「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

6点 ACMA:GAME

カッコイイ少年や少女が知恵比べゲームで戦う話。
絵ヅラや設定などはありきたりなものをそのまま使用し、
ゲームの独自性やプレイヤーの駆け引きに力を入れている。

あちこちのバランスが良い漫画という印象。
省力化できるところは思い切り省力化して、優先順位がはっきりしている。
その結果、展開がスピーディで読み進めやすい。

本編はゲーム描写がメインで各キャラクターの掘り下げやユーモラスな場面はほぼない。
その辺りは単行本のおまけ漫画でフォローされており、本編のシリアスさとのギャップで笑ってしまう。

良い意味での娯楽としてスッキリ読める。
さほど面白くないと思いながら読んでいるとすっかりハマるという感じ。
女の子がキレイなのもグッド。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-13 11:05:50] [修正:2016-11-13 11:19:29] [このレビューのURL]

12年ごとひつじ年のクリスマスに人が殺され臓器が奪われるサスペンス。
細かく設定を説明すると長くなるので省略。
要はツンデレ少年ユキムラが探偵で、トボけた大女フセギが助手になってひつじ殺しを追う漫画。

ストーリーの焦点はあくまでひつじ殺し。
なぜ12年ごとに人を殺すのか、何者か、そして次の事件は防げるのか。
間延びせず緊迫感を保っている。
それでいながら、ほがらかな日々の仕事や生活を丁寧に描いている。
ストーリーの前景と背景のバランスがよく、それ以外の不純物がない。

感心するのはオキナガの設定。
これも詳細はすっとばすが、要は不老長寿の特殊能力者。
オキナガは老いずに何百年も生きてしまう。
後悔や苦悩はいつまでも消えない。理解しあった人間とも死に別れる。
死なないからこそオキナガは強い執着を持つ。それがドラマの根源になっている。

単行本9巻現在、いよいよひつじ殺しの正体が見えてきた。
結末が気になる。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-01 11:09:35] [修正:2016-10-01 11:09:35] [このレビューのURL]

舞台は未来社会。
人間、ヒューマノイド、ロボットが共存している。

社会的に3者は違った扱いになっており、
人間は人間。
ヒューマノイドは機械とコンピュータでできた人間。
ロボットは機械。

主人公はヒューマノイドを治療する医者。
漫画としては手塚治虫のブラックジャックに近い。
さまざまな患者が怪我や病気で重大な選択を迫られる。
医者の立場からそれを見守る短編形式の漫画。
それぞれの患者の選択は客観的に良い悪いを判断できるものではない。
身勝手であろうと、その決断こそが「人間の証明」だというような話。

ジャッジしない、導かない、選択を尊重する。
この距離感が新鮮で押しつけがましくならず、読者にも想像や解釈の余地を与えてくれる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-07-24 20:19:05] [修正:2016-07-24 20:19:05] [このレビューのURL]

おそらく作者はちょっと変わった兄妹コメディとして描き始めたはずが、
あちこちが上手くハマりすぎて手に負えなくなってしまったので、
早く手じまいした漫画。

1?2巻では説明的な日常コメディからよりシリアスなテーマへ進みそうな印象を受けていた。
互いに依存する兄と妹、周囲の人間関係、化け物と人間の共存、などなど。

だが、物語はシリアスへもコメディへも進まない。
どうにもページを埋めるのに苦労している印象になり、
無意味なキャラクターを出したりしながら結局は最終回までほぼ何も変わらなかった。

深読みせずに妹がカワイイ漫画として読めばまぁそこそこ。
というか妹のカワイさは本当にスゴくて点数のほとんどがソコ。

作者はほかにショートコメディ漫画を手掛けていて、
そちらはスムーズでキレが良い。
今後はそちらで才能を発揮していくのだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-07-24 17:42:11] [修正:2016-07-24 17:42:11] [このレビューのURL]

なんというか、ヘンな漫画。
生きている死人の長男、生真面目な次男、動物と会話できる三男。
がおいしい洋菓子をつくりながら貧乏したり美少女とワイワイとする漫画。

ドタバタ、青春、ラブコメ、家族とネタが満載。
かつ手抜きなく濃密に描かれていて、お気に入りのところで楽しめばいいという感じ。

完結が楽しみ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-24 21:04:07] [修正:2016-05-24 21:04:07] [このレビューのURL]

期待を抱きようのないタイトルだが、実は秀作。

ライジングの孔雀は子ども。
孔雀の法名を受ける前の少年、明からスタート。

孔雀王シリーズは孔雀が仏の超能力で魔物をやっつけるだけの話。
人の悪行が積み重なり魔物が生まれる。
魔物が暴れ回る。
孔雀が魔物と悪い心を滅する。
この流れは一貫して変わらない。

シリーズが長期にわたり終わりが見えないので、
ライジングは原点にたちかえってリセットする意味合いがあるのだろう。
設定、絵柄、物語の展開もシンプルに整理されて非常に読みやすい。

これ自体は悪くないと思うがファンが求めているのはシリーズの完結かもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-29 14:15:29] [修正:2016-04-29 14:15:29] [このレビューのURL]

6点 姉ログ

姉孝行の弟と暴走する姉が巻き起こすギャグ。
ボケとツッコミがリズム良く展開されて何も考えずに読める。

女の子のデザインは記号的でほとんどエロゲー。
肌の露出も多くけっこうエッチな絵なのに、
全体的にコミカルで健全な雰囲気なのが独特。
賑やかで楽しいマンガ。

まったく同じテンション、形式でずっと連載が続いているのがすごい。

毎回の話は、ネタが違うだけでどれも大差はない。
どこから読んでも、どこを読み飛ばしても問題はないので
機会があれば読んでみて欲しい。







ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-14 15:07:28] [修正:2015-11-14 15:09:32] [このレビューのURL]

6点 ミル

[ネタバレあり]

人に変身できる化け猫の美少女と添い遂げる大学生男子の話。
ヒロインの設定が風変わりだが、骨格は単純なラブストーリー。
男と女が結ばれる、以上。

地味だが丁寧でセンスが良く、女の子はみな可愛い。
タイトルのミルがその化け猫ヒロインの名前。

冒頭から中盤は、主人公とミルの同居生活の話。
癒しの猫と、ときめく美少女、頼れるおばあちゃんが1人3役で、
張りと潤いのある生活や、秘密を隠す暮らしの緊張、
身近な人たちとの交流が描かれる。

終盤は、化け猫であるために人と長く一緒にいられないミルの寂しさや、
主人公がミルに人生を捧げる覚悟を固めて、2人が結ばれていく話になる。
ずっと一緒にいようね、で物語を終えても良かったはずだが、
この作品はその先を描いている。

ミルと主人公が友人や身内だけの結婚式を挙げたり、
老齢に達した主人公がいまだに美少女のミルと暮らすエピソードがある。
どうせまともでない人生を選んだなら結婚式もやらなくて良さそうなものだが、
身近な人間に秘密を打ち明け、祝福を受けなければいけないと考えるあたりが非常にマジメ。

化け猫との夫婦生活は不都合や気苦労が多い。
ミルは外見上、年をとらない。周囲に怪しまれる前に2人は数年ごとに引っ越している。
人間と結婚していれば得られたはずの様々なものを主人公は捨ててしまっている。
それでもなお、ミルがいれば良いと主人公は言う。

終盤あたりは読者が置いてきぼりで、いかに2人らしいかが主眼になっている。
話の展開も強引でなかなか共感しづらく、主人公とミルが結ばれるのが良い事と納得するのが難しい。

主人公とミルが一緒に暮らす困難さ、それを克服する強さに焦点をあてて、
安易なハッピーエンドとしなかったのは、作者の誠実なチャレンジだと思うが、
一抹のあやうさを感じさせる読後感になってしまった。

次回作での成長に期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-06 00:19:34] [修正:2015-11-06 00:42:29] [このレビューのURL]

著作権の切れた名作文学を、ドリヤス工房が10Pで漫画にまとめるシリーズ。
おおむね50年以上は前の作品のため、非現代的なドリヤス工房の作風(つまり水木しげる)にとてもよく合う。

これを読んで原作に興味が出たら、青空文庫で読めるので大変に良い企画。
当たり前だが、毎話が違う作品のため、好みに合う合わないがある。
すばらしいと思ったのが坂口安吾の「桜の森の満開の下」
たしかに水木しげるの飄々とした絵ヅラでありながら、
坂口安吾の美しく哀しい狂気をしっかりと表現している。
さすがドリヤス工房。よくぞここまで作りこむものと感心する。

2015年11月現在はこの漫画の単行本が刊行されており、
漫画作家へ利益を還元するために、過去作品の大部分が
トーチwebで読むことができなくなった。いたし方なし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-01 02:39:22] [修正:2015-11-01 02:39:22] [このレビューのURL]

厳しくて優しいおとぎ話のような漫画。
感情移入しやすく、続きが気になる。
だが、展開がトロい上に似たような事を繰り返す。
作者自身を主人公にした巻末のフラれ漫画も意味がわからない。
結局、星へ辿り着く人たちでなく地上から星へ手を伸ばす人たちの話なのだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-07-11 21:44:53] [修正:2015-11-01 02:24:44] [このレビューのURL]