「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

架空の中世アラビアを舞台にした戦国群像物語。

主人公は年若い将軍、権謀術数がうずまく国際政治の中で
自国を守るために、奮闘するというお話。

特徴的なのはその物語。一般的に漫画に期待される水準を超えており、よく練りこまれている。
類似した作品として田中芳樹の銀河英雄伝説や栗本薫のグイン・サーガをあげられる。

一人の英雄に焦点をあてた作品ではなく、
多くの人間の思惑や行動がからみあって壮大なうねりになっているのを
神の視点で眺めるのを楽しむ作品。

都合の良い展開に突っ込みどころもあり、好き嫌いもあろうが、
漫画でこれをやろうとする情熱と構想力はすばらしい。
断片的に面白さがちりばめられた漫画ではないので、
ある程度まとめて(できれば完結してから)一気に読んでしまうのが
オススメかと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-02-19 15:40:49] [修正:2013-02-19 15:40:49] [このレビューのURL]

子供が超能力を手に入れて異世界からの侵略者と戦うお話。
全てがありきたりだが、ベテランらしい丁寧な仕事ぶりで悪い漫画ではない。
女の子は下品でない程度に可愛いし、敵や小物も良いデザイン。
戦いの悲惨さやそれを乗り越える動機づけなど、スペースオペラ的な面白みもある。

マジメな悪ふざけのような作品をしばしば発表する作者だが、ついに本気を出したか?
と思いきや、良いところで話が中断。

せっかくなので納得のいく形に仕上げて欲しいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-29 21:11:09] [修正:2013-01-29 21:11:09] [このレビューのURL]

美形高校生たちの切ない恋を描く漫画。

登場人物たちは早い段階で恋をした状態で、
報われない恋の辛さをじっと耐え、あるいはその辛さを友人たちと分かち合う。

よくできた話でキャラも立っている。絵もいいし良い漫画ではある。
その上で文句をつけると、キャラクターに感情移入しにくい。

恋模様の中心にいるのは藤井トモアキ。
高校三年生、サーファー、美形、金持ちのボンボン。
夜遊び、女遊び、波遊びと放蕩しているようだが、実は頭も性格も良い男。
共感できない。嫌いではないが、自分と共通点がなさすぎて内面について想像がつかない。
周囲の人間が男も女も彼に惹かれていくのを見て、描かれてないエピソードがあるのだろうなぁと想像するのみ。

その他のキャラクターについても、うーん?という感じ。
話が駆け足で進み、読者との共通体験を提示するような描写がほとんどない。

好きな人と両思いになれない、だから辛いです、でも友達はいます、というだけでは説明的に過ぎる。

疎外感を持ったまま彼らの喜怒哀楽を読み進むのは、
相互に承認しあったり、自己憐憫している子供たちを見物する感覚に近い。

物語としてはちょっと楽しみが足りない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-12-19 21:52:36] [修正:2012-12-19 21:56:47] [このレビューのURL]

次々と襲ってくる怪物から逃げる話。
シンプルに的を絞り込んでいるため面白い。
まったくわけがわからない怪獣とひ弱な人間が好対照。

絵柄と内容が実に少年チャンピオンらしい。
この先も期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-14 11:36:16] [修正:2012-09-14 11:36:16] [このレビューのURL]

6点 COPPELION

放射能で汚染された未来社会で、遺伝子改造を受けた女子高生の超能力場とルマンガ。

上手い作家ではない。
あちこちデッサンもおかしいし、仕上げはゴチャゴチャしている。
お話も漫画としてはまぁまぁ及第点という程度。

ただし、女の子は魅力的に描けている。
ノリツッコミや泣き笑い、走る飛ぶ叫ぶと感情豊かでイキイキしている。
そこには手抜きがない。

続きは気にならないが、絵柄とアクションが好きなら楽しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-06-21 20:28:40] [修正:2012-06-21 20:28:40] [このレビューのURL]

ゲームに没頭していた作者の少年時代のエピソードをベースに、
昭和的なラブコメを足した漫画。

漫画としての面白さは、レトロゲームのあるあるネタとヒロインの暴力。
ゲームネタは丁寧に描かれているので、世代の異なる読者でもなんとなくは解るだろう。
おしとやかなヒロインが突然ムチャをするのは、絵ヅラが面白いのと、
無口な人間の内面を垣間見るようで、ヒロインへのときめき度を上げる効果がある。
クラスの誰も知らないアイツの正体を俺は知ってるぞ、というところか。

しかしながら、そのヒロインが何故主人公に好意を抱くのかについては、かなり乱暴。
唯一のゲーム友達だったから、というのは初恋の理由には十分だが、
作品をまわしていくにはキツイ。昭和ラブコメの難点だろうか。
単行本1巻の終盤で、それに対する措置がとられるのだが、さて2巻以降はどうするのか。

雑考:「ピコピコ少年」と「ハイスコアガール」
より直接的に自伝として描いた「ピコピコ少年」といくつかのエピソードが被っている。
ピコピコ少年を読んでからハイスコアガールを読むと、
ラブコメ部分の作り物感とゲームネタ部分の共感の差異が際立って、
読者としては白けた印象を受けた。
それぞれの作品は何も悪くないので、文句ではないのだが、
やはり勿体無さを感じる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-05-15 11:16:32] [修正:2012-05-15 11:23:59] [このレビューのURL]

初期は短編形式。
持ち込まれる霊的事件をムヒョとロージーのコンビが魔法律の力で解決する。冷酷なムヒョの大岡裁きが面白さ。

中期は長編形式。
ムヒョの旧友を敵としたおおがかりなバトル。
強敵との超能力バトル。ジャンプお得意の展開。
魔法律もドンドン派手になり華やかだが話はスカスカ。

終盤で、また短編形式。
決戦の後で日常の業務に戻る・・・のだが、面白くない。
中盤で追加した設定に引きずられたのか、
ムヒョとロージーたちの描写が多い。
事件の鮮やかな解決が犠牲になり単純な力ずくが目に余る。
話の密度は上がらないままに事件が小粒になってしまい、
もはや手の施しようがない。
テンションの低下が覆い隠せなくなり、
より強大な敵との対決を暗示しながら終わった。

けっして駄作ではないが、力を出し切れていない印象が残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-12 14:13:02] [修正:2011-07-12 14:13:02] [このレビューのURL]

北欧の美少女工作員が現代日本で普通の女子高生として振舞うバトルコメディ。
可愛い女の子と残酷な暴力描写はいつものるるる漫画。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-06 14:17:43] [修正:2011-07-06 14:17:43] [このレビューのURL]

作者の遠藤浩輝の過去の作品は、悪意に抗えない人間について
描いていたように思う。読んでて辛くなるようなものが多かった。
今作では過剰な悪意は薄れ、現代日本の読者にも読みやすい。

作中の格闘描写については、「リアルなように」描かれているが、
私には知識がないので、評価は難しい。
派手な必殺技は登場しないが、ひきしまった肉体の格闘家が
汗を流して戦うさまはそれなりに華やかで格好いい。

どのような結末になるのかが気になる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-09 06:23:00] [修正:2011-06-09 06:23:00] [このレビューのURL]

6点 結界師

話の流れがどうこうというよりは、各キャラがどういった人なのかに
重点を置いた作品。単行本のおまけページの小芝居がその象徴。
大体のキャラに詳細な性格設定と作中の位置づけがなされており、
それらが矛盾しないように配慮されている。
いくつかのキャラクターに感情移入できれば楽しく読める。

天才の弟、努力型の兄、強い力と長い寿命で人間性を失う男。
といったモチーフの繰り返しが目に付く。
少年漫画のお約束といえばそうではあるが、
繰り返す度に強度が弱くなるのを避けられていない。
また物語の後半の主要キャラは設定に曖昧さや不足があり、
作中の位置づけに苦労している様が見られる。
前述の繰り返しの多さと相まって失速感を強くしている。

減点の少ない作品だが小芝居の面白さだけではやはり食い足りない。
次回作に期待。





ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-20 11:17:43] [修正:2011-05-20 11:17:43] [このレビューのURL]