「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

良いか悪いかはともかく、自分に描けるものを精一杯で描き切ろうとする漫画。
ちょっとした台詞回しや絵ヅラの作り方、キャラの立て方にマニアックな拘りが盛りだくさん。

とにかく目前の敵をノリと勢いに任せてガンガン潰していくことが全て。
製作に尋常でない手間がかかるので長期連載は避けられないだろうが、
その勢いを作者、読者ともにどれだけ維持できるかがポイントになるだろう。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-11-26 18:44:56] [修正:2015-03-01 02:59:53] [このレビューのURL]

作者の才能はすごい。よくこんなものを考え付くなと感心する。
だが、尖った事をやろうとしすぎて全体がチグハグになっている。
カワイイ、カッコイイ、気持ち悪いをグルグル回していればページは埋まるだろうが何をどうしたいのかはやっぱり判らない。

短い漫画ならおそらく最後までハイテンションで突っ走れたと思う。
内容の奇抜さと作品としての持続性のバランスがうまくとれなかったのが残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-03-01 02:42:28] [修正:2015-03-01 02:42:28] [このレビューのURL]

少し変わった漫画。
ヴォイニッチホテルには変な客ばかり泊まっている。従業員も変。
変な人たちが変な場所で巻き起こす、可愛くて恐ろしくて少し悲しい物語。

漫画そのものを語ろうとしても、正直うまい言葉がない。
とりあえず点数だけつけておく事にする。
けっして難解な漫画ではないので、どこかで見かけたら手にとってみてほしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-03-01 02:26:20] [修正:2015-03-01 02:26:28] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

魔王ダンテの名前を冠するマンガは2015現在3つ。
魔王ダンテ(永井豪1971)→真・魔王ダンテ(風我明1994)→新魔王ダンテ(永井豪2002)
の順に発表されている。
風我明の真・魔王ダンテは設定や物語が大きく異なり、独立作品と考えたほうがいい。
ここでレビューする新魔王ダンテは1971の旧作を永井豪本人がセルフリメイクしたもの。

その新魔王ダンテだが全く楽しさがなくファンとしては残念。
だが、まがりなりにも完結しているので、作品のメッセージについて好意的な解釈も可能だろう。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-02-20 18:55:11] [修正:2015-02-20 18:55:11] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

平凡な少年が魔王ダンテに食われて合体。
はるか昔から続く神と悪魔の戦いに巻き込まれる漫画。

演出がやたら劇画調でサスペンスが強く読者は続きが気になる。
期待をもりあげて登場する魔王ダンテは単純ながら非常にすぐれたデザインで、まさに悪魔そのもの。
おそろしさと滑稽さをあわせもつ魅力的な姿で大暴れしてくれる。

華々しく登場したダンテは神の軍団との壮絶な怪獣バトルを繰り広げる・・・
はずだったが、雑誌の休刊にともない決戦の直前で連載終了。

「神」がエイリアンの侵略者というのが戦いのネタ。
古代の地球にすぐれた文明を築いていた原地球人がおり、
そこに精神体の「神」が宇宙から飛来して原地球人と激しく争う。
「神」は猿に乗り移り進化を促して「人」の軍団を増強。
劣勢となった原地球人は機械や動物と自らを融合させて「悪魔」になっていくという話。
こうして「神」+「人」vs「悪魔」の生存競争を描いているのだが、
ぶっちゃけ設定はどうでもいい。
若者の破壊衝動や大きく強いモノへの憧れ、周囲から逸脱してしまう事の孤独感を娯楽マンガに表現しようとした作品。

点数の7点は説明が必要。魔王ダンテはよくできたマンガではない。
ハッタリは効いているが中身はスカスカだ。それでもテーマが普遍的で
しかも物語冒頭からストレートにぶつけてくるので、すごく続きが読みたくなる。
また物語らしい物語になっていないので妄想の余地が大いにある。
馬脚があらわれる前に手仕舞いしたのが結果としてプラスになり7点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-02-20 18:34:29] [修正:2015-02-20 18:34:29] [このレビューのURL]

超能力バトルロワイヤル。
丁寧ではあるが、設定も展開もありきたりで読んでいてダルイ。
殺し合いの辛さに耐えながら仲間と協力し合い知恵と勇気で生き残る。
まだ序盤だが舞台設定から考えて大したことにならなさそう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-05-13 17:04:43] [修正:2014-05-13 17:04:43] [このレビューのURL]

桜庭一樹の連作短編小説のコミカライズ。
簡単に説明すると、舞台はマリみて。

良家のお嬢さん方がごきげんようと微笑み会う学園が舞台。
数ある部活動のうち、学園のはぐれ者が集まるのが読書倶楽部。
彼らは学園の表の歴史には決して残らない珍妙な事件の、
当事者であり観察者であり記録者である。
ここに、代々の読書倶楽部メンバーが書き残した倶楽部史があって・・・
というお話。

作品の主役は学校そのもの。
一つの場所をたくさんの人間が出たり入ったりして、最後には誰もいなくなる話、と著者インタビューで言っていた。まさにそのとおり。

原作小説はかなり濃い作品で、ページ数の割りに情報量が多い。
コミカライズにあたって原作の美味しいセリフや美味しいシーンを
つまみぐいするように並べ雰囲気を再現するようにしている。
タカハシマコの描く少女たちはかなり良い感じで、
儚い美しさ、傲慢さ、醜さを端的に表し目を奪われる。
雰囲気の表現には成功しているが、一方でどうしても物語は唐突な印象を受ける。

漫画はそれなりに面白いけど物足りないなと思われた方は原作を読むといい。
原作のみ読まれた方は、おお、こいつはこんな顔なのかという感じで本作をどうぞ。

2014年4月現在、最終回の一歩手前。
最終エピソードは複雑な構成になっており、
現役の読書倶楽部員と、卒業後に学園を訪れたOGが同時に別の空間で行動している。
原作小説ではこの複雑さをスムーズに処理しきれずに、何度か読み返したが、
漫画版の描写はなめらかで、テーマがより伝わりやすい。

本作は桜庭一樹のストーリーとタカハシマコの漫画力が見事に結晶化し素晴らしい作品になった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-04-03 17:28:04] [修正:2014-04-03 18:51:58] [このレビューのURL]

アキバへ自転車で通うおたく少年が高校入学をきっかけに自転車レースの魅力にとりつかれていくスポーツ漫画。

自転車競技に対して全く知識の無い素人が想定読者。
主人公と読者を重ねることで、新しいテクニックや道具が登場するたびに新鮮な驚きを与えている。
簡単に言うと、自転車ってすごい!自転車って楽しい!と繰り返し言う漫画。
そこへ、少年漫画的なライバル対決のカッコ良さを持ち込んでいる。

全体的に漫画が上手い。既存作品のから取り入れた要素の集合体だが、全体のまとまりの良さと勢いでグイグイと読ませる。
悪く言えば模倣、良く言えば過去に学んだ王道。

キャラクター造形も少年漫画らしく、能力や性格の立て方が上手い。
スポーツの勝負なのに選手同士がやたら会話していたり、
得手不得手が極端で非現実的なところは、少年漫画だからしょうがないというところか。

新しい道具、新しい技術の連発と、既存作品からの取り込みは、ウブな読者には効く。
しかし、自転車レースの漫画をよく読んでいる人ほど楽しみにくいかもしれない。
自分はこれが初めての漫画でラッキーだったと思う。

余談だが、タイトルの『弱虫ペダル』は内容にマッチしていない。
弱虫が自転車で強くなる漫画ではなく、基本的に誰も弱音を吐かない。

2013.12追記
インターハイが終わった後も悪い意味でテンションが下がらない。
全キャラが暑苦しくレースに賭ける思いを語り合い、順番に必殺技を繰り出して話の都合で負けていく。
敵と勝負してないのにこの苦しさでは、レースはどうするのか。
もはや自転車に乗ると楽しいとかいう次元ではなく、各キャラの設定と都合を延々並べているだけ。
絵的にも勢いを前面に押し出して、デフォルメ描写が強まり続けている。
少年漫画のフォーマットに寄り添いすぎて自転車レースを描いているように見えなくなってしまっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-06-18 12:50:16] [修正:2013-12-15 16:23:37] [このレビューのURL]

女子高生探偵マーニーが事件を解決する。以上。
ちょっとした事件や困りごとにマーニーが巻き込まれて、
その真相は人間の心の闇ややっかいな性分であった、という話の繰り返し。

娯楽としての物語形式に敬意を払っておらず、女子高生も探偵もさほど意味が無い。
淡々と自分の考えたキャラクターが動くままに話を重ねており、
読者の感情移入を誘う工夫がない。

人間には人目に触れさせたくない心の領域があり、
それが何かの事情で顕になって事件が起きる、というのはよくわかるが、
たとえて言えば、エビって背中から見るとカッコイイけどお腹側は気持ち悪いよね、程度の話でしかない。

暖かい絵柄とちょっと気持ち悪い話の融合が作者の芸風だと思うが、
もうちょっと掘り下げてほしいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-11-22 00:50:51] [修正:2013-11-22 00:50:51] [このレビューのURL]

作者お得意の女性同士の恋愛を題材にしたコメディ。
女子生徒だけの学校で、2人1組のグループチャンバラ。

基本的にはキャラクターの面白さと可愛さだけの漫画。
ボケとツッコミの連鎖で場を繋ぎ、勢いがなくなってきたらチャンバラで打開する。

物語が上手い作家ではなく、キャラも数が多い割りに似たような設定が多い。
ただ、各キャラクターの外見は見分けがつくように上手くデザインを切り替えたり、
紙面での配置を工夫しており、全体的な読みやすさは抜群。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-07-22 12:45:16] [修正:2013-07-22 12:45:16] [このレビューのURL]