「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

なんというか、ヘンな漫画。
生きている死人の長男、生真面目な次男、動物と会話できる三男。
がおいしい洋菓子をつくりながら貧乏したり美少女とワイワイとする漫画。

ドタバタ、青春、ラブコメ、家族とネタが満載。
かつ手抜きなく濃密に描かれていて、お気に入りのところで楽しめばいいという感じ。

完結が楽しみ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-24 21:04:07] [修正:2016-05-24 21:04:07] [このレビューのURL]

期待を抱きようのないタイトルだが、実は秀作。

ライジングの孔雀は子ども。
孔雀の法名を受ける前の少年、明からスタート。

孔雀王シリーズは孔雀が仏の超能力で魔物をやっつけるだけの話。
人の悪行が積み重なり魔物が生まれる。
魔物が暴れ回る。
孔雀が魔物と悪い心を滅する。
この流れは一貫して変わらない。

シリーズが長期にわたり終わりが見えないので、
ライジングは原点にたちかえってリセットする意味合いがあるのだろう。
設定、絵柄、物語の展開もシンプルに整理されて非常に読みやすい。

これ自体は悪くないと思うがファンが求めているのはシリーズの完結かもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-29 14:15:29] [修正:2016-04-29 14:15:29] [このレビューのURL]

6点 姉ログ

姉孝行の弟と暴走する姉が巻き起こすギャグ。
ボケとツッコミがリズム良く展開されて何も考えずに読める。

女の子のデザインは記号的でほとんどエロゲー。
肌の露出も多くけっこうエッチな絵なのに、
全体的にコミカルで健全な雰囲気なのが独特。
賑やかで楽しいマンガ。

まったく同じテンション、形式でずっと連載が続いているのがすごい。

毎回の話は、ネタが違うだけでどれも大差はない。
どこから読んでも、どこを読み飛ばしても問題はないので
機会があれば読んでみて欲しい。







ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-14 15:07:28] [修正:2015-11-14 15:09:32] [このレビューのURL]

6点 ミル

[ネタバレあり]

人に変身できる化け猫の美少女と添い遂げる大学生男子の話。
ヒロインの設定が風変わりだが、骨格は単純なラブストーリー。
男と女が結ばれる、以上。

地味だが丁寧でセンスが良く、女の子はみな可愛い。
タイトルのミルがその化け猫ヒロインの名前。

冒頭から中盤は、主人公とミルの同居生活の話。
癒しの猫と、ときめく美少女、頼れるおばあちゃんが1人3役で、
張りと潤いのある生活や、秘密を隠す暮らしの緊張、
身近な人たちとの交流が描かれる。

終盤は、化け猫であるために人と長く一緒にいられないミルの寂しさや、
主人公がミルに人生を捧げる覚悟を固めて、2人が結ばれていく話になる。
ずっと一緒にいようね、で物語を終えても良かったはずだが、
この作品はその先を描いている。

ミルと主人公が友人や身内だけの結婚式を挙げたり、
老齢に達した主人公がいまだに美少女のミルと暮らすエピソードがある。
どうせまともでない人生を選んだなら結婚式もやらなくて良さそうなものだが、
身近な人間に秘密を打ち明け、祝福を受けなければいけないと考えるあたりが非常にマジメ。

化け猫との夫婦生活は不都合や気苦労が多い。
ミルは外見上、年をとらない。周囲に怪しまれる前に2人は数年ごとに引っ越している。
人間と結婚していれば得られたはずの様々なものを主人公は捨ててしまっている。
それでもなお、ミルがいれば良いと主人公は言う。

終盤あたりは読者が置いてきぼりで、いかに2人らしいかが主眼になっている。
話の展開も強引でなかなか共感しづらく、主人公とミルが結ばれるのが良い事と納得するのが難しい。

主人公とミルが一緒に暮らす困難さ、それを克服する強さに焦点をあてて、
安易なハッピーエンドとしなかったのは、作者の誠実なチャレンジだと思うが、
一抹のあやうさを感じさせる読後感になってしまった。

次回作での成長に期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-06 00:19:34] [修正:2015-11-06 00:42:29] [このレビューのURL]

著作権の切れた名作文学を、ドリヤス工房が10Pで漫画にまとめるシリーズ。
おおむね50年以上は前の作品のため、非現代的なドリヤス工房の作風(つまり水木しげる)にとてもよく合う。

これを読んで原作に興味が出たら、青空文庫で読めるので大変に良い企画。
当たり前だが、毎話が違う作品のため、好みに合う合わないがある。
すばらしいと思ったのが坂口安吾の「桜の森の満開の下」
たしかに水木しげるの飄々とした絵ヅラでありながら、
坂口安吾の美しく哀しい狂気をしっかりと表現している。
さすがドリヤス工房。よくぞここまで作りこむものと感心する。

2015年11月現在はこの漫画の単行本が刊行されており、
漫画作家へ利益を還元するために、過去作品の大部分が
トーチwebで読むことができなくなった。いたし方なし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-01 02:39:22] [修正:2015-11-01 02:39:22] [このレビューのURL]

厳しくて優しいおとぎ話のような漫画。
感情移入しやすく、続きが気になる。
だが、展開がトロい上に似たような事を繰り返す。
作者自身を主人公にした巻末のフラれ漫画も意味がわからない。
結局、星へ辿り着く人たちでなく地上から星へ手を伸ばす人たちの話なのだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-07-11 21:44:53] [修正:2015-11-01 02:24:44] [このレビューのURL]

少年、呪われた少女、殺人鬼の遺品、超能力、変な名前、怪しい組織、怪しい男。

底が浅く陳腐すぎて、漫画として誉めるところがない。
ただし、絵の力強さとリズムの良いネーミングは素晴らしい。
今後の成長に期待したい。

*30代男性読者の視点で酷く書いたが、
 掲載誌の想定読者は中学生ぐらいであろうから、
 これで良いのかもしれないとは思う。

完結後の追記

連載当初から著しく成長し、とても良い漫画として終わった。
冒頭を過ぎて一通りの設定説明が終わったあたりから、主人公を含めキャラクターたちの行動が力強くなってくる。
読み進めるにつれて作品のメッセージが明確になり、確かな終わりへ進む感覚が頼もしかった。

作品のメッセージとは成長への意志。
未熟な若者たちが、選択し自己決定し、協力して抗って、弱い自分と決別していくこと。
作中このモチーフが繰り返しあらわれる。というよりそれしか出てこない。
仲間の小さな勇気に励まされて、より困難な決断へ立ち向かう。
その連鎖が大きな物事を動かしていくのだ、というド真ん中のド真ん中。

正しいメッセージを説得力のある形で提示している。
よくぞ描ききってくれたと作者にお礼を言いたい。

ただし、漫画表現はあまり進化しておらず、慣れていないと読みづらい。
次回作に期待。






ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-11 13:02:07] [修正:2015-10-25 19:25:47] [このレビューのURL]

女性の労働基準監督官、段田凛(ダンダリン)を主人公に、
現代日本での労働基準監督官の仕事を描く漫画。
タイトルのダンダリン一〇一とは、労働基準法第101条(労働基準監督官の権限)から。

作品のテーマが掘り下げられる前に連載が終了してしまった。終了の経緯は不明。
熱心に働いてきたダンダが、ある事で自信を失い無断欠勤して自宅の布団に包まり
悲鳴をあげるという最終回。
日本全国の労働基準監督官が厳しい条件で働いているデータ(人数の不足)が示された。

ダンダは過剰に仕事熱心だが、それは彼女自身の余裕のなさが原因。
不器用で融通の利かないダンダは職場でやや浮きがち。
そのズレを埋めることも開き直ることもできず、すべてを誤魔化すためにガムシャラに仕事に打ち込んでいる。
その勢いが仕事上の成果につながり、ダンダはさらに頑張ろうとするのだが、
蓄積する疲れを癒すことができない。

ダンダは疲弊した自分をいたわる事すらできず、働く意欲をなくした自身を無能者と断じて壊れた。
その職務において、人間を労働機械として扱う雇用者を誅してきたダンダがまさに自分自身をそのように扱ってしまった。
漫画版は言うなれば、ダンダリンの敗北というタイトルが相応しいだろう。

ここで漫画は終わり、唐突な終了がかえって強い印象を残した。
作品のテーマは竹内結子主演のドラマ版に受け継がれた。
「山のあなたの空遠く、『幸』住むと人のいふ。」(ブッセ)
ドラマ版ダンダは「遠くかもしれないが幸せは在る」という意味で使っており、
漫画版ダンダが抱える苦しみに答えを出していることが示唆されている。

漫画版とドラマ版を比較することで本作品のテーマがわかりやすくなるだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-09-15 12:13:14] [修正:2015-09-15 12:14:39] [このレビューのURL]

舞城王太郎と大暮維人を足した漫画。
高校生の少年少女が世界の運命を賭けて異能バトルしながら恋と友情ですったもんだする話。

ありふれた物語、常軌を逸した過剰表現、緻密でスタイリッシュな作画。
いろいろと漲りまくってオーバーヒートした力作。

舞城と大暮の個性が良い具合に融合しており、好きか嫌いかはともかくお見事。
2人の作風が嫌いでないなら、一読の価値あり。

ただ、嫌みったらしく言えば、オッサンに読ませるためにオッサンが作っている青春漫画であって、
甘酸っぱい高校生活とは無縁だった人間の思い込みの寄せ集めという印象はぬぐえない。

だが、どうか怯まずに結末まで描ききってほしいと思う。
妄想と作り事の青春の向こう側までオッサン読者を連れていって欲しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-09-14 10:41:33] [修正:2015-09-14 10:41:33] [このレビューのURL]

妙齢なのに恋愛に全く疎い女性を干物女と揶揄する言葉がかつてあった。
それを妹に適用して干物妹。ひもうとと読むらしい。

主人公タイヘーの妹はバリバリのオタク。
ゲーム漫画アニメジャンクフードに埋もれて生きる女子高生。
要はコアなオタクの痛い生活も、主体が美少女なら漫画にはなるという作品。

やってることは本当にダメな人だが描写の丁寧さが面白さの核になっている。
お菓子の旨さに感動したりゲームに夢中になっている干物妹の豊かな表情を兄視点で眺めていると確かに愛おしさを感じる。

オタクの日常行動からどれだけ魅力を引き出せるか。
シンプルで根気のいるテーマに挑んでいる。

後日追記

連載の中盤から、兄との関係をメインにしながらも風変わりで面白い友人と過ごす楽しい日常を描く漫画になった。
人気が出て奇をてらう必要がなくなったのか
ネタが苦しくなったのかはわからないが、
連載を長く続けようとすれば正しい路線変更だろう。
ただし、もはや干物妹ではない気がする。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-07-16 11:29:16] [修正:2015-04-24 14:32:40] [このレビューのURL]