「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

面白いのだが、その「面白さ」が普遍的なものではなく、理解が得難いのが問題だ。

まず、ありがちな批判として、
・リアリティがない
・ストーリーにのめりこめない
のようなものがある。

確かに、やたらに文字が多いこの漫画にその指摘は的確かもしれない。
しかし、このマンガの本質というか前提は、
「バクロマンガ(=バクマン?)」
なのであり、完全なメタマンガなのである。
つまり、ワンピースおもしれー、とかナルトさいこー
とか言う次元で楽しむマンガではないということが重要。
(※ワンピースやナルトを否定するものではない。)

こんな奴いたら面白いな、とか、ジャンプシステムを自社のシステムでも活かせないだろうか、とか、漫画の多様性すげー、とか、そういう新鮮さがここにはある。ある意味では、スター不在の現在の漫画界に対するアンチテーゼともとれなくもない。

我々漫画読みは面白い漫画を求め、分析し、語り明かすのをライフワークとする(時として自分でも描いてみてプロとの距離感を測る)のだが、この漫画はそういった会話のスパイスとなりうる。

この漫画の面白さは、そういう類の面白さなのだ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-08-29 23:09:48] [修正:2009-08-29 23:09:48] [このレビューのURL]

釣り漫画の常識を覆した、「釣れない」というリアル。
怠惰と妄想に満ちた日々に「釣り」が絶妙に絡まる。
ボヘー力といえばそれまでだが、怠惰の中に垣間見える熱い情熱に共感して止まない。
これは名作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-15 01:04:45] [修正:2008-06-15 01:04:45] [このレビューのURL]

8点 レベルE

冨樫の実力が最大限に発揮されたメタ漫画。

絶妙の間の外し方こそが彼の本分であり、ありきたりな怪奇ものを独自の世界設定力でここまで面白くアレンジしてしまうのだから凄い。

そして、私が今回これを読んだのは三回目だが、年をとればとるほど面白く感じるような気がする。
また、短編でも面白い漫画が描けるということを再認識させてくれた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-27 05:23:00] [修正:2008-02-27 05:23:00] [このレビューのURL]

各巻末尾にプロの方の解説があるので、ここでの解説は控えます。

ただ、そこの言葉で最も共感できたのが、「ギャグなのかシリアスなのかわからない」という部分。

大笑いするかどうかは、読者自身の判断に委ねられます。

今、教育の現場で起きていることは、そこまで「リアルさ」を失ったものになっているのでしょうか。。。

テンションだけで書かれたマンガが多い昨今、このマンガは、読者の人気取りとは無縁の立場で、「緻密な計算」の元に描かれていると思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-11 11:02:46] [修正:2008-02-11 11:02:46] [このレビューのURL]

どんなベテラン作者かと思ったら、これがデビュー作とは。。。

確かな画力に裏打ちされた緻密な描写とリアルな設定によって、類まれなる「説得力」をもって見る者を魅了する。

しかし、この遅筆は。。。。芸術家としては一流なのだろうけど、漫画家としては。。。

また、キャラ造形においては、多かれ少なかれ、パトレイバー(ゆうきまさみ)の影響を受けていると思われる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-13 05:30:25] [修正:2007-07-13 05:30:25] [このレビューのURL]

長期連載における福本の成長が見て取れます。後にアカギ・カイジを描く実力をつけていくその変遷を楽しめます。

あまり意識してる人はいないけど、この作品からのスピンオフでアカギは生まれています。

本人もあとがきで書いていますが、東西戦決勝以降は冗長になってきており、コレの直前時期が福本マンガのピークであるという考え方もあります。ややもするとイカサマだらけに陥りがちなトリック合戦を、正攻法とのバランスを調整して、上手く魅せていたのもこの頃の特徴ではないかと。

いずれにせよ、きちんと完結したという点において、福本マンガの中でも高評価を与えられる作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-08 03:58:30] [修正:2007-07-08 03:58:30] [このレビューのURL]

8点 銀と金

[ネタバレあり]

経験と情報量で必勝を突き進む銀さんの痛快娯楽漫画
としての側面と
知力と勘のみで限界ギリギリの闘いを強いられる森田のバトル漫画
としての側面
が描かれているのかな。

どちらの側面も面白く、整合性とれてない設定は多々あれど、テンションで読める面白さは凄い。

社会に対して、色々と考えさせられることも多い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-25 20:22:23] [修正:2007-02-25 20:22:23] [このレビューのURL]

読んでいて、ニヤニヤドキドキしちゃう漫画ってそうはない。

先の読めない展開と子気味いいトリックの応酬が面白いのだけれど、ただ『面白』という枠に収まらず、人生教訓たりえる名言がバシバシきまっているのも凄い。

絵は結構下手だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-03 17:49:55] [修正:2007-02-03 17:49:55] [このレビューのURL]

信者ではないけれども、面白いと言わざるを得ない。
バトルにおける工夫も素晴らしいが、ややもすると陳腐に堕すテーマを、作品自体の愛らしさで上手く読者に刷り込んでいることが秀逸。

20〜30歳男性の共通言語となりえていることも凄い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-01-14 20:36:47] [修正:2007-01-14 20:36:47] [このレビューのURL]

7点 編集王

まだ漫画週刊誌が爆発的部数を売り上げていた90年代を舞台に、青年漫画週刊誌編集の現実的?な一面を描いた職業マンガ。

本作品のテーマは、基本的に、売上至上主義の編集者VS作家性追求型漫画家という対立。勿論この問に解はなく、その相克と止揚の中で珠玉の漫画は生み出されるのであろうが、そのプロセスこそが面白いと訴えたのがこの漫画だ。一見、前者視点の冷酷な漫画編集=このどうしようもない腐敗した現実、という作品に思われるが、登場人物は結局もれなく「熱さ」を抱くようになっているあたり、含蓄がある。現実路線の権化として登場した三京、明治、編集長、社長は最後には結局、主人公サイドに理解を示す「いいやつ」になっている。また、現実でも、90年代にマーケティングの結果売れていた漫画(バブル漫画)は今や全く読まれていない。魂入れて描かれたマンガのみが今も読み継がれている。

漫画家マンガが増えすぎた昨今、現実的に編集者視点から漫画制作にスポットライトを当てた本作は益々その価値を高めているようにも思える。漫画家が自らの職業について描くのは容易だが、敵でも味方でもある編集者を人間臭く生き生きと描くことはさほど容易ではないのだろう。作者の死が残念でならない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-04-28 00:09:01] [修正:2013-04-28 00:12:20] [このレビューのURL]