「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

7点 百姓貴族
農業エッセイ漫画。森薫のメイド愛と同じくらい荒川先生の農業愛が伝わってくる。
これは実際に農業に従事してた人じゃないと書けないなと思った。もやしもんのような表面だけの取材だけじゃ絶対に分からない現場の実情なり気持ちなりを教えてくれる。常に動物の生き死にに触れる世界なのでそこでの葛藤も興味深い。とんでもない事件はご愛嬌。
「お金を払ってるんだから給食に頂きますなんて言わなくていいでしょ?」「調理師が給食作るのは仕事だから当たり前。お金払ってるんだからもっと美味しく作ってよ」
こんな甘ったれた人たちに荒川先生は「食糧供給ストップしてあいつら飢え死にさせたろかと思います(笑)」と言い放つ(編集談目が笑ってない)。労働の価値を知ってる人の言葉です。何しろ秋の収穫期のスケジュール…百姓の方達死なないんですかね?
こんな感じで笑わせながらも荒川先生の主張には背筋に冷やっと考えさせられるものがあります。当たり前のようにある食について少しでも考え、食料自給率などの農業問題を意識する機会になりました。
とりあえず農林水産省の役人はデータなんて見てないで実際に現場を見てみた方がいいと思う。少しはましになるはず。
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[投稿:2011-07-23 00:41:29] [修正:2011-07-23 00:41:29] [このレビューのURL]
5点 屍鬼
原作は既読。ホラーの金字塔です。
封神演義は原作既読でかなり楽しめたのでこちらも期待していました。
小説など原作が他のメディアにあるものの漫画化としては大きくは以下の2つに分けられると思います。
1つ目は原作の展開や雰囲気を大事にした上の漫画化。原作の雰囲気と魅力を原作に忠実に漫画としてうまく表すことが求められる。うまくいった代表は皇国の守護者。
2つ目は原作を下敷きとして、書き手が独自の解釈や展開を加えた漫画化。うまくいった代表は封神演義。
屍鬼が当てはまるのは2つ目ですね。
封神演義ほどぶっとんだ改変はしていません。
しかし原作では一つの章の主人公とはいえあっさりと死亡する人物を全編通しての重要人物にしたのを皮切りに、最終的な物語の帰結・解釈は別物となっています。
絵は文句無しです。黒のトーンを基調としており、線は少しにじんだようなラインに。コミカルなのに、ゴシックホラーともいえるようなある意味芸術的な絵に仕上がっています。封神演義で派手なエフェクトでごまかしてはいるものの動く絵が下手に感じた作者ですが、屍鬼はあまりアクションがある作品ではないというのもあって止め絵が非常に効果的に使われています。
ではなぜあまり評価できなかったのか。
原作では、前半はまるでホラー映画のように屍鬼への未知なる恐怖と未知なる恐怖が現実の脅威になってしまう怖さを描き、狩るものと狩られるものが入れ替わった後半では人間の狂気に恐怖させるホラーとなっています。屍鬼に恐怖していたはずなのに、いつのまにか屍鬼に同情し、さらには人間の恐ろしさに戦慄してしまう所が原作のただのホラーに留まらせないミソなわけです。
しかし藤崎竜はこの前半をテンポを重視したのかさらっと進めて後半をメインに描いてしまう。そのために屍鬼にも人間にも大して恐怖を感じることができなくなってしまった。怖くないホラーなんてそれだけで残念と言えますね。原作の核である部分をなくしてしまったとしても違った視点からおもしろくできれば問題ないのですが、そうできたとは思えません。おそらくふじりゅーはにとっては前半は退屈で後半がおもしろかったのでしょう。しかし前半があっての後半の良さがあるというのを理解してほしかった。
とはいえ原作とは違って主要キャラに感情移入させるように描いてるので最終回によっては原作とは別物の切なくて美しい物語になりうると思ったのですが、そこは意外に原作通りあっさりだったという。
色々中途半端だったなという印象。いっそホラーとして書かないくらいの改変をするか、絵を活かして原作に忠実な作品にした方が上手くいったんじゃないかな。
封神演義が原作既読でも楽しめた作品だったのに対してこちらは難しかった。個人的には小説原作の漫画化に失敗した多くの作品の一つかなと思うけど、ここでの好評価を見る限りでは私がマイノリティだね。もう少し原作既読の方の意見が聞きたいな。
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[投稿:2011-07-22 01:19:03] [修正:2011-07-22 09:57:31] [このレビューのURL]
ディスコミ完結編。
…にも関わらず、戸川と松笛は脇役扱いというね。正直悲しいです。
今までの松笛の役回りを、三島姉妹を代表とする夢使いが担うことになる。そもそも「精霊編はキツネのお面の少年からキツネのお面の少女への主人公の継承の物語だったのです」ということなので当然ではあるのだが。しかし夢使いでやってくれても良かったんじゃないか?
相変わらずの余白が許せないんじゃないかというほどの書き込みは健在。絵柄は少し変化してよりスタイリッシュになった。この頃の絵柄が一番作者の人間離れしたセンスが感じられて好きだったりする。
オールド玩具・特撮・魔法少女・江戸川乱歩・呪術あたりの好きなものをごちゃ混ぜにしたような世界観とストーリーはものすごい。やっぱ植芝理一はこうでないとね。
精霊編は冥界編と同様「なぜ人は誰かを好きになるのか」という命題に正面から取り組んだ作品。冥界編がそんなことを考える意味があるのか?と「なぜ人は誰かを好きになるのか」という命題の意義自体を問う面が強かったのに対し、精霊編では人を好きになることの闇を描くことでその答えに近づこうとしている。
冥界編と精霊編を合わせて一対になっているような印象で、どちらも甲乙つけがたい質の高さだった。
結末はどちらかというと冥界編が好みなんだけど精霊編も良い。
人類の黎明期からあるような普遍的な命題の答えなんてあるはずがない。でもそれを考えることは大切なことだし、皆で考え続けていくことでいつかは解けるかもしれない。戸川が見つけ出したのはあまりにも小さいけれど、自分だけの確実な一歩。
答えは大事じゃない。ディスコミは考えるきっかけを与えてくれる。それこそに価値があると思う。
1点マイナスの部分は精霊編としては最高だったものの完結編ということもあって、やはり松笛と戸川を主軸にすえなかったのが残念だったから。最終巻の表紙に戸川の姿すらないしね。最終ページといい、夢使いの予告をこんなところでしなくてもいいのに。
もっと2人の姿が見たかったなあ。
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[投稿:2011-07-21 00:51:37] [修正:2011-07-21 00:58:59] [このレビューのURL]
7点 進撃の巨人
最近の若い漫画家って可もなく不可もない印象だったけどこの人は久々に期待の新人。シャカリキやディスコミのようなデビュー作独特の荒削りな勢いを感じる。やっぱり新人はこのくらいめちゃくちゃしないとね。
独創的な世界観にまずは驚き、1巻での巨人という異質なものへの恐怖を描ききった表現力は私をその世界に引きずり込んだ。
とはいえこれだけだと慣れて飽きられたら終わり。3巻で厳しいかなと思ったけど4巻で持ち直すあたりやはり話を作る才能はあるんでしょう。サシャあたりのよく分からんギャグは要らないが。
ファンタジーの王道ともいえる世界の成り立ちを解き明かしていく展開にはどきどきしている。今後の展開如何では、この巨人の正体は?という謎はワンピースって何?と同じくらい魅力的な素材にできる気がする。
絵はバッシングされがちだけど徐々には上手くなっているし伸びしろはまだありそう。井上雄彦になれなくとも皆川亮二にはなりうるんじゃないかな。
レビューを書くためにディスコミを読み直してて気づいたが、巨人ってゴヤのわが子を食らうサトゥルヌスが元ネタなのか?
気になった方はググって見てください。あのおどろおどろしい世界は似てる気がする。
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[投稿:2011-07-20 00:40:48] [修正:2011-07-20 00:50:24] [このレビューのURL]
8点 花田少年史
ひょんなことで幽霊が見えて話が出来るようになってしまった一路の元に未練のために成仏できない幽霊達がやってくるようになる。一路は面倒がりながらも渋々、でも懸命に幽霊のお願いを叶えてやろうとするストーリー。
多くの方が仰るように泣かせにくるのはあからさま。でも何でこんなに気持ちよく泣けるのだろう。
やはり一色まことのキャラが魅力的であることに尽きると思う。一路の家族に代表されるような下品で、ちゃらんぽらんで、口は悪くて、でもしたたかで優しい愛すべき登場人物たち。この人ほど等身大の人間を描ける人を私は知らない。特に子どもの描き方は随一だろう。ただかわいいだけの子どもではなくて、この人の汚くて苛つかせるような、でも根っこの所はまっすぐで純真な子ども達は愛おしい。
それぞれの話が非常にきれいにまとまっているのも好印象。
最終回は号泣した。赤僕に感じたような反則くささを感じないでもなかったけどこれだけ泣けたら文句は言えないなあ。
気持ちよく笑って泣きたい時はぜひ、おすすめです。
どうでもいい話だけど、おっぱい織田の話がディスコミ学園編のげに尊きは彼女のふくらみと同じようなストーリーだったのには驚いた。やっぱり男って馬鹿なんだな。
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[投稿:2011-07-18 14:06:14] [修正:2011-07-19 00:27:22] [このレビューのURL]
6点 残暑 鬼頭莫宏短編集
なるたるやぼくらのなど凄惨なストーリー展開で有名な鬼頭莫宏の心温まる短編集。こんな話も書けるとは意外ですよね。
デビュー当初からの鬼頭さんの絵柄の変遷を知ることが出来る。1から3話目までは絵が現在と比べると荒いので正直辛い。
各話の主人公はある印象的なできごとや事件を忘れられない。そう、まるで残暑のようになかなか無くなってくれないのだ。鬼頭先生の絵はこのようなノスタルジックな作品によく合っているが、中身は可もなく不可もなくという作品が多かった。
作中に漂う少し昔懐かしい雰囲気は心地がいいし、読後感も悪くない。でも短編には着眼点の斬新さ、すっきりまとめられたテーマ性など長編では難しいようなものを求める私にはあまり評価は出来なかった。期待が高すぎたってのもあるかもしれないが。
しかし「パパの歌」は白眉。飛びぬけて良かった。
退屈なお父さんのいる実家に帰省する妊娠した娘とその夫。ギャンブル好きで柄の悪い夫は会社人間だったお父さんとは正反対の全く違う人間のように思える。しかし…
素敵な話。話の構成や忌野清志郎の歌の使い方も巧い。
初鬼頭莫宏で残暑はすすめにくいですが、なるたるなどに興味を持った人はぜひこちらも読んでみてください。新たな鬼頭先生の一面も知れて、一読の価値はあります。
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[投稿:2011-07-17 00:10:25] [修正:2011-07-17 22:15:41] [このレビューのURL]
5点 エア・ギア
絵は私の好みではないが極上。
しかし他の欠点がこれを食いつぶしすぎているのが残念。
主人公の魅力のなさとストーリーテリングの下手さ、これに尽きる。
とりあえず笑えない下品さとパロディはただ人を不快にするということをこの作者はそろそろ分かるべき。脇役の方はまだ見れるんだけどね。
別に風呂敷が広がっていくのはいいんだ。ただ浦沢のように惹きつけつつ物語を広げていったり、藤田のように豪腕で気持ちよく終われるようにまとめていけてないようなのが問題。自分の扱いきれる範囲で話を作った方が良くなると思う。
今後グレイトさんが飛躍するには短編で話の作り方を勉強するか、原作つけて絵の方に集中したり、鶴田や五十嵐のように絵と雰囲気で魅せる漫画を作る(これは厳しいか?)かしないと厳しい気がする。
話を作るのが下手なのは多分自覚していると思うので、エアギアもあまりストーリーに重きを置かず絵のうまさを活かしたアクションで勝負していく方向性でお願いしたかった。
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[投稿:2011-07-15 01:29:37] [修正:2011-07-15 01:33:06] [このレビューのURL]
9点 ぼくんち
大人の絵本。
別に悪い意味で言っているのではなく、それだけの叙情性を持った作品であるということ。子どもの頃に読んだ良質な物語と同様、心の奥にうったえかけられるものがこの漫画にはある。
最初読んだときは何がおもしろいのか分からなかった、でももう一回読みたくなった。やはりおもしろさは分からないのだけれど、何度も何度も忘れた頃にまた読みたくなった。
劣悪な環境の中でもなんとか笑って生きようとする彼らの生き様や悲哀といったものが私の心の中にできたしこりのように私の中に残ったのかもしれない。棘みたいに深く刺さって。
絵は下手だし、全体を通してこれだ!と推せるようなエピソードがあるわけでもない。でも何か深い所から私達の心を動かせるような力を持つ奇跡的な作品。
そもそも漫画と言っていいのか分からないので8点にしとこうと思ったのだが、それだけ心に残った作品ということで9点で。
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[投稿:2011-07-14 10:51:16] [修正:2011-07-14 11:05:09] [このレビューのURL]
4点 新テニスの王子様
最初の方かな?単行本で読んでないから忘れかけたけど、確かテニスボールをくらって空を飛んでいくシーンがあったと思う。ぶっとんだんじゃなくて空を飛んだやつ。
恐らくネットを中心にネタにされているのは作者も知っていると思うけど、開き直ってしまったように感じて一気にさめた。
お馬鹿タレントが天然で馬鹿発言をしてる時はおもしろかったのに意図的にやってるのを感じた時のあの感じです。
もはや私には流し読みするだけのおもしろくもないけど害にもネタにもならない漫画になってしまった。
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[投稿:2011-07-13 00:02:51] [修正:2011-07-13 00:02:51] [このレビューのURL]
久々の連載復活に驚喜したのでレビュー。
言わずと知れた能力漫画の最高峰だし有名作なのであまり何も書く必要も感じないけど。
レベルEじゃないけど今のジャンプで想像の斜め上をいってくれるのはこの漫画くらいな気がする。
本当の意味で先が読めない漫画というのは非常に珍しいので当然おもしろいわけです。
個人的なお気に入りはグリードアイランド編。今思うと念能力のバランスが一番とれてた時期だし何よりもこの発想がすごい。
現時点であるキメラアント編はインフレがひどいのは明らかだけど戦闘描写が神がかってるからこれまたおもしろいんだよなあ。しかしここが終わったらどうするつもりなのか…
とりあえず放射能オチとゴンがかの漫画のごとく安易に霊力…じゃなくて念能力を回復する展開だけは勘弁して欲しい。
そして何とかヒソカや幻影旅団あたりが相対的に弱くなった印象を挽回してくれたらいいなあ。
とりあえず下書きで載ってた以前とは違ってかなり期間は空くけどきれいな状態でまとめて載せてくれる現状は満足してます。
ほら、キルアのあれと一緒ですよ。
もうそこそこいい年した人間なんだし、富樫先生がおもしろい話を描くには充電することが必須なんでしょう。
幽遊白書みたいに最後投げるくらいなら、旅行なりゲームなり何なりとしてもらって作品に生かしちゃってください。
余談
ゴレイヌの位置入れ替え能力も大概だと思ったけどメレオロンと貧者のバラはこの漫画のバランスを崩しかねない気がする。
神の不在証明と操作系の能力の組み合わせでもう戦闘即終了というか王にも勝てるだろ。
後操作する生き物を利用してバラを爆発させるテロが流行りかねないよね。
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[投稿:2011-07-10 21:16:12] [修正:2011-07-11 09:21:58] [このレビューのURL]
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