「鹿太郎」さんのページ

総レビュー数: 407レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月13日

『ハレグゥ』の金田一先生の百合作品短編集。
モノローグ調の淡々とした語り口でスッキリした色々なタイプの女の子同士?の恋愛ストーリーが続く。
一話一話が非常に良くできていて面白い。

百合物というだけで引いてしまう人もいるかもしれませんが、この作品は普通にちょっと変わったシチュエーションの恋愛漫画でした。
その「普通とはちょっと変わった」部分が上手いことストーリーの中で面白く料理されているし、それなりの答えも出してくれているのでモヤモヤ感も無い。
特に「あゆみとあいか」は好きだなー。
良作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-03-08 00:17:52] [修正:2008-03-08 00:17:52] [このレビューのURL]

日常密着型怪人ギャグマンガ。
地球を侵略しようとしている非日常な怪人連中が、スーパーでの買い物の仕方を説いていたり、テレビCMに対して必要以上に真剣に議論していたりで、とにかくバカバカしい。
あまりのバカバカしさに大笑いさせられてしまいました。
こういうの大好物なんですよ。

落ち着いて読み込むと、なんてことはない日常生活での「あるあるネタ」なんだけれど、その精度が恐ろしく高い。
日本で普通に生活していたら多くの人が体験しているであろうしょーもない事柄をピンポイントで突いてくる。
いやー面白い。

笑いの方向性としては野中英次先生なんかが近いかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-09-17 01:18:19] [修正:2007-09-17 01:18:19] [このレビューのURL]

田舎に左遷されてしまった元最先端ロボを中心とした警察コメディー。
同僚の不良警官やマッドサイエンティストな女性警官、街の住人たちとの交流を通して徐々に成長していく主人公ロボ・モンジュ。

基本線はコメディーだと思いますが、一話一話できちんとストーリーが動いているので想像以上に肉厚・骨太。
内容・構成も非常に分かりやすく、キャラクターや物語からある種の「優しさ」がにじみ出ているようで、読後に少し温かい気持ちになれますね。
印象的なセリフも多いし、ここ一番での演出力も高く、不覚にも自分は何度かホロリとしてしまいましたよ。
いやー、面白い。

知名度こそいま一つですが、間違いなく良作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-06-01 06:20:33] [修正:2007-06-01 06:20:33] [このレビューのURL]

9点 ママ

[ネタバレあり]

胸が痛い。
始まりは子持ちの女の子とその娘に惚れた主人公のラブコメ。
明るい作風で気持ちの良い青春だなあなどと鼻歌交じりに読んでいたら、ラスト付近でのシリアスな盛り上げ方にやられました。

結局、主人公が二股の内どちらを選ぶかというわりとオーソドックスな話になるのですが、特に女の子のキャラクターはとても魅力的に描かれていただけに、重苦しい修羅場的雰囲気が見ていてつらい。
・・・くらいに上手い。

作画の極端な変化や主人公のライバルを含めた脇キャラがいま一つ立っていないなど、決してアラが無い作品とは言いませんが、作品の内容・方向性から『めぞん一刻』並び称されることも多いので、『めぞん』好きの方はぜひ一読して欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-05-23 22:38:42] [修正:2007-05-23 22:38:42] [このレビューのURL]

なんとも語りにくいというか、とにかく妙な作品。
おっさんが仕事の合間に飯屋に入って「うん、うまい」だとか「これを注文して正解だったな」など、ただひたすら素朴な感想を写実的な作画で見せるだけ。
それなのに目に付くと手に取ってしまい、読み始めると止まらなくなり、読み終えて本を閉じると腹が鳴るという・・・。

うーん、珍味的というか。
だめだ、この作品の魅力を伝える言葉が見つからない・・・。
とりあえずその日のご飯が少し美味しく感じました。
今度、一人飯にも挑戦してみようかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-04-30 07:06:34] [修正:2007-04-30 07:06:34] [このレビューのURL]

アッツイなあ。
もちろん題材がもともと熱いというのもあるのだろうけど、ここは村枝先生の熱血描写力を素直に称えたい。
村枝先生の手にかかれば老人の雑談とかパンダの一生でも燃える展開で描いてくれそうと思えるほどにとにかく達者。

その上、この作品ではおっさんたちの渋さというプラスアルファも見せてくれる。
ただ普通の少年漫画のように直情型に熱いのではなくて、人生経験が豊富な上での一歩引いた冷静さというか大人の渋みを感じさせる描写にただただ感心。
読み終えた後、涙を拭いつつ「ベテランの仕事ぶり」をこれでもかというくらいに感じられます。

仮面ライダーに興味が無い人にも胸を張って薦められる極上の一品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-04-28 22:46:47] [修正:2007-04-28 22:46:47] [このレビューのURL]

知る人ぞ知る。
90年代初頭のJリーグバブル期において、硬派にセリエAを取り扱ったサッカー漫画。

単身イタリアに渡った主人公が当時は弱小だったフィオレンティーナを優勝に導くという分かりやすいストーリー。
まあ現実ではまずありえないシナリオですが、それでもフィクションとしてのリアリティは抜群。
ディティールに凝った試合展開、作画面での選手の体つきや身のこなしなど写実的かつ躍動感ある描写で魅せてくれます。
主人公たちの華々しい活躍も良いんですが自分が特に気に入ったのは、勝っている時の時間稼ぎや悪辣なメディアへの対応など細かいサッカー文化も描写されているところ。
連載当時、やっとメジャーになり始めた「フットボール」を読者に教えてくれているかのようでした。

往年の名選手たちが実名で登場するのもこの作品ならでは。
似顔絵をキャラクターとして動かすのって想像以上に難しいことだと思うのですが、よくもまあ卒なくこなしています。

知名度がいま一つ低いのがもったいない、文句なしの名作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-04-01 00:24:38] [修正:2007-04-01 00:24:38] [このレビューのURL]

少女漫画はほとんど読まない、話題になったものだけつまむというぬるい読者ですが、これは面白かった。
まさに青春真っ盛りといった感じで、読んでいるこっちが照れてしまう。
全員が片思いという設定もキャッチー。
コメディ部分のテンポも心地良いし、心理描写時のコマとコマの間にキャラクターの独白を挟む変わった手法も特徴的かつ効果的。
総じてラブコメとして非常に出来が良い。

作画について最初こそペンタッチの荒さが目に付きましたが、中盤からは全く気にならずむしろこの世界観には荒く淡いタッチがぴったりだなと思うようになっていました。
下手に引き伸ばさないでスパッと終わっている点も好印象。

痛々しい青春に背中がムズムズ、切ないストーリーに目鼻がムズムズしてくる良作(なんだそれ)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-03-04 23:55:46] [修正:2007-03-04 23:55:46] [このレビューのURL]

以前、ゆうき先生は横山光輝先生の作品を「頭の良い漫画」、「大人の人が描いた漫画」と評していましたが、自分がこの作品に感じた印象がまさにそれ。
ぶっ飛んだ設定やキャラクターなどは一切無く、ただたんたんと牧場での生活・競馬にかかわる雑多事を描く。
その中で、キャラクターの頭の中から生まれる次の行動がつねに常識の範囲内なので展開にも納得できる。
急転直下で驚きの連続といったものは無いけれど、キャラクターたちをここまで身近に感じることができる作品は稀少。
ゆうき先生自身が永きに渡って競馬を追い続けている「競馬ファン」なのでディティールまでリアリティが行き届いているし、一般的に難解とされる馬の作画もそこはかとなく上手い。

漫画内の空気が心地良くいつまでも作品に浸っていたい、そんな気分にさせてくれる良作。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-02-04 09:03:55] [修正:2007-02-04 09:03:55] [このレビューのURL]

サラリーマン漫画の定形コンビ・一見駄目人間だけど・・・な上司と新人女子社員が映画を通して傷つき迷う人々に何かを伝える。
まあ要するに『金魚屋古書店』の映画バージョンなのですが、個人的にはこちらの方が上かなと思う。
あちらは横にエピソードを並列的に並べていっている感じですが、こちらは「親父の撮った幻の映画」という大筋のお話があるせいか作品に芯がある印象。
取り上げられた映画をすごく観たくなる様な作り方・魅せ方も上手い。
この作品で使われた映画は次の日レンタルビデオ店から消えるとか消えないとか(大嘘)。
で、実際に映画を観てみるとさらに作品自体が味わい深くなるのも嬉しいですね。

作画家はもとより、原作者の「力」を感じられる秀作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-04 09:01:23] [修正:2007-02-04 09:01:23] [このレビューのURL]

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