「ITSUKI」さんのページ

総レビュー数: 639レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年08月10日

ズガーーンとやられました。
バレエを題材とした作品ですが、同じバレエ漫画として有名な「昴」と比べると凄い現実的で生活感の溢れる内容です。
主人公たちのバレエの内容だけを描くのではなく、学校生活や、指導者達の悩み、バレエをする子供を支える親の悩みなどバレエをしている者は気づかない様な現実の側面も描かれるのが面白い。
また、女の世界ならではなライバル同士の確執だったり、嫉妬や妬みからくる嫌?な雰囲気も少女漫画らしく、良く描けてると思いました。

優秀でしっかり者な姉・千花に比べて平凡で、しかもバレリーナとして致命的な弱点を持つ主人公・六花。
弱い所を多く見せる為、感情移入しやすいです。
また後半になるにつれて序々に成長を見せる点も○。

バレエを踊るにしてもその技術ひとつひとつを丁寧に描かれていて、絵が極めて上手ではないのに、バレエが「綺麗だなぁ」と思えます。
取材をしっかりしているな、という印象です。

飽きることなく最後まで読めました。
序盤のとあるキーパーソンが4巻以降回想以外で全く登場しなかったのが意外でしたが。二部に出るのでしょうかね。
そして、この作品が8点じゃなくて9点となったのは最終巻の展開が全てです。
あまりにも予想外、衝撃的でした。そして感動的なラスト。
流石「24年組」と呼ばれる作家さんだなぁと思いました。
是非ネタバレを読まずに最後まで読んでほしい作品です。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-01-19 23:56:31] [修正:2010-01-19 23:58:08] [このレビューのURL]

田村先生3作目。
あまり楽しめなかったというのが正直なところ。

舞台が現代なのが悪いのでしょうか。
80年代全開なのがとても古くさく感じてしまいます。
主人公の得意技がローラースケートだったり、ディスコいったり、フロッピーディスクが噂にきくレベルの貴重なものだったり、東京ドームができたばっかりだったり。
日本の財政界とかそういう世界観もなんだか話が急に大きくなってついていけませんでした。
良いな、って思えたのは「無自覚な悪」という月子のキャラと、終盤の展開くらいでしょうか。

二面性を持つキャラクターというのがこの作品でも中盤までの軸であり、この設定をさらに発展させた結果が「BASARA」なのでしょう。
絵的にもまだまだ発展途上。
アクションストーリーなのにアクション自体はあまり魅せられないのが残念。

この作品あっての「BASARA」や「7SEEDS」なのだ、と作者の成長を知るのには良いかもしれません。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-06-28 23:31:11] [修正:2010-06-28 23:31:11] [このレビューのURL]

10点 BASARA

10点を久しぶりにつけたいと思います。

文明崩壊後の日本全域を舞台とした架空戦記ものです。

まさに「大河ロマン」!
ドラマチックな内容ながらも、リアリティもあるので読み応え抜群。
最初から最後まで感動させられっぱなしでした。

・広大なスケール
日本全域を渡って旅をし、戦い、徐々に仲間が増えていくという王道な展開をしています。
各地それぞれに人がいて家があって自然があって、皆違っているので世界を股にかけた作品でもないなのにスケールは非常に広大に感じられます。

・巧みなストーリー構成
更紗と朱理のこの古典的ともいえるがドラマチックな関係を巧みに描き切っています。
二人のすれ違い、交錯。うますぎる!
最後の終わらせ方にも無理なく、綺麗にまとまっているのがまた素晴らしい。
女性作家の本領といわんばかりの恋愛模様も流石と言わざるをえません。

・魅力あるキャラクター
主人公をとりまく仲間たちがとても魅力的。
更紗を見守る予言者ナギ、身内の敵として読んでいて最後までやきもきさせられた浅葱、主人公一行からは一歩離れたところで活躍する揚羽、ムードメーカーな那智&聖、それに巻き込まれる群竹さんなどなど・・・
キャラの立ち位置も皆はっきりしているし、心理描写もしっかりしている。
一時期ハヤトの扱いが若干不憫に感じたけど・・w最後はまたかっこよくなっていて嬉しかったです。
朱理側の今帰仁、サカキ、四道、錵山将軍なども皆良かった。
皆それぞれの信念を持って生きています。
「新しい国とは」23巻の朱理の一連のくだりが特に印象的でした。

・画風
顔の書き方などは結構癖があるものかもしれません。
ですがこれで敬遠するのは確実にもったいないです。
表情の書き方は上手だと思います。感情が溢れかえった時の表情は、怒りも泣き顔も笑顔もどれも印象的だし読んでいてひきこまれました。
また、見開きの使い方も上手でよりドラマチックさを演出してくれています。
戦記ものであり、決してバトル漫画ではありません。
大河ロマンなんです。必殺技なんて一つもでてきません。


この作品の一番の魅力は?スケール?キャラ?ストーリー?
答えになっていないかもしれませんが、自分は「全部優劣付けられないくらい素晴らしい」と思いました。だから10点です。
今まで読んできた長編ストーリーものが少し霞むくらいのインパクトがありました。

いやぁ、にしてもあとがきの漫画の内容には流石に時代を感じましたw(FF4がでましたー、とか。何年前だw)

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-05-31 01:17:25] [修正:2010-05-31 07:08:56] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

ホントに絵柄で敬遠するのは勿体無さすぎる作品のひとつだと思います。
言葉ではジョジョの面白さは表しきれません。
とりあえず読んでみてほしいです。
最初から読むのがもちろん一番ですが、やっぱり3部からスタンド能力が出てくるので読みやすくていいと思います。

毎回頭を使って逆転、再逆転。話がよく練られているなぁ〜と驚かされます。
「どのバトルが好き?」って聞かれるとほとんど全部って答えたくなります。

どの部もカッコイイ台詞や燃えてくる台詞、泣ける場面そしてジョジョ独特の変わった台詞などがあります。
ジョジョにはまっていくと初めは気持ち悪いと思っていた台詞なども面白く感じてきます。

部ごとに時代、主人公、舞台も違うので、どの部もそれぞれ独特の空気で楽しめます。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-08-10 02:30:13] [修正:2005-08-10 02:30:13] [このレビューのURL]

アニメ版の完結と同時に一気に読みました。
元々評判の良い作品だったし、全5巻と短くまとめてあるので手に取りやすかったです。

他の方もレビュー書かれてましたが、1番最初から最後まで、全て計算し尽くされたようなストーリー展開の巧さに、感嘆しました!
何というか、欠点らしい欠点が見つかりません。
ここ最近ではここまで完成度の高い作品は出会っていませんでした。
老若男女問わずお勧めできる作品です。

まず、キャラクター。
主人公、ヒロインをはじめメインキャラ全員が好きになる事間違いなし。
序盤から中盤にかけては、旅をしながら登場人物たちの掘り下げが行われ、全員が魅力的に輝き出します。
なので、最初は各々の過去のトラウマ等を乗り越え成長していく物語なのか、と思っていました。
各ストーリーもとにかく話の起承転結がうまく、読後感が良いです。

そして、ストーリー
中盤までも面白いのに、終盤にかけては、ミステリー・SF的要素が増え、怒涛のどんでん返しが待っています。
再読すると序盤から丁寧に張られていた伏線に気づかされます。
また基本的にはシリアスなストーリーでありながら、結構こまめにコメディ要素がちりばめられており、それでいてそれが鬱陶しくならない程度にバランスよく構成されているので、暗くなりすぎず読み進められるのも好きな点でした。ギャグセンスが好みとあっていたのかも。

作画面
私は画風の好みは結構するタイプですが、この作品は安定して読みやすかったです。万人受けするタイプじゃないかと思います。
ヒロイン勢は皆可愛くかけていて、それでいてタイプも違う感じに書き分けられていて好みでした。
因みに作者の他の作品は読んだことありません。

アニメ版の方を先に見て気に入り、後から原作を読みました。
原作も全くアニメ版に負けていないパワーを持っていました。
今のところ今年読んだ作品の中では1番ですね。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2019-09-24 21:13:56] [修正:2019-09-24 21:13:56] [このレビューのURL]

10点 7SEEDS

設定、ストーリー、キャラクター全て素晴らしいです。
問題を強いてあげるなら絵柄でしょうか。しかし、表紙で買うのをためらわずに読めば、2巻までには慣れてるでしょう。

内容としては、文明が崩壊した未来でのサバイバルものです。
これ以上は実際に読んで謎を明かされていった方が面白いと思うので伏せときます。
荒廃した未来の世界でも現代でも、「自分で考えて、自分で行動する」事の大切さは変わらないというのがうまいと思います。ハッとさせられました。

複数のチーム、時系列を章で分けて書かれるので飽きもきません。
またそれらの複数のチームを上手く絡ませる構成力の高さも凄い。
主人公も複数存在し、主に「ナツ」と「花」の二人が主人公として描かれています。
この二つのチームがいつ邂逅するのか、それが現在の大きな楽しみです。

ストーリーは全体の8割以上はシリアスです。シリアスですが、鬱という程の内容でもないかなぁと思います。
未来を生き抜いていく上でのキャラクター達の精神面の成長や、葛藤が多いです。
各キャラクターの心理描写が非常に上手く、さまざまなキャラに感情移入できるでしょう。

主人公の一人ナツがいる夏のBチームが出る時だけはコミカルな雰囲気となり、ずーっとシリアスな内容が続く中での癒しとなってます。ギャップがホントに凄い、特に16巻では顕著でした。
少女漫画という事もあり、恋愛要素もご多分にもれず存在します。
こんな時代にそんな事考えとる場合かー!と初めは読んでいて思ったのですが、もし自分が明日目覚めた時にこんな時代になっていたら、きっと大切な人の事を探すだろうしなぁ・・・という事で納得できました。

既刊17巻、という事で「長っ 今からなんて集められないよ?」と思われるかもしれませんが、個人的には全巻今から集めても絶対後悔しない名作になりうる作品だと思ってます。
今のところマイナスする要素が絵柄以外みつかりません。(その絵柄も今は決して悪くはないと思っています)

まだまだ完結は先になりそうですが…こんなに面白い長編は久しぶりに読みました。



2017.10 8→10
35巻で遂に完結。こんなに長くなるとは思わなかったけど、最後まで楽しませてくれてありがとう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-02-28 23:32:53] [修正:2017-10-16 21:45:15] [このレビューのURL]

「MOONLIGHT MILE」の太田垣康男が原作、「アイシールド21」の村田雄介が作画で描かれるソーラーカー漫画。

原作・作画両者の代表作と比べて地味で現実的な題材と展開を見せます。
「ソーラーカーとはなんぞや」といううんちく方面の話よりも、それに関わる登場人物達の青春ドラマがどっちかといえばメインです。
不幸な生い立ちを持つ主人公が、ソーラーカーによって青春の輝きを取り戻す、なんていうとなんか恥ずかしいですがそういう内容なんです。

全2巻と短いので後半の展開が結構スピーディーに感じますが、まとめとして綺麗に終わっていてさっぱりしてます。少年漫画らしいラストも逆に爽やか。
2時間の映画にしたらちょうどいい長さくらいの起承転結なんじゃなかと思います。

意外性は少ないですが、画力も高いのでこの点数で。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-07-06 22:46:30] [修正:2011-07-20 23:20:36] [このレビューのURL]

「ラブコメ」というジャンルの古典の一つとして読んで損は無いと思います。

すれ違い、勘違い、鉢合わせ、嫉妬の連続で近づいたと思ったらまた離れるの繰り返し。
15巻にも渡ってそれをやられると流石に少し長く感じました。
中盤では二人の関係をなんとか進展させる為に新キャラを投入して連載を継続させているような節も見受けられました。
特定のキャラクターに焦点があたってストーリーが進行しだすと不自然なくらいほかのキャラが登場しなくなったりというのも気になりました。
(三鷹、こずえ、いぶき、二階堂などなど。賢太郎なんて途中から完全に存在が消えてた)
その上響子さんには「惣一郎さん」という存在があったため、五代と響子が晴れて結ばれるのは本当に終盤になって、ようやくです。(結ばれたら終わりなので当然ですが…)
一話あたりでの構成力はオチも毎回しっかりついていて高いと思うので、週刊ペースで読むと続きの気になる作品なのですが。

あと個人的には一刻館の面々の五代に対する図々しさが目に余る時があり時々イラッとしました。

結局「いつになったらくっつくのか」だけが気になって気になって最後まであっという間に読ませられましたので、見事に作者の術中にハマったなと感じてます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-02-16 00:06:12] [修正:2011-02-16 00:06:12] [このレビューのURL]

7点 煩悩寺

秋★枝先生の作品は相変わらず読んでてニヤニヤできます。

なんとも統一感の無いおかしな小山田君の部屋、通称「煩悩寺」にひょんなきっかけから入り浸る事になった小沢さん。
部屋にある変なものにうきうきしたり笑ったりする小沢さんがいちいちかわいいです。表情豊か。

そして中盤からラブコメ展開へ。
なんというか、三角関係の様な泥沼展開よりもこの作品はただ初々しい二人の関係を温かくニヤニヤ見守っていけたらなぁ、とか思います。
けど作者の作品の雰囲気からするとこれからまだ一筋縄ではいかないのでしょうね。

不定期なので続きが大分先になりそうですが、続きが楽しみです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-08-30 01:00:20] [修正:2010-08-30 01:00:20] [このレビューのURL]

ジャンプ黄金期を支えた作品の一つです。
「DRAGON BALL」や「スラムダンク」とは違い連載時は読んでいないのでいわゆる「想い出補正」はほとんど無いのですが、それでも少年漫画の傑作のひとつだと思います。

この作品の魅力と思う点をいくつかあげていきます。順不同。

・ドラクエをベースとしたファンタジー設定の使い方の上手さ
本作はタイトルにある通りかの有名な「ドラゴンクエスト」の世界をベースとして作られています。
しかし歴代のゲーム作品と別に設定上の繋がりは無く、呪文・アイテム・モンスターなどのアイディアを利用しているだけのオリジナル作品となっています。
ドラクエ未読の方でもわかりやすく、たとえば「ホイミ」は「回復呪文」に「ホイミ」とルビが振られる等の工夫もされています。
むしろ「ダイの大冒険」からゲームの方へ逆輸入された技・呪文なんかもあります。
装備や衣装のデザインもファンタジーらしくて大好きです。

・ストーリーの大筋がはじめからぶれず、最後までそれを描き切られている。
最初から最後まで一直線なストーリーで、長編ですが無駄は少ないです。
これも「ドラクエ」だからこそ上手くいった事かもしれません。
普通の少年漫画で最初からラスボスがわかっていてワクワクできるでしょうか。
この作品がそれが出来たのは「ドラクエ=ラスボス撃破が作品の終り」というパターンが事前に出来上がっていたからです。
作中時間が3か月というのは確かに短いですけど。
多少被りますが、作中で張られた伏線が無理なく回収されているのも素晴らしい点です。特に打ち切り(あるいは引き延ばし)が多いジャンプでは奇跡的。

・極力納得できるパワーアップ
自分がこの「ダイの大冒険」の構成で一番感心したのはこの点です。
作中で三カ月しか経過していないのに、主人公ダイをはじめとした仲間たちの成長スピードは異常なレベルです。
しかし「竜の騎士」「竜の紋章」「ダイの剣」「アバンのしるし」「ゴメちゃん」等のキーアイテム・キャラクター・設定を違和感なくストーリーに盛り込む事でキャラのパワーインフレを極力納得できる様になっています。
これも「ドラクエ」という世界観を活かしていると思います。

・名言、名セリフの多いキャラクター達
本作の一番の見どころ。
序盤はどうしようもないヘタレであるポップの成長ぶり、同じく敵方の三流魔王だったハドラーの武人への成長ぶりには驚くばかり。
自分はなんだかんだでダイの純真な所が好きですけど。
「何かを守るのが自分の使命」…両親と同じ道を選んだダイには感動しました。
この作品のキャラ達は多少芝居がかったようなかっこいい台詞を連発するので後半はもう名言だらけです。

敵がただのどうしようもない悪党ではなく、いわゆる悪の美学というのが存分に描かれているのも魅力的な点。もちろん煮ても焼いても食えない様な悪党もいますが、そういうキャラにはそれなりの最後が用意されています。
大魔王バーンのラスボスとしての威圧感は圧倒的です。老バーンが人気ですが真バーンも「さあ 刮目せよ!」とか「魂などでは余は殺せぬ!」とか「爆発はどうしたああああ!」とかがあるので個人的には好きです。
ラストバトルのじょじょに仲間が減っていく中での攻防は必見。


自分の良いと思う点をいくつか挙げましたが、もちろん「う-ん」と思った点もあります。
それは後半になってからのキャラクターの連続しての復活です。
復活したキャラクターにはその後それぞれの活躍の場がしっかりとあったので復活後の扱いには文句ありませんが、流石に連続すぎて「おいおい」と思ったのも事実です。
作中時間が短い、というのもありますけどそこは自分は特に違和感はありませんでした。
あとヒュンケル…w不死身すぎて作者が死なせ時を逸してしまうという珍しいパターンでした。ジョーみたいになったシーンは流石に燃え尽きたと思ったので目を覚ましてびっくりしましたw
この二点があるので9点です。

※22 8/12
レビュー全文書き換え。点数は同じです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-08-16 05:38:53] [修正:2010-08-12 17:26:03] [このレビューのURL]

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