「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

タイトル名を大きく下回る素朴な漫画。

タイトルからは、「どこにでもいるような一匹の犬が、空前絶後の地球の危機を救う一大冒険浪漫譚」を想像していたのだが、
守る=見つめる、という誤解で、その内実はお涙頂戴のハートウォーミングストーリーという罠。

ハートウォーミング度合としても、ありきたりで佳作の域を出ないし、ラストの救いの無さは今どきガロ系を彷彿とさせる。
そもそも、動物を使うこと自体、反則技感が強い。

予想を反対に裏切られたため、この評価どまり。

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[投稿:2010-02-14 21:57:23] [修正:2010-02-14 21:59:51] [このレビューのURL]

空気を読む漫画。

ああ、そんな感覚あったな。。。

もし、こんなだったら面白いな。。。

日常の中に潜む、ちょっとしたユーモア見つけてみませんか?



・・・・

こういった漫画を万人が描けてコミュニケーションできたら楽しい世界がはじまるかもしれない。

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[投稿:2010-02-09 01:55:23] [修正:2010-02-09 01:55:23] [このレビューのURL]

漫画という媒体の持つ風刺性を強烈に活かした介護漫画。

まず、この漫画の描く介護現場はリアルだ。私は介護研修を受け、食事・入浴介助や排泄処理なども手伝ったことがあるが、この漫画の描写は実にリアルである。また、各巻毎に介護の中でも扱うテーマを変えてきており、飽きずに読み続けられる。

今更言うまでもないが、このリアルな介護現場で起きている問題は相当深刻である。超高齢化社会に突入する日本を救えるのは、百太郎や仁のような「大志を抱いた救世主」なのかもしれない!!とこの漫画は訴えるのだが、同時に、この漫画は、その期待に対する一抹の不安を投げかけている。
それは畢竟、制度でしか、国を変えることはできない、人を救うことが出来ない、という強烈なアンチテーゼである。
この漫画の述べるところは、末端現場のヒーローと役所や政治家が傀儡する制度改革の両方が必要だよね、っていう止揚に落ち着くのかもしれない。。

オムニバス形式で主人公不在のストーリー構成では、何か読者をワクワクさせるような求心力に欠ける気もする。百太郎や仁が、もっと大暴れしてくれれば、この漫画の評価は今以上になる。「ただのリアル」を超えてこそ、漫画のリアリズムは体現されるのかもしれない。

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[投稿:2010-02-01 02:21:03] [修正:2010-02-01 02:21:03] [このレビューのURL]

7点 RIN

世界チャンピオンになってからの天才ボクサーの行動原理を描いた「Sugar」の続編。

天才が軌道に乗るまでの軌跡を描いたのがシュガーであるならば、その続編の本作では、余裕で世界をとった天才ボクサーが、人並みの恋愛もできないことの葛藤を描いている。

天才は孤高である。
一人ぼっちの神聖なる存在。

そこにマスゴミと愚民が支持する立石というボクサーを対峙させる。女性に振られてボロボロの精神状態になっても、宗教じみたマスゴミの洗脳を軽々と砕く天才。天才はやはり天才。

ひねた爽快感。

この漫画の面白さはそこに集約される。

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[投稿:2009-12-26 22:29:33] [修正:2009-12-26 22:29:33] [このレビューのURL]

酒造り、を題材にしたクリエイター漫画。

作り酒屋の娘、夏子が、亡き兄の思いを受け継いで、日本一の吟醸酒造りに挑む作品。
全巻とおして描かれるのは、ただ、それだけである。プロットとしてはそれ以上でもそれ以下でもない。
ただ、その過程で紡がれる困難と解決、人間同士のぶつかり合いを丁寧に描く姿勢にはただ感服するばかりである。

また、この話における酒造りとは、畢竟、エンターテイメントのプロデュースである。コンテンツ製作とのアナロジーでは、蔵元=プロデューサーだし、杜氏=ディレクター、醸造職人=スタッフ、農家=原作者であるといえよう。酒という娯楽作品にかける情熱は、往々にして、利潤追求とは反した行動原理を導く。現実的農薬農法と理想的有機農法の対立は、ポスト資本主義社会の環境調和指向型社会の到来を彷彿とさせる。もはや、夏子の酒は、ものづくりに携わる全ての人間に通じる普遍性をもっているのである。

そして、その熱い魂に共感した読者は、
自然と酒屋で酒選びをしてしまうことだろう。

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[投稿:2009-11-01 19:44:49] [修正:2009-12-24 02:05:44] [このレビューのURL]

神がかった少年を描いた物語「キーチ!」の続編。

キーチ青年は、前作から明確な成長を遂げ、神がかった存在感を獲得している。この成長に対する爽快感は、ドラゴンボール・ピッコロ大魔王編後の悟空の成長にも近いものを感じる。この平伏したくなるような爽快感は、「真っ当に生きた」御姿への畏怖と尊敬であることは自明であろう。

聖書のオマージュともいうべきこの?ノンジャンル?漫画は、私が生きる糧の一つとなっている。

政治や宗教や財力とは違う絶対的権力。
誰かに用意された既製パッケージ思想の妄信(=思考停止)への警鐘。
個人と対等な神。
個人の内面が大事などとエゴを唱えるセカイ系への反駁。

我々は、個々人の中のそれぞれの「真っ当な姿」を理想モデルとして、生きていくしかないんだ、という一つの訓示は、この腐りきった世の中で折れそうになった心が安易に低きに流れるのを阻止してくれる。
その個々人の「真っ当な姿(=キーチ)」は、多重な経験で紡がれる複合物でしかありえない。

生き方の模範を提示してくれた、この偉大なる書に感謝!

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[投稿:2009-11-29 04:48:02] [修正:2009-11-29 04:55:57] [このレビューのURL]

7点 竹光侍

この雰囲気、なんとも言えぬリズムの良さ。

松本大洋の新境地。

プロットなぞに文句を言うな。

ただ淡々と、ページをめくる。

そおら、心地よい音がする。



「ちょん!」




ホントの評価は、また完結した後の話。。。

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[投稿:2009-07-04 22:33:58] [修正:2009-07-04 22:33:58] [このレビューのURL]

5点 谷仮面

(ハチワン→エアマス→谷仮面と遡って読んでみて)

正直、柴田ヨクサル独特の演出力というかパワー感に関しては、ハチワン>エアマス>>谷仮面と言わざるをえない。何より、谷仮面連載当時は絵がまとまりすぎていて、インパクトに欠ける。バカさも足りない。

とはいえ、小技こそまだ確立されていないものの、やたらコンクリを砕いて画面を破片だらけにするなど、熱くるしさは相当のもの。この学校はどれだけ改修工事をしたんだとw。あと、おっぱいへの執着w。


ところで、谷君の仮面はどういう意味をもっていたのだろうか?
大したキャラクター性とも思えないので、あえて文学的解釈をしてみる。
・一つに、仮面が、他人との心の壁を意味するのではないか?真の恋愛を経て、初めて心をオープンに出来る、という。
・また、「愛のきっかけは、顔ではなく心だ」というメッセージ性を持つ。事実、島さんは本当の顔を知らない谷君を好きになる。

仮面必要だったのかな。。。

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[投稿:2009-06-07 22:59:12] [修正:2009-06-07 22:59:12] [このレビューのURL]

この神秘的な世界観を描き出せるのはこの作者だけだろう。

海の描き方を何パターンも持っているのは凄い。


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[投稿:2009-06-07 22:28:52] [修正:2009-06-07 22:28:52] [このレビューのURL]

地方競馬版マキバオー。

まず、哀愁感漂う高知競馬、という舞台が良い。
しかも、マキバオーは、大人の事情に振り回されて連戦連敗を強いられる、という切ない設定で始まるあたり、読者の成長に合わせたのか、それとも、つの丸が成長したのか。

各キャラ配置は前作からの焼き直しだが、それが嫌だということはなく、むしろ心地よい。
(前作自体が名作のオマージュに溢れていたし。。。)

もはや今作の主軸は、「努力・勝利・友情」ではないことは明らか。
この「哀愁」をどうやって面白く展開させていくのか、そのあたりに注目しながら今後に期待したい。

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[投稿:2008-12-22 16:53:15] [修正:2008-12-22 16:53:15] [このレビューのURL]