「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

原作小説から大きな改変も無く、綺麗な絵で丁寧にコミカライズされた作品。
しかし、主人公の心情描写などは原作より大分劣っている。
この物語は、ある出来事を経験した主人公の心情の変化が
一番の肝となる作品だと思っているので、ここは大きなマイナス点だ。

とはいえ、これはそもそもしょうがない話で
詳細な心情描写なんてものは、小説媒体の専売特許のようなもの、
それを漫画に取り入れようものなら、
全コマモノローグ付きの間延びした漫画になってしまうだろう。

他に何か漫画版ならではの強みでもあれば良かったのだが、
原作を既読の人に改めて漫画版をお勧めする程の特筆すべき点もなく、
この漫画は、原作未読の人が本作へ触れる為の入口、
もしくは既読の人が内容を思い返す為の手助けに留まる作品だと思う。

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[投稿:2018-03-09 22:04:14] [修正:2018-03-09 22:04:14] [このレビューのURL]

ナルトの息子のボルトを主人公に据えた、NARUTOの後継作。
作者は、長年NARUTOでアシスタントを勤めてきた池本幹雄。

前作のNARUTOに比べると、若干シリアス向きの絵をしている為
キャラの表情の硬さが気になってはいたが、
徐々にこなれてきたのか、最近は作画に対する違和感も薄れ、
むしろバトルシーンなどは、ドラゴンボールを参考にしている節もあり、
NARUTOの時よりもキャラクターの動きが分かり易い。

ストーリーの佳境を先にチラ見せするというありがちで
安っぽい始まり方をした時は早期打ち切りも心配したが、
絵も内容も軌道に乗ってきた感があり、これからの展開にも期待が持てる。

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[投稿:2018-03-08 22:12:53] [修正:2018-03-08 22:19:04] [このレビューのURL]

バトルに於いてもシナリオに於いても、
裏の裏をかこうとし過ぎて冗長になっている部分がある、
加えて話の真相を引っ張る癖もある為、これを週間で追うのは正直言って辛い。

しかし完結した今、一気読みするなら話は別、
じれったいなという思いは捨てきれないが
早く先が知りたいという気持ちの方が勝り、止め時を見失う面白さがある。
尚且つ、これだけ長い連載の中でも、話の芯は一本筋が通っており、
完結を見届けた際は清々しい心地にもなった。

忍者という題材をここまで練り込み、独自の世界へと昇華させ、
見事完走した作者を心から称賛したい。

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[投稿:2018-03-07 21:12:09] [修正:2018-03-08 15:29:18] [このレビューのURL]

9点 自殺島

過去を背負い絶望していた自殺未遂者達が、
もがきながらも前を向き生きようとする姿に
自分なりに感じ入る部分があったのだろうか…
読んでいる最中、不覚にも涙腺が緩んでしまう場面が何度かあった。

思えば、途中からこの漫画をフィクションではなく
ドキュメントを見るような気持ちで読んでいたような気がする。
自殺未遂者を島流しにするこの世界は、現実とはかけ離れてはいるが、
そこにいる登場人物達は、紛れも無く生きているように感じられた。

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[投稿:2018-03-06 20:51:20] [修正:2018-03-07 16:38:43] [このレビューのURL]

8点 水域

信心深い方ではないのだが、
「この作品は"ノン"フィクションです」と、
但し書きでもあれば、思わず信じてしまったかもしれない。

夢の中に存在する、今はもう無き在りし日の田舎…、
滝壺の龍神が見せるノスタルジックで切ない神秘の物語に、
現実にもこんな奇跡があったらいいなと祈りたくなってしまった。

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[投稿:2018-03-06 20:57:52] [修正:2018-03-06 20:57:52] [このレビューのURL]

8点 GANTZ

[ネタバレあり]

メインキャラをあっさりと使い捨てたり、ヒロインに地味っ娘を据えたり、
急に視点を変えて超能力者や吸血鬼を出したり、
はたまた、途中主人公をドロップアウトさせたりと、
普通だったら、人気低下を危惧して編集からストップがかかりそうな展開が
すんなりと話の中に組み込まれ、予測できない物語を生み出していた。

読み手の裏をかけばいい、という訳では無いが、
これだけいくつもの定石を外しながら、ストーリーを完結までこぎつけた点は
もっと評価されていいと思う。

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[投稿:2012-05-10 16:01:33] [修正:2017-11-22 09:17:47] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

読者を引き込むアプローチの上手さは、前作のGANTZ同様健在。
超常の力を得た2人の人間の対極の行動が目を引き、
グイグイと物語に引き込んでくれます。

一方、結末は割りとベタに締めくくるこの作者、
ベタベタなエンドも嫌いではないけれど、
この作品では終盤の隕石の落下があまりに唐突過ぎた為、
打ち切りを喰らった少年漫画のようなラストになっていました。

終盤の展開こそ肩透かしでしたが、ダラダラと長引かせずに、
全10巻という適当なところで終わらせたのは良かったと思います。

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[投稿:2017-11-22 09:11:15] [修正:2017-11-22 09:11:15] [このレビューのURL]

実力差度外視で、接戦、接戦を繰り広げる予定調和な展開はご愛嬌。
固いことは言わずに、ロードレースを通して描かれる、
熱くて濃いキャラクター達の白熱のデッドヒートを楽しむ作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-04-27 19:38:13] [修正:2017-10-24 21:36:37] [このレビューのURL]

居場所を求める思春期の苦悩、暴力と悪意の連鎖、
青年誌らしいネガティブな感情をはらみつつも
面白さの根本にあるのはバトル系少年漫画のそれ。
みるみる強くなっていく主人公と次々現れる強敵達、
そのシンプルな構図が素直に面白く、最終巻まで一気に読めます。

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[投稿:2016-12-08 13:12:32] [修正:2016-12-08 13:12:32] [このレビューのURL]

この作者の描く日常の描写は個人的にちょっと合わないところがある。
遊び心のある風変わりな技法を随所に取り入れてるんだけど
効果的な演出として作用しているものもあれば、
逆に分かり辛いと感じる場面も多々あって、一長一短といった感じ。
加えて、一話ごとのオチもピンと来ないことが多く
読み進めてる過程では、前半の日常描写にいまひとつ面白味を見出せませんでした。

とはいえ、穏やかで温かな雰囲気は充分伝わってきたし
それが布石となって、後半の崩れゆく日常は、身につまされる思いになりました。
悲劇的な部分を描きながらも、終わり方が温かいのは
この作者の感性の為せる業なんでしょうね。

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[投稿:2012-07-19 22:55:56] [修正:2016-11-22 18:44:36] [このレビューのURL]