「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

7点 惡の華

[ネタバレあり]

第二次成長が始まり心身ともに変化の訪れる思春期、不安定なバランスの中で
鬱屈した感情が衝動的な行動に走らせる、というのはよく聞く話だ。

この漫画の主人公もそんな思春期の真っ只中にあり、
そこに中村さんという存在がトリガーになって暴走を始める。
だが特別不幸な生い立ちにあった訳でもないのに、
あそこまで自暴自棄な行いを繰り返したことは実のところあまり共感できていない。
周囲を巻き込みながら罪を重ねていく様子も
現実から必死に逃避しようともがいているようで痛々しく、
ページをめくる手も重くなっていった。

自分がこの漫画を楽しんで読めるようになったのは、
高校生になった彼が過去を背負いつつも前へ踏み出そうとし始めた後半の物語の方だ、
同級生の常盤さんとの恋愛模様も加わり前半とはうってかわってスラスラと読むことが出来た。
後半の展開は割と普通の青春漫画のようでもあるが、
前半の後ろ暗い過去がバックボーンとなり思春期の浮き沈みをより引き立たせている。
終わり方もまた良い、女子の体操着を盗んだところから始まり破滅の道を突き進んでいた物語が、
まさかこんな晴れやかな結末見せてくれるとは、予想外の嬉しい誤算だった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-15 09:56:30] [修正:2020-03-23 02:31:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

思いがけず巨大ロボットのパイロットになった15人の少年少女、戦闘に負ければ世界が消滅し
勝っても己は死んでしまう、生き残る術(すべ)は一切無く、
世界の命運だけをただただ背負わされる不条理で無慈悲な宿命、
ハードな設定の物語は数あれど、ここまで逃げ道を塞ぐ作品もそうそう無いのではないか、
ともあれ死と隣り合わせのキャラクター達のドラマは重くて切ない、
しかもそれが15人分というのだから読み応えは充分。
しかし物語の構造上、キャラに感情移入する頃にはパイロットが死亡するというジレンマもあり、
読み終えた後に名前を思い出せるキャラは半分程度しかいなかった、
パイロット達の命が消耗品のように使い捨てられる展開は良くも悪くも刹那的である。

また上記の設定上、仕方の無い部分でもあるがストーリー全編に重い空気が漂い、
メリハリに欠ける部分がある、だが少しづつ明かされている謎と、
そして何より、死のバトンを繋いだ先に希望を見出せるのかが気になり、
最後まで飽きることなく読むことが出来た。
これだけ悲惨な物語でありながら結末も悪くない、良作。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2020-03-05 08:40:01] [修正:2020-03-06 18:34:05] [このレビューのURL]

7点 CLAYMORE

青年漫画のような凄惨で重厚な世界観に加え、
少年漫画らしい愛と友情、絆といった要素も多分に盛り込まれ、
スリリングかつ熱い展開が楽しめる。

終盤にかけキャラクターが増え続け、物語が膨張しすぎた感は否めないものの、
謎や伏線を残すことなく綺麗に物語が収束しているので、
最後まで読み続けてきた読者を後悔させない漫画になっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-12-06 11:52:43] [修正:2020-02-04 05:46:00] [このレビューのURL]

忍術は派手で女性キャラは艶やか、スピーディーな展開で繰り広げられる
一進一退の攻防も目が離せず、一気に読ませる良作。
個人的にはNARUTOと共に忍者の地味で古臭いイメージを打破した作品と評価してます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-01-04 22:23:03] [修正:2020-01-04 22:23:03] [このレビューのURL]

鬱系じゃない方の阿部共実作品。
相変わらず表現力の卓越した作者だと思う、背景の一つ一つにすら趣があり
そのまま文芸誌の表紙でも飾れそうなコマが溢れている。
主人公の台詞とモノローグも思わず朗読したくなるほど詩的で、
物憂げな思春期の心の揺らぎを情感たっぷりに描いていた。
ファンタジー要素も入っているが、良作青春物だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-24 07:20:34] [修正:2019-12-24 07:21:33] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

人類存亡のため、遺伝子をいじって人間を光合成出来るようにしたり、
不死の人間、クローン人間、機械人間を生み出していたりと
生命倫理などお構いなしといったthe・SFな設定が面白い。

だが絵の動きの無さのせいで、ロボットもので肝心かなめな戦闘シーンが読み辛く、
キャラの表情の乏しさなども含め作画の部分が足を引っ張り、
魅力的な世界観とは裏腹に、思った程のめり込む事は出来なかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-11-17 22:56:28] [修正:2019-12-20 11:05:18] [このレビューのURL]

ギャグ成分過多でコロコロやボンボンのようなズッコケギャグの
連続なので結構人を選ぶ作品だと思います。
知人2人にこの漫画を薦めたところ、読み疲れするらしく
どちらも5巻以内で読むのを断念してしまいました。
かく言う自分も全巻読んだのは最初の一回きりで、それ以降はまともに再読しておりません。

ただ、この漫画から得られる知識は侮り難いものがあり
数多くの脱線を重ねながら、幕末に至るまでの歴史を丁寧に紐解いていくので、
ズッコケギャグに耐えることができれば、数多くの知識を吸収することが出来ます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-06 16:46:49] [修正:2019-12-06 16:51:32] [このレビューのURL]

TVアニメに始まり旧劇、新劇と観てきたが、ゲンドウが何をしたかったのか、人類補完計画とは何か、と言った部分など諸々、理解出来ていない事柄が山ほどあった、そんな自分に答えをくれたのがこの漫画版エヴァだ。

戦闘シーンの緊張感や高揚感こそアニメに分があるが、風呂敷を畳めなかったTVアニメ版、あまりにも難解でエグすぎた旧劇、またも泥沼に陥りそうな新劇に比べれば、漫画版はそのどれよりも作品として誠実で分かり易い。結末に疑問符が残る箇所もあるが、原作アニメのあのもつれた世界をよくここまでまとめたものだと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-11-10 23:13:27] [修正:2019-11-10 23:13:27] [このレビューのURL]

1~3部…6点
4部…9点
5部…7点
6部…5点
7部…7点
総合で7点。

全体を通してバトル偏重な為、少々読み疲れをする。
また能力バトルの都合上、頭脳戦になることも多いが。
能力設定をこねくり回して、力押しの決着を付ける場面も多々有り、
いま一つのめりこめない。(6部はその傾向が特に顕著)
しかしそんな中、4部だけは例外だった。
ミステリアスとユニークさを併せ持った作風が基調で、
幽霊、宇宙人何でもありの緩い世界観が、肩肘張らずに読ませてくれた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-04-27 22:35:00] [修正:2018-03-11 16:13:44] [このレビューのURL]

ナルトの息子のボルトを主人公に据えた、NARUTOの後継作。
作者は、長年NARUTOでアシスタントを勤めてきた池本幹雄。

前作のNARUTOに比べると、若干シリアス向きの絵をしている為
キャラの表情の硬さが気になってはいたが、
徐々にこなれてきたのか、最近は作画に対する違和感も薄れ、
むしろバトルシーンなどは、ドラゴンボールを参考にしている節もあり、
NARUTOの時よりもキャラクターの動きが分かり易い。

ストーリーの佳境を先にチラ見せするというありがちで
安っぽい始まり方をした時は早期打ち切りも心配したが、
絵も内容も軌道に乗ってきた感があり、これからの展開にも期待が持てる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-03-08 22:12:53] [修正:2018-03-08 22:19:04] [このレビューのURL]