「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

【2010年末更新、全巻所持→現在は売却】
作者はNARUTOの岸本さんの弟さん。
画や作風は確かに似てますが、がんばってそうならないよう努力しているのも読んでいて伝わってきます。

王道を詰め込みすぎて既視感のある展開ばかりの序盤は正直酷い…。初作品だからというのもあるけれど、いくら少年向けとはいえ荒っぽすぎる。
しかも最初はサタンという破格に強い設定のせいでバトルもご都合主義。
だけど天使や悪魔が多く出てきてからは個人的になかなか面白いし、怒涛のラストは非常に良かったです。クロノクルセイドタイプ。

あと子供にかっこいいと思わせる要素を詰め込み過ぎて不自然になった主人公ジオが好きになれない…
野生児で片目が青でサタンで子供でブーメランで長マフラー…etc
うん、もうルックス変だよね。一つ一つの要素はかっこいいのかもしれないけど、全体でみると酷いっしょ!?

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[投稿:2010-03-22 18:04:40] [修正:2010-12-31 15:25:58] [このレビューのURL]

連載開始したとき、非常に期待できる作品でした。
4巻あたりまで非常に斬新で面白く展開していき、その後も安定感があったのですが、アニメ化等売れだてからの展開は路線が変わってしまった気がして好きじゃないです…

キャラうんぬんじゃなくてギャグもストーリーも純粋に面白かったんだけどなぁ

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[投稿:2010-01-04 02:57:45] [修正:2010-12-31 15:07:51] [このレビューのURL]

8点 秘身譚

『秘身譚』
その身に秘めたもの…

両性具有、月(ルナ)の満ち欠け、半陰陽(アンドロギュヌス)、女神(ヘカテー)の力

その少年(少女)の名はエラ。
彼(彼女)は戦士であり、暗殺者であり、諜報員であり、そして神の子である…


ローマに対する憧れや興味がない人にはお薦めできません。カラカラ帝以降の古代末期の話ですが、知識はあってもあまり役に立たないでしょうからいりません。まだ1巻ということもありますが、はっきり言って全く話の筋が見えてきません。
謎多き少年帝・ヘリオガバルスの物語と聞きましたが、自分は話を追いきれてません。

主役(?)のポリオはものすごい悪党だし、彼に仕えるエラも血しぶきドバドバたてながらばんばん人殺していくし、巻末の膨大な参考文献を使って真面目に歴史漫画やってくのかと思ってたらめっちゃダークファンタジー入ってるし…(注.×ファンタジー ○ダークファンタジー)

もう大好きなんです、この作品。
とことん考証されたローマの世界観も良いですが、なんたってヤバいのが作画。
馬鹿みたいな描き込み量、膨大な資料の下描かれた古代ローマの街並み、作者が最も力を入れているというキャラ造形…
「王ドロボウJING」や「思い出エマノン」を芸術と称するのもわかるけれど、個人的にはこういう方が芸術性を感じてしまうのですよ。

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[投稿:2010-12-30 22:03:20] [修正:2010-12-30 22:03:20] [このレビューのURL]

ほんわか日常と蠢く陰謀が交錯する、不思議学園物語!


外部から遮断された、異能力者のみが通わされる学校「アリス学園」
そこで繰り広げられる、ドタバタな日常やイベントがメインなのですが、その背後で学園や外部組織の影が見え隠れします。
そんなわけで物語の根幹は非常にシリアスなのですが、天真爛漫な主人公や仲間たちのおかげで暗さを感じさせません。

個人的に学園ものというジャンルは、好きじゃないし、キャラ媚び路線に走ってるものも多いので受けつけ難いのですが(しかも主人公たち小学生だし…)、この漫画はめちゃめちゃ楽しめました!その理由をいくつか紹介してみます。

1.デフォルメされまくったキャラクターたちがなんとも漫画らしい!
→最近の漫画って、等身大でリアルな姿を綺麗な画で、性格はテンプレ通りに描かれることが多いと思うけど、この作品のキャラたちは顔も姿もかなりデフォルメが効いていて、いかにも「漫画」って感じであまり媚びた感じがしないのが好き。
それでもオマケページや本編において読者を狙ったサービスもあるのですが、キャラ一人一人の性格や人物像はかなりしっかりしているおかげで、容姿で惹きつけようというよりその性格を楽しんでください、といった感じです。なので自分のような読者にもほとんど悪印象を与えることなく、それでいてそういったことが好きな読者向けのサービス提供にも成功しています。

2.魅力的な能力の数々!
→大御所的な能力はもちろん、「そんなのあり!?」って感じの変な能力も多いです。能力には制約や種類もあり、また一人一つ、というわけでもないのがまた面白い。

3.キャラの多さ!
→能力の数だけキャラがいる!でもキャラの魅力は能力だけじゃなく、性格や生い立ちも練られてます。特に主要メンバーは、かなり人間関係が複雑に絡み合っているのが秀逸。

4.能力者という下地がありながらバトル化せずギャグ漫画を貫く!
→少女漫画なので恋愛はあってもバトルはありません。敵との対峙はありますが、そこで行われるのは能力を使った「バトル」ではなく「駆け引き」。
少しもったいない気もしますが、能力という設定はシリアスパートで存分に生かされています。何よりあまりにアクションシーンが残念なので、そういう意味でもギャグやコメディに徹する姿勢は大成功だと思います。もしアクションが上手く描けてたら…と思うことも多いですが、この作品はこれでいいとも思います。

5.肝はあくまでシリアスパート!
→この物語は、序盤中盤とギャグ&コメディで進みますが、実はそこでやってることのほとんどがシリアスパートへの伏線に繋がっています。明らかなギャグ回でも気が抜けない。ほんわかな展開されながらも、その終わりには奥深い闇が垣間見られ、心温まるだけの話では終わらせてくれません。
17巻以降は物語の核心と伏線回収に入り、ギャグが姿を消しますが、心理描写がうまく非常に感動できる話になってます。
ギャグやコメディ自体も結構おもしろいです。子供向けらしいギャグも、かなりシュールなギャグも混在。蜜柑の関西弁も新鮮だし、蛍の能力がドラえもん的役割も果たすので話の発展が面白い。

6.見せ方が秀逸!
→猛プッシュしてきたこの作品、実はシリアスパートでやってること自体は王道です。しかし見せ方・惹きつけ方が非常に巧く、例えば少女漫画特有の、回初めに言葉(心内語)で語り、回終わりに言葉で締める、というやり方がかなり効いてます!この言葉は、誰の気持ちわかることが多いのですが、たまに複数に当てはまれることがあり、かけ方が本当に秀逸。
もちろん王道であるが故に話の安定感も抜群、それでいて従来の王道と違い飽きさせない工夫がこさえられ魅力的な作品に仕上がっています。


以上のように様々な魅力をもつ漫画です。ハリー・ポッターに似てる気もしますが、個人的にはこっちのが好き!多少百合やBLっぽい部分もあるのですが、あくまで小学生なのでそこは友情と表しましょう(笑)
老若男女誰にでもオススメな作品ですが、あくまで「少女漫画」であることをお忘れなく。

【2010年末、追記。23巻まで所持】
17巻以降の怒涛の展開、若干スパートをかけるのが早すぎた気が…20巻以降テンションを維持しきれてません。
正直テンポが悪いです。「花とゆめ」の看板になって以来、誌上を見てると無理に持ち上げられすぎなような…編集部から長引かせろと指示されていそうで怖いです。

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[投稿:2010-05-01 20:51:11] [修正:2010-12-30 20:07:11] [このレビューのURL]

「Heureka!」

アルキメデスが浮力に関するアルキメデスの原理をひらめいた時、入浴中に大喜びで叫んだ言葉で、「見つけたぞ」とか「わかった!」といったニュアンスがあります。
ただ作中の最後、アルキメデスがそう叫んだすぐ後には…
なんとも悲しい、皮肉交じりのタイトルです。

岩明さんの要素がいかんなくつぎ込まれていて、更には珍しい恋愛要素も組み込まれており、ストーリー的にもしっかりまとまっている。

展開に無駄がなく、テクニックも凝縮して1巻にまとめているので高得点をつけたいのに、それ故に物足りないという気持ちが勝ってしまうのは本当に実力のある作家の宿命なのかも…
ヒストリエと一緒にどうぞ!

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[投稿:2010-10-09 20:11:41] [修正:2010-12-23 01:10:27] [このレビューのURL]

8点 神童

無駄なものは描かず最小限の情報を。
漫画らしくキャラは記号に。けれど2人の主人公はのびのびと自由に。
なんとも漫画らしい漫画だと思います。
決して画力が低いとは思いません、少なくとも表現力で補える範囲かと。仮にも実技試験のある京都精華大学マンガ学部マンガ学科の准教授ですしね。

『のだめ』『ピアノの森』と比較されがちだけど土俵は違います。
前半の野球部分、漫画じゃよくあるパターンだけど、正直あまり好きではないです。けれどそれを含めて、全体のテンポが良い。
特筆すべきはやはり後半部で、特に4巻(文庫版3巻)の流れるような展開は素晴らしいです。

全てが音で表現され、音で感じ、音で見、音に生きる世界観。
うたとわおが求めた音、得た音、すれ違う音、行きついた音。
名をあげるほどに遠ざかる音、音を失って得た音。

自分もピアノを嗜んでいますが、同じ曲を弾くにしても弾き手次第で全く異なる音が生まれるのは本当に神秘的で奥深いです。
最近では全盲のピアニスト・辻井伸行が有名になっていますが、ぜひ聾者(耳が聞こえない人)のピアニストの音も感じてみてください。

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[投稿:2010-12-23 00:15:09] [修正:2010-12-23 00:15:09] [このレビューのURL]

昔、「一度読み始めたのだから」と惰性で集めたのだけれども、幼心ながら毎度ある「この時の私達は、これから起こる事件をまだ知らなかった…」的なモノローグに期待させられていたのも事実。
蓋を開けてみれば、結局山場などあったのだろうか、起伏のない展開と幼い内容…。
たしか2巻だったか、子供達と仲間のモンスターとでサッカーする場面、この人ドラクエやる気あるのかなぁって。そういう話が原作にあるのでしょうか?他のグダグダ展開以上に許せなかったです。

この人の画が好きなだけならモンスターファームを、
ドラクエが好きならカムイさんのロトなりダイの大冒険なりを、
「いや、俺はドラクエ5が読みたいんだ!」って人は…同人誌を探すことをお薦めします。

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[投稿:2010-12-22 23:45:10] [修正:2010-12-22 23:45:10] [このレビューのURL]

今は『半神 自選短編作品集 萩尾望都Perfect Selection 9』に収録されているので、もし読みたいと思いましたらそちらの購入をお勧めします。

産んだ子供がイグアナだった…
しかしイグアナに見えるのは母親だけで、他の人からは普通の子供にしか見えない。
そのため母親から嫌われ、もう一人の娘(こちらは誰が見ても人間)ばかりかわいがられる。イグアナ娘は母に気に入られようと色々努力するが母は常に煙たがる。
次第に母親から離れたいと思い結婚するが、やがて母親が亡くなり葬式へ行く。
しかしそこで見た母親の姿は…

母親からの憎悪、母親への諦観、真実を知って変わる想い…
どんなに忌み嫌いあっても切れない親子の縁と絆、見事です。

上のあらすじの2行目は伏線ですが、仮にオチが見えても全体の完成度は高いので一読の価値あり。

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[投稿:2010-12-22 16:23:57] [修正:2010-12-22 22:35:09] [このレビューのURL]

最近「復刊.com」により復活しました。
ボンボンで読んでいた当時は画も内容も全部が濃い(濃ゆ過ぎな)作品で、これを果たしてボンボン読者(主に小学校低学年)が読むものかと思ってましたが、面白いものはやはり生き残ります。
とはいえ最後は打ち切り…これはボンボン編集部が悪かったのですが、小学生に劇画調は厳しかったのも少なからずあるでしょう…

あくまでボンボン読者向けではあるのですが、それを差し置いても展開・テーマ・熱さ、全て高レベル。
話によっては少年漫画を超える熱量、青年漫画以上のドラマがあり、特にX3のアシッド・シーフォース戦の結末は切ない余韻を残します(作者も述べているが、あえて全てを語らずに描いたのが成功しているのだろう)。

エックスの葛藤は毎回凄まじいし、表情もどっちが敵だかわからなくなったりするくらい険しくて面白いです(ex、X3のVAVA戦など)。
各シリーズ楽しめるけれど、やはりストーリー的にはX4が最高レベル!…のはずだったのに先に述べた打ち切りが悔やまれます。
ポケモン漫画に例えれば個人的に「電撃ピカチュウ」の位置付けだけど、X4シリーズが完成していたら「ポケスぺ」の位置にある有賀ロックマンを喰っただろうに。

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[投稿:2010-12-22 16:45:11] [修正:2010-12-22 22:30:46] [このレビューのURL]

一見中途半端なラストだけれど、しっかり伏線回収しながら読み返せば、結末は描かれていないが話自体はしっかり終わらせていることに気付きます。
読者に対して問題を提示する系の作品。

作者の中でかなりしっかりSFという概念が構築されていることが窺えて、SF耐性がないと読むのがきついと思いますが、壮大な話を破綻なく描く手腕は本当にお見事。
少女マンガなので恋愛もあるのですが、それさえもSFの中に組み込んでいて壮大です。

後半の時空間の枷から放たれた状態になったセイが本当に時間を飛んで転生後の自分に会う展開など、一周目はなかなかついていくのが辛かったり、萩尾先生の哲学も難しかったりと、読み手側も根気が必要。
個人的には、萩尾作品のSFなら『銀の三角』の方が名作かとも思ってたり。
でも「進化=退化」という表現は凄いと思いました。間違いなく、この人は天才です。

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[投稿:2010-12-22 16:03:01] [修正:2010-12-22 16:03:01] [このレビューのURL]