいちかと思いきや締めが上手で負けました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-06 03:05:57] [修正:2010-04-25 09:38:58] [このレビューのURL]

どんぴしゃりでした!
この「閉鎖的な異常地帯からの脱出劇」というジャンルは最高に好きです!(長編なら「いばらの王」とか)

双子の恋愛が引き剥がされ、異常地帯へいざなわれる。
伏線込みのこの一連の流れに惹きつけられて、一気に読み耽る。
狂気と絶望の渦巻く中、希望を失わず努力する3人。
それでも、運命は残酷な方へ傾いて行く…

死んだと分かっていても、心惑わされるんだなぁ…その理屈は「愛」って単純なものだけど、実際は賢みたいになっちゃうくらい、人によっては本当に深く重いものなんだろう。単純でよくあるネタだけど、やはり恋愛分野は少女漫画家の十八番、素晴らしい心理描写ですごく説得力がありました。

展開的には終始シリアスですが、適度なギャグが多く、重すぎずに読めるよう配慮されてます。「適度な」というのは、シリアス雰囲気を壊すほどではない、という意味で、大爆笑じゃなくて、あくまで重すぎないようにするためのもの。その具合が秀逸でした。

この手のジャンルでは、脱出するのはまぁ当然ですが、後日談でハッピーエンドになるものとバッドエンドになるものがあります。
この作品はかなり後味の良い仕上がりで、キャラに感情移入できただけに良かったです!

欠点は、博士がアメとムチな人なのは構わないけど、ラストで博士が双子の偽装にすぐ気付かなかったことはいただけない。自分で作ったわけだし、天才なんだからそれくらい気付くだろうし、そもそも警戒するはず。結果的に大した問題ではなかったけどね。

それにしても少女漫画は思い切りが良いというか…少年漫画や青年漫画以上のダークさがありますよね。展開やキャラの生き死になど。心理描写もうまい分、雰囲気もダークにしやすい。そこが少女漫画一番の魅力なのかなぁ。

完成度の高い短編、見かけたらぜひ手に取ってみては?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-03 04:21:45] [修正:2010-04-25 08:59:24] [このレビューのURL]

もの凄く練られた作品です。
これほどリアリティのある歴史や地理を創造してしまうのは本当にすごい。ヒストリエやヘウレーカで西洋史に詳しいのはわかっていたが、日本に関する造詣も恐ろしく深いのかもしれない。

序盤の盛り上げとラストの怒涛の伏線回収。
考古学的謎を解き明かしていく様も、窓の外も能力も、ものすごく面白かったのに、どこか物足りない。
やっと舞台が整ったところで終幕してしまったような感じだ。
「ここから先は、あなたの想像でお楽しみください」
うーん、じゃあ自分なりの見方を言ってみようかな…

主人公は最後まで丸神の里の人間ではなく、丸神研側の人間という立ち位置なので、主人公側にとっての物語は、丸神の里の歴史的謎を解き明かすことで良いと思う。
読者は一人の考古学を学ぼうとする学生の気持ちになって読めばいい。
だから、宇宙人の存在やら能力の謎は、あくまでサブストーリーとして見る。だけど、やっぱりそっちの謎にも関わりすぎたから、結末を見届けよう。はたして頼之はどこへ行ったのか?

主人公の見解に合わせれば、その答えは「死」と同じだ。
我々にとって全く未知で、絶対解明できない死後の世界。
頼之がどこへ行ったのかわからないのは、死者が何処へ行くのかわからないのと同じことで、「宇宙人の世界」と「天国と地獄」、「カササギ」と「神様」は何ら変わりない。
重要なのはもう戻ってこれないかもしれない、ということ。死との類似でいえば、輪廻転生が本当かどうか。だから主人公も、最後ヒロイン・幸子を全力で説得する。結局ナン丸にとっても、窓の外に行くことと死ぬことは同義なのだ。

しかしそれは、窓の外を知らない主人公の意見にすぎない。幸子は窓の外を見ている。丸神教授も、手が届く能力を「窓の外に突き落とす」と表現しているように、窓の外が見える者にとって、球体に触れることは、「死」よりも「窓の外」への道だと思う方がしっくりくるのだろう。
頼之は、この世の未練を捨て心のモヤモヤを消すために会いに行くと言う。この話で何度も出てくる、「天の川の彼方より誰かが迎えに来てくれることを信じて…」という言葉とは真逆の対応だ。
里の呪縛にとらわれることなく行動してきた頼之は、しっかりと里の外の世界も知っている。そんな彼が、己の推測を信じて行動に移そうとした時、主人公の言葉に耳を傾けた。「世界を知れ」と叫ぶ主人公の話を聞いた後、「気が変わったらあとからおいで」と言う。これはつまり、主人公の説得力ある主張も、「窓の外」を知った絶望の前では無意味だと言っているように聞こえる。「窓の外」がそれほどの世界ならば、もはや頼之が行き着いた場所を想像することは困難だ。

個人的に気になることが2つ。
1つは、最終的に幸子がしっかり外の世界に出て様々な体験をできたのかどうかだ。それとも彼女は、ナン丸の説得も空しく、この世を知ることなく小さな呪縛に縛られ、丸神の里から出れずにいるのか?最後に主人公と会ったところが「外の世界」ではなく、「丸神の七夕祭り」だったことは、果たしてどちらを意味しているのだろう…

そしてもう一つは、主人公の額の変化が消えたこと。最初は、頼之が消えた時悲しい顔をしてた幸子が最後笑顔で「ようこそ」と言っているから、頼之が呪縛の解放に成功したのかと思った。でも以前として山での七夕祭りをしているから、そうではなさそう。単純に、能力を使わないでいれば、元に戻るのだろうか…

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-06 23:48:15] [修正:2010-04-11 20:12:50] [このレビューのURL]

底知れない恐怖を描いてくれてる点で、パニック漫画では一番好きです。
(サバイバル漫画としては一番とは言えませんが…)

明かされれば明かされるほどに絶望的な状況や、極限状態に陥った人間の狂気、龍頭を切った人、大きな穴の開いた富士山近郊を始めとした死んだ世界など、底知れない恐怖をこれでもかと見せつけられる。
最終的に全てを明かさずに終わったところが、更に好奇心を恐怖心を煽ってくれた。
終末には明確な理由なんていらないのかもしれない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-11 15:42:28] [修正:2010-04-07 19:48:28] [このレビューのURL]