「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

バトルに於いてもシナリオに於いても、
裏の裏をかこうとし過ぎて冗長になっている部分がある、
加えて話の真相を引っ張る癖もある為、これを週間で追うのは正直言って辛い。

しかし完結した今、一気読みするなら話は別、
じれったいなという思いは捨てきれないが
早く先が知りたいという気持ちの方が勝り、止め時を見失う面白さがある。
尚且つ、これだけ長い連載の中でも、話の芯は一本筋が通っており、
完結を見届けた際は清々しい心地にもなった。

忍者という題材をここまで練り込み、独自の世界へと昇華させ、
見事完走した作者を心から称賛したい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-07 21:12:09] [修正:2018-03-08 15:29:18] [このレビューのURL]

8点 水域

信心深い方ではないのだが、
「この作品は"ノン"フィクションです」と、
但し書きでもあれば、思わず信じてしまったかもしれない。

夢の中に存在する、今はもう無き在りし日の田舎…、
滝壺の龍神が見せるノスタルジックで切ない神秘の物語に、
現実にもこんな奇跡があったらいいなと祈りたくなってしまった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-06 20:57:52] [修正:2018-03-06 20:57:52] [このレビューのURL]

8点 GANTZ

[ネタバレあり]

メインキャラをあっさりと使い捨てたり、ヒロインに地味っ娘を据えたり、
急に視点を変えて超能力者や吸血鬼を出したり、
はたまた、途中主人公をドロップアウトさせたりと、
普通だったら、人気低下を危惧して編集からストップがかかりそうな展開が
すんなりと話の中に組み込まれ、予測できない物語を生み出していた。

読み手の裏をかけばいい、という訳では無いが、
これだけいくつもの定石を外しながら、ストーリーを完結までこぎつけた点は
もっと評価されていいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-10 16:01:33] [修正:2017-11-22 09:17:47] [このレビューのURL]

主人公は潔いくらいの天才型キャラクター。
その為、音楽に関して挫折や苦悩といったものが殆ど描かれておらず
共感こそし辛いものの、
足枷となる生まれ育った境遇、強力なライバルの面々、思惑絡みの審査など
趣向を凝らし、何だかんだで読ませてしまう手腕がお見事。

そして何より良かったのはエピローグの濃密さ
全てに決着を付けてくれた、まさにベストエンドと言うべき終幕、
読んで良かったと思える素晴らしいフィナーレに拍手。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-10 09:31:11] [修正:2016-11-18 20:57:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

この漫画が優れているのは、主人公の棋力の向上だけでなく
主人公ヒカルの精神的な成長も丁寧に描かれている点だと思う。

当初は浅はかな考えで囲碁を初め、無神経な言動で塔矢を怒らせたヒカル。
しかし、徐々に囲碁の世界に傾倒していき、ライバル達と切磋琢磨、
そしてある事象を契機に、傷心を経てさらに囲碁への姿勢に真摯になっていく…。
設定こそ平安時代の幽霊が出てくるファンタジーだが、
この一連の流れによる主人公の成長過程は、とても自然で説得力があった。

だからこそ惜しいのは、あの終わり方
敗北は勝利への布石であってほしかった、
あそこで終わってしまった意味が未だに見出せないでいる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-10 18:45:23] [修正:2016-11-18 20:50:48] [このレビューのURL]

8点 渺々

海洋生物を主役にした全7編の短編集。
作中に台詞は無く、解説とモノローグのみで進行していく物語は
さながら「NHK製作の動物ドキュメンタリー」といった仕上がり。

惜しむらくは、背表紙に巻数表記があるにもかかわらず
続巻の刊行が無かったということ。
この本自体も、とうの昔に絶版となってしまったが
自分にとってはパラパラと眺めているだけで癒される
ヒーリングコミックとも言うべき貴重な一冊、
写実的で鮮やかな絵のタッチと、心地のよい巧みな語り口が
雄大な海の世界へといざなってくれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-05-13 01:06:24] [修正:2014-05-15 19:17:18] [このレビューのURL]

笑えるし、ほのぼのするし、考えさせられるし
畜産業に対する造詣も深まる、と至れり尽くせりな漫画。

作品の性質上、生き物の生死も描かれ、重くシリアスな面も併せ持っているけど
小気味良いギャグとテンポの良さで、それを感じさせずサクサク読めてしまう。
とはいえ、生き物の生死が疎かに描写されている訳でもなく
その過程で発せられる、畜産に携わっている人のセリフは
思わず一考してしまう印象深さがあり記憶に残ります。

肉体的な面と、精神的な部分での畜産業の過酷さも描かれているけど
「答えは一つじゃなくてもいいんだ」という作中のセリフにもあるように
専門分野をテーマにした作品にありがちな
こうあるべきという説教臭さが無いのも良かった。

そして何より、エゾノーの生徒と先生達が個性的でいいキャラばかり
普通に学園物として見ても充分面白い。
この先何度も読み返すことになる漫画だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-05-08 16:37:35] [修正:2013-08-09 15:57:51] [このレビューのURL]

8点 ラフ

[ネタバレあり]

ヒロインとの関係が少し予定調和に進みすぎるきらいはあるけど
終盤の波乱の展開を皮きりに、
徐々にヒートアップしていく物語には引きつけられるものがあります。
そして競泳の結果では無く、ヒロインの告白で締めるラスト
これが何とも爽やかなんですよね。

あだち充の漫画は、スポーツ漫画では無く、
青春漫画だな、と改めて認識させられました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-14 17:45:12] [修正:2013-03-26 22:39:57] [このレビューのURL]

史実をベースにしているけど堅苦しさは微塵も無い。
強くなろうとする主人公と、その前に立ちはだかる強敵達、
志しを共にする仲間や、戦いに華を添える女性キャラの存在、など
青年漫画でありながら、少年漫画のツボを押さえまくってますw

話の魅せ方も幅広く、権力闘争や外交での謀略なども挟み
飽きさせない面白さ、このまま最後まで突っ走ってほしいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-14 21:25:05] [修正:2013-03-26 03:46:25] [このレビューのURL]

クローンや惚れ薬、命を縮める代償を払う覚醒機と抗鬱機、
他人の体に意識を移すボディレンタルなど
禁断とされる科学と、それにすがろうとする者たちが描かれた全7編の短編集。

自分が今まで読んできた作品だと、こういう禁忌に魅入られる人間って
大概、惨めな末路を迎えるというのがセオリーだったんですが
この漫画は違いますね、科学を悪用しようとする人間は出てこないし
救いの無い結末が描かれることもありません。

「禁断の科学」が人生を悲観した者たちを立ち直らせる一助となっており
どの物語も心温まるヒューマンドラマとなっています。
読み終わると、少し目の前が開けるような心安らぐ感覚、
人生で壁にぶち当たった経験のある人に読んでもらいたい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-12-16 23:29:04] [修正:2013-01-11 23:42:12] [このレビューのURL]