「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

同性愛の女子高生カップルの話。
古いコメディを思わせるおだやかで居心地のいい時間が流れている。
全体的に丁寧ではあるが、すごいなと思わせる部分がない。

読者が登場人物に感情移入して、恋を応援したくなるような工夫が欲しいところ。
次回作に期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-23 20:10:40] [修正:2013-05-23 20:10:40] [このレビューのURL]

7点 ARIA

ベネチアみたいに船で街を観光するのって優雅でいいよねーという漫画。
話らしい話はなく水の惑星での心地よい生活を短編形式で描いた漫画。

街のあちこちにこんな面白いところがある。
今日はこんなお客さんが船に乗った。
季節のお祭り。同僚や先輩との交流などなど。
平和な暮らしに安らぎを見出すエブリディマジックの系譜に連なる作品。

その安らぎや優等生ぶりは非現実的でうっとうしいほどではあるが、
舞台を別の惑星にしたことで、どうにか折り合いをつけた。

毎話ごとにキレイな風景が決めゴマとして登場する。
そこに説得力を感じるならば、高く評価できるだろう。
1巻から12巻までテーマを外すことなく高いクオリティで描ききった良い作品だと思う。

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[投稿:2013-05-21 00:09:28] [修正:2013-05-21 00:09:28] [このレビューのURL]

落ちこぼれクラスの生徒たちがタコ型宇宙人の担任を期限内に暗殺しなければ地球が滅亡。
かなり訳のわからない設定ではあるが、テーマは明快。

子供の成長のために教師は何をしてやるべきなのか?
生徒一人一人にきめ細かくケアしていくのが理想の教師だというのが、作中の答え。

テーマをまともに描いてしまうと、娯楽商品として通用しないので、
宇宙人、暗殺を絡めたのだろう。結果的にこのアイディアは正解。

湿っぽく説教くさいテーマを少年漫画らしく軽いドタバタ劇に落とし込んだ。
考えずに読める作品にしたことでかえってストレートにメッセージが伝わるようになった。

そのほかにも、さまざまに漫画としての工夫が施されており、
読者は何も考えずに読めるように作ってあるが、作者は相当頭を絞っているように思う。

あとは週間連載という過酷な状況で描ききれるかどうか。
続きに期待したい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-05-20 23:57:34] [修正:2013-05-20 23:57:34] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ラブコメサスペンス漫画。
離島の中学校に少年西神くんが転入する。
突然ヒロイン若苗さんが死亡。そして蘇生。
蘇生には、島の蛇神ハハネ様が関係しているらしい。
次から次にやってくる災難トラブルその他諸々。
西神くんと若苗さんは数奇な運命を乗り越えてハッピーなカップルになれるか?というお話。

ラブコメ部分は、西神くんと若苗さんが互いに少しずつ心を開いていくところがいい。
サスペンス部分はツジツマの会う推理モノになっている。
ラブコメの緩い感じとサスペンスの緊張感が上手くあわさって読んでいて気持ち良い。

残念ながら原作者急病により物語の中盤で中断。再開が待ち遠しい。

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[投稿:2013-05-11 13:16:00] [修正:2013-05-11 13:16:00] [このレビューのURL]

テロリストに襲われる政治家を警護するSPたちが主人公。
普段はボーっとしている新人SPイノウエが危機になると豹変して活躍するという話。

ドラマを漫画化した作品、という以上に言い方がない。
話が投げっぱなしのかわりにアクションが爽快というのが原作ドラマの売りだったが、
どうも漫画版ではアクションが弱い。
はっきり言えば原作の視聴者以外は読む価値がない作品だと思う。

キャラクターデザインは秀逸で、原作ドラマのキャスティングをベースに
上手く漫画に落とし込んで魅力的に描かれている。

黒服アクションにピンと来た方は原作ドラマも併せてご覧になるといい。
ちなみに、漫画版はドラマに忠実なつくりになっており物語はほぼ全く同じ。

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[投稿:2013-04-16 16:22:51] [修正:2013-04-16 16:22:51] [このレビューのURL]

百合漫画の連作短編集。
少女同士の切なくも愛らしい恋の物語。

少女たちの一瞬の感情を絵と文字で構成するのに注力した作品。
物語は大胆に省略し、断片的な描写から読者の想像力を刺激するように作られている。

どの作品も良い出来栄えで、作りこんでは削ぎ落としを繰り返したのがうかがいしれる。

単行本の帯に、熱くて苦いコーヒーに浮かんだ、甘くてつめたい生クリームみたいな存在感です。という桜庭一樹の推薦文がある。
読み終えて本を閉じたときに、この一文が目に入ると思わず頷いてしまう。







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[投稿:2013-04-03 17:51:40] [修正:2013-04-03 17:51:40] [このレビューのURL]

ケンカする男たちの漫画。
潔さや正々堂々といったキレイごとを押しやり、
勝つために思いついた手段は全て使うのが当たり前の世界。

流血や怪我の描写も詳細で凄惨な印象が強い。
常軌を逸した戦いへの執着を表現するためか、
大体のキャラクターは精神的な歪さや悲劇的な過去を持っており、
作品の暗い印象を強めている。

力作ではあるが本当に楽しくない漫画でどうするつもりかと思っていたら、
「最強トーナメント」の開幕直前で第一部完となり、連載がとまった。

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[投稿:2013-03-27 14:50:46] [修正:2013-03-27 14:50:46] [このレビューのURL]

毎話ごとにキャラクターを使い捨てる短編連作。
思春期のおびえを視覚化したような漫画。
おびえは様々な形態で現れる。オカルト、人の本性、将来への不安。

漫画になりにくいネタを手間のかかる形式で漫画にしたのがすごい。
カワイイと気持ち悪いの際どいバランスが才能のあらわれか。

短編形式とページ数の都合で、ほとんどの話は一発ネタに留まっている。
もう少しまとまったページ数の話を読みたい気がする。


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[投稿:2013-03-19 15:00:05] [修正:2013-03-19 15:00:05] [このレビューのURL]

フットボールを多面的に描こうとする漫画。
選手、監督、サポーター、様々な立場と思いでフットボールに関わる人たちの
物語を丁寧に描写して、深みのある物語になっている。

作品のテーマは「統合的な視座」の重要性。
空間的、時間的な視野の広さというモチーフが繰り返し現れる。

試合中にフィールド全体を把握する。
フットボールに関わる多種多様な人たちがいる。
フィールドがあり、試合場があり、ホームタウンがある。
時間も流れていく。
スター選手は引退が近づき若手が成長してくる。
生活上の理由でフットボールから離れるサポーターがいて、ずっと地元チームを応援しつづけるサポーターがいる。

これほど複雑な作品をわかりやすく整理する構成力がすばらしい。
作画の上でも5W1Hが明快で申し分ない。

欠点を挙げると、いささか地味。これはおそらく長所の裏返し。
丁寧さは冗長さにつながり、多くの視点は感情移入の弱さでもある。
試合の勝敗をハラハラしながら読み進めるということがない。









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[投稿:2013-03-09 14:38:08] [修正:2013-03-09 14:38:08] [このレビューのURL]

男子高校生の主人公が不定期に異世界に召喚され、命がけのゲームに巻き込まれるという話。
スタート当初は主人公たちが無能力で謎を解いて生き残るギミックバトルの要素が強かった。
中盤で主人公たちに能力がつき力と力の純粋バトル漫画にシフト。

一人の少年が戦いで成長し才能を開花させて世界を救う。
ストーリー、キャラクター、設定は、ちょっと恥ずかしくなるようなお約束の連続。
しかし、そこから逃げず一つ一つを丁寧に描いており好感が持てる。

全16巻をダレずに描ききったのが素晴らしい。



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[投稿:2013-02-19 16:18:30] [修正:2013-02-19 16:18:30] [このレビューのURL]