「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

6点 ZETMAN

YJなのに、桂先生なのに、意外にも真面目。
しっかり書き込まれているため、説得力がある。
でも、どこかで見たような設定・展開が続く。。。

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[投稿:2007-01-14 21:15:30] [修正:2007-01-14 21:15:30] [このレビューのURL]

世界が統一政府に統治され、自動車の走行もITS管理下に置かれ、バイクやガソリン車が世の中から完全に駆逐された時代、化石となったバイクを掘り起し、社会の統率・ルールを振り切って走る疾走感に魅了された男達を描いたバイク漫画。

この漫画の設定は精緻かつ新鮮かつ絶妙。近未来SF+バイクのフュージョンはSF&バイク好きにとっては溜まらない。バイクの本質が「体剥き出しのデンジャラスな疾走感」と「テロにも通じるルールへの反抗」であることを自覚し、禁忌への接触から始まりテロ活動への発展を描いていく点は概ね正しい持って生き方だったのだろうが、ストーリー全体を通じてこの素晴らしい設定を生かし切れていないのが残念。キリンの作者なので構成力はあると期待したのが、正直がっかり。8巻もある割には、特に印象的なシーン、エピソードがなく、山谷がなく、つまらない。恋愛や首都高バトルというお馴染みの展開も、ありきたりな描き方で盛り上がらない。

絵は、こなれていてソツがないが、女の子の魅力に欠く。また、描線は安定しているが、表情が安定していないので、あれ?今回は顔が変だな、というシーンがままある。

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[投稿:2013-04-27 23:10:12] [修正:2013-04-27 23:10:12] [このレビューのURL]

大震災によって日本が東西分裂した近未来の政治を描いた群像劇。

全体を通しての感想は、「無味乾燥」。震災で東西分裂、という設定自体はぶっ飛んでいてインパクトに溢れるが、その中で活躍する人間たちは極めて現実的。柳や宗像等、ある種のカリスマ性を付与したキャラクターが何人か出てくるが、ヒーローたり得るには能力が突き抜けていない。メタンハイドレート、日米中外交等、現実世界でも話題となる政治テーマを正面から描いている部分はリアリティがあって面白いのだが、裏を返せば、ワクワクドキドキする新鮮味に欠く切り口とも言える。

また、決定的な欠陥は、物語の主張がはっきりしないこと。親米か親中か、格差容認か格差拡大反対か、自由か平等か、善悪東西2項対立を提示しながら、この漫画は答えを与えない。あくまで空想の箱庭の出来事を淡々と見せていく。よって、頭の良くない大多数の読者からすれば、「で、結局どうすればいいんだよ」となってフラストレーションが溜まってしまう。キーチ、サンクチュアリ、デストロイ&レボリューションのような世直し漫画の方が痛快さを与えてくれる。

かわぐちかいじ作品全般では、非現実世界の中で政治や世の中の仕組みをリアルに描き出す。そのリアルの良し悪しということだろう。絵は完成形なので、文句はない。

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[投稿:2013-04-07 20:08:41] [修正:2013-04-07 20:08:41] [このレビューのURL]

不死のバンパネラと人間との交流を時系列に短編小分けして描いた耽美系雰囲気マンガ。

24年組の中心的存在たる萩尾望都によって、不死の美少年による人間との関わりあい、特に、恋や妹愛等が淡々と描かれる。山なくオチなく意味なく―。
不死の美少年という題材は、世の女性達の妄想ターゲットとしては垂涎ものだろう。同性愛的なシーンもチラホラとあり、BLの萌芽を垣間見ることもできる。
が、それ以上に、この本が出版された当時においては、「時を超えて生き続ける人間ならざるもの」の神秘性と美麗なる描出力こそが一種の衝撃だったのだろうと推察に難くない。
が、現代に改めて読むと、この「雰囲気」だけでは正直楽しめない。もう少し山谷が欲しい。

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[投稿:2013-02-25 00:57:22] [修正:2013-02-25 00:57:22] [このレビューのURL]

ゲーム業界を風刺した職業マンガの一つ。

この漫画は比較的高い評価を受けているようであるが、読みやすさ・エンターテイメント性・登場人物の魅力等の点で、正直、イマイチ。
職業マンガが熱いのは当たり前。その業界の魅力を掘り下げることこそが職業マンガの本質であり、「熱い」ことそれ自身だけでは名作たりえない。
漫画家マンガであれば、燃えよペン、G戦場ヘブンズドア、まんが道、編集王等の熱さと本作を比べれば、「熱さ」それ自身に大差はない。広義の職業マンガというものでいえば、海猿、夏子の酒、め組の大悟(というか曽田漫画全般)、その他スポーツマンガ全般、等々熱いマンガを挙げればキリがない。

要は、プロフェッショナルorものづくりに対する熱いこだわりというテーマを描くためのストーリー、キャラクター性によって良いマンガかどうかが決まる。

その点、大東京トイボックスは、ストーリーやキャラクター性が「ぼんやり」している印象が否めない。一話完結ではなくストーリーものになっている割に、山谷がなく、一本調子で淡々と出来事を消化していくだけ。登場人物がやたらに多く、中心人物不在のため、誰にも共感できない。天川太陽に作品への熱さを注入しているのであれば、より太陽中心に話を転がすべきであるのに、やたらに周辺の人物の出来事を描きすぎていて、落ち着いて読めない。結局、何の作品でしたっけ??と途中でなってしまう。

他方、数多ある職業マンガの一つとしてゲーム業界の内情を知るための薀蓄マンガとして一定の価値はあったので、5点の評価まで。

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[投稿:2013-02-10 20:44:29] [修正:2013-02-10 20:44:29] [このレビューのURL]

新と旧の違いに焦点を当ててみると、「新」の方は、「医者とは何か、という問題に懊悩し続けた主人公が、わからないなりにも一定の結論を出して自分の人生に結論を出す」過程を描く作品と言える。

実際、医者漫画といっても、新作の方で描かれるのは腎臓移植のトピックだけ。連載当初はどんどん新しい展開を用意して固定客をゲットしたらダラダラと話を引き伸ばして単行本の発行部数を稼ぐというのは漫画家・出版社の常套手段、という見方もできるが、人生の岐路に立った医者が悩む姿を丁寧に描いた、ともいえる。

恋愛の方でも、赤城さんが凡庸な人生に落ち着いたり、付き合っていた彼女とは別れてしまったりと、「リアリティのある結末」は「人生なんてそんなもんだよ」と言っているようで寂しい限りだが。

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[投稿:2011-04-17 01:12:36] [修正:2011-04-17 01:12:36] [このレビューのURL]

私は島本信者だが、冷静に本作品を評価するッ!

一つ、この当時はまだ島本のパロディの使い方が下手ッ!
(結局、世界征服ジムの目的って。。。)

二つ、島本といえば熱さとヘタレの調和だが、本作品はヘタレ度合いが強すぎるッ!!

三つ、熱さにかき消されていたが、仮面ボクサーの行動原理が不明ッ!!!そもそも、何この世界観(笑!!!

とはいえ、
島本×(仮面ライダー+あしたのジョー)÷3
っていう公式で全て理解できてしまうし、島本イズムを体現するには十分に面白い。

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[投稿:2010-05-02 05:33:54] [修正:2010-05-02 05:33:54] [このレビューのURL]

作者の思い入れに偏重したアニメーター漫画。

はい、私はアニオタです。(アニメーターではありません。)

この漫画は、つまるところ、以下のような作者の(アニメーター時代の?)思い入れに集約される。
?自分が思うように描けない無力感
?アニメ業界の滅茶苦茶さ(労働環境、業界構造など)への失望とアニメ(作画)への憧憬(動かしたい願望)とのジレンマ
?「働く女性」の困難(恋愛至上主義への懐疑)

これらはあまりにリアルすぎる。
リアルすぎて、笑えない。感動できない。もはや漫画ではなくエッセイだ。
アニオタ(もっといえば、作画オタ)だからこそ、日本産業の一部を構成する業種として、サステナブルなジャパニメーションの今後を本気で考えてしまうのは私だけか?

登場人物が嫌な奴ばかりだし、視点が原画マンに固定されている点で漫画作品としては物足りない。アニメという創作物に対し、スタッフ(脚本・演者・制作含む)がぶつかりあい、わかりあう、その結果として、偉大なアニメを作り上げる、という「夏子の酒」的クリエーター漫画、もしくは、バクマンよろしく暴露漫画にしてしまえば、さらに面白い漫画となりえただろう。

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[投稿:2010-02-14 22:20:52] [修正:2010-02-14 22:20:52] [このレビューのURL]

5点 谷仮面

(ハチワン→エアマス→谷仮面と遡って読んでみて)

正直、柴田ヨクサル独特の演出力というかパワー感に関しては、ハチワン>エアマス>>谷仮面と言わざるをえない。何より、谷仮面連載当時は絵がまとまりすぎていて、インパクトに欠ける。バカさも足りない。

とはいえ、小技こそまだ確立されていないものの、やたらコンクリを砕いて画面を破片だらけにするなど、熱くるしさは相当のもの。この学校はどれだけ改修工事をしたんだとw。あと、おっぱいへの執着w。


ところで、谷君の仮面はどういう意味をもっていたのだろうか?
大したキャラクター性とも思えないので、あえて文学的解釈をしてみる。
・一つに、仮面が、他人との心の壁を意味するのではないか?真の恋愛を経て、初めて心をオープンに出来る、という。
・また、「愛のきっかけは、顔ではなく心だ」というメッセージ性を持つ。事実、島さんは本当の顔を知らない谷君を好きになる。

仮面必要だったのかな。。。

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[投稿:2009-06-07 22:59:12] [修正:2009-06-07 22:59:12] [このレビューのURL]

非常に密度の濃い漫画。
というのも、その「濃い」というのは畢竟、「狭い」漫画だと言い換えることもできる。勿論、その是非は断言できないが。
その「狭さ」について、以下に列挙する。

?空間が狭い
舞台設定が細かく書かれているわけではないが、おそらく、都内某所(?)のご近所だけで話が完結する。

?時間が狭い
高校生という時間のままで話は進んでいく。
(エピローグのみ例外。)

?人間関係が狭い
主要人物はかなり早い段階で出揃い、後は、その少ない人間達の間のやり取りで話が進行する。誰と誰が実は昔にこういうやり取りがあった!とか、実は誰々が○○という重要な人物だった!という(多少無茶な)設定の連続で、人間関係をどんどん密に・濃く描いている。

?コマが狭い
1ページ内の書き込み量がハンパない。大ゴマも滅多に多用せず、絵の密度が非常に濃い。また、その小さいコマに、やたら太い描線の絵があるために、熱く、濃く、感じられる。


これらの特徴は、次作の少女ファイトでも散見されることで、この作者の特徴は、ある程度好き嫌いの分かれるところかもしれない。

だがしかし、このレビュー数の多さは異常。。。
ぶっちゃけ、そんなに大した漫画でもないと思う。それぞれのキャラの行動理由が不明確で感情移入できないシーンも。

少なくとも、作者があとがきで言及しているような「編集王」「吼えろ(燃えよ)ペン」「まんが道」といった作品の方が、よほど歴史的名作だと断言できる。

もっとも、この「G戦場〜」は、漫画家漫画というよりは、3角関係を中心に据えた少女マンガと見たほうがわかりやすいので、それらの名作群と比較すること自体がおかしいのだが。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-11-17 01:26:52] [修正:2008-11-17 01:29:05] [このレビューのURL]