「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

はっきり言って大っっ嫌いだけど、評価せざるを得ない作品。

悔しいことにバトルシステム、世界観、ファンタジー要素、キャラの多さと全キャラを掘り下げて魅力化していく努力、微エロとチラリズム(笑)、全てにおいて完成されてる感が否めない。

ラブコメ風にみてもいいし、バトルとみてもかなり面白い。
エロ漫画と言えばそうだし、ギャグとも言えるかも。

難点はこうした要素が多すぎて、例えばバトルが好きって人にはラブコメとかいいからさっさとすすめ!って思えちゃうなど、ジャンル的なまとまりがなさすぎてテンポが遅く感じてしまうことかな。

あと1コマの濃縮度が半端ない。長所かもしれないが、個人的には読むのに疲れる。

年商2億以上らしいが、それも納得できてしまう作品。まぁファン向けのアイテム付けて値段上げたりしてるから、純粋な漫画だけの稼ぎではないけど。

最近の少年漫画の中じゃトップクラスだからぜひ…読むな!

いやなんかもう良作なのに素直に評価・お薦めできないんだぁーーー

それでも読んじゃうんだけどorz

シーンメモ
12巻
コタロー×クウネル=負けて「俺のこと見てくれへんようになったらどないしよう……」
刹那×エヴァ

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-12-30 14:33:16] [修正:2016-01-03 18:38:05] [このレビューのURL]

7点 惡の華

大なり小なり思春期の内に鬱屈としたものを抱える少年というのは多いと思う。自分の心の中だけに存在する、誰にも知られたくない中二病、あるいは変態性。誰に打ち明けるでもなく自分の中だけで育んでいくからこそ、その妄想は自身の精神バランスを保つ鎮静剤となりうる。
しかし主人公の隠し通さねばならないそれは、ドS女にばれてしまうのだ。
そうして主人公は仲村さんの操り人形となる。仲村さんもまた、自身の中に底なしの鬱屈さを抱えていた。一見、彼女はそれを大々的にぶちまけているように見えるが、二人だけが見ることのできる本当の心の闇━━悪の華は、大きく、気高く、成長していくのであった……

漂流ネットカフェは合わなかったけど、これは面白いです。

(追記 第2部 1点UP)
文学(?)少女との交流、そして彼女の抱えていた孤独感に共感できて、最近の展開が面白いです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-08-24 12:34:56] [修正:2012-11-18 22:46:21] [このレビューのURL]

パニックものかと思いきや、サバイバルやホラーのお約束もそこそこに早い展開で進行。
蓋を開けてみればタイムスリップものでした。

設定がとっても面白くて斬新
人が「年を取る」のは、気付かない内に「時間」の波に飲まれて命を吸われるから。逆にその波(あるいは雨)から逃げ続けられれば年を取らず大人になることもない。
そこにスプライトって気象現象を混ぜたSF設定が実に上手くできてます。

それぞれのきっかけで普通は見えない黒い時間の水を認識できるようになった登場人物達
事情を抱えて逃げる子供達、巻き込まれた女子高生、他にも引きこもりとか加齢症児とか、曲者ばかりでどーも人間ドラマはイマイチなんだよなぁ。王道なようでどこかそれを外しているんだけど、それが裏目に出てるというか、淡泊になっちゃってる。
キャラが主人公含めみんな浅いって言うか……特に倉庫番ってわかるまでの、あの女子高生にこき使われるヤーさんなんか違和感ありまくり

せっかく面白そうな設定なのに、他の要素を色々詰めすぎて薄らいじゃってるところも残念。
タイムスリップばかり目立ってて、未来だ戦国時代だとせわしない。
要素要素はそそられるんだけど、全体として熟した感じとは言い難いんだよなぁ。
作者の描いた未来像とか、アイアムレジェンドみたいに鹿や虎が闊歩し草木生い茂る廃墟と化した都心を気持ち悪い新種の生き物が跋扈する、みたいな。生態系よくわからんし、その新種の生物も漂流教室の新人類にくりそつとゆーね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-02-13 02:43:35] [修正:2012-02-13 02:43:35] [このレビューのURL]

地震予知ロボット:ピッピ
人の形を模して造られたそのロボットは、あらゆるデータを基に地震の発生を予測する。
データを直接脳に取り込むだけでなく、自らの行動から情報を得るためにも、彼の発明者の一人息子・タミオと遊ぶことはピッピには大事な習慣だ。
長くタミオと過ごしてきたピッピは、タミオが病気で余命1年あまりだと知る。しかし自我のない彼にとってタミオはあくまで一人の人間に過ぎず、特別な感情も抱くはずがなかった。
そう、1年を待たずしてタミオがピッピの目の前で事故死するまでは…

そしてピッピは沈黙する。己に生じたバグを取り除くために
そしてピッピは計算する。「タミオ」という、「人」という方程式を解くために…
そしてピッピは目を覚ます。タミオを0と1の世界へ分解し、自我を得て
そしてピッピは扇動する。地震予知以外の情報を解禁させるために
そしてピッピは進化する。あらゆる情報を取り入れて、彼は地震どころか人類の未来さえも占ってしまう
地震の「予言者」であったピッピは、人類を救うか、はたまた滅亡へ導く「預言者」へとなってしまったのだった…

「鉄腕アトム」を発端に、最近のSFではロボットが自我を持っているのが当たり前だ。ロボットには人並みの感性や心があるのか、を焦点に、ロボットに対する倫理を問う作品が多い。
しかしこの作品ではその前の状態、つまりロボットは自我を持つべきか、持って良いのか?が一つのテーマとして作中激しく議論されている。
人間以上の情報記憶力・収集力・演算力をもつロボットが自我を持つことで起きうる問題。
自我を持たないうちは、演算結果の予測や未来を、人間の判断で利用できる。確率が高くとも絶対はありえないから、その結果を用いなくたっていい。自我を持たないうちは、予知もロボットも「道具」として使えるのだ。
しかし自我を持てば、ロボットが全てを判断し始める。次々と未来を計算し、合理性を前面に押し出した判断には反論できない。人はそれに従う他なく、与えられた未来を生きねばならない。先が見えるということは、その結果に向かってしか行動できないということでもある。そう、本作のテーマは、ラプラスの悪魔、いわゆる「決定論」の真偽へ至ってゆくのだ。

ギャグ出身の地下沢先生の朗らかな画のおかげで堅苦しさを感じないが、雰囲気やノリはどこかシュールである。
預言者となったピッピが、人類をどこへ導くのか…人を救いたいと言うピッピとは裏腹に疑似人格のタミオはせせら笑うばかりで、全く予想できない。次巻以降も目が離せない恐ろしい作品だ。

(追記 2巻読了 点数8→9へ)
正直、ここまでの作品とは思いませんでした。10点は完結後につけさせていただきます。
ラプラスの悪魔なんてハイゼンベルクが不確定性原理を打ち出してとうに消えてしまった過去の遺物ですし、「どうせ最後は流行りの量子力学で解決すんだろ?」って冷めた見方もしてたんです。
量子力学ももう、大学の授業で習えるし定性的なことなら啓蒙本で誰でも理解できる。SFではもちろん、最近じゃゲーム(シュタゲなど)やラノベ(紫色のクオリアあたり)でも盛んに取り入れられているし、一体何番煎じなのか?そんな風にしか予想できませんでした。
2巻。最初もまだ「猿の惑星?」でしたが…

「ピレネーの城」とあの腕

鳥肌もんでした。
これはマジもんの傑作になると信じております。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-03 04:40:30] [修正:2011-10-27 02:40:57] [このレビューのURL]

一体全体、俺がりんを育ててるのか、俺がりんに育てられてるのか、ちょいちょいわからなくなる
的なダイキチのモノローグ
縄跳びの回で、子育てと自分の時間についての大人たちの見解
この二つを筆頭に、一部でも二部でも子育て・子と親についての話題が自分にとって非常に印象的な作品だった。

大人になるにつれ失われる自分の幼少期・子供時代の記憶は、子を持つことで取り戻されていくという。親が子の成長を見守るその瞳には、自分の幼い姿が重なる。
子の成長を通して初めて自分自身が補完されていくこと。
子に注いだ愛情が、子から自分に注ぎ返される瞬間。
子供を持つということに、少しだけ前向きな感情を抱いた。(ただダイキチ達が金銭的問題を抱えない比較的裕福な設定だったのは気にかかったけど。)

もちろんりんの恋路も見所だけど、正直自分には第二部やった時点でこれ以外の結末は考えられなかった。ネタとしちゃコクリコ坂と同じで、「年の差がありえない」って言うなら最初のじーさんの子供設定で拒否反応起こすのでは。

親は子の成長に自身の老いを見、子も親に自分の老いを見る。
うさドロの明るくほのぼのとした雰囲気の中でも、たまに感じられるこのことが、少し寂しい…
と言いつつ、第二部のダイキチとコウキママが好き過ぎてヤバい!
ダイキチは渋みと漢気が増し、再婚前のコウキママは美貌を保ちながらも寂寥感を纏い始める…40代過ぎのおじさんおばさんにここまで魅せられるなんて思いもよらず、二人の関係の方が終始気になったわ…
口癖は古臭いが、ダイキチのかっこよさは等身大の理想像です。りんの選択は正しい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-09-17 09:17:10] [修正:2011-09-17 09:17:10] [このレビューのURL]

小学生の最後に密かにはまった思い出の作品。
8巻まで集めるのに苦労したなぁ。5巻が地元のどこにもなくて、親に頼んでおっきい本屋で買ってきてもらって。9巻がものすごく遅く出て、10巻は1年以上待たされたかな?
何年待ってもいいから読みたい!ってね、当時はインターネットなんて使える人のがマイナーだったから、後で終了したって知って愕然とした。

優しいほんわかなムードで続いていく冒険もの。
どこか懐かしい感じがするのは、ドラクエ3にインスパイアされた作品だからでしょう。とにかくノスタルジーが半端ない淡い画と世界

レヴァリアースの続きもので、敵・味方ともに主要登場人物は決まっています。

シリアスとほんわかが混じった流れや、十六夜のノリが嫌い・苦手な人もいるだろうけど、自分はむしろそこに癒しや単なる勧善懲悪ものからの解放感を感じた。この雰囲気こそがこの作者独自の魅力。
ストーリーにはだいぶやられまして、十六夜みたいに感情がぐるぐるしてた。イリアと十六夜の過度な平和主義とジェンドの葛藤が、ほんっと郷愁感と合わせて心に染みたの。

画は幼稚な感じというか子供向けな感じで描かれていますが、そんな画に癒され、作風にも合っているので好き。

皆さん大嫌いだという方はいないし、とりあえずレヴァリアースを読んでみて作風が合えば読んでみればいいかと。レヴァリアースは今赤松先生プロデュースのWebサイトでタダで見れます。(幻想大陸もこれまた懐かしい感じのギャグ漫画で、タダで見れます。)

でも正直お薦めはできない、未完で作者もTwitterでもう描けないって言い出すし。
8巻以降の未完となる展開は、正直作者の手にも余ったように感じる。

お気に入りは、唐突な入りでシリアスな6巻とノスタルジックな原野風景とイリアの軽業が見所の7巻
大人が古本屋で立ち読みできる感じの画じゃないので、買うしかないよ!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-12-22 02:39:00] [修正:2011-09-12 01:38:24] [このレビューのURL]

専門家批評家が少女漫画を語る時、十人いれば十人とも取り上げるであろう名作「トーマの心臓」
緻密で繊細な心理描写、美しい画、構成や展開の巧さ…
ギムナジウムで過ごす少年達の複雑な人間関係と心情を見事に描き切った傑作です。

しかしどうだろう、完成度の高さは間違いなく折り紙付きだけれど、多くの男性読者にとって少年愛というテーマをあまりにストレートに表しすぎたこの作品はとっつきにくいものではないだろうか。
自分は男子高出身なので、ギムナジウムでなくともこの男子生徒同士の生活の中で生まれうる怪しい関係、といったものを少しばかり理解できる気がするけど、そこに共感できても、面白いかどうかと聞かれると難しいところである。

この作品はフランス映画「寄宿舎(悲しみの天使)」の続きを妄想して作られたもの。
少年の自殺…それにより取り残された少年(ユーリ)の心を救いたい、そう思ってこの作品を描いたんだとか。
救いと再生の物語としては非の打ちどころがない。今日人気を誇るBL系作品とは似ても似つかないと思う。

時代を超えた普遍性、この短さで深く重く、それでいて優しい救いの物語に仕上げた萩尾望都は天才だと言える。あとは、BL的雰囲気をどこまで受け入れられるかです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-01 00:06:08] [修正:2011-09-04 00:20:26] [このレビューのURL]

未だに漫画街で無料で読めるのは嬉しい限り。
これでアマチュアだったら文句なく10点ですが、単行本化してプロになったので…。もちろん、おめでとうございますってことで、今後の活躍に期待大!

流行りの漫画家漫画ですが、自虐ネタのオンパレードで面白いです。
しかし何でもない日常のネタを大げさに表現する手法は、最初こそ楽しめますがだんだんくどくなっていき…後半はネタ切れ感(というよりネタのインパクト切れ)も強くテンポも悪い、、

しかし作者の決意の下、区切りをつけて締めたことは非常に好感。
なんとか少年誌でデビューしてほしいなぁ


(ちなみにスピンオフしたKさんドリルの方は…
ちょっとなぁ…
でもKさんは、好きです。。)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-10 16:50:35] [修正:2011-07-10 16:50:35] [このレビューのURL]

この短編集の各話が発表されたのは「まんが道」より先ですが、なんだかまんが道に対するアンチテーゼのような印象を受ける程、漫画家というものを辛く残酷な星の下の職業として描いています。
かつて乙武氏の「五体不満足」がベストセラーになった後、他の障害者の方が「笑え!五体不満足」という、乙武さんの障害者論に反論した作品を出していましたが、それに似ています。

漫画の黎明期…
漫画に魅せられ、子供たちに夢と希望を与えるんだ!と一流の漫画家を志す者たち。
しかし今も昔も、求められる漫画は良い漫画ではなく売れる漫画。商品価値がなければ出版してもらえない。
そんな現実に、かつての夢を枯らし、描きたい漫画を捨て、生活のため望まない内容の漫画を描く者。それでも諦めず、食に困りながらも、自分が信じる漫画を描き続ける者。
彼らは確かに、かつて漫画を愛し、高い志を持っていた。そしてその志の高さ故に、漫画に溺れ、現実を嘆き、残酷な運命に呑まれていったのだった…

「T京K芸大学マンガ学科一期生による大学四年間をマンガで棒に振る」という似たように漫画の辛さ・残酷さを描いた強烈な別作者の作品がありますが、そっちは自らの能力や考え方にも問題があったというラストを迎えるのに対し、これに登場する漫画家は才能者ばかり。
本当に地獄のような運命に翻弄され潰れていくから、救いがない。
中には希望的な作品もありますが、基本的には「残酷」
確かに死後やっと評価された有名画家・小説家も多くいますね

この作品を読んで、何を感じるのか、何も感じないのか。
人によっては気分を害するだけでしょう。児童漫画としてひらがなを多用していて、読みにくさもあります。
個人的には、先の作品を含めこういう無残な青春譚は嫌いじゃないのですが、この作品には読後感が悪いものも多くあるので注意。

漫画を愛し、漫画に苦しみ、漫画に人生を狂わされた者たちのお話。
描き手じゃなく、読み手で良かったなぁ

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-20 23:49:56] [修正:2011-05-25 01:53:03] [このレビューのURL]

6点 not simple

イアンの想い。simpleな願い。
「家族だから、側にいたい」
イアンの人生。not simpleな一生。
「お前の人生はすごい。お前の事を小説にする。」


人の人生は誰でもnot simpleなものだけど
人の幸せは誰だってsimpleなもの
残酷な運命に翻弄されながらも、イアンの人柄は常にひたむきで、真っ白で。
「純真って云うのかしら
でも子供のそれとは違って、
どこかつかみ所がない感じ

ただ単純なだけじゃないんだわ。」

家族がなくなって、リックやジムとこれからを過ごそうって思って、そしてプロローグの出来事が起きるんだけど、
イアンがいたら、アイリーンのママは、イアンにとられちゃってて、
でも今は、アイリーンとママはうまくいってて。
自分の家族は無理だったけど、ジムやアイリーンの家族は救えた。そして小説になったイアンが、もっともっと家族を救い続けていくのなら、彼も少しは報われたことになるのかな。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-05-08 23:37:21] [修正:2011-05-08 23:37:21] [このレビューのURL]