「とろっち」さんのページ

総レビュー数: 300レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年10月09日

絵、綺麗ですね。とにかくそれが最大の特長。
ただ他の方のレビューにもあるように、確かにストーリーと絵柄は合っていない気がします。

連載開始当初は個性的で目を引くような設定がとても良く、引き込まれるようにして
読んでいたのですが、途中からただの能力バトルものになっちゃいましたね。
それでも第一部はそのシンプルさが読みやすく、なかなか良質の少年漫画だと思います。

第二部になるともうよくわからんです。若干置き去りにされてました。
その割に、ラブコメ部分とか日常のまったりコメディとか、コミックス巻末のおまけ4コマとか、
なんかストーリー本筋以外の部分がやたら面白く感じる妙な作品です。

以下、ちょっとした感想。
これらは個人的好みの問題なので評価対象にはしてないですが、読んでいて気になってしまいました。

・ 操作(=洗脳)の能力を持った重要な登場人物が出てきます。
相手に触れるだけで、即座に、簡単に、ほぼ絶対的に、思考を操ることができるみたいです。
本当に好みの問題になりますが、こういう強力な洗脳キャラが出てくると興ざめしてしまいます。
だって何でもありになっちゃうじゃないですか。作品のリアリティが一気に崩れてしまう気がします。
主人公に触れればその時点で試合終了ですからね。

・ この作品では「死への羨望」(と、そこからの克服)が重要なキーワード。
でも自分の考えでは、死は羨むべきものでも、憧れるものでも、到達点でもなく、
少なくとも、死んでいった人を羨ましいとは思わないです。
それを推されても、ちょっと……ね。
もちろん、最終的なテーマは arrive であり alive であるわけですが、
少年漫画なんだから、全国の青少年に死を肯定するような描き方をしちゃいかんですよ。

それにしても、やっぱり絵が素敵。
次回作は能力バトルではなく、サスペンスホラーみたいなのをやってほしいです。
サスペンスにしては絵にちょっと白い部分が多いですが、それでもすごくマッチしそうな気がします。

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[投稿:2010-08-27 16:25:50] [修正:2010-08-27 16:42:25] [このレビューのURL]

迷走。 一言でいうとそんな感じ。
しかもワザと迷走を楽しんでいる感があります。

まぁ悪い作品ではなく、面白いところもあり、話作りは上手いな、という印象ですが、
読んでいて、この作品は何がしたいんだろうというのがさっぱりわからない作品。
そこがある意味この作品の売りかもしれないですね。
作品の雰囲気は良い感じなので、ギャグ系で進めていった方が楽しめそうです。
所々でちょこちょこ入るシリアスパートが若干邪魔に感じてしまいます。

随分連載が止まっちゃってます。無事再開するといいですね。
続きを読むかどうかは正直わかりませんが、未決終了にはなってほしくないなーと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-27 16:21:26] [修正:2010-08-27 16:21:26] [このレビューのURL]

5点 咲-Saki-

能力バトル漫画の新たな可能性を示した作品。
麻雀+能力バトル。しかもそれを全員女性でやろうとしたのがまたある意味斬新。
登場人物に男も1人ぐらいいたような気がしますが、完全に空気ですね。
麻雀を知らなくても読めるよう、ツモごとの細かい描写や心理戦は控えめ(ただし心理描写は丁寧)に、
特殊能力重視でテンポの良い大技連発なバトルを描いています。

この作品の特徴は、麻雀のイメージと絵やキャラとのギャップだと思いますが、
読んでいて途中で思いました。 何てことはない、坊や哲の女版じゃないですか。麻雀の展開が。
もちろんオヒキも積み込みもないですけど。
単なる模倣ではなく、うまく消化して自分の雰囲気で表現できているのが強みです。
麻雀漫画に付き物のイカサマができない分、能力による大技連発でフォローしてるんですね。

こういうの嫌いじゃないです。
でもキャラは苦手。好きな人は好きなんでしょうが、ちょっと狙いすぎな気がして鼻につきました。
ということで、キャラが濃すぎてストーリーがちっとも頭に残らないのが弱点です。

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[投稿:2010-08-24 10:17:27] [修正:2010-08-24 10:18:24] [このレビューのURL]

おバカな女子高生たちがテンション高めで繰り広げるドタバタコメディ。
って書いた後に他の方々のレビューを読んだら、見事に同じ内容ですね…。かぶってごめんなさい。
とは言え、他に気の利いたコメントもできそうにないですけどね。
洗練されたかわいらしい絵で、連載当初は20歳そこそこだった作者が自分の女子校時代の経験を
活かした作品とのことですが、その割にどこかオッサンくさい雰囲気も漂う、まさに万人向けの作品。
まぁ深く考えずに読んでみましょう。 楽しいから。

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[投稿:2010-08-09 21:27:40] [修正:2010-08-09 21:27:40] [このレビューのURL]

最初の頃のインパクトが強烈で、何て面白いんだと思いましたが、だんだん落ち着いてきましたね。

こういう未来とかタイムパラドックスを扱った作品って、展開がすごく難しいと思います。
かなり先まで見通して慎重に組み立てていかないと、どうしてもどこかで不都合が生じてしまうので。
この作品は、そういうのを一切お構いなしで、整合性なんか知ったこっちゃないって感じで、
勢いのまま進んでしまうところが凄いですね。
スピード感があって、ゴリ押しで読ませる作品。それが良い方に転がっています。

そしてヒロインのクレイジーっぷりも衝撃的、……だったんですが、さすがに見慣れてしまいました。
見せ方に強弱があればよかったのですが、最初っから狂気MAXでしたからね。慣れって怖いです。

そろそろクライマックス。前述したように、この作品は勢いやスピード感が命。
妙な引き伸ばしをせず、スパッと締めてほしいです。

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[投稿:2010-08-05 20:09:15] [修正:2010-08-05 20:35:54] [このレビューのURL]

5点 BLACK BIRD

16歳のヒロインが妖怪に血を吸われたり食べられたり花嫁にされたりしないように、
思いを寄せ合う幼馴染みで王子様なお兄ちゃん(でも実は天狗)が身体を張って守る、そんなお話。

かなり売れているらしいですし、漫画賞も受賞したりして、読者にとって魅力のある作品であるのは
間違いないのでしょうが、残念ながら自分が感情移入できる場面はあまりなかったですね…。
あるとすれば、葛葉の弟くんを斬った場面かな。
ストーリー展開も伏線とかがあまりなく、行き当たりばったり感が漂っているように思えます。
なんか全体の1/3ぐらい(体感比)は2人がイチャイチャしている場面のような気がして、
ある意味スゲーって思ったり。

この漫画を紹介してくれた女性方にこの作品の売りを聞いたら、みんな口を揃えて
「だって匡(=天狗の兄ちゃん)がかっこいいじゃないですか!」。
なるほど…。 そういう読み方を要求されるなら、そりゃ自分には厳しいかも…。
別に自分が男性代表なんて気取るつもりも全くないですし、あくまで個人的な感想ではありますが、
でもやっぱり男女で好みや見るべきポイントって多少なりとも違うのかもしれませんね。
「少女漫画」が少女向けなことを今さらながら痛感。

ちなみに、ところどころ入る下ネタはかなり直球です。しかも豪速球の部類。

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[投稿:2010-08-05 19:58:21] [修正:2010-08-05 20:05:38] [このレビューのURL]

哀愁。 それが、ゼブラーマン。

能力が強化されるわけでもなく、コスプレしただけの生身の身体で怪人と戦う42歳のおっさん。
誰にも認められないままに、彼は戦う。
自分を疎む、虐げる、しかし守るべき、愛すべき家族のために。

「宮藤官九郎という枠組がある中で、自分の色を自由に出せた」と作者が語るように、
自らを「一度終わったマンガ家」と言える山田玲司だからこそ描けた作品だと思います。

「アンタみたいな大人には、なりたくない」
「だって、何も変えようとしなかったじゃん」
「間違う事は、そんなに悪いことじゃないと思うの」

何も見ず、何もしようとしなかった男が、立ち上がる。
熱い心と、深い愛情を抱いて。 だって彼はヒーローなのだから。

最後の方は、駆け足は仕方がないとして、ご都合主義が目立つのが気になりました。
ちょっと暴走気味。でもそれが山田玲司。きっちりまとまった良作です。

そして彼は戦う。 この世界に白黒つけるために。

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[投稿:2010-07-27 00:13:56] [修正:2010-07-27 00:13:56] [このレビューのURL]

少年漫画(たまに少女漫画)の大御所が描く、大人向けの短編集。

人生の渋みを感じさせるようなほろ苦い味わい。
輝かしい時代を通り過ぎたあとの、郷愁、寂寥、悔恨。
そんな中で光る、ほんのちょっぴりのファンタジー、そしてほんのちょっぴりの幸せ。
どこか切なく、どこか懐かしい。
みんな昔は子供だったことを思い出させてくれる、ノスタルジックな作品集です。

収録の全7編すべてが珠玉の出来映えです。
刺激を求める方にはぬるく感じるかもしれませんが、個人的には外れなし。
読後感が素晴らしく、読み終わった後すぐに2周目に突入してしまいました。
久しぶりに良いものを読んだ気分。面白かったです。
お薦めです。ただしあだち充ファンの大人限定で。

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[投稿:2010-07-21 21:04:05] [修正:2010-07-21 21:05:09] [このレビューのURL]

「銀河英雄伝説」の田中芳樹と「吸血姫美夕」の垣野内成美がコンビを組んで贈る、
怪奇ミステリー小説の漫画版。原作は未読ですが、小説版でもこのコンビのようです。

内容についてはフクポルさんのレビューが素晴らしいので、割愛w
補足させていただくとすれば、モンスターは基本的に実行犯?なだけで、結局のところ黒幕は
それらを利用する人間なんですな。確かに化け物じみた権力者が多いですけどね。
なので、単なるモンスター退治だけで終わらないところが救いです。

傍若無人で唯我独尊で傲岸不遜で悪辣で自分勝手で無慈悲で無邪気な絶世の美女、お涼さんが、
泉田くんの気を引こうとしたり、想いを遠回しに、まれに直球で伝えたりするのがかわいかったりします。
若干読みづらいですが、絵が綺麗なのも良いです。まぁとにかく脚を見せつけてくれます。
もともと原作者の思い描いていた「絶世の美女」を表現できるのはこの人以外に考えられない、
と直に指名されたのが垣野内氏だそうで。

この作品の売りは 「謎解き」 ではなく 「爽快感」。
お涼さんの暴れっぷりと性格にイラッとくる人でなければ、充分に楽しめる作品だと思います。
いくらなんでもハイヒールで全力疾走なんて無茶ですよ…。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-21 20:55:16] [修正:2010-07-21 20:56:31] [このレビューのURL]

この漫画まで登録されていますか…。

新聞掲載の4コマという特性上、後から何度も読み返す類の作品ではないですが、
それだけに時事ネタの使い方が半端じゃなく上手いです。
現実の出来事と作品とを上手くリンクさせ、それでいて作品の雰囲気を少しも損なわず、
一つまみの皮肉をピリッと効かせたオシャレな4コマ。
毎年受験シーズン恒例の「オチのない話」なんていう愛嬌たっぷりのものもあり、
一服の清涼剤にも、ちょっとした刺激にもなり得る、日々の密かな楽しみの1つです。

あずまんがを祖とする萌えーな感じの現代的4コマとは進化の方向性を異にした、
言わば旧タイプの4コマですが、
ほんわかした雰囲気と鋭い視点とを併せ持った、極めてレベルの高い作品だと思います。

それにしても、スタジオジブリにより劇場公開された「となりの山田くん(現・ののちゃん)」といい、
この作品といい、朝日新聞は4コマのレベルが高いです。

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[投稿:2010-07-16 22:37:04] [修正:2010-07-16 22:41:30] [このレビューのURL]