「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

[ネタバレあり]

一流のバレエダンサーを目指す少女の物語「昴」の続編。

昴は、少女から「大人の女性」へと進化していくが、その本質は、依然として「わがままで自己中心的性格」。これは、曽田漫画全般に言えること。

最愛のパートナーとの出会いと、更なるライバルとの闘いを描き、そして最後に、家族のエピソードで伏線を回収し、幕を閉じる。
無駄のない完全なストーリー完結は曽田漫画の真骨頂。

作者自ら挑戦したというバレエ、という一見わかりづらいモチーフを用いて、緊迫や迫力が沁みだす空気感を描き出す画力は圧巻。
前作から多少のインターバルがあったためか、熱が冷めた感は否めないが、それでも一気通貫で読めば、十分に楽しめる。

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[投稿:2013-02-13 23:48:00] [修正:2013-02-13 23:48:00] [このレビューのURL]

主人公がダークヒーロー化した「零」の続編。

前作のレビューにて、零は、カイジよりはアカギ、と記したが、見た目からして「アカギ化」したのが本作。
闇の組織に肩入れし、ギャンブルによって大金を稼ぐ様は正にアカギ。
徐々に中だるみの気配は出てきているが、それでも、展開のテンポの良さは前作に続き良好。
カイジやアカギのようにジャンルに縛りがないだけに、今後何が出てくるのか楽しみにしたい。

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[投稿:2013-02-12 01:40:06] [修正:2013-02-12 01:40:06] [このレビューのURL]

7点 capeta

F1を頂点とするカースポーツを題材にした熱血スポコンのThe・曽田漫画。

曽田漫画の安定感はさすがですね、といえば、漫画読みにはこれ以上の解説は不要でしょう。

相変わらず、主人公像は、熱い・我儘・負けず嫌い・天才。このブレなさ。

そして、テンションMAXのまま幼年期→少年期→青年期→成年期という時系列フルセットで描く忍耐力は他のほとんどの漫画家が真似できない職人芸といって過言ない。

物語を盛り上げるライバルと、サポートしてくれる友人・ヒロインの存在。これぞ少年漫画の王道設定。

突き詰めていくと、曽田漫画ってヒーロー漫画なんですね。ジャンプがバトル漫画で構築した「努力・勝利・友情の雛形」を現実の職業に落とし込んだものとも言えるのかと。(リアルの世界観における天才の降臨と勝利譚。)





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[投稿:2013-02-12 01:20:57] [修正:2013-02-12 01:20:57] [このレビューのURL]

主人公を努力型から天才型に置き換え、ラーメン文化の更なる可能性を模索する、ラーメン発見伝の続編。

前作とは異なり、主人公をラーメンマニアから、ラーメン素人の料理英才教育を受けた美少女に置き換え、さらに、職場は、商社からコンサルへ。この時代に適合した設定のテコ入れが秀逸。

ブームが飽和しつつも、更なる進化、多様化を示すラーメン業界を題材にするには、この設定が絶妙にマッチしている。
ラーメンを単に掘り下げるのではなく、これまでにないような新食材を用いた斬新なラーメンの可能性を提示したり、経営面にスポットを当てて、「人気店となるための経営戦略」を例示したり、と読者を飽きさせない仕掛けがたっぷり。

汐見ゆとり(主人公)の「ピッコーン!!」は「げんしけん」でも引用されるなど、ある筋では人気ワードになったようだ。

それにしても、この作者、一向に絵が上手くならないですね。。女の子の顔が描き分けられてない。。。

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[投稿:2013-02-12 01:08:38] [修正:2013-02-12 01:08:38] [このレビューのURL]

自分オリジナルのラーメンを追い求め、ラーメンマニアの主人公が脱サラ・ラーメン開業を目指す、王道系ラーメン漫画。

ラーメンブームに乗って、長期連載を遂げたラーメン漫画の王道といえば本作だろう。監修はあの石神が担当。ラーメン薀蓄を学ぶにはこれ以上の良書はない。

一話完結型のストーリーは料理漫画の古典的ひな形(cf 美味しんぼ)を使用しており、人助けや勝負を織り交ぜながら、読者を飽きさせない。次々に登場する個性的なキャラクター(cf 芹沢達也)も魅力的で、構成が秀逸。

主人公達のラーメンに対する熱い情熱に共感できれば楽しめるだろうが、ラーメンに思い入れのない読者からしたら興冷めする可能性はあるので、7点止まりとさせてもらった。

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[投稿:2013-02-12 00:57:25] [修正:2013-02-12 00:57:25] [このレビューのURL]

狂気恋愛系異能SFサバイバルバトル漫画。

想像だが、おそらくトリガーはDEATH NOTE。主人公が人を次々に殺すことを少年誌で実践した本作によって、すべての商業誌で一気に「狂気表現のハードル」が下がったように思う。そんな時代背景の中でこの漫画が登場し、アニメ化までされた。

この漫画は前述のとおり複数のファクターの組み合わせで構成されているが、元ネタは
死神が異能付与:DEATH NOTE(ノート←→日記のアナロジー)
異能サバイバルバトル:FATE(サバイバルだけなら、バトルロワイヤル、王様ゲーム、ブトゥームなど近年多数)
だろう。

強いて挙げるならば、見た目は萌えキャラの女の子が主人公の男子を殺そうとする「狂気ヒロイン」がこの作者の特徴か。女性が恋愛をリードすることや強気の女性キャラ、病的な恋愛を男性に強いる「ヤンデレ」等それ自身は珍しいものではない。

まず、この「狂気ヒロイン」が気持ち悪い。こんな女性に魅力を感じる男子っているか?しかも、報われない恋ならばまだしも最後は結ばれてしまうあたり、全く共感できない。

また、全般的に、人が無意味に死にすぎ。前述のDEATH NOTEでは死ぬのは「悪人」と決まっており、大量の死者を出すことにも一定の「ルール」があったのだが、本作のように無駄に人が死ぬことは人命の重みを感じさせず、非常に不快。このモラルハザードは教育上も良くないだろう。

話を破綻させずに12巻にまとめた作者の力量には感服するが、作風がいかんせん合わなかったのが残念。

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[投稿:2013-02-12 00:41:43] [修正:2013-02-12 00:41:43] [このレビューのURL]

名作文学の現代版リメイク作品。

漫画にする必要がないほどこの漫画は文芸作品である。絵はお世辞にも上手いと言えないし、漫画でなければ表現できない描写は皆無。それでも、無駄に奇をてらわないストレートな描写のおかげでスイスイと読める「読み易さ」がある一方で、台詞まわしは鮮烈な印象を残す。

計算高く、正義感が強く、孤高を好む主人公像は一見するとDEATH NOTE(夜神月)に近いが、巻が進むほどに主人公は「人間臭さ」を獲得し、オリジナルのラスコーリニコフとも異なる「キャラクター性」を獲得していく。

個人的には、「世直し漫画」であると期待しながら読み始めたため、「罪との向き合い方を巡る人間成長」が主題となると知り、その陳腐さに最初はがっかりしたが、人間の生きる意味や対人依存の本質などを抽出する部分にカタルシスの「ツボ」をシフトした後は、それはそれで面白い文学作品などだと思えた。

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[投稿:2013-02-12 00:01:14] [修正:2013-02-12 00:01:14] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

圧倒的画力とはっちゃけた設定によって強烈なインパクトを放つSFバトル漫画。

この漫画がすごい2013男編にて1位を獲得したとのことで、インパクトはさすがの一言。

「火星にて進化したゴキブリと改造人間が闘う」

その一行だけで本作のすべてが説明できてしまうのだが、そのおバカな設定をさもありなんと思わせるだけの「画力」で描いていることが秀逸。そして、ゴキブリにばっさばっさ人類が殺されていくストーリーは、経済力が地に堕ちた日本人にとって、自虐SMプレイとしての快感すら抱かせる。
また、ややもするとこの設定ならば映画・「エイリアン」のようなホラーにもなりえるのだが、そうではなく、真正面の「バトル漫画」調に描いていて、そのあたりは、ヤンジャンらしいなという感想。ゴキブリの造形が完全に「黒人」なわけですが、そんな人種差別的描写をしてしまう「悪ふざけ」も本作に良い意味での勢いを与えているようだ。

陳腐な愛やら友情やらがほどよいスパイスになっていて、無難な構成力が物語の破綻を防いでいるが、トンデモ設定によるデオチ感は否めないので、そう長続きする作品ではないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-10 20:57:39] [修正:2013-02-10 20:59:26] [このレビューのURL]

ゲーム業界を風刺した職業マンガの一つ。

この漫画は比較的高い評価を受けているようであるが、読みやすさ・エンターテイメント性・登場人物の魅力等の点で、正直、イマイチ。
職業マンガが熱いのは当たり前。その業界の魅力を掘り下げることこそが職業マンガの本質であり、「熱い」ことそれ自身だけでは名作たりえない。
漫画家マンガであれば、燃えよペン、G戦場ヘブンズドア、まんが道、編集王等の熱さと本作を比べれば、「熱さ」それ自身に大差はない。広義の職業マンガというものでいえば、海猿、夏子の酒、め組の大悟(というか曽田漫画全般)、その他スポーツマンガ全般、等々熱いマンガを挙げればキリがない。

要は、プロフェッショナルorものづくりに対する熱いこだわりというテーマを描くためのストーリー、キャラクター性によって良いマンガかどうかが決まる。

その点、大東京トイボックスは、ストーリーやキャラクター性が「ぼんやり」している印象が否めない。一話完結ではなくストーリーものになっている割に、山谷がなく、一本調子で淡々と出来事を消化していくだけ。登場人物がやたらに多く、中心人物不在のため、誰にも共感できない。天川太陽に作品への熱さを注入しているのであれば、より太陽中心に話を転がすべきであるのに、やたらに周辺の人物の出来事を描きすぎていて、落ち着いて読めない。結局、何の作品でしたっけ??と途中でなってしまう。

他方、数多ある職業マンガの一つとしてゲーム業界の内情を知るための薀蓄マンガとして一定の価値はあったので、5点の評価まで。

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[投稿:2013-02-10 20:44:29] [修正:2013-02-10 20:44:29] [このレビューのURL]

宇宙飛行士を目指していく過程を丁寧に描く、夢追い実現系マンガ。

2020年代というほど近い時代設定。日本人の宇宙飛行士の門戸が開かれている時代。しかし、まだまだ宇宙飛行士はエリート中のエリートのみに許された限られたゴールデンチケット。
そんな中で様々な課題をこなしながらムラがある主人公がなんとか勝ち残っていくサクセスストーリー。

そして、本作のもうひとつの側面は、出来すぎる弟が兄を舞台に引きずり上げる、という兄弟物語。そして、脇役達も、兄弟など家族を中心にそれぞれのバックボーンが丁寧に描かれる。

上記2つの設定を基軸として、各所にちりばめられた伏線が効果的に機能する。数巻前に登場した設定が、後々になってチョロっと出てくるし。(ヒビット人形の登場はワロタ。)はっきりいって、作者はノリノリで描いているだろう。

近年、職業もの、理系もの、の漫画はいろいろと描かれてきたが、ここまで面白くかけたものは稀有だろう。
(プラネテスは宇宙飛行士もの、という共通項はあるが、あれはSFなので別系列。)

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[投稿:2011-05-04 22:17:31] [修正:2011-05-04 22:17:31] [このレビューのURL]