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総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

7点 DEATH NOTE

(2010年6月修正)
1部は良質なサスペンスとして楽しめますが、2部は過度な期待をしすぎ無い方が良いです。世界観やダイナミックさは広がるのですが、逆に不毛で繰り返しな思考も増えテンポの悪い部分もあります。

ただ、2部の見方としては「月の落とし前をどうつけるか」に期待すると良いと思います。
少年漫画としては手塚治虫のMW以来のダークな主人公が非常に魅力的なわけですが、さすがに今の少年誌でMWのような結末を迎えるとは思えない。じゃあ作者達は月にどんな結末を迎えさせ、月をどこまで善として悪として描くのか?作者達のキラに対する考え方は?
2部はミステリーよりもサスペンスよりも、その思想や主張を楽しめると思います。

読みきり時代からデスノートというその奇抜な発想に注目していましたが、まさかこれほどの倒叙形式の推理戦に発展させるとは思えませんでした。

実写映画版も西尾維新の小説も面白く、社会現象を引き起こすなんて言われるだけの作品だと思います。決して設定負けした漫画ではありませんので、未読の方はぜひ!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-11 01:12:46] [修正:2010-06-12 08:21:21] [このレビューのURL]

家庭に問題がある児童を預かる鬼燈学園。
そこは絶海の孤島の古い施設。
そこは虚偽と欺瞞を誘う、子供達の監獄だった…

たまたま本屋で見つけて、中身見たら画が好みだったので衝動買い。
そしたらジャンルが「サバイバル・ホラー」の「脱出もの」と自分の趣味ど真ん中だったので嬉しかった。
けど読む前にこのサイトの評価見ると、低くて萎えて。
そんなわけであまり期待せずに読みましたが…

十分面白かった!

画はとてもきれい。
作者はアダルト漫画家なので、女性キャラはらしい感じで描かれる。けどあくまで読者サービスの域を出ていないし、作中に直接的なシーンはないので安心。
また、人物画だけでなく、古ぼけた建物や自然も上手い。セミの鳴き声をしっかり書きこむのも雰囲気が出て良かった。

目の見えない妹と、そんな妹を全力で守ろうとする主人公の兄妹はけなげで好感がもてる。

伏線もわかりやすく、しっかり回収しきっている。この手のジャンルにありがちなごまかしがほとんどなく、初期段階で結末をきちんと考えて作っていたことがわかる。
いちいち地図を付けてくれるのも良い。脱出ものは地図がないのが多くて困っていたから。

ただ、やはりこの手のジャンルの評価は全てオチ次第とも言える。
正直漫画や映画のこの手のジャンルで、小説並みの完成度の高い作品はほとんどないので、ある程度の妥協が必要かも。
個人的には、オチは「矛盾なく無理なくまとめる」か「ミステリー要素に重点を置く」のどちらかならば高評価。この作品は前者で、後者は例えば「いばらの王」などだ。
確かにこの作品、オチのインパクトは弱く、序盤の惹きつけが素晴らしいだけに肩透かしなのもわかる(個人的にはラスト直前までは楽しめた)。
けどまぁほとんど破綻もなく、下をみれば「Doubt」なんて作品もあるわけで。
夢オチとは全く違う。ハッピーエンドというよりも…一発ネタかな。

過度な期待をしなければ十分良作、なによりこのジャンルでしっかり仕上げてくれたことが評価できるかと。次回作も期待!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-19 00:15:08] [修正:2010-06-02 14:52:23] [このレビューのURL]

笑えるところは本当に笑えるが、だれるところはだれる漫画。(特に後半)
けど本当に好きな作品で、電車の中で必死に笑いこらえてた思い出がww

ハレのツッコミと存在自体がボケのダマが好き!

ハレグゥはもはやネタ切れ感があるので、読むならこちらだけでいいでしょう。

ギャグ漫画の中ではかなり大好きで面白いのに、グゥが傍若無人すぎてイラつくこともしばしば…(ex.ネウロ)
こういうキャラは苦手というか嫌いというか。
ただ、こういうキャラがいないとギャグ漫画として締まらないんだろうなぁ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-11 02:00:55] [修正:2010-05-31 23:40:14] [このレビューのURL]

妖怪漫画。
ホラーでもあり、ストーリー的には冒険する鬼太郎って感じ。
でも単なる妖怪退治ものでは終わらない、独特の魅力があふれる作品です。

一年ほどで廃刊した「コミックファング」という雑誌の裏看板。
調べたところ、廃刊後救済された数少ない作品のようです。めちゃめちゃレベルの高い漫画だったので拾い上げられて安心。

劇画風で、筆を使ったような画が、どろどろした作風にぴったし合って、
それでいてシリアスすぎないよう、ちょっとした会話は軽い感じ。
作品の世界に引きずり込まれるかのような錯覚におちいる。
他の妖怪退治漫画とは一線を画していると思います。

続編はまだ読んでませんが、期待大!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-24 18:09:21] [修正:2010-05-26 14:38:16] [このレビューのURL]

「本の元の穴の中」と同じ雑誌に連載していた作品。
雑誌の廃刊に伴い、Yahoo!コミック(Web漫画)に移った。

デカは大きいと刑事をかけています。
それだけ

内容は、もしかしたら似たような作品が他にあるかもしれませんが、そこを意識しなければ結構面白かったです。
自殺した担任の後を引き継いだ刑事が、子供たち一人ひとりの悩みを解決しながら、担任自殺の謎を追う…
ミステリーな要素よりは、オカルトな要素が入ってきます。

同雑誌内では地味ながら最も濃く読み応えのある作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-24 17:54:05] [修正:2010-05-24 17:54:05] [このレビューのURL]

もはや自分の中で「痛い」漫画の代名詞となっている二人組。

短編では気持ちの良い恋愛を描く二人組ですが、長編はやっぱり報わせてくれないんですね。そんなところがやっぱり好きですw

キャラの思考が本当に一本軸で、それでいて結末を描かない。
だから、その主義・主張が「正しいよ!」なんて言いません。
たぶん作者は、キャラの性格や凝り固まった主義・主張をまず考えて、その後それに合った外見や役割のキャラを作ってるのかな。
そんな偏ったキャラはある意味記号的だけど、それをストーリーを通して人間的にしていくから面白い。
ただ、それがハッピーエンドかバッドエンドかは読者には最後までわからないし、いずれにしろ痛々しい場面が必ずあるから苦手な人は苦手かも。

明るい恋愛短編が御所望なら「セックスなんて興味ない」をお薦めします。
でもこの作品に収録されてる短編も、発想が斬新で王道をやってるから安心。

この独特な痛みに快感を感じるようになったが最後、ドSな作者はドMなあなたに容赦しませんよ♪

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-24 00:30:46] [修正:2010-05-24 00:47:18] [このレビューのURL]

宇宙学校の最終試験は、宇宙船で10人一組の53日間共同生活!…のはずが、11人いた!?


この作品は「今でも色あせない名作」ではなく、「今では色あせた名作」です。いわばこの手の話の「原点」。だからたぶん今読んでも、ミステリーとしては新鮮味はないかも。

萩尾先生は少女漫画の牽引者。
代表作「ポーの一族」の文庫版の寄せ書きで、宮部みゆきさんが、「自分も含め多くの漫画家、映画脚本家や小説家へ影響を与えた」と言ってます。
例えば、「ふたつのスピカ」の最初の試験も仮想宇宙船で見ず知らずの3人と課題付き共同生活でした。
最近の「宇宙飛行士」ものにいくらか影響を与えたかもしれませんね。
例えば、タダの直感のような電波な設定は多くの「宇宙」ものの漫画で応用されています。
いや、もしかするとこれについては竹宮恵子の方が早かったかもしれません。

何でもかんでもこんな風に言うのは良くないと思いますが、漫画家が影響を受けた漫画と言うのはやはり新であれ旧であれ響くものがあります。
そして何より、作者が影響をうけている・いないに関わらず、宇宙なら宇宙の、(ミステリーならミステリーの、)時代毎の作品を読んでみることはとても面白い。
時代ごとに宇宙の見方、アプローチの仕方が全く違うわけで。それこそが古い作品の価値だと思います。


えっ?古い画は苦手だから嫌だって?
でも今時の漫画じゃ決して見れませんよっ!?
古い画はステータスだ、希少価値だっ!!


(自分が萩尾望都を知ったのはとある方のポーの一族のレビューから。それまでは竹宮恵子だけが少女漫画の牽引者かと思ってました。その方に多謝)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-05-23 23:55:17] [修正:2010-05-23 23:55:17] [このレビューのURL]

この漫画の舞台はうちの高校なのだー!あとでレビュー。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-26 21:42:49] [修正:2010-05-19 11:50:40] [このレビューのURL]

2次被害から見る原爆の脅威。
2次被害から回帰される当時の悲劇。
形の上で終わった戦争も、彼女らには、広島には終わっていない。

『原爆を落とした人はわたしを見て「やった!またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとる?』


放射能汚染が、あの時生き残ってしまった罪を認識させる。
自らも着々と死に向かっていくのに、なんで彼女らが罪悪感など感じなければならないのか?
汚染された人間は結婚しちゃいけないのか?子孫に残るから?

そうしたテーマを含めながら、「人」として生きた彼女らの日常を鬱鬱とせずに描いた作品です。
なんてことない、人間らしい日常を描いているはずなのに、きっと読後に残るのは穏やかな心地よさではなく、痛烈に刻まれた、癒してはならない傷。
ぜひ読んでみてください。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-24 11:39:30] [修正:2010-05-05 19:34:39] [このレビューのURL]

真の英雄は、世界を統べる英雄たちへ復讐を誓う…

とにかく切ってきって斬りまくる。
普通、ファンタジーと言えば戦う相手はモンスターなんですが、この作品ではとにかく人。エルフやらモンスターは申し訳程度。
どうしようもない悪人を、主人公が切り捨てる。必殺仕事人のヨーロッパバージョンみたい。ただ、復讐相手が世界を治める英雄という設定と各キャラの、絡み合う立ち位置が、ワンパターンな物語にさせず味を出してると思います。

やってることは血なまぐさいことこの上ない。
けど、いかにもスクエ二らしい画とやたらエロい(今ではデフォなのかな?)女性キャラの衣装で中和されます。
勧善懲悪ものは苦手なんですが、この作品の勧善懲悪は僕が嫌いなタイプとは違うのでアリです。

ファンタジー漫画ならではの、壮大で幻想的な世界でありながら、ファンタジーぽくない部分も目立ちます。
例えば、魔法よりも剣が主流なんですね。魔物同様、魔法も申し訳程度です。
あと、個人的な意見ですが、ファンタジー漫画は子供たちを現実とは離れた夢の世界へ誘うものだから、あまりエロシーンはないように思えます。お色気はあっても直接的な表現はしません。しかしこの漫画、エロシーンは結構自重してません。ちょっと驚きました。。

巻末の世界観説明は嬉しいです。直接本編とは関わりませんが、作者の作品への思い入れがわかるし、いかに作りこまれた世界観なのかわかります。ファンタジーでこれだけの量を解説してくれてるのは、ネギま!と刻の大地くらいしか知りません。

主人公が、七英雄によって築かれた治世を壊して良いのか葛藤する場面が好き。抑えきれない憎悪の一方で、自分が守るはずだった世界の平和を自分で壊してしまうことに悩む。そして選んだ道は…まさにダークヒーロー!
ただ主人公は強すぎるし、そのせいか仲間が若干空気なのが悲しい。皆キャラとしては嫌いじゃないんですが…主人公が圧倒的すぎて、戦闘に緊張感がないんですね。戦闘描写はうまいと思いますが。

テンポも良く、スピード感は抜群!素晴らしい世界観と面白い設定が魅力の復讐劇です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-28 02:05:42] [修正:2010-04-21 11:54:07] [このレビューのURL]