「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

王道系少年少女スポーツ漫画。

絵や構成は、「The・漫画」臭をただよわせる。
アニメ「図書館戦争」もびっくりの、アップでの描線の太さ。そして、その力強い線で描く絵柄は極めて記号的だ。また、台詞や絵の密度も非常に高い。このあたりは、女性作家の特性だろうか(それが良い悪いということはないが)。裏表紙の懲り方からしても、この作者は漫画を描くことが本当に好きなのだろう。

ただ、王道になりすぎて、狭い人間関係で悩む主人公像は、青年誌読者にとっては物足りないのではないか?

1巻は、ジャンプで10週で打ち切られる系の漫画。(無駄な設定ばかりの小出し。)
2巻では、急激にキャラが立ち始める。(描きわけが明確に。)
3巻では、エアギアを髣髴とさせるアンダーグラウンド。
4巻では、伏線の回収が一気に進む。

絵柄以外に「新しい面白さ」はないので、評価は5点どまりでおk。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-25 11:39:19] [修正:2008-10-25 11:39:19] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

軸としては、少女マンガの古典+性教育なのだが、掲載誌の特異性から、図らずも「ゲーム的リアリズム」を獲得したといえる。

一巻読みきり型で、主人公像は全巻通じて固定されているが、巻毎に周りの配役は一新され、様々な「性の目覚め」のパターンを小出しにしている。初経や初ブラ、そして、初恋、さらには、腋毛処理・同性愛・夢精などを「人間の本質的な行動として」教育的に堂々と描く姿勢は好感が持てる。(また、ロリコンお兄さんのナンパシーンが度々描かれるが、こちらは自虐ネタとして楽しむ人もいるだろう。)

人間を嫌いになりかけたときにこそ、手にとりたい作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-25 11:18:28] [修正:2008-10-25 11:23:36] [このレビューのURL]

グロイ描写と過剰な演出が特徴の「正義のヒーロー」もの。

基本は、井上敏樹氏の手がける平成仮面ライダーの構成に近い。

ただ、そういった一般のヒーローものと大きく異なるのは、
・ヒロインが徐々に「ロリぷに」化していく
・善悪二元論を超越した後に人間賛歌に収束
・後半に行くほど絵が下手になっていく
・見開きで絵無しの文字4文字のみという離れ業(11巻)
・右翼傾向・武士道の連呼
・○○の構え、というのが結構普通のポージング

熱さとグロさを調和させた唯一無二の作品とも言えようか。
ただ、その右寄りの思想が垣間見えることで、しり込みする読者は多いかもしれない。私もそうだったように―。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-14 01:21:40] [修正:2008-10-14 01:21:40] [このレビューのURL]

6点 魔女

現代マンガにおける、ファインアート系表現の極致ともいえる作品。

主たるテーマは、形而上的存在の描出か。
言語ツールでは表現し得ないものを、マンガという媒体で描き出さんとする作者の力量は感服に値する。

「一枚絵」というよりも「表現力」のレベルでは漫画界屈指の実力といえるだろう。

ただ、作者の努力は、圧倒的インパクトを与えるとともに「わかりやすさ」を喪失しており、個人的評価としては6点どまり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-11 22:04:02] [修正:2008-10-11 22:04:02] [このレビューのURL]

「官僚漫画」という新しいジャンルに挑戦した意欲作。

ひねりが足りないという批判は可能だが、綿密な取材を元に無難に話をまとめてきており、社会派漫画の水準はクリアしている。

そして、この作品で描かれる官僚達は、度々利害関係のために衝突するのだが、いずれの官僚も、自己利益ではなく国益のために行動するように描かれている。限られた予算の中で各省庁が自分なりのアプローチで国を良くしたいと思えば、省庁間で衝突が起きるのは必定なのだ。この点はむしろリアルであり、好感が持てる。

ちなみに、私は某省?種内定者だが、この漫画によって、「正義の心」を再認させられた。来年からがんばろっと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-02 21:10:09] [修正:2008-10-02 21:10:09] [このレビューのURL]

漫画というものの多様性と、それが読み手を選別するものだということを改めて認識させられる作品。

この漫画が描きたいものは頭では理解できるし、それが一部の読者に支持されるのも頷ける。
が、過剰な演出のエンタメ漫画に慣れすぎた私にとっては、いかんせん退屈に感じられてしまうのだ。

もっとも、私自身にも馴染み深い神戸という地を舞台にして、リアルな「生と死」を巧みに描く姿勢は、否定のしようがないのだけれど。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-22 07:04:11] [修正:2008-07-22 07:04:11] [このレビューのURL]

新しい切り口の野球マンガ。

軟投派は軟投派でも、精神まで「軟弱」な投手が主人公というのは新しい。

これは、王道の少年漫画ではありえないことだが、それもそのはず。このマンガを楽しむには、部員やそれを取り巻く人たちの心の交流と成長を描く「少女マンガ」として捉えた方がよいのではないか。

そう考えると、BL的盛り上がりを無視しても、野球マンガとして十分に面白い。こっ恥ずかしさに耐えれればw。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-22 06:00:00] [修正:2008-07-22 06:00:00] [このレビューのURL]

釣り漫画の常識を覆した、「釣れない」というリアル。
怠惰と妄想に満ちた日々に「釣り」が絶妙に絡まる。
ボヘー力といえばそれまでだが、怠惰の中に垣間見える熱い情熱に共感して止まない。
これは名作。

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[投稿:2008-06-15 01:04:45] [修正:2008-06-15 01:04:45] [このレビューのURL]

6点 14歳

何でもありの破天荒SF漫画。

漂流教室が破滅後の世界なら、こちらでは破滅へのプロセスが描かれているが、そのハチャメチャぶりは同作者の他作品以上である。

SFとはいえ、知識よりも脳内イメージが先行し、あたかもハードSFかのように思えてしまうのは、この作者独特の作風か。

わたしは真悟や漂流教室程度の長さだと読みやすかったが、ここまで長いといささか冗長に感じる。テンションで一気に読まないと、内容を忘れてしまうこと請け合い。

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[投稿:2008-05-12 00:28:04] [修正:2008-05-12 00:28:04] [このレビューのURL]

6点 三国志

[ネタバレあり]

歴史大河をエンターテイメントまで昇華させた横山光輝漫画。
その中でも、最も多くのファンを獲得しているのがこの「三国志」。

描かれるのは、劉備玄徳の台頭〜蜀の滅亡まで。

前半は、キャラクターの出入りが激しくイマイチのめり込めない。しかし、孔明が出てきてからは加速度的に面白さを増し、20巻前後(文庫版)では蜀の武将が次々と命を落としていくのだが、このあたりで横山光輝版「三国志」はピークを迎える。そして、司馬懿VS孔明を経て、物語はゆるやかに収束する。

淡々としているのだが、場面場面ではしっかりとした構成を持っており、その煩雑さを馬鹿にすることはできない。しかし、今時の演出過剰なエンターテイメント漫画に慣れた読者にすれば、物足りなさを感じるかもしれない。

三国志の面白さのエッセンスに触れるには良い機会となる本だと思うし、人生教訓を抽出することも容易である。

これは良書。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-18 23:31:31] [修正:2008-04-18 23:31:31] [このレビューのURL]