「ITSUKI」さんのページ

総レビュー数: 639レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年08月10日

最近自分が読んだ漫画の中でも一番の衝撃作でした。
きっかけは、ここのレビューです。

グレアム、アンジー、サーニン、マックスという4人の少年達はそれぞれ家庭から様々な事情によって逃げ出し、社会の「はみだしっ子」となり身を寄せ合い生きていきます。

彼らがそれぞれ持つ心の闇、その描き方が本当に容赦無く、グサっと来ます。
漫画なのに小説並の文字量、後半の裁判員裁判のシーンなんかは今まで漫画で読んだ法廷劇の中でも一番読み応えを感じました。
子供に対してなんて容赦がないんだと思いながら読んでました。

また、笑顔と泣き顔の描き方も上手で訴えかけられるようなその表情により一層感情移入する事になるでしょう。
感情移入すればするほど読むのが大変で、再読するのが辛いとはっきり感じる程重い内容です。
かといってギャグシーンが無い訳ではなく…コメディなシーンはそれでまた面白いので絶妙にバランスが取れています。
これ「花とゆめ」連載だから所謂少女漫画なんですよね…女子の方が精神年齢が高いのもなんか納得(笑

そして確かにこの作品点数が付けづらい。でも付けるなら10点しかないですね。

あまり大した事は書けませんでしたが…作者が故人と知ってこれ程残念に思った経験は初めてです。
今度作者没後15周年として文庫が再販される様ですので、コレクションとしてまた買おうかと検討中です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-07 02:04:00] [修正:2010-11-07 02:06:16] [このレビューのURL]

日常+SF的な内容が多めの短編集。

初期作品にして既に絵が安定して上手に見えます。
非常に読みやすいです。

でもまぁ短篇ならではの出オチの様な設定も見受けられ、話の内容はそこまでひきこまれるモノが…
現代を舞台にしたモノが多かったので最後の「Living Quarter」が一番印象的でした。
ファンタジーモノを描かれるのも面白そうだなと思ったり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-06 15:40:04] [修正:2010-11-06 15:40:04] [このレビューのURL]

文庫版を読了。
作者が男性だと知ってビックリしました。
とてもファンシーな絵柄をしていたもので…掲載誌だって「なかよし」ですよ。

実は宇宙人のハーフであるあおいちゃんが起こすちょっぴりドタバタなコメディ作品です。ラブコメ要素も多少あり。

内容はもうとことん軽いノリで、和気あいあいとするキャラ達がひたすら楽しいです。
何より自分が惹かれたのは言語(台詞)のセンス。
「あぎゃぎゃ」とか「あやー」とか「ひややややや」とか。
少しおかしな日本語をしゃべるマメミムのその微妙な言葉の狂いっぷりとか。
かわいらしい絵柄に加えてこの独特な台詞と書き文字の数々で凄い雰囲気を作られていると感じました。

竹本泉先生はこの作品が初ですが、竹本泉ワールドにこれからどっぷりになるんじゃないかという位好みな作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-04 23:48:07] [修正:2010-11-04 23:48:07] [このレビューのURL]

職人達の島のちょっとヘンテコなモノづくり漫画。

まだ1巻ですが、「とろ鉄」の方がキャラクターが魅力的に感じます。
主人公が「モノづくりの工程が見れる」という特殊能力を持っているので毎回何かしらの身近なものの作り方の工程が描かれます。

しかしその内容は「その島独自のもの」という設定であり、現実の工程とは完全に別物。
作者の想像を膨らませたちょっと(かなり?)変な工程が描かれ、シュールなギャグとなっています。

ですので基本はシュールなギャグ漫画で、職人漫画ではないので注意です。
キャラクターは妹が妙にウザキャラで、とろ鉄女性陣の様な癒しキャラがいないのが辛い所。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-04 00:10:59] [修正:2010-11-04 00:10:59] [このレビューのURL]

「ドラゴンクエストモンスターズ」のコミカライズではなく、主人公はオリジナルキャラで、タイトル通り「モンスターズ」の本編内容を+する様な作品です。

旅の扉を通じて「ドラゴンクエスト」本編の内容を再現する様なストーリーを本編のキャラクター達(作中では主に1・2・あとちょっと3)に、主人公クリオがその物語に+する存在として描かれます。
破壊神シドーを倒した2の主人公を「破壊神を破壊した男」として描いたり、「全滅したら王の元に戻される」というゲームシステムを「死ねない体」とし解釈したりと今までにない独自な視点を持って新しいドラクエを描かれるのがとても面白かったです。
ドラクエ本編とのリンクに関する伏線の巧さは想像以上でした。後半は特に良いです。

「モンスターズ」としても、自分の成長限界に悩むモンスターや、配合による仲間との別れと新たな出会いなど、ゲーム内容を押さえながら魅力的に描けています。
メイン・モブ問わないキャラの可愛さ、絵の安定感と読みやすさに関しては文句ありません。

面白かった分、明らかに中途半端なところで終了してしまったのは非常に残念です。
ラスボスとして描かれていたテリーとの決着、ディノをはじめとするライバルキャラとの因縁、修行して必殺技を身に付けたスラおの成長などなど、消化不良点が多すぎます。
全体的に好みの作品だったので8点にしたいところですがその点でマイナス1とします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-03 21:21:36] [修正:2010-11-03 23:19:55] [このレビューのURL]

文明が崩壊し、「人類」そのものの寿命を迎えようとしている終末の世界。

そんな世界の中で余命幾許も無い少年・イクルが、人造遺伝子人間の「あい」と残り僅かの生涯を過ごす物語です。
文明の崩壊後の世界の日常、という事で「ヨコハマ買い出し紀行」を連想しましたが、描いている内容は全くの逆を行っていると思います。
この「愛人[AI-REN」」では終わりゆく世界とともに消滅していく二人を描いているからです。

イクルとあいは傍からみたらただのバカップルです。
作者の絵の雰囲気もあいまって見ていてほほえましい限りです。
あいみたいなこんな子いないよ!ってツッコミはこの作品には褒め言葉です。
しかし二人の時間は着実に終わりに向かっていきます。
ベタなんですが、演出がとても巧いのでひきこまれてしまいました。
とにかくページを贅沢に使っていて作者の全身全霊を込めた様が伝わってきました。

人造人間を作れるようになり生殖が必要なくなった結果「愛する事って何なのか」、また「人って何なのか」を考えさせられます。
この作品で伝えたい事なのでしょうけれど、自分はイクルとあいの物語だけでも十分面白かったですよ。
設定の凝り様などはあとがきを読むと凄いのが伝わってくるのですが、それを作中で100%伝え切れているかというとそうでもないかもしれないのが惜しい点。でも凝った設定が好きな方は作品世界にどっぷり入り込めると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-02 00:26:50] [修正:2010-11-02 00:26:50] [このレビューのURL]

ファンタジー少年漫画らしく良くまとまっていると思いますが、掲載誌の関係もあるのか若干子供向けな印象も。
(自分が歳くっただけかもしれませんが…)

全3巻で最初から最後までハイテンション。ですがギャグになりすぎない程度のギリギリのバランスで最後まで突っ走っています。
所謂ロボットである「リュー」に関しては作画の乱れもなくよく描きこんでいると思います。
でもシルエットが星型に見えるというそのデザインの所為か、画面内がいつもいっぱいいっぱいで詰まっている様な感じもしました。

あと正統派ヒロインなパッフィーが可愛かったです。
マジドーラ召喚のシーンが一番印象に残ったコマでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-01 22:49:40] [修正:2010-11-01 22:49:40] [このレビューのURL]

初音ミクを題材としたサイレント漫画。
ボーカロイドの存在の設定やミクの生い立ちなどはすべ創作ですが、ここまで世界観を膨らませて構築できるものなのかと少し感心しました。

台詞がほとんどないのが特徴です。
しかし、場面の移り変わりの描き方が上手でストーリーをきちんと把握できます。「台詞やモノローグがなくても話がわかる」というのは素直に凄いと思います。
途中から語られるミクの過去、そしてミクを雇った女性の過去。
映画の様なストーリー構成で感動できます。

単行本一冊でおよそ260P位あるので少し分厚め。
ですが、この作品は2ページつかって4コマ(つまり1Pあたり2コマ)というものなので、実質10分もかからずに読み終えられてしまいます。
なので思ったより短く感じるかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-28 23:51:54] [修正:2010-10-28 23:51:54] [このレビューのURL]

強い日差し、揺らぐ陽炎、流れる汗などなど…
大石まさる先生は夏の季節を描かせたら一番なんじゃないかという感じがします。

この「ピピンとピント」はまた大石先生作品らしく、夏と宇宙(SF)が合わさった内容となっています。
祖父のカメラを使うと髪が逆立って一時的になんか暴走する…という設定(後半は出てきませんが)があり、主人公ノボルの周りにはどうみても同年代のおばさん、お色気たっぷりのとなりのお姉さん、そして幼馴染などのヒロインが存在するため、大石先生の作品の中でもちょっぴりエッチな内容が多めです。

まぁそんなラブコメをやりながらも、自転車で旅に出て外の世界を見に行き成長し、祖父やかつての父の様に宇宙を目指す様になるという王道のストーリーも展開していきます。
ここらへんは少年らしく青春してるなぁという感じ。
全3巻しかないので結構テンポよくそこらは進むのですが、要所はしっかり押さえられていて文句ないです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-28 00:04:14] [修正:2010-10-28 00:04:14] [このレビューのURL]

この作品は全2巻と短いですし、是非一気に読まれることをお薦めします。
何故なら、作品に対する印象が変わるのはきっと2巻を読んでからだと思うからです。

それは同じ時系列を違う登場人物の視点から3度描くというこの作品の構成からきています。。
それぞれ叶わぬ恋をしているなどの秘密があり、最初のストーリーではわからないキャラの行動原理が次の話で明かになるなど読み進める程内容に深みが増していきます。

最終的には青春群像劇として素直に良い作品だったと思えました。
絵は特段自分の好みではないのですが、読後のすっきりした感じが良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-27 21:44:44] [修正:2010-10-27 21:44:44] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示