「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

小学六年生などの学習雑誌で連載されていたため、掲載一年の完結もの、
このためコミックスごとで主人公、ストーリーがそれぞれ異なる形式をとっています。
しかし基本的なプロットは同じで、ひょんな事から女装してアイドル活動する事になった
男の子が芸能界で活躍していくなかで、恋愛や友情を通じて成長していくという流れ。

主人公は男の子なんですが、どの主人公もヒロインの親身になって相談に乗ってくれたりする
女の子の面も持ちつつ、いざと言う時は男らしい決断力も見せる、女の子にとっては
まさに理想のキャラクター。当然女の子向けの作品なんですが
しかし、コテコテな理想像かというとそうでもなく、小学校高学年の男の子のリアルが
上手く引き出されていて男性サイドからみても違和感無く読めます。
ここら辺は「水色時代」や後年の「ないしょのつぼみ」など思春期の子供の心情を
長年表現し続けている作者の強みですね。

明らかにベクトルの異なる「GO!GO!ICHIGO」編を除けば総じて爽やかに読める作品。
個人的には7巻の話が好きです。

男女両方が読者である学習雑誌に掲載されていましたので昨今の似たような萌えブームを見るに、
もしかしてこの作品で密かに男の娘萌えが植えつけられた人も少なからずいたのでは…?
(明らかに狙った感のあるネタもちらほらあるし)
そういった意味では罪深い作品なのかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-24 14:26:24] [修正:2010-08-24 14:27:56] [このレビューのURL]

最近ネットで評判の作品。
嫁姑やご近所関係などレディスコミックでありがちな重いテーマを痛快ギャグに変換した
アクションコメディー。
こういう冒険を繰り広げる辺りやはり秋田書店というところなんでしょうか…
セリフのセンスや掛け合い自体はベタながら
レデイコミ特有の細やかなペンタッチで繰り広げられる格闘シーンが独特の世界観を
生み出しています。特に母子家庭の有山さんがやたらシュールで笑える。
毎回無駄にキメてくる見開きなど読んでてこっちが勢い負けしてしまうパワーがある作品。
本誌のラインナップ読んでてこの作品に出くわしたらたまらんだろうな…
スカッとした読後感を味わいたい人にオススメ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-28 23:01:13] [修正:2010-06-28 23:01:13] [このレビューのURL]

本作の前に同誌でちょこっと連載されていた
「飲みに行こうぜ!!」という作品で
破天荒な大酒飲みのギャグコメディを描かれていたんですが
(文庫だとセットになってるようです)
実は作者がまんまその破天荒な酒飲みだったというオチ。
そして全てがノンフィクション。
日常エッセイというジャンルからするとある意味問題作(笑

内容は作者と作者の友人たちの酔っ払い失敗談。
エピソードのめちゃくちゃっぷりもさることながら
一年余りと比較的短い連載期間で回が進むにつれて
話も絵もはっちゃけて開放的になっているのが笑える。

お酒を飲むのが好きな人、お酒で失敗した事ある人にはぜひおすすめです。
共感含め笑えると思います。
ただし↑と全く逆のタイプの人だと激しく嫌悪感を覚えてしまうかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-14 18:33:29] [修正:2010-05-14 18:33:55] [このレビューのURL]

まずなにより美術誌に取り上げられたほど絵の独特さが目を引きます
繊細で緻密な描き込みと
空白を大胆に使った構図が非常に個性的

そこから生み出されるかわいい女子小学生と
粘膜のネチャネチャした音が耳の奥から
聞こえてきそうなグロい姿のエイリアンとの接触は
一種の歪んだ魅力が引き出されてますね

世界設定や背後関係に
ほとんど説明が無くストーリーが進んでいき、
よくわからないまま、いつの間にか終わってしまう印象を受けますが
よくよく読むとあちこちにストーリーの種が仕込まれており、
知らず知らずのうちに共生…もとい侵蝕されていく
作中のキャラクター達とシンクロした感覚を味わえるとも言えます。

正直人を選ぶ作品ですが
読み手がこの作品=エイリアンとの「共生」に適格か不適格か
試してみる価値はあり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-23 00:37:40] [修正:2010-04-18 20:14:03] [このレビューのURL]

オットの事をだめなくらい愛しちゃってるヨメのほのぼの4コマ。
オールカラーがうれしい所。作中のデフォルメと冒頭の絵もどっちも非常にかわいいです。
そしてヨメのいじらしさにニヤニヤ。
ちくしょう!何かちくしょう!

敢えて言うなら、ヨメが基本的にしゃべらない設定のせいか
オチをちょっと考える回があるくらい。
男女問わず気軽に読める作品だと思います。

作者も新婚さんと言う事でさすがにリアル話ではないでしょうが、(僻
これからの結婚生活がこの作品が同影響していくかは少し気になる

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-11 23:36:58] [修正:2010-04-11 23:50:16] [このレビューのURL]

超生真面目人間なプロ野球選手の主人公と彼に携わる周囲の人々のヒューマンドラマ。
基本的に一話完結もので、前半は在京球団、後半は鹿児島の弱小球団が舞台になります。
ストーリーは小さくまとまってる感はありますが、どの回も安定しており、
さすがベテランの仕事といった感じ。また作者の絵もこの時期はまだ荒れが無く見やすいです。

ただ作者の他の作品と比べると少々印象が薄いかなーというのが正直な所。
主人公の真面目一本というのがいまいちキャラクターとして弱かったかな?
後半の鹿児島編はかなり傍観者的な立場だったような気が・・・

しかしながら古今いろんなプロ野球漫画がありますが、長嶋茂雄氏(あくまでモデルですが)
を相当悪役に描いてるのもこの漫画ぐらいでしょうか・・・?そういう点では珍しくもあります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-01 23:02:38] [修正:2010-03-01 23:59:39] [このレビューのURL]

奇抜な設定ではあるが本筋は
自分を好いてくれるミステリアスな女の子と
周りに内緒で同棲生活を送るという王道プロットの変化球もの。

丸っこく癖のない絵柄で男女キャラどちらもかわいく描けてますが
少年誌ということもあり低年齢層にはちょっと恥ずかしさを感じさせるかも
お色気もまあまあ適量です。
しかしこの絵柄にして萌えの対象がだいぶ偏り…というか変態じみててビックリ。
「ショタ+実の親父=萌え」なんか際たるもので
時代を先取りしつつ、一部作者しか到達できなさそうなぶっ飛び感があります。

内容については、さすが藤田先生のお弟子さんだけあって
全体的な物語のまとめ方が立派
着実にストーリーを進めていって最後に総仕上げされる感覚がコミックスで読むとよくわかる。

…と、まあマクロな視点は良いんですが
実は一話一話でみると、意外に良くないです。
起承転結でいうと結のオチが極端に巻いていて物語に入り込めそうで入り込めない。
なんでかなーと思ってたんですが
一話のページ数が異様に少ないんですねこの作品。
ミクロな盛り上がりがもっとあれば総体的な作品への評価にプラスされるだろうに
サンデー編集部はもったいないことしたなあ…

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-23 00:39:38] [修正:2010-01-23 00:45:54] [このレビューのURL]

6点 巨娘

巨娘ジョーさんとその周りの人々が織り成すギャグコメディ。
実は木村紺作品は神戸在住よりもこっちが早かったため
前作とのギャップに関して戸惑いはありませんでした。
淡いタッチの絵柄で若干下ネタよりなギャグ多めと
女性が考えるおげれつ漫画、とまではいかないが作風は人を選びます。
ギャグも感性に合えば…まあ作者が好きなようにやった感は出てます。
恋愛模様や個人エピソードなど全体的には嫌いではないです。
が、ジョーさんの彼氏のキャラにはちょっと辟易。
昨今の女装ウケは、もてはやす男女共々もういい加減にしてくれって感じです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-10-14 23:18:26] [修正:2009-12-03 00:53:43] [このレビューのURL]

連載終了して数年になりますが仮想現実の技術開発のニュースが出るたび
未だに「『ルサンチマン』の世界に〜」という言い回しをちらほら聞きます。
4巻と比較的短いながらオタク界隈ではなかなかの印象を与えた漫画。
というのもこの作品
仮想現実で女の子とイチャイチャといういわゆる二次元オタクが
妄想しがちな理想郷をかなり詳細に描写しており
一部で非常に惹きつけられる世界設定を持っているのです。

ストーリーは実際の現実と折り合いをつけつつ仮想現実にはまっていく
主人公をめぐるハード?SFですが作品全体が上手く練りこまれていません。
開発者の存在や暴走するAI、仮想現実を支配するボスの正体など
個々の素材はなかなか素晴らしいのですが中途半端に出ては退場したりと、
非常にバタバタ詰め込まれています。
ストーリーはなんとかまとめたものの仮想現実が本物の現実を超えられるか?等々の
テーマが上手く伝わらず消化不良といった感じです。
作りようによっては傑作になっただけに非常に惜しい作品。
…でもやっぱり世界観は魅力的なのでこの点数でw

この種のコンプレックスへの葛藤をテーマにした作品は
まだまだ主張してもしきれないほどの鬱屈さとそれ求める土壌があるため
これからますます開拓されていく事とは思います。
とりあえず二次元最高!を掲げる人は通過儀礼として読んでおきましょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-10-15 00:09:18] [修正:2009-12-03 00:51:22] [このレビューのURL]

独特の作風でカルト的な(?)人気を誇るギャグ漫画家、尾玉なみえの現在連載作。
数年前より温めてきた魔女っ娘変身ギャグです。
シリウスがなかなかマッチしていたのか軌道に乗った連載を続けており、
作者自身の掲載記録最長を更新中(3巻)。

作品のテンションは今のところ安定しており、相変わらずのなみえ節も健在、
変に下ネタが輝いていたりと持ち味が上手く引き出されており作者のファンなら読んで損は無し。
特筆すべきキャラは魔女ザイアー。「ジャガー」のハマーもそうですがどうしようもない駄目大人が
作品全体のいいアクセントになってますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-10 22:13:06] [修正:2009-11-10 22:13:06] [このレビューのURL]