「ITSUKI」さんのページ

総レビュー数: 639レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年08月10日

9点 外天楼

見事にしてやられました。

この作品は作者の作品を過去に読んだことがある方ほど、良い意味で裏切られると思います。
ちなみに事前情報何もなしで読みました。

初めは「いつもの石黒正数短編集」と大してかわりないという印象でした。
小さなことを重大なミッションの様に仕立てたり、しょうもないヒーローが出てきたり、案外ブラックなオチがあったり。
やはり発想が柔軟で面白いなぁとは思うのですが、どれも過去作であった様なデジャブがちょっとありました。

しかし、中盤を過ぎた頃から雰囲気が徐々に「あれ?」と変化し始めます。
気が付くと、最初の話から全て登場人物がリンクしていてただの短篇だと思っていた話に重要な伏線が散りばめられていました。

後半は正に怒涛の展開、ジェットコースターです。
作者の作品の中でも未だかつてない程、絵もストーリーもシリアスでダークでミステリアス。
その変貌ぶりにおいていかれずについていければ、帯で新房昭之監督が絶賛する様に、「極上の異世界ミステリー」としてきっと印象に残るでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-25 01:22:09] [修正:2011-10-29 02:01:49] [このレビューのURL]

作者が「男だけど、百合が大好きでしかたない!」という思いのたけをぶちまけた様なギャグ(?)漫画。

自分自身は男子として生まれていながらも、何故百合にここまで萌えてしまうのか!?
「あぁ・・・ほんっとーに大好きなんだなぁ」って主人公の百合好きっぷりが台詞の端々からよく伝わってきます。
たたみかける様な百合妄想の数々、一度の台詞(モノローグ)の長さなど、自分の好きなものに対してついつい饒舌になってしまう性が現れていると思いますw

百合好き過ぎて実生活もついそんな期待を持って見てしまっている様な主人公は相当アレだと思いますが、クラスメイト達をみて百合妄想をして勝手に萌えているその様がおかしくって笑えます。
加えて絵が非常にすっきりしていて上手なので余計おかしい。

怖いのはネタギレとかワンパターン化とかですけど、作者のこの百合愛があれば大丈夫かも?と1巻読み終われば思えるはずです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-27 00:03:24] [修正:2011-10-27 00:03:24] [このレビューのURL]

素直に続きが待ち遠しい!
今回は鶴田先生オリジナルの作品という事で、初期作品の頃の様なSF要素を交えたストーリーです。

祖父の遺品から見つけた幻の島「エレキテ島」の謎を暴き発見してやる、という所謂「ラピュ●は本当にあったんだ!」です。

書き溜めで掲載しているとはいえ、作画のクオリティはさらに上がっています。背景から小物に至る隅々まで細かく描かれいます。

SF要素がそこまでいきすぎという程でもなく、そこがやりすぎちゃってなんだかよくわからない感じだけど絵は凄いなーで終わってしまいがちがった過去作と比べると俄然内容が頭に入ってきやすく、わかりやすい。

話の導入も、主人公・みくらの目的も単純明快だからってのもあると思いますけど。
徐々にエレキテ島の謎が解けていく王道展開はついワクワクさせられます。

1巻が非常に良いところでおあずけをくらってしまい、続きが何年後になるのかと思うと非常に悔しいです笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-25 00:57:18] [修正:2011-10-25 00:57:18] [このレビューのURL]

深夜バラエティの人気コーナーの一つみたいな作品だと感じました。

美少年だからこそ許されるあのセリフやこのセリフ、正しい使い時はこんな場面、というところまでを持って行くショートドラマ構成です。

内容としてはギャグ6:鬱4くらいな割合で、どちらも良し。
ページ数もまばらだったり、内容の出来の良しあしはバラつきがあります。
が、面白い話はオチまで持っていくドラマパートが上手で、毎回冒頭でオムニバスであることを強調するにも関わらずそれを一瞬忘れてしまうほど。

個人的好みは「俺に関わるとやけどするよ?」「真実の愛はここにあったんだ」「美少年は世界の宝だからさ」「美しさって罪なものだね」等。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-25 00:06:30] [修正:2011-10-25 00:06:30] [このレビューのURL]

面白いよとちょびっと話題にあがっていたので購入。
作者は藤田和日郎先生の元アシ・ジョーこと片山ユキヲ先生。

温かみのあるほんわかとした絵です。正直上手とは言えませんがまだまだこれから上達するでしょう。

最初にこの作品は「朗読」がテーマと聞いて、なんて無茶な事をするんだ、と思いました。漫画では声が聞こえないのに。
でもこの作品には意外な程面白かったです。

作中で最初に朗読に使われる本は宮沢賢治の「やまなし」です。
「読み手が文の意味を全て理解しないと出来ない」という朗読の重要な点を巧く広げています。
主人公が朗読を成功させるために、一層作品に対する考察が深まり、読んだことあるはずの本なのに自分は何も理解していなかったんじゃないかって感じました。真相を知ったような気分です。

そして声が届かないかわりに、作中の聞き手が朗読を聞いて想像した内容を絵とする事で一気に迫力が増し、声のない朗読にしっかりと惹きこまれていました。
そんな訳で朗読が本格的に始まる一巻後半からは怒涛の勢いを感じました。
二巻以降も楽しみです。

※7→8
全く面白さが衰えない良い感じなので上げます。
絵の上手い・下手はともかく魅せ方が抜群です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-11 23:50:22] [修正:2011-10-15 10:50:06] [このレビューのURL]

【ネタバレ注意】

「Steins;Gate」のスピンオフ作品。ちちろんですが原作(本編)を知らない方は絶対に読まない方が良いです。

「Steins;Gate」は何故こんなにいろいろコミカライズされるのか。
まぁ人気作品だからというのは当然ですが、何よりも「誰の主観で話を追うのか」がかなり重要な作品だからです。
この作品は本編の主人公岡部の視点ではなく、メインキャラの一人である阿万音鈴羽を主人公として描かれます。

本編ネタバレに深くかかわってしまうので大した事は描きませんが、読んだ印象は「第一印象以上に面白かった」です。
鈴羽をしっかりとメインヒロイン顔っぽいデザインにして描いているのが良いと思います。
画力は荒削りな点も目立ちますがアクションも頑張っていますし、おおっと思わされた場面もあったりしたので嫌いではないです。
あ、でもダルの描き方の酷さだけは擁護できないです。腕が極太だったり足が激短だったりとダルが人間じゃなくなってますよ。あれじゃあドワーフか何かに見えます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-12 00:32:24] [修正:2011-10-12 00:33:54] [このレビューのURL]

前作同様あまり長すぎずにまとめてくれたら…と今非常に期待している作品です。

メインキャラはスポーツが得意な男の親友と、面倒見の良い女の幼馴染との3人と、ボーイ・ミーツ・ガールな出会いを果たしたメインヒロイン・かをりの4人で構成され、かをりとの出会いから話が動きだします。
王道なキャラ構成と導入かもしれませんが、非常にすんなりと話に入り込む事ができます。

絵柄が地味というのが前作を読んだ時に感じた惜しい点だったのですが、かをりが出るだけでぱっと画面が明るくなるような派手さと存在感があるのでその点が解消されてます。
「モノトーンだった世界が色づき始めた」という主人公とかをりの出会いを文字通り感じる事が出来て自分でも驚いてます。凄い。

失われていた音楽への情熱が出会いをきっかけに取り戻されていくという青春ストーリーになりますが、音楽的な要素よりも青春してるキャラクター達が活き活きしてます。
作者が描きたかった場面をどんどんつぎ込んでいるかの様。
1巻からすでにクライマックスみたいな盛り上がりを感じました。。
オススメです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-05 23:56:27] [修正:2011-10-05 23:58:48] [このレビューのURL]

【ネタバレ注意】

この作品はゲームが原作です。
自分はアニメ化きっかけでアニメと並行して原作をプレイしました。

元々口コミで面白いと非常に評判が高かった作品だったので、楽しみを奪わない様に何よりも「ネタバレ」だけは回避する事に努めました。
そうしてインターネットというネタバレの嵐を避けに避け、無事最後まで大したネタバレも踏まずに終えられて本当に良かったと思ってます。
何の作品にしてもオチを先に知るのは損だと思いますが、例えば日常系作品のネタバレを知るのと本作のネタバレを知るのは大きな差があるように感じます。

なのでレビューといいつつもこの作品の中身についてはあえて書かないでおこうかと。
ついでにいうなら【原作(あるいあアニメ版)をクリアするまでは『Steins;Gate』関連の漫画は全て読まない方が良い】位まで言いたくなります。
何故かというとまぁやっぱり原作の出来が一番良いからです。
同じストーリー、同じタネ明かしでも魅せ方の上手さ故に感じられる面白さが段違いだと思うので。
漫画版を先に読んでも「ふ-ん」で終えられてしまったらなんだか勿体ない様な気がするのです。

原作は既に数年前に発売した作品なので今更ネタバレどうこういうのは本当はおかしいのかもしれませんが…
「Steins;Gate」はコミカライズの数も非常に多く、未単行本化の作品もまだいくつかあったりします。

このさらちよみ版が一応本編準拠のストーリーで、その他は外伝だったり、視点を変えたスピンオフだったりしますのでそこもネタバレの嵐。
原作との雰囲気の違いはシリアス加減の弱さでしょうか。
ジョジョを読んでいる時「ゴゴゴゴゴ」の音と共にじわじわと「何かがおかしい…」という恐怖感と何が起きるのかドキドキして続きが気になる感じ。そういう感覚が足りません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-09-29 00:18:08] [修正:2011-10-05 23:58:02] [このレビューのURL]

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