「とろっち」さんのページ

総レビュー数: 300レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年10月09日

本編(3巻まで)とオムニバス(4巻)から成る大災害パニックもの。
常にその可能性が取りざたされている、東京で大地震が起こったら、という設定。
災害の恐ろしさ、パニックになった人々の醜さ、そういう状態でのちょっとした親切のありがたみなどが
リアリティをもって描かれています。
トイレの確保や配給物のもらい方等、災害時のトラブル対処法として役に立つかも。

政府や自衛隊、地質学者などを絡めたマクロな視点もあるにはありますが、
主に描かれているのは、災害のなか道端で右往左往する人々の動向といったミクロな話。
東京壊滅といった大きなテーマを扱っているだけに、話の展開としては物足りなさを大いに感じます。
見せ方にしても、「災害時はこんな大変なことが起こりますよ」というのを見せつけるのが
目的であるかのように感じられてしまい、話にそれほどのめり込めなかったのが正直な感想です。

4巻のオムニバスはあまり存在意義を見出せませんでしたが、台詞なしの話はとても良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-11 20:12:26] [修正:2010-04-11 20:15:01] [このレビューのURL]

5点 菫画報

つっこみどころのないギャグ漫画。

読者にウケるための展開というよりは、反応を気にせず、とにかく投げっぱなしな感じ。
それが妙なテンポと雰囲気を作り出し、独特の魅力を醸し出しているのかも。
読んでいると不思議とそのまったりした雰囲気が居心地よくなってきます。

が、やはりこの絵は好きになれません。これはもう個人的な好みの問題。

先人の偉大な作品に対するオマージュが所々にちりばめられていて面白いです。
主人公の名前なんかもそうなんでしょうかね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-11 20:02:46] [修正:2010-04-11 20:05:56] [このレビューのURL]

これでもかっていうぐらいに王道でありながら、他の作品とは明らかに一線を画した存在感。
溢れんばかりの新鮮さ、瑞々しさ、爽やかさ。
ストーリー、絵柄、登場人物の個性、醸し出す雰囲気、すべてが高いレベルにあると思いますが、
爽子のキャラクターがこの作品をさらなる高みへと引き上げています。
そのピュアホワイトっぷり、頑張りっぷりがいじらしくて、本当に応援したくなります。

ちょっとしたエピソード、ちょっとした心理描写をも、丁寧に、繊細に、紡いでいったこの作品。
読んでいてこそばゆくなるような展開やセリフも、またそれがクセになってきます。
何だかベタ褒めですがしょうがない。この作品、大好きです。

前半の頃の突き抜けるような面白さをまた期待します。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-28 17:46:07] [修正:2010-03-28 18:16:57] [このレビューのURL]

8点 魔女

わかりやすい作品ではないです。
が、「この世はすべて理解できることだけではない」ことを、圧倒的な表現力で描写している様は見事。
ページをめくる度に色が見え、音が聞こえ、匂いが感じられる感覚。
理性ではなく感覚に直接訴えてくる衝撃。
台詞の一言一言が重く、鋭く、深く、読者をえぐります。

自然と共存し、自分たちの土地を愛し、文化を育んでいくこと。
既存の論理や常識の範囲外にあるものを受け入れること。
「言葉で考える あなたは 言葉を超えることは、考えられない」
その雄大なテーマに想像力を刺激される作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-20 22:47:25] [修正:2010-03-22 19:45:13] [このレビューのURL]

6点 かりん

吸血鬼系恥じらいラブコメ(作者談)。

一見お馬鹿でドタバタな作品に見えますが、全体の雰囲気は暗く、重いです。
「不幸」がキーワードの一つでもあり、家族関係の描き方なんかも独特です。
ラブコメ部分が甘ったるすぎるだけに、その対比が際立っています。

ラブコメになったのは作者の意志ではなく編集部の陰謀とのこと。
なので、ラブコメ色を出そうと逆に力みすぎたのか、序盤は若干空回り気味かも。
落ち着いてきた中盤以降はしっかりとしたストーリーが展開されています。

全般を通してきっちり話が作られ、上手くまとめられた作品です。
やっぱり終わり方のすっきりした作品は気持ちいいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-20 22:33:43] [修正:2010-03-20 22:34:40] [このレビューのURL]

8点 Landreaall

よくありがちな絵柄でよくありがちな内容の、よくありがちなファンタジーものだと思っていましたが…。
面白いです。丁寧に作りこまれた作品です。

詳細まで丹念に練りこまれた世界観が特徴的。この作品を唯一無二のものにしています。
説明的でなく、自然に見せてくれるのがいいところ。
世界が少しずつ広がっていく感覚が好きです。
辻褄合わせや後付け設定のようなものも今のところ目立つものはなく、
全体の構成や展開の上手さが感じられます。

冒頭の竜退治編はそれほど楽しめませんでしたが、そこで挫折しないでよかったです。
マイペースで、揺るがず、一本芯の通った良作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-07 21:29:34] [修正:2010-03-07 21:29:34] [このレビューのURL]

旧作とまとめてこっちで。

妖怪がたくさん出てきて、バトルがあって、ハーレム要素まで兼ね備えた学園ラブコメ。
いろいろな良いとこ取りの作品ですが、
広く浅くという印象で、何だか全体的に薄っぺらい感じです。
ヒロインの二重人格っぷりラブコメなんかは、3×3EYESを意識しているのでしょうか。

ジャンプ系の作品ではバトルものに移行して成功しているものも多いですが、
ここまでバトルが蛇足だと思える作品は逆に珍しいのでは。
妖怪たちのドタバタでベタベタなラブコメはそれなりに面白いんですけどね。

世界観や雰囲気は良いだけに、考えようによってはもっと面白くなるかもしれない作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-04 22:12:38] [修正:2010-03-04 22:14:09] [このレビューのURL]

ドラゴンボールど真ん中世代の自分にとって、当時Vジャンプなどをむさぼり読んでいた頃の
懐かしい作品が詰まっています。
いま読むとかなり時代を感じますね。

「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」の影響力が、読者にも、そしておそらく作者にとっても大きすぎて、
その呪縛から抜け出せていないのかもしれません。
もうどの短編もDr.スランプかドラゴンボールの二番煎じに見えてしまうんです。

とは言え、他者の追随を許さないほどの素晴らしい画力とセンス。
これぞ鳥山ワールド。
おそらく2巻あたりが、溢れるような才能を存分に駆使し、
描きたいものが描けていた頃ではないでしょうか。

紛れもなく、圧倒的な天才だったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-04 21:52:10] [修正:2010-03-04 21:54:46] [このレビューのURL]

前半はどこか稲中テイストなギャグマンガ、後半はこっぱずかしいラブコメ。
批判されがちな後半のラブコメ部分ですが、個人的には結構好きだったんですけどね。
ただどちらが面白かったかと言えば、そりゃもう前半の圧勝です。
作者が何をしたいのかわからないという意見にも妙に納得。

ギャグも面白いですが、結局この手の作品は、いかにして登場人物に愛着を抱けるかだと思います。
この作品は主要キャラたちが魅力的ですね。
彼らが適当に暴れているだけで十分に楽しめます。
それに比べると、後から出てきたキャラたち(主に後輩)はかなり力不足な感じで残念です。

ふと思ったのですが、巷でよく言われるテコ入れについて。
ジャンプだとバトルに走るとされていますが、サンデーだとラブコメに走るんですかね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-25 22:09:56] [修正:2010-02-25 22:44:06] [このレビューのURL]

ヤクザとオカマと男子高校生と女子高校生がメインキャラの、柔らかい絵柄でゆるーいラブコメ。

ヒロインは最初愛想のかけらもなく、ちっとも愛着が持てませんでしたが、
読み進めていくうちにかわいくなってきますね。
徐々に心を開いていく様の描き方が上手いです。

何でも卓球にこじつける展開とかバイトを辞めない理由とかがちょっと苦しい気もしますが、
特に波乱じみた嫌な場面もなく、ほんわかまったりで進むストーリー。
すーっと溶け込めるような作品の雰囲気がなかなか居心地いいです。

第1巻のオビの「肉奴隷」に反応してる人も多いですけど、
やっぱり内容と関係ないじゃんw

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-20 21:26:09] [修正:2010-02-20 21:26:09] [このレビューのURL]