「Scrooge」さんのページ

総レビュー数: 182レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月10日

主人公は女性の殺し屋。彼女が死刑執行の延期とひきかえに、警察の手ごまとして犯罪者を殺すマンガ。
美少女のドカ出しと派手でグロテスクな暴力描写が作品の面白さ。

どのシーンも絵は丁寧で、美少女もカワイイ。
主人公には底知れなさがあってキャラが立っている。
毎回のアクションもワンパターンでなく、ギミックが凝っている。

だが、マンガ全体としては微妙。
ゴアと美少女の繰り返しが何のためなのかが理解できない。
意味のある物語が欠落して読者は感情移入のしようがない。
結果的に相当に楽しくないマンガになっている。

そもそもマンガに情報を盛り込む力が弱いと感じる。
作者の今後の成長に期待。

ちなみにムルシエラゴとはスペイン語でコウモリのこと。
第1話で、殺人者のくせに政府の手先になっている主人公を指して、
中途半端のコウモリだという場面があるのだが、作品テーマに関係あるのかどうかは不明。

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[投稿:2015-01-14 11:28:25] [修正:2015-05-07 13:56:39] [このレビューのURL]

若い男女が主人公のサイコサスペンス。
複雑な設定だが要は家族を殺した犯人を捕まえようとする漫画。

肉体の交換と超能力がいりまじってゴチャゴチャしがちだが上手に見せている。
キャラクターも魅力的に描けており、肉体を交換してもちゃんと誰かわかるのはいい感じ。
恐ろしいことが起こりそうな不安のあおり方も上手く続きが気になる。

だが、話しの進み方が速くてついていきづらい。
設定を把握したと思ったら、もう新しい設定が出てくる。
より絞り込んでシンプルにしても良かったのではないだろうか。

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[投稿:2015-04-06 03:36:29] [修正:2015-04-06 17:39:10] [このレビューのURL]

短編の時代劇小説を元にして、別の作品や何やかやを足しこんで長編漫画にしたてた。

読んで全く楽しくない。
可愛いさ、カッコよさなど漫画が読者に提供する要素を一切拒否している。
それでいて劇画のように戦う理由や男のロマンがあるでもない。

登場人物たちはみな剣の達人だが、彼らの戦う理由に共感するのが難しい。
ある者は私欲のために人を斬る。ある者は執念で、ある者はそういうモノだからと覚悟して人を斬る。
それはキレイ事を排除したリアルなのかもしれないが、現代日本の私からはすごく異質で不気味に思った。

物語同様に勝負の表現もリアルに陰惨。
技の冴えがどうのと言ったところで、鉄の刀を人体に叩きつければ結果はおぞましいに決まっている。
それは確かにそうだが、強調すればするほど続きを読むのが億劫になる。
どうせこの先も楽しくないのだろうなという確信がいや増す。

手抜きは一切なく制作に大変な労力をかけた力作なのはよくわかる。
だが、どうしても好きになれないので2点。

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[投稿:2015-03-01 03:21:19] [修正:2015-03-01 03:21:19] [このレビューのURL]

良いか悪いかはともかく、自分に描けるものを精一杯で描き切ろうとする漫画。
ちょっとした台詞回しや絵ヅラの作り方、キャラの立て方にマニアックな拘りが盛りだくさん。

とにかく目前の敵をノリと勢いに任せてガンガン潰していくことが全て。
製作に尋常でない手間がかかるので長期連載は避けられないだろうが、
その勢いを作者、読者ともにどれだけ維持できるかがポイントになるだろう。



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[投稿:2013-11-26 18:44:56] [修正:2015-03-01 02:59:53] [このレビューのURL]

作者の才能はすごい。よくこんなものを考え付くなと感心する。
だが、尖った事をやろうとしすぎて全体がチグハグになっている。
カワイイ、カッコイイ、気持ち悪いをグルグル回していればページは埋まるだろうが何をどうしたいのかはやっぱり判らない。

短い漫画ならおそらく最後までハイテンションで突っ走れたと思う。
内容の奇抜さと作品としての持続性のバランスがうまくとれなかったのが残念。

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[投稿:2015-03-01 02:42:28] [修正:2015-03-01 02:42:28] [このレビューのURL]

少し変わった漫画。
ヴォイニッチホテルには変な客ばかり泊まっている。従業員も変。
変な人たちが変な場所で巻き起こす、可愛くて恐ろしくて少し悲しい物語。

漫画そのものを語ろうとしても、正直うまい言葉がない。
とりあえず点数だけつけておく事にする。
けっして難解な漫画ではないので、どこかで見かけたら手にとってみてほしい。

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[投稿:2015-03-01 02:26:20] [修正:2015-03-01 02:26:28] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

平凡な少年が魔王ダンテに食われて合体。
はるか昔から続く神と悪魔の戦いに巻き込まれる漫画。

演出がやたら劇画調でサスペンスが強く読者は続きが気になる。
期待をもりあげて登場する魔王ダンテは単純ながら非常にすぐれたデザインで、まさに悪魔そのもの。
おそろしさと滑稽さをあわせもつ魅力的な姿で大暴れしてくれる。

華々しく登場したダンテは神の軍団との壮絶な怪獣バトルを繰り広げる・・・
はずだったが、雑誌の休刊にともない決戦の直前で連載終了。

「神」がエイリアンの侵略者というのが戦いのネタ。
古代の地球にすぐれた文明を築いていた原地球人がおり、
そこに精神体の「神」が宇宙から飛来して原地球人と激しく争う。
「神」は猿に乗り移り進化を促して「人」の軍団を増強。
劣勢となった原地球人は機械や動物と自らを融合させて「悪魔」になっていくという話。
こうして「神」+「人」vs「悪魔」の生存競争を描いているのだが、
ぶっちゃけ設定はどうでもいい。
若者の破壊衝動や大きく強いモノへの憧れ、周囲から逸脱してしまう事の孤独感を娯楽マンガに表現しようとした作品。

点数の7点は説明が必要。魔王ダンテはよくできたマンガではない。
ハッタリは効いているが中身はスカスカだ。それでもテーマが普遍的で
しかも物語冒頭からストレートにぶつけてくるので、すごく続きが読みたくなる。
また物語らしい物語になっていないので妄想の余地が大いにある。
馬脚があらわれる前に手仕舞いしたのが結果としてプラスになり7点。

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[投稿:2015-02-20 18:34:29] [修正:2015-02-20 18:34:29] [このレビューのURL]

超能力バトルロワイヤル。
丁寧ではあるが、設定も展開もありきたりで読んでいてダルイ。
殺し合いの辛さに耐えながら仲間と協力し合い知恵と勇気で生き残る。
まだ序盤だが舞台設定から考えて大したことにならなさそう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-05-13 17:04:43] [修正:2014-05-13 17:04:43] [このレビューのURL]

桜庭一樹の連作短編小説のコミカライズ。
簡単に説明すると、舞台はマリみて。

良家のお嬢さん方がごきげんようと微笑み会う学園が舞台。
数ある部活動のうち、学園のはぐれ者が集まるのが読書倶楽部。
彼らは学園の表の歴史には決して残らない珍妙な事件の、
当事者であり観察者であり記録者である。
ここに、代々の読書倶楽部メンバーが書き残した倶楽部史があって・・・
というお話。

作品の主役は学校そのもの。
一つの場所をたくさんの人間が出たり入ったりして、最後には誰もいなくなる話、と著者インタビューで言っていた。まさにそのとおり。

原作小説はかなり濃い作品で、ページ数の割りに情報量が多い。
コミカライズにあたって原作の美味しいセリフや美味しいシーンを
つまみぐいするように並べ雰囲気を再現するようにしている。
タカハシマコの描く少女たちはかなり良い感じで、
儚い美しさ、傲慢さ、醜さを端的に表し目を奪われる。
雰囲気の表現には成功しているが、一方でどうしても物語は唐突な印象を受ける。

漫画はそれなりに面白いけど物足りないなと思われた方は原作を読むといい。
原作のみ読まれた方は、おお、こいつはこんな顔なのかという感じで本作をどうぞ。

2014年4月現在、最終回の一歩手前。
最終エピソードは複雑な構成になっており、
現役の読書倶楽部員と、卒業後に学園を訪れたOGが同時に別の空間で行動している。
原作小説ではこの複雑さをスムーズに処理しきれずに、何度か読み返したが、
漫画版の描写はなめらかで、テーマがより伝わりやすい。

本作は桜庭一樹のストーリーとタカハシマコの漫画力が見事に結晶化し素晴らしい作品になった。

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[投稿:2013-04-03 17:28:04] [修正:2014-04-03 18:51:58] [このレビューのURL]

女子高生探偵マーニーが事件を解決する。以上。
ちょっとした事件や困りごとにマーニーが巻き込まれて、
その真相は人間の心の闇ややっかいな性分であった、という話の繰り返し。

娯楽としての物語形式に敬意を払っておらず、女子高生も探偵もさほど意味が無い。
淡々と自分の考えたキャラクターが動くままに話を重ねており、
読者の感情移入を誘う工夫がない。

人間には人目に触れさせたくない心の領域があり、
それが何かの事情で顕になって事件が起きる、というのはよくわかるが、
たとえて言えば、エビって背中から見るとカッコイイけどお腹側は気持ち悪いよね、程度の話でしかない。

暖かい絵柄とちょっと気持ち悪い話の融合が作者の芸風だと思うが、
もうちょっと掘り下げてほしいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-11-22 00:50:51] [修正:2013-11-22 00:50:51] [このレビューのURL]