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「ドカベン」「あぶさん」と並ぶ水島御大の代表作。
球界のお荷物球団・弱小メッツの個性豊かな選手たちを描きます。

水島先生の過去作は人情物がとても上手い。
それに絵柄その時代の雰囲気がとてもマッチしています。

メッツの一癖もふた癖もある選手たち一人づつにスポットを当てて描かれる前半の連作読み切り時はどれも高い完成度。
この作品の評価もそちらの方が高い傾向がある気がします。

しかし、現在「野球狂の詩」を象徴するキャラといえば鉄っつぁんと五利監督の次にくるのはやはり「水原勇気」です。
自分は水原勇気編の方が好きかもしれません。
(もちろん前半あってこその水原勇気編なのですが…)
本作の後半にあたる「水原勇気編」は今まで短編連作だったものから一転してストーリーものに変化します。
その際に今までの短編で登場した、いわば「パラレルワールド」の東京メッツの選手達の設定を整理されました。
火浦、立花、国立、金太郎、甚久寿、日の本などなど短編で見せた個性を残しつつも一つの「チーム」として東京メッツが描かれる様になった事でようやく世界観がひとつに固まった事が好きな要因の一つです。
後はやっぱり「ドリームボール」の存在がもうワクワクものでした。
ホントの最後の最後までどんな球だったのか明かされなかったので…

またいつか読み返したいなぁ・・続編は読みたいとは微塵にも思いませんが。

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[投稿:2011-01-14 00:22:42] [修正:2011-01-14 00:22:42]

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