「森エンテス」さんのページ

総レビュー数: 355レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年10月15日

少年マンガの教科書。

この作品を読んで感動できない人とは友達になれないと口に出しても良いくらいの名作です。

残酷な描写もありますし、救いのない展開もありますけど、こういう作品こそ中高生は読んで欲しいと思います。

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以下facebookに投稿した内容を追記しました(2015-2-6)



マンガ『うしおととら』がTVアニメになるというニュースがありました。

OVA(オリジナルビデオアニメ)では販売をしていた作品ですが、この度一から製作をしなおして、TVで放送されるこの作品は、ある時期の少年サンデーの看板作品でした。

内容は少年漫画の王道とも言える内容で、ある日、主人公の少年が1匹の妖怪と出会い、その妖怪と共に旅をする中で色々な経験をし、仲間を増やし、最終的には最強の妖怪を退治するというものです。

ここから先は、ネタばれになりますので、これからアニメを楽しまれる方は読まない方がいいのではないかと思います。


この作品のアニメ化のニュースを目にした時に物語を思い返してみたんですけど、ちょうど時期的にISILが(現在もそうですけど)世間の注目を浴びていたので、この作品の最後の妖怪とISILは「似ているな」と思いました。

この妖怪は人の憎しみから生まれ、恐怖を食べて生きている妖怪なのですが、現在のISILにもそのような所があるように思います。

主人公はお寺の子供なのですが、学校の同級生、同じ宗派の仲間達、外国の研究者、思い半ばで無くなった人達の霊、日本全国にいる土地神、そして妖怪達、彼らは最初は敵対をしていた存在達でしたが、最終的に協力をして最後の妖怪と対決し、退治をします。

この形も連合軍によるISILへの対応と似ているのかなと思っているのですが、ここで大事なことは立場も正義も違う人達が一つの巨悪に対して立ち向かって行き、彼らの内のどれが欠けても、最後の妖怪を倒せなかったであろうことです。

そして、この作品の最も素晴らしいところでもあるのですが、彼らがそれぞれがバラバラに最後の妖怪に戦いを挑み蹴散らされ、主人公が憎しみで相手を打ち負かそうとして蹴散らされ、協力してようやく退治ができるというところです。

ISILに対しても、色んな国や宗教、民族の垣根を越えて協力して対応して欲しいと思います。

ちなみにこの最後の妖怪なのですが、先述にあるように憎しみから生まれ、人の恐怖を食らって生きている妖怪ですので、生き物として人を殺し、恐怖をさせることしか出来ません。

しかし、その妖怪にスポットを当てると、主人公に倒され消滅する間際に、本当に自分がなりたかったものは、憎しみや慟哭から生まれた存在ではなく、純粋無垢な存在として生まれたかったという事を暗示させる描写があります。

ISILも同じだと思います。

彼らの現在の存在は憎しみと恐怖を撒き散らしている存在ですけど、最初からそうなりたいと思っていたわけもなく、様々な憎しみの連鎖から現在の形になっているのではないでしょうか。

そういう意味では同情すべき部分が0ではないとは言えますが、この作中で作者はこの妖怪の「悪の心だけを倒し、無垢な存在が残った」という形にはせず、跡形もなく消滅させています。

「憎しみと恐怖でしか存在意義を見出せなくなった存在は一度は完全に消滅させるしかない」という作者の考えがそこにはあるように思います。

主人公はこの妖怪を倒すときには憎しみでは無く、慈悲・慈愛・感謝の心を持って消滅をさせます。

憎しみを持って戦っては勝てなかった相手に対して、慈悲・慈愛・感謝の心を持って戦い、打ち倒し、消滅させることが出来たわけで、これこそが連合国軍がISILに対しての戦い方として正しい形なのではないかと思いました。

憎しみを持ち壊滅させても、憎しみや悪意の種は地中に残ります。

非常に難しい事であり、綺麗事だとは思いますが、『憎しみではなく、慈悲・慈愛・感謝の心を持ち、跡形も残さず消滅させる』ISILの結末も、この作品同様の終わりを迎えて欲しいと思います。

最後に、『うしおととら』というタイトルですが、人間側の主人公である潮と妖怪側の主人公とら、1人と1匹の主人公達の名前です、シンプルですけど、わかりやすく素晴らしいタイトルだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-15 18:47:58] [修正:2015-02-06 19:54:56] [このレビューのURL]

大阪の事を理解したかったら読むべき作品。

漫画としての物語は当然の事ながら、現在まで脈々と続く大阪の風俗を知る事が出来ます。

非常に長い作品で、絵柄も初期の頃の(それなりに)整った形から、終盤は抑えが効かないくらいに崩れてきますけど、内容自体はどこを切っても『じゃりん子チエ』です。

漫画単体としての評価以上に、後世に残すべき作品という気がします。

西原理恵子の『ぼくんち』は貧困や差別と正面から向かい合って描かれた作品でずっしりと心に残りますが、この作品も貧困や差別が溢れかえっている中、「気にせんから気にならんて」と言って流しています。

これが大阪なんだろうと思います。

たぶん、関東以北の地方の方には理解不能な世界でもあるとは思いますが、『こち亀』が東京の下町の風俗を描いた作品だとすると、この作品は大阪の風俗を描き切った作品と言えます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-11-15 21:52:16] [修正:2011-11-15 21:52:16] [このレビューのURL]

人生どころか、国そのものを変えてしまった作品で10点以外にはあり得ない。

この作品がなければ、日本サッカーがアジアで強国となる事もなく、なでしこJAPANがW杯で優勝することはあり得なかったと断言できますし、何よりも高視聴率な日本代表の試合を国民が楽しみにすることすら無かったでしょう。

仮にJリーグが出来ていたとしても、バスケットやバレーのリーグと同じ様な状況であったと思います。

つまり、この作品は日本という国において、大きな意味を持つ作品なのです。

海外でもアニメが放映され、その土地土地で受け入れられていますし、真の意味でモンスターな作品がこの『キャプテン翼』なのです。

・・・なのですが、この漫画界における究極の名作は同時に、サッカー漫画として読むと、究極な迷作なのも事実なわけで・・・・・。

・・・・・・それでも10点・・・・です。

サッカー好きとしては、この作品の重さを考えると減点をいくらしても、満点以外はあり得ないですね。

客観的な作品の評価は他のレビューをご参考下さい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-13 07:48:50] [修正:2011-10-13 07:48:50] [このレビューのURL]

『釣りキチ三平』で有名な作者の中学時代を中心としたエッセイコミックで、戦後教育の在り方や、貧困による問題など、現在読んでも様々な感じ方ができ、また、田舎の山村ならではのエピソードもあり、非常に知的にも感情的にも訴えかけられる作品です。

様々な人との繋がりによって、矢口高雄という作家がこの世に出たことがわかる素晴らしい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-10 19:49:50] [修正:2011-08-10 19:49:50] [このレビューのURL]

何度かレビューをしようとして、書いては消してを繰り返し諦めてきた作品。

まず、漫画読者が現在、様々な表現の作品を読むことが出来るのは、永井豪という天才がエロにしろ、バイオレンスにしろ先人達の良識・良心から生まれた境界を壊し続けたからである。

そして、この『デビルマン』という作品もまた、境界を壊した作品です。

現在の少年漫画ではありえない表現があり、当時のマガジン編集部の英断には頭が下がります。

内容的にも、読者である少年達の人生を変えてしまうほどのインパクトを持っており、その内容は21世紀に入った今読んでも鳥肌が立つほどの威力を持っています。

僕がこの作品を読んだ時には既に高校を卒業した後でした。
もしも小中高生の頃に読んでいたら・・・・と思うと、怖いものがあります。

これは漫画界が生んだ『聖書』の一つです。
そして、ここから幾つもの宗派が生まれて翻訳されていったのです。

「不朽の名作」・・・この作品の為にある言葉です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-23 21:37:01] [修正:2011-02-23 21:37:01] [このレビューのURL]

この作品は全てのマンガファンが出会って欲しい程の名作です。
内容は政治家とヤクザの世直し物語。

基本、熱血ではなくて、クールに激アツな作品が好きなので、この作品はド真ん中です。

TVに映る政治家連中にこの作品の読書感想文を書かせたいと思います。
中学・高校の図書室にも置いて欲しいです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-10-27 22:53:45] [修正:2010-10-27 22:53:45] [このレビューのURL]

説明不要の国民的マンガ作品です。

アニメも含めてになりますが、この作品が無かったら今の僕はありませんし、永遠に好きでい続けるだろう作品です。

さすがにマンガは読み返すこともなくなりましたが、ムック本だったり、グッズだったりを見ると、凄く欲しくなってしまう自分がいます。

そんな僕にとって、ドラえもんの頂点エピソードは、『さようなら、ドラえもん』と『帰ってきたドラえもん』です。

連載当時は知らなかったエピソードですが、大学時代になってから読んで感動、今読み返しても感動です。

終りのないドラえもんの世界の中での僕にとっての最終回はこの2エピソードを連続で読むことです。

のび太はいつでも勇気をくれるんですよね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-10-21 23:17:49] [修正:2010-10-21 23:17:49] [このレビューのURL]

10点 北斗の拳

男であれば、読んで感じる部分は必ずあると信じています。
様々なタイプの漢達が戦い死んでいくその様のドラマ性が素晴らしいです。

名言だらけの脚本の素晴らしさを引き立てる事の出来る作者の画力も際立っており、時代を象徴する作品です。

その後のメディア展開を見るまでもなく、名作であるのは間違いありません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-21 18:32:41] [修正:2010-10-21 18:32:41] [このレビューのURL]

10点 ぼくんち

西原理恵子の最高傑作であり、今後、この作品以上の作品を期待するのは酷と言える不朽の名作です。

現在の西原理恵子を否定する気はないが、差別や貧困を真正面から捉えて描かれた最後の作品のように思えます。

そして、登場人物の多彩さとリアル感、そして出会いと別れの物語・・・・声を出して泣いてしまうほど感動しました。

僕にとってのサイバラはエッセイ系もいいけど、この作品と『ゆんぼ君』なんだな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-20 19:56:29] [修正:2010-10-20 19:56:29] [このレビューのURL]

10点 火の鳥

漫画の頂点。
この作品以降にSFを題材にした漫画家は勇気があると思います。

壮大な物語の中に込められたテーマ、漫画というメディアが生んだ空前絶後の名作中の名作です。

私が手塚治虫という天才に唯一ネガティブな言葉を投げるならば、「大地編」を読ませてくれなかった事でしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-18 22:48:08] [修正:2010-10-18 22:48:08] [このレビューのURL]

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