「鹿太郎」さんのページ

総レビュー数: 407レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月13日

形は昔ながらのスポ根もの。
それこそ「スクールウォーズ」と同じ、新しく赴任してきた教師が部の顧問になり・・・みたいな導入です。
そこにコーチング理論を組み込んだサッカー漫画。

正統派の部活漫画だから非常に読みやすい。
一人また一人と仲間が増えて、試合して負けて、勝って・・・と描かれている内容はシンプルなのに一つ一つ丁寧に進んでいくエピソードが普遍的で誰でも入っていける。
とはいえ無個性なわけではなく、各キャラクターが成長していくシーンがとにかく熱く、ここぞというところの言葉の力が強く心に響く。
いやー面白い!

ただ、前作「GO ANd GO」もそうだったが、この作品も率直にいえば「スラムダンク」の“ような”漫画です。
それさえ忘れてしまえば手放しでほめられる作品。

「ケンカだったらレアル相手でも楽勝!!」というキャッチコピーはダサすぎると思うが・・・(笑)

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[投稿:2010-05-16 18:31:08] [修正:2010-05-16 18:31:08] [このレビューのURL]

上手い、上手すぎる。
ベテランらしい実にドラマチックな盛り上げ方。

一話一話のテーマ自体はいかにも原先生らしく、昔のドラマのような泥臭い臭さがあって、そのお涙頂戴的な展開に合わない人もいるかもしれません。

ただ自分は好きだなー。
風呂敷を広げて、語って、盛り上げて、落としてと非常にシンプルな構成。
余計なものを一切入れず、漫画の純度だけで勝負している感じ。

何より野球を下敷きにした短編読み切りでありながら、これでもかというくらいに人間が描けているのが素晴らしいです。
濃縮された原秀則イズム。

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[投稿:2008-09-17 00:01:12] [修正:2008-10-06 11:29:19] [このレビューのURL]

「旅」というより「RPGゲーム」のようなノリの4コママンガ。

主役の2人と1匹以外の仲間がコロコロ入れ替わる。
で、その仲間連中が商人からトレジャーハンター、果てはどっかの国のお姫様までかなり個性的な上にメリハリがついているので、入れ替わるたびに別の化学変化が起こるので楽しい。

その反面、キャラが次々と退場するたびにそこはかとない名残惜しさも感じてしまいますが、別れも含めてこの作品の醍醐味なのかな。

現在の最新巻3巻でかなり先が気になる終わり方をしているので、単行本派の自分としては次巻が楽しみ。

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[投稿:2008-06-08 15:06:41] [修正:2008-06-08 15:06:41] [このレビューのURL]

同人誌で発表された短編漫画を集めた作品集。
単行本の前半に小坂作品、後半に重野作品を収録。

共に普段はギャグ4コマのイメージが強い二人ですが、この作品集では4コマではない普通のコマ割の漫画だったり、ギャグ無しのシリアスな漫画だったり、ラブストーリーだったりと非常に挑戦的な内容。
小坂作品の方は葬式ネタを中心に全体的にシックな装い。
重野作品の方は日常的な恋愛をむずがゆく切り取った作品が大目。

どちらも読後感がしんみりとしていて心地良く、良い間、良い余韻で描かれた作品の持つ雰囲気がいかにも漫画好きが好きそうな感じ。
個人的には戸田誠二作品に近い印象を持ちました。
面白かったです。

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[投稿:2008-05-18 19:10:10] [修正:2008-05-18 19:10:10] [このレビューのURL]

ミステリーの要素を取り入れたポリスコメディ4コママンガ。
謎解きを一話の大筋に入れていたりするもののそれ自体は児童書の推理クイズクラスなのでそこは話の種程度(作者としては考えるのが大変だろうなとは思うものの・・・)。

あくまでキャラクターコメディとして非常に面白かった。
4コマの型としては必ずしも流行りのタイプでは無いのだろうけれど、職人芸的な安定感が光る。
何気にボケ・ツッコミ・すかしとギャグのパターンも多いし、ラブコメ的な要素もあってネタのレパートリーも多い。

中々の良作でした。

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[投稿:2008-04-29 20:10:08] [修正:2008-04-29 20:10:08] [このレビューのURL]

体に衝撃を受けると過去にタイムスリップしてしまう特異体質な男。
未来に起こった核戦争を原因に30年前に戻ってしまう。
核戦争の原因となる将来の総理大臣を殺そうとする
・・・とこうしてあらすじだけ見ると荒唐無稽でどこのターミネーターの亜流だよという感じですが、読み始めるとすぐにそんなのどこかへ吹っ飛んでしまって、キャラクターの真剣さとストーリーのドライブ感ですっかり引き込まれてしまいました。
息つく間もない展開はさながら最近流行のアメリカドラマの様。
日本にもこんな作品、しかも漫画で表現できる人がいるんだなあと感心することしきり。
舞台が1995年というのがミソでこの一点とってもよく練られているのが伝わってきます。

全2巻という尺的にも手ごろだし、よくまとまった良質なサスペンス作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-03-29 00:00:31] [修正:2008-03-29 00:00:31] [このレビューのURL]

過去に起こった戦争で荒廃した地球に取り残された最後の少女とロボットたちのSFホームドラマ。

初期設定としてはアリガチなもののそこからの転がし方が上手い。
規模の大きな話にも出来るところを結局小さくまとめている感じも好きだし、なにより作画も含めたキャラクター陣の優しい雰囲気が心地良いんだなあ。

SFといえど先鋭的な部分が一切無く、ここにSF漫画の未来は無いのだろうけれど、使い古された設定・キャラクターを昔ながらの使い方、それを作者なりに咀嚼した形でキレイに使っている感じ。
尺的にも全3巻でよくまとまった作品だと思います。

隠れた名作といって良いかと。

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[投稿:2008-03-27 07:41:37] [修正:2008-03-27 07:41:37] [このレビューのURL]

直撃世代でした。
自分がちょうど小学生の頃に『いまどきのこども』ブームが来て(いやあくまで密かなブームレベルだったかもしれませんが・・・)そこかしこでこの作品のキャラクターたちが描かれたグッズや商品広告を見かけたなあ。
もう20年近くも前の話ですが。

ただこの作品の持つ特有の子供目線の中にあるシニカルさなんてのはちっとも色あせていないと思います。
とことんユーモラスでありながら、当時の子供の心情がリアルに表現されていて根底にあるどこか冷めた視点も忘れない。
言わずと知れた名作。

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[投稿:2008-03-19 01:59:14] [修正:2008-03-19 01:59:14] [このレビューのURL]

大ヒット作『少年アシベ』以前に描かれた短編集。
全7編収録されているが画風がそのつど大分変化していて、模索感が受け取れる。

全編通して純文学チックな淡い作風で読後に疲労からかため息をついてしまうほどにのめりこんでしまっていた事に気づきました。
いやー、非常に良く出来た作品集です。
特に表題作『23のさかな』の出来は格別。
キャラクターの一つ一つのセリフが胸に突き刺さり非常に味わい深い。

漫画で文学したい人にはうってつけの作品だと思います。

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[投稿:2008-03-16 21:31:30] [修正:2008-03-16 21:31:30] [このレビューのURL]

妖怪に殺された三蔵の無念を晴らすため妹・テンテンが道中に出会った孫悟空の「クローン」などと天竺を目指す一風変わった西遊記物。
西遊記物とはいえ猪八戒がニヒルだけど太ったおっさんブタだったり、沙悟浄がツンデレねーさんだったりでキャラ設定からひねってあるのでアリガチ感は無い。

その上、一話一話で丁寧にきっちりと作りこまれていて物語りもどんどん動いていくし、それに伴ってキャラクターもよく動くので飽きない。
コメディ部分とドラマチックに盛り上げる部分がともに上手く、個人的にはすっかりはまってしまいました。

マイナーな作品だけどかなり楽しめたなあ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-30 19:41:24] [修正:2007-12-30 19:41:24] [このレビューのURL]

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