「ジブリ好き!」さんのページ

総レビュー数: 343レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年12月10日

ラストのどんでん返しは素晴らしかった。ヒントもしっかり散りばめられた正統派です。
叙述トリックの効かない漫画でどんでん返し仕込んでくれただけでも好評価。

しかしまぁ、長いの。あくまで一発ネタなのに、無理に単行本1冊分にしたのは引っ張り過ぎ。
これで美麗な画だったり劇画調だったりすれば雰囲気にどっぷりつかってラストまで持っていけただろうけど、流石にこの画じゃ…

あと、ひっくり返されるのは好きなんだけど
そのためだけのストーリーっていうのはやっぱりなんだかなぁって。
どんでん返しをメインに据えるにしても、サブのストーリーが面白くなきゃ読んでもらえないし、ハードルも高くなる。
そこいくと見事な騙しをあくまで調味料の一つとして使ってる「なるたる」や「ぼくらの」はやっぱすごい。

編集部さん、10年に1人の天才って煽りまくってる割りには起用しなさすぎよ。
寡作ってレベルじゃないしw

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[投稿:2011-09-30 00:13:49] [修正:2012-01-22 00:57:49] [このレビューのURL]

少し寂れかけた商店街の、乾物店
姉は狭い世界で生きたくない、弟は楽しみつつ悩みつつ
ひねた子供が爽やかにキラキラと厳しい現実に立ち向かう人情物語。

おじいちゃん死んじゃえ!とか言ったり
おばあちゃんバイクでぶいぶい言わせたり

イシデ作品の傑作は志村先生ネタの4コマだけじゃない

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[投稿:2011-12-15 14:30:09] [修正:2011-12-15 14:30:09] [このレビューのURL]

流石の画。職人。

イルカみたいな伏線回収技術は、本当に読み手に安心感を与えてくれる。
現代日本を舞台にしながらも、小さくまとまらせずノスタルジーにも頼ることもなく、新鮮で魅力的な冒険SF・海洋ロマンに仕上げた今作。
良い作品というのは、筆が遅くとも待てるものだ。

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[投稿:2011-12-13 00:54:31] [修正:2011-12-13 00:54:31] [このレビューのURL]

萩尾望都の画には不満ないです。少し古臭いですが。
原作者評価というわけではないのですが、話の方の感想を。

アトランティスの造形やイエス(キリスト)を悪役とする大胆な歴史の捉え方は好きでした。
問題はまとまっているとも投げているとも取れるラスト。
壮大なSFとして間違いなく完成度は高いのだけれど、せっかくならもっともっと踏み込んでほしかったなぁ。「あらかじめ滅びの宿命を植え付ける」とか「ディラックの海」とか、そこまで盛り上げてくれたならマトリョーシカのような宇宙論じゃなくて、百億と千億の彼方まで描いてもよかったのに。

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[投稿:2011-11-17 22:16:03] [修正:2011-11-17 22:16:03] [このレビューのURL]

もう少し作者側にもガンガン側にも余裕があれば、より良いバトル・より掘り下げたストーリとしてこの章を完成させられたかと。
ガンガン本誌で連載された時、ページの順番間違えて発行したガンガン編集部許すまじ。マイナーだからってなめやがって…


本編と短編がセットになっていて、本編と絡ませると素晴らしく面白い。
何より本編のラスト、衝撃の結末が…


(追記 ネタばれ注意)
切り裂き魔にとって大事な女性
それは、心の隙間を埋めることで30指を募った…
利用するための方法が仇となる、漫画史に残る伏線でした。素晴らしい。

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[投稿:2009-12-30 01:17:26] [修正:2011-11-09 23:31:51] [このレビューのURL]

自分がジャンプを初めて手に取ったのはナルトが連載する少し前からでしたが、昔はこんな漫画があったのですね。この絵柄が主流だった時代の作品にもっと触れてみたくなりました。紹介して下さったお二方に感謝。
僭越ながら、各話感想を…

「ふろん」10点
衝撃的でした。
初投稿、個人的にはこれくらい突き抜けた作品にこそ魅せられます。最近の少年向け作品は漫画も小説も無難路線に走りがちで、今ならjdf54jさんのおっしゃる通りフラッパーやビーム、IKKI辺りで採用されそうです。

「忘れっぽい鬼」7点
少年漫画らしくした、という作者の言葉通り。だけど自分の年でもすらすら読めました。好きです。

「たとえ火の中…」10点
作者が学生時代に描いたというこの作品、展開もオチも少年漫画らしく粗(というか最後の命蓮の心変わりの早さが気になって…)もあったりしますが、例えば最近のWJの金未来杯なんかの作品と比べると一線を画した出来栄えかと。
夜麻みゆき作品に初めて触れた時の感覚を思い出しました。少年漫画らしい一話読みきりでは、もうこれ以上とないほど好きです。

「七つの海」9点
子供と大人の境界線。ホライゾンの彼方からやってくる迎えの船。
これも今ならカテゴリエラー必至かと思います。
もう少し若い時に読みたかった。

「コムコップ(2も)」6点
ジャンプらしいです。といっても最近の新人さんに比べて構成がうまく作者らしさも滲み出てて良い。だけどやっぱり、個人的には無難どころに落ち着かない作者の(少し毒入りの)世界をもっともっと楽しみたかったな。


素晴らしい作品に出会えた喜びと、もうこれきり読めないのかという寂しさ。
良作を求めていると必ずぶち当たる壁なのでしょうか。この作品に限ったことではありませんが、残念なことです。

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[投稿:2011-11-05 02:13:14] [修正:2011-11-05 02:13:14] [このレビューのURL]

言葉より画で語る作品。

それだけの画力があり、画に命かけてますくらい卓越してます。

後半抽象表現のオンパレードですが、それが言葉では伝えにくい森の心理をダイレクトに教えてくれます。人物の表情なんかもインパクト大。
専門用語も多々ありますが、読み飛ばしても問題ないです。
心に響くか読みにくいと思うかで評価は分かれそうですが、少なくとも前半の熱いスポ根は誰が読んでも面白いはず。自分もこれの影響でロッククライミングに挑戦しました。

後半のドロドロの人間ドラマはきついものがありますが、あのラストは作者の最大限の優しさを感じました。
原作とは別物として楽しめる作品。

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[投稿:2009-12-11 02:35:06] [修正:2011-10-27 17:14:37] [このレビューのURL]

地震予知ロボット:ピッピ
人の形を模して造られたそのロボットは、あらゆるデータを基に地震の発生を予測する。
データを直接脳に取り込むだけでなく、自らの行動から情報を得るためにも、彼の発明者の一人息子・タミオと遊ぶことはピッピには大事な習慣だ。
長くタミオと過ごしてきたピッピは、タミオが病気で余命1年あまりだと知る。しかし自我のない彼にとってタミオはあくまで一人の人間に過ぎず、特別な感情も抱くはずがなかった。
そう、1年を待たずしてタミオがピッピの目の前で事故死するまでは…

そしてピッピは沈黙する。己に生じたバグを取り除くために
そしてピッピは計算する。「タミオ」という、「人」という方程式を解くために…
そしてピッピは目を覚ます。タミオを0と1の世界へ分解し、自我を得て
そしてピッピは扇動する。地震予知以外の情報を解禁させるために
そしてピッピは進化する。あらゆる情報を取り入れて、彼は地震どころか人類の未来さえも占ってしまう
地震の「予言者」であったピッピは、人類を救うか、はたまた滅亡へ導く「預言者」へとなってしまったのだった…

「鉄腕アトム」を発端に、最近のSFではロボットが自我を持っているのが当たり前だ。ロボットには人並みの感性や心があるのか、を焦点に、ロボットに対する倫理を問う作品が多い。
しかしこの作品ではその前の状態、つまりロボットは自我を持つべきか、持って良いのか?が一つのテーマとして作中激しく議論されている。
人間以上の情報記憶力・収集力・演算力をもつロボットが自我を持つことで起きうる問題。
自我を持たないうちは、演算結果の予測や未来を、人間の判断で利用できる。確率が高くとも絶対はありえないから、その結果を用いなくたっていい。自我を持たないうちは、予知もロボットも「道具」として使えるのだ。
しかし自我を持てば、ロボットが全てを判断し始める。次々と未来を計算し、合理性を前面に押し出した判断には反論できない。人はそれに従う他なく、与えられた未来を生きねばならない。先が見えるということは、その結果に向かってしか行動できないということでもある。そう、本作のテーマは、ラプラスの悪魔、いわゆる「決定論」の真偽へ至ってゆくのだ。

ギャグ出身の地下沢先生の朗らかな画のおかげで堅苦しさを感じないが、雰囲気やノリはどこかシュールである。
預言者となったピッピが、人類をどこへ導くのか…人を救いたいと言うピッピとは裏腹に疑似人格のタミオはせせら笑うばかりで、全く予想できない。次巻以降も目が離せない恐ろしい作品だ。

(追記 2巻読了 点数8→9へ)
正直、ここまでの作品とは思いませんでした。10点は完結後につけさせていただきます。
ラプラスの悪魔なんてハイゼンベルクが不確定性原理を打ち出してとうに消えてしまった過去の遺物ですし、「どうせ最後は流行りの量子力学で解決すんだろ?」って冷めた見方もしてたんです。
量子力学ももう、大学の授業で習えるし定性的なことなら啓蒙本で誰でも理解できる。SFではもちろん、最近じゃゲーム(シュタゲなど)やラノベ(紫色のクオリアあたり)でも盛んに取り入れられているし、一体何番煎じなのか?そんな風にしか予想できませんでした。
2巻。最初もまだ「猿の惑星?」でしたが…

「ピレネーの城」とあの腕

鳥肌もんでした。
これはマジもんの傑作になると信じております。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-03 04:40:30] [修正:2011-10-27 02:40:57] [このレビューのURL]

8点 外天楼

あの1話目にして、一体誰がどうすればあのラストを想像できるのだろう?
唯一の伏線はこれがメフィストに掲載されていたことかも。
最初帯裏見て「ん?なんでメフィストの宣伝?いくら新房さんがミステリ票入れててもさすがにミステリファンにバッシングされるんじゃねー、漫画だし」とか思っちゃったけど、なるほどメフィスト誌掲載だったのか。いやー、下手なメフィスト賞作家より全然凄いです、誰とは言いませんけども。

前情報として前半の話が後半に収束していくと聞いてたんですが、「こんなバラバラな話で繋がんのか?」って読んでました。杞憂でしたね。雑誌のために毎度毎度オチをつけながらも各話を伏線と化す。なんと素晴らしき構成力。
いわゆる「日常の謎」系の話を得意とする作者なようですが、気付けばめっちゃ重い話に。
淡白な画とギャグ調、急なラストのせいでカタルシスがあまりないんですが、降り積もる雪と二人がただただ綺麗でした。
あと待ち伏せとか最後の表情とか、実はミステリーじゃなくてホラーなんじゃないかと思ってたり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-27 02:20:36] [修正:2011-10-27 02:20:36] [このレビューのURL]

デビュー時から画は上手く知識も豊富。
これを読むと、現在の作者がどれほど話作りやキャラの魅力の引き出し方において上達したかがわかります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-10 20:31:22] [修正:2011-10-10 20:31:22] [このレビューのURL]