「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

舞台は第二次大戦中の日本。主人公は科学者の男性。
病で余命わずかであることを悟った彼が、機械化兵士となって生きる。

無骨だが親しみの持てるデザインや、シンプルで力強い設定は素晴らしい。
が、話と絵がわかりにくい。
結局、思わせぶりなセリフを断片的に拾い上げて、おそらくこういう事なのだろうと読者側で補完しながら読み進めなければならない。

情熱やセンスは素晴らしいが漫画の表現力は稚拙でケチがつく。
より成長した次回作を期待する。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-29 20:55:21] [修正:2013-01-29 20:55:21] [このレビューのURL]

零細街金の冴えないサラリーマン春居。
日々店長や同僚に舐められながら顧客の為に汗をかく。
しかし、それは世を忍ぶ仮の姿。
その真実は法で裁けない悪を裁く魔術師ドクター・フー。
散りばめられたマジックの小ネタが楽しく、お裁きではさらにド派手なマジックが映える。
サラリーマンの日常編とドクター・フーのお裁き編のコントラストは陳腐とはいえ解りやすくて面白い。

中盤からはドクター・フーの背景設定が明かされていき、
彼が悪を裁くのには理由があり仲間がいることがわかる。
彼らはクロブチ機関を名乗る一味で、政界の黒幕クロブチという男が、
日本を掃除するためワケアリの男女を集めた、
暴力と犯罪による正義の執行を旨とした組織であった。
ドクター・フーはその一人というわけ。

終盤では春居でもなくドクター・フーでもない。
彼自身の戦いを描く。

基本的には大した話ではないが、そこは細野不二彦。
人間の醜い部分を嫌にならない程度に織り交ぜて読んでいて飽きない。
強引な結末もキャラクターに感情移入できていれば許容できる。
良い意味での娯楽漫画と言える。

*雑考
主人公ドクター・フーははっきり言って気持ち悪い。
3億円の豪華マンションに住み夜景を見ながら裸で筋トレしている。
キメ台詞「この債権有効なりや?」もどうかしているとしか思えない。
しかし、それでもなお言動に憎めないところがあって、それが作品全体の救いになっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-11-29 22:12:32] [修正:2011-11-29 22:16:03] [このレビューのURL]

ほのぼのコメディから超能力バトルにシフト。
このまま敵を倒して終わりならハイパーあんなと同じ。
まさに可もなく不可もなく。

完結後の追記
嫌な予想のとおり、ただなんとなく敵を倒し日常を取り戻して終わり。
キャラが出揃った後のやる気のなさが隠しようがない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-08-04 14:10:31] [修正:2011-07-06 14:15:26] [このレビューのURL]

ところどころの風変わりな描写は作者の個性だと思うが、
物語の本筋が大して面白くなく、やや弱い印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-20 14:55:22] [修正:2011-04-20 14:55:22] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

主人公を不幸の底に落として始まる冒頭は抜群。
わけのわからない性格の家族について、
丁寧に人となりを描いていくのも良い。
だが、家族と仲良くなり主人公の不幸が解消されると、
物語を進める要素が残らなかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-11 11:09:52] [修正:2009-07-11 11:09:52] [このレビューのURL]

不老の男ロブは100年ぶりに刑務所を出た。
刑務所前でたたずむロブを拾った少女シェリー。
2人はレディ&オールドマンとして運び屋の仕事を始めた。
ロサンゼルスの裏社会に踏み込む2人の冒険を描く漫画。

出だしが素晴らしい。
スタイリッシュな絵柄とコマ割り。
魅力的なキャラクター、魅力的なやりとり。
レディがバイクを運転しオールドマンがサイドカーに座る。
風に吹かれて走るバイク。オノ・ナツメの美的センスにしびれる。

だが、途中から漫画として迷走した。
元々活発な性格のレディ主体で話が動くのだが、
あまりにロブの主体性がなさすぎ。
結局レディ&オールドマンを描けずに脇役の話になってしまった。

当初は裏社会の危険さが表に出ていたが、なし崩しにみんな仲良し。
読んでいて全く緊張感がない。
最終回も終わりの空気感を読んで終わるみたいな感じ。
作者にも読者にも残念な作品という印象。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-04 09:00:45] [修正:2021-07-04 09:00:45] [このレビューのURL]

4点 Dr.STONE

世界中の人間が石化して数千年。
文明は崩壊し原始時代に戻ってしまった。
石化から蘇生した人々は文明を復興しながら原始世界の覇権を争う!

ロビンソンクルーソーや15少年漂流記のような科学冒険小説が元ネタの少年漫画。
限られた材料から知識と挑戦でいろんな物を作りだすのが面白さ。

徹底してわかりやすく小学生向け。ご都合主義のレベルを超えてゲームっぽい作りになっている。
尖った石+木+つる=槍!とかそんなん。

読者が面食らうほど割り切った構成をどう評価するか。
個人的にはやりすぎだと思いこの点数にした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-04-06 11:53:18] [修正:2019-04-06 11:53:18] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

父子家庭の親子と女子高生が主人公の料理漫画。
妻に先立たれ子育てに苦労する父を見かねた女子高生が
いっしょにご飯をつくろうともちかけて・・・という話。

冒頭から序盤は抜群。
なぜ彼らが一緒に食事をしなければいけないかが丁寧に描かれている。
女子高生の側にもただの同情ではなく家族の食卓が必要なのがよく伝わる。
傷つき悲しい人たちが寄り添う姿をあたたかく美しく描く。

しかし中盤から一気にダメになる。
父子と女子高生がそれぞれに成長するに従い、関係を続ける理由が希薄になる。
なんとなく平和に日々が過ぎていく。

物語の大きなテーマが時間。
母を失い絶望する父子にも、進路に悩む女子高生にも時間は容赦なく過ぎていく。
その中でキャラクターが抗ったり選択したりといった事が
漫画的に求められるはずだが、本作では読者にとってなにも起きていない。

昔話に、いつまでも幸せにくらしましたとさ、という常套句を
そのまま漫画にしたような後半部分。
作画は素晴らしいがそれだけでは楽しめない。

漫画をつくる力が不足しているので、次回作に期待。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-02-07 18:12:16] [修正:2019-02-07 18:12:16] [このレビューのURL]

魔法が普及した王国で生まれつき全く魔力を持たない少年アスタ。
最強の魔法使い「魔法帝」を目指して肉弾バトルを繰り広げる。
仲間とともに恐ろしい敵からみんなを守れ!みたいな感じ。

目新しさは何もないが、展開が速くてスムーズ。
そのリズムの良さでどんどん読めてしまう。
既存作品をよく研究して取り込んでいる。
言ってしまえばパクリの連続だが、この作品では要素を消化して読みやすさを突き詰めているのが高評価。
単純にマンガが上手い。

とは言え、最後までオリジナリティなしというのも物足りないので、今後の展開に期待。
また、これほど技術が高いなら野心的な作品も読んでみたい気がする。
もっと複雑な話、あるいは極限まで単純な作品ならどういう漫画にするのだろうか。

後半になるとキャラが多すぎる。
ウギャー、ウワー、ウォー、ドッカーン。
予定調和がいきすぎて退屈でしかない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-10-08 10:39:55] [修正:2019-01-06 08:21:50] [このレビューのURL]

舞台は大正時代の日本。鬼に家族を惨殺された少年が主人公。
半分ぐらい鬼になってしまった妹を連れて鬼と戦うバトル漫画。
主人公は仇を討ち、妹を人に戻せるだろうか?

とても良い漫画。物語の導入が丁寧。
家族を殺された悲しみや残った妹が鬼になってしまった絶望、
力を手に入れるための修行の苦しみや師匠・兄弟子の支えなど、
主人公に感情移入させるための仕掛けがみっちりと詰まっている。

鬼とのバトルも小気味よいアクションがスムーズで見やすい。
キャラクターデザインも秀逸。
鬼の禍々しさや主人公の正直さ、妹の儚くも恐ろしい美しさが、十分に表現されている。
作者の狙いではないかもしれないが、微妙にザラついた絵柄も大正時代のイメージにあっている。

かなり重たい話でスプラッタな描写も多いが、緊張を緩和するコメディリリーフも面白い。
弱虫で泣き言ばかりだが気絶すると無敵になるって便利なキャラだなぁ。

冒頭から中盤にかけてほぼ非の打ちどころがなく、誰にでもオススメできる。
ここからクライマックスへどう盛り上げていくか、連載が気になる作品のひとつ。

単行本10巻以降、似たような展開が続く。
恐ろしい敵→苦戦→味方奮闘→圧倒的にピンチ→味方死亡+主人公ボロボロ→一発逆転。
大味でメリハリが失われた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-01-16 12:48:05] [修正:2019-01-06 08:17:10] [このレビューのURL]