「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

気弱な少年が不思議生物と一心同体になり、宇宙警察の一員として犯罪者と戦う中で
勇気や仲間との絆を強くしていく漫画。
設定や物語はわかりやすくキャラクターも可愛い。

ただ、今になってこの漫画を出してくる理由がよくわからない。
1巻だけを読んだところ、前作の家庭教師ヒットマンREBORNと
何も変わっていないように見える。

REBORNを知らずにelDRIVEを読めばけっこう楽しいと思うが、
知っている者は代わり映えのなさで評価が下がる。

今後に期待。

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[投稿:2015-09-30 13:26:06] [修正:2015-09-30 13:26:06] [このレビューのURL]

人間と喰種の争いをベースにその中で生きていく「人」を描く。
キャラクターはみな争いを虚しく感じながら生存のために争い続ける。
虚しさと怒りが極端に強く現れて、物語をスピーディに展開する。

ぶっちゃけ人間も喰種も違いはない。
外見も同じ、言葉も通じる。文化も共有してるし、生殖も不可能ではない。
だが、喰種は人間を食べなければ生きられない。これが争いの源。

ありふれた設定で読者にはわかりやすい。
それでいて主人公の数奇な運命や、そこまでやるかと思わせる過剰さにページをめくってしまう。
絵ヅラはグロいがよくできた娯楽漫画。

生きるためには争いに勝たなくてはいけない。
勝つためには力が必要、という身も蓋もないメッセージを端的につきつけてくるのが潔い。

その絶対的なルールの中で唯一の特別である主人公がどのような結末に至るのかが楽しみ。

この作品巻で完結し、東京喰種:re(トウキョウグール:アールイー)として直接の続編が連載中。
内容的には一連のものなので、新章開始に際してタイトルを改めたと言うべきか。

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[投稿:2015-09-26 15:13:43] [修正:2015-09-26 15:13:43] [このレビューのURL]

女性の労働基準監督官、段田凛(ダンダリン)を主人公に、
現代日本での労働基準監督官の仕事を描く漫画。
タイトルのダンダリン一〇一とは、労働基準法第101条(労働基準監督官の権限)から。

作品のテーマが掘り下げられる前に連載が終了してしまった。終了の経緯は不明。
熱心に働いてきたダンダが、ある事で自信を失い無断欠勤して自宅の布団に包まり
悲鳴をあげるという最終回。
日本全国の労働基準監督官が厳しい条件で働いているデータ(人数の不足)が示された。

ダンダは過剰に仕事熱心だが、それは彼女自身の余裕のなさが原因。
不器用で融通の利かないダンダは職場でやや浮きがち。
そのズレを埋めることも開き直ることもできず、すべてを誤魔化すためにガムシャラに仕事に打ち込んでいる。
その勢いが仕事上の成果につながり、ダンダはさらに頑張ろうとするのだが、
蓄積する疲れを癒すことができない。

ダンダは疲弊した自分をいたわる事すらできず、働く意欲をなくした自身を無能者と断じて壊れた。
その職務において、人間を労働機械として扱う雇用者を誅してきたダンダがまさに自分自身をそのように扱ってしまった。
漫画版は言うなれば、ダンダリンの敗北というタイトルが相応しいだろう。

ここで漫画は終わり、唐突な終了がかえって強い印象を残した。
作品のテーマは竹内結子主演のドラマ版に受け継がれた。
「山のあなたの空遠く、『幸』住むと人のいふ。」(ブッセ)
ドラマ版ダンダは「遠くかもしれないが幸せは在る」という意味で使っており、
漫画版ダンダが抱える苦しみに答えを出していることが示唆されている。

漫画版とドラマ版を比較することで本作品のテーマがわかりやすくなるだろう。

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[投稿:2015-09-15 12:13:14] [修正:2015-09-15 12:14:39] [このレビューのURL]

舞城王太郎と大暮維人を足した漫画。
高校生の少年少女が世界の運命を賭けて異能バトルしながら恋と友情ですったもんだする話。

ありふれた物語、常軌を逸した過剰表現、緻密でスタイリッシュな作画。
いろいろと漲りまくってオーバーヒートした力作。

舞城と大暮の個性が良い具合に融合しており、好きか嫌いかはともかくお見事。
2人の作風が嫌いでないなら、一読の価値あり。

ただ、嫌みったらしく言えば、オッサンに読ませるためにオッサンが作っている青春漫画であって、
甘酸っぱい高校生活とは無縁だった人間の思い込みの寄せ集めという印象はぬぐえない。

だが、どうか怯まずに結末まで描ききってほしいと思う。
妄想と作り事の青春の向こう側までオッサン読者を連れていって欲しい。

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[投稿:2015-09-14 10:41:33] [修正:2015-09-14 10:41:33] [このレビューのURL]

よしながふみの連作短編集。
現代社会の女性の視点から、親子の愛情、友情、信条など様々な情を描いた作品。
よしながふみらしく、人生の一場面を生活感ゆたかに切り出した作品だが、
出来栄えはやや平凡でオチが弱い。

よしながふみが好きなら、といったぐらいの作品か。





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[投稿:2015-08-14 15:58:02] [修正:2015-08-14 15:58:02] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

作者の過去の作品「覚悟のススメ」のキャラクターが登場する。
世界観や作品のテーマは異なっており、直接の続編ではない。

「エグゾスカル 零」は他に類のない珍しいヒーロー物語になっている。
すなわち敵がいない。
ヒーロー物語は、味方を助け敵を倒すものだ。
主に暴力を用いて敵をやっつければ状況が好転する。
目に見える脅威とその排除、それがもたらす不安、安心、爽快感がヒーロー物語の面白さだ。

だが、「エグゾスカル 零」では敵はいない。
「エグゾスカル 零」での人類は絶滅寸前だ。
遠い遠い未来において人類が種族の寿命を迎えている。
もはや人類は滅ぶしかない。そこにヒーローが目覚める。

人類は過去に敵を打ち破ったヒーローを何人も冷凍し保存していた。
人類は滅ぶ、倒せる敵はいない、目覚めたヒーローは人類に何をしてやれるか。
というのが「エグゾスカル 零」のテーマ。

マンガとして「エグゾスカル 零」を評価するとどうしても辛くなる。
テーマ設定が読者にまず解りにくい。
テーマが理解したとして、何も面白くない。

作者はありふれたヒーロー物語の限界を感じ、先を描こうとしたのだろう。
しかし、マンガの先は描くことができなかった。










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[投稿:2015-05-09 13:11:08] [修正:2015-05-09 13:11:08] [このレビューのURL]

主人公は女性の殺し屋。彼女が死刑執行の延期とひきかえに、警察の手ごまとして犯罪者を殺すマンガ。
美少女のドカ出しと派手でグロテスクな暴力描写が作品の面白さ。

どのシーンも絵は丁寧で、美少女もカワイイ。
主人公には底知れなさがあってキャラが立っている。
毎回のアクションもワンパターンでなく、ギミックが凝っている。

だが、マンガ全体としては微妙。
ゴアと美少女の繰り返しが何のためなのかが理解できない。
意味のある物語が欠落して読者は感情移入のしようがない。
結果的に相当に楽しくないマンガになっている。

そもそもマンガに情報を盛り込む力が弱いと感じる。
作者の今後の成長に期待。

ちなみにムルシエラゴとはスペイン語でコウモリのこと。
第1話で、殺人者のくせに政府の手先になっている主人公を指して、
中途半端のコウモリだという場面があるのだが、作品テーマに関係あるのかどうかは不明。

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[投稿:2015-01-14 11:28:25] [修正:2015-05-07 13:56:39] [このレビューのURL]

妙齢なのに恋愛に全く疎い女性を干物女と揶揄する言葉がかつてあった。
それを妹に適用して干物妹。ひもうとと読むらしい。

主人公タイヘーの妹はバリバリのオタク。
ゲーム漫画アニメジャンクフードに埋もれて生きる女子高生。
要はコアなオタクの痛い生活も、主体が美少女なら漫画にはなるという作品。

やってることは本当にダメな人だが描写の丁寧さが面白さの核になっている。
お菓子の旨さに感動したりゲームに夢中になっている干物妹の豊かな表情を兄視点で眺めていると確かに愛おしさを感じる。

オタクの日常行動からどれだけ魅力を引き出せるか。
シンプルで根気のいるテーマに挑んでいる。

後日追記

連載の中盤から、兄との関係をメインにしながらも風変わりで面白い友人と過ごす楽しい日常を描く漫画になった。
人気が出て奇をてらう必要がなくなったのか
ネタが苦しくなったのかはわからないが、
連載を長く続けようとすれば正しい路線変更だろう。
ただし、もはや干物妹ではない気がする。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-07-16 11:29:16] [修正:2015-04-24 14:32:40] [このレビューのURL]

若い男女が主人公のサイコサスペンス。
複雑な設定だが要は家族を殺した犯人を捕まえようとする漫画。

肉体の交換と超能力がいりまじってゴチャゴチャしがちだが上手に見せている。
キャラクターも魅力的に描けており、肉体を交換してもちゃんと誰かわかるのはいい感じ。
恐ろしいことが起こりそうな不安のあおり方も上手く続きが気になる。

だが、話しの進み方が速くてついていきづらい。
設定を把握したと思ったら、もう新しい設定が出てくる。
より絞り込んでシンプルにしても良かったのではないだろうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-04-06 03:36:29] [修正:2015-04-06 17:39:10] [このレビューのURL]

短編の時代劇小説を元にして、別の作品や何やかやを足しこんで長編漫画にしたてた。

読んで全く楽しくない。
可愛いさ、カッコよさなど漫画が読者に提供する要素を一切拒否している。
それでいて劇画のように戦う理由や男のロマンがあるでもない。

登場人物たちはみな剣の達人だが、彼らの戦う理由に共感するのが難しい。
ある者は私欲のために人を斬る。ある者は執念で、ある者はそういうモノだからと覚悟して人を斬る。
それはキレイ事を排除したリアルなのかもしれないが、現代日本の私からはすごく異質で不気味に思った。

物語同様に勝負の表現もリアルに陰惨。
技の冴えがどうのと言ったところで、鉄の刀を人体に叩きつければ結果はおぞましいに決まっている。
それは確かにそうだが、強調すればするほど続きを読むのが億劫になる。
どうせこの先も楽しくないのだろうなという確信がいや増す。

手抜きは一切なく制作に大変な労力をかけた力作なのはよくわかる。
だが、どうしても好きになれないので2点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-03-01 03:21:19] [修正:2015-03-01 03:21:19] [このレビューのURL]