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かつて「鉄腕麗人」と呼ばれた女性投手・加納トメの人生を描いた作品。

戦後GHQの統治下にある日本の中で、女性の社会的自立が囁かれ始めた頃、「加納トメ」は現れます。
型破りで、粋で、美しくもあり、カッコ良くもある。
トメのカリスマ性が物凄いです。シビれます。
絵からも魂込めてプレイする様が伝わってきます。

全9巻 細かい設定より勢いで読まされる作品なので一気に読めてしまえます。
6巻の日米決戦までが、盛り上がりとしては最高潮。
ケイトがあぁいう奴になるとは思ってなかったので凄い熱い試合に感じました。

第二部にあたる後半ではトメの弱さや人間臭さも描かれるようになってきます。
なので最後まで読むと自然と、「戦後の女子野球を描いた作品」と思っていたのが「加納トメという一人の女性の生涯を描いた作品」という認識へ変化しました。
チームメイトのインパクトもイマイチ薄かったですし…多数のキャラを動かす「おおきく振りかぶって」の様な作品とは対極だと思います。

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[投稿:2010-10-05 00:59:59] [修正:2010-10-05 00:59:59]

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