「鹿太郎」さんのページ

[ネタバレあり]

藤野先生は物語を始めるのが上手い作家さんだと思う。
読みきり短編や連載のスタート時の世界観構築や設定の出し方が匠で非常に食いつかせてくれる。
この作品も始まった当初の期待感はなかなかでした。

しかし、そのテンションが最後まで持たなかった印象。
特に主人公。
ストーリーが進むにつれてこの主人公の生い立ちやその秘密が明かされていくわけですが、それが明かされれば明かされるほど感情移入が困難になってしまう。
主義主張や局面での選択がいちいち子供じみていて、とにかく自分の肌に合いませんでした(バレになりますが「お前何歳なんだよ!」と)。

作品としては非常に大事に描かれているのが伝わってきて好感が持てるし、実際最初の数巻は引き込まれていましたが、総合的には少し残念だったかな。

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[投稿:2007-06-06 23:59:16] [修正:2007-06-06 23:59:16]