「鹿太郎」さんのページ

総レビュー数: 407レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月13日

小野先生の近作『ネコの王』の一話完結式サイドストーリー集。
とはいっても舞台設定が同じというくらいで『ネコの王』との関係はあまり無い。

主人公のネコが旅の途中で色々な人と出会い、様々な問題解決にあたる。
作品構造としては至極簡単なものですが、そのぶん分かりやすく、まさに小野先生のコロコロ時代の作品『バーコードファイター』や『ヤドカリくん』の正統進化系といった感じ。
どこか郷愁を感じさせるさわやかな作風は、ジブリ作品にも通ずるところもある(と言ったら褒めすぎか)。
しかし、物語ごとにきちんとテーマが伝わってくるし心に残るものもあるので、『ネコの王』本編よりもむしろ完成度は上かな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-01-24 04:03:50] [修正:2007-01-24 04:03:50] [このレビューのURL]

女性警官バディ物の佳作。
この作品以降多発されたジャンルでしたが、正直これを越える作品は現在まで出てきていないと思う。

最初は先に最近の藤島先生の絵を見ているせいか、スタート時の絵がどうにも受け入れにくかった。
しかし、しばらく読み進めると、画風が洗練されるとともに、濃いキャラクター陣をそれぞれに生かすような一話完結式でのストーリーテリング能力がみるみる向上して行き、結果として想像以上に楽しめました。

さらに特筆すべき点として作者のバイクや車・銃火器などの機械への偏愛ぶり。
この作品に限らず藤島先生の著作にはメカに対するマニアックなこだわりにあふれ、その精緻な描きこみは異常なまでに美しい。
ここまで自身の趣味・やりたいことと題材がマッチしているのも珍しいと思います。
犯人追跡の名目で合法的にレースが出来ますからね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-01-14 01:25:12] [修正:2007-01-14 01:25:12] [このレビューのURL]

スポ根漫画の代名詞。
アニメでも有名なので知らない人はいないと思います。

異常なハイテンション。
いまや科学的に否定されてしまった猛特訓の数々。
常識を打ち破る魔球。
波乱万丈な親子鷹。
今読んだら荒唐無稽に思えてしまうかもしれませんが、全てまとめて吹き飛ばすパワーがあった。
身体中が傷だらけになろうとも、打たれるはずが無いと思っていた魔球を打ち返されようとも、最後は根性でライバルたちを打ち破っていく。

こういうのに心打たれてる自分を振り返って見ると「男の子だなあ」と思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-10 18:24:37] [修正:2006-12-10 18:24:37] [このレビューのURL]

クラスでは目立たない主人公がサッカーになると大活躍。
ここまではありがちとも言えるシナリオですが、この作品が魅力はサッカーの「楽しさ」がめいっぱい伝わってくるという点。

描かれているのは、大きな大会とかは似合わない、小学生の休み時間や放課後中心の楽しいサッカー。
要するに高い戦術論もハッタリある超人サッカーもそこには無く、あるのはただただ生き生きとサッカーをしているキャラクター達。

ある意味、ありそうでなかった視点の作品。
めざすべき高い目標はあるんだけど、そこまでの過程は他のサッカー漫画とは全く違ったものになりそうだった。
あまりにも楽しそうなので、自身も体を動かしたくなるとともに、主人公達の持つサッカーに対しての純粋さはおっさんにはまぶしすぎる(笑)

キャラクターの等身が低く抑えられているため、リアリティある躍動感・迫力は見込めませんが、作風にもマッチしていますしこの画風も含めてとだ先生の持ち味かな。
ネガティブな意味でなく、ぜひ子供に読ませたいという意味でコロコロやボンボンといった児童誌に載せたかった作品。
もっと長く読みたかったけど、惜しいなあ・・・。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-11-29 22:04:04] [修正:2006-11-29 22:04:04] [このレビューのURL]

8点 龍時

掲載誌が海外サッカー専門誌ということで元々サッカーについてある程度知識のある人に向けて描かれているため、若干敷居は高いです。
しかし、そこさえクリアしてしまえばこの作品相当面白い。
サッカー漫画界の新しい代表作になれそう。

漫画としては一つ一つのセリフが重く、ウィットに富んでいて(人によっては臭い・野暮ったいとか感じるかもしれませんが)さすが小説原作といった感じ。
作画は一枚絵として美しい画風ではありませんが、動きのあるシーンでは迫力十分。
スポーツ漫画は動いてなんぼなので及第点レベルの描写力は備えていると思います。
ゆえに試合のシーンが特に秀逸で、フィールド内での疾走感・プレイヤー達の力強さがきちんと表現されているのが良いです。

原作小説の方は作者の野沢先生が亡くなってしまったため、続巻刊行不可に・・・原作消化後が漫画版の本当の勝負なのかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-04 08:40:46] [修正:2006-11-04 08:40:46] [このレビューのURL]

初期は柔道、中期以降はプロレス漫画。

柔道から別のスポーツへの移行という点ではドカベンとかぶりますが、同じ格闘技と言うことで違和感は感じません。
題材が男くさいので女性はちょっと食指が動かないかも。
かといってとっつきにくいわけじゃなく、その証拠に格闘技自体にはあまり興味が無い自分のような人間でもかなり楽しめました。

この作品に限らず小林先生の作品全てにおいてですがコメディとシリアスのバランスがすこぶる良いですね。
コメディパートはキャラクターがそれぞれ立っているのでかけあいがいちいち楽しいですし、シリアスパートでもきっちり読み込ませてくれます。
主人公の三四郎も、今はダメでもいつかは最強になる!!と信じられる魅力と説得力にあふれ、まさに男という感じ。
名作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-10-17 23:47:03] [修正:2006-10-17 23:47:03] [このレビューのURL]

料理漫画はやはり料理が美味しそうに見えてなんぼだと思うんですが、その点についてこの作品はかなり優秀。
食欲を刺激するのはもちろん、料理をつくりたくなってくる。

作品全体を包む雰囲気はザ・アットホームといった感じ。
ありがちな料理対決なんかは一切無く、ただひたすら人情物に料理をからめてエピソードを作っているのが良いです。
(この作品の料理バトル路線なんて想像も出来ないなぁ。全国のクッキングパパたちと戦っていくとかか?)

日常マンガですが作品内で時間がまったく進まないタイプでは無く、徐々にキャラクターたちも年をとっており、連載当初は小学生だった息子もいまや大学生。
かなりの大長編となっています、というか連載開始から20年か…
料理というしばりの中でよく続きますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-10-03 17:30:49] [修正:2006-10-03 17:30:49] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

食いしん坊のボクサーと生真面目なシスターのラブコメ。

高橋先生の作品の中では『めぞん一刻』が一番近いかな。
とはいえ主人公が積極的でそれに伴って『めぞん』よりも軽いノリではありますが。

数話をかけて1エピソードをこなし、きつい減量とラブコメをからめつつラストに試合をもってくるスタイル。
主人公はバカだけど憎めないし、ヒロインのシスターも魅力的。
濃いゲストキャラクターたちも含め、登場人物たちがよく動いてくれるので単純に面白いです。

設定自体は読みきり型だと思うんですが、長らく続編が途絶えているこの作品、完結を見ることができるのかなぁ…

完結記念に追記
締め方も良かった。
7から8に加点。
内容とは関係ないですが、ラストエピソードでシスターがホストクラブに行くくだりなんかは「あー、高橋先生も取材と称してホストクラブに言ったのかなあ」とか、そこでのシスターのリアクションを見る限り「雰囲気に馴染めなかったのかなあ」とか思ってしまいちょっと笑えました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-10-01 00:30:42] [修正:2006-10-01 00:30:42] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

読みたいとは思ってはいたものの中々現物に巡り合えずやきもきしていたのですが、このたび文庫版で復刊していたのでさっそく読んでみました。
で、結論から言ってずばり面白かったです。

タイムスリップで現代と未来を行き来する、非常に藤子Fチックな作品。
そのギャップが肝で、現代ではあまりぱっとしない「みきお」が未来のそっくりさん「ミキオ」と入れ替わりますが、その時代での常識が分からなかったり、未来の道具が使いこなせずに右往左往。
逆に現代人なら常識的にできることが、未来ではスーパーなことだったりしてヒーロー扱い。
タイムスリップSFコメディの教科書のような出来でした。

欲を言えば未来のミキオから見た現代ももっと描いて欲しかったかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-09-17 23:36:31] [修正:2006-09-17 23:36:31] [このレビューのURL]

主人公のひとみ先生が周りの人々にひたすら嘘をつき続けるコメディ。

基本的に全てが会話劇なのでどうしても画面が平坦になりがち。
絵も、トーンを一切使わずペンタッチを極力効かせないシンプルなもの。

しかし、そういった言わばマイナスにもなりうる要素を、ダイナミックなコマ割と背景に何も関係の無いキテレツな絵を差し込むことでカバーしています。
むしろシンプルさが良い味になっている不思議。

いけしゃーしゃーと笑顔で嘘を吐き続けるひとみ先生に加えカオスな背景絵は、読んでいるうちにだんだんとトリップしてくることうけあい。
ひとみ先生すごい美人にみえるし。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-09-03 01:09:46] [修正:2006-09-03 01:09:46] [このレビューのURL]