「ITSUKI」さんのページ

総レビュー数: 639レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年08月10日

短編集ですが、コマ割やモノローグの配置がとても上手で読みやすい上に、一作あたりのページ数が80-100Pあるのでどの話も強く印象に残りました。

「葦の穂綿」
普通の少女漫画ならごくありきたりなボーイミーツガールなラブコメに行きそうな導入に対し、明かされる彼の過去の重さ。その落差が凄いです。
決して結ばれない、報われない恋。ハッピーエンドなのかそうでないのか、胸が締め付けられる様なラストは少女漫画特有の感覚に思いました。

「半夏生」
タイトルや写真展の内容、またラストのモノローグといった伏線が利いていて好きな作品。
年上の女カメラマンと女装少年の禁断の恋、というのはどちらかといえば漫画チックな設定ですが、こちらは二人の再会のエピローグまでを描き切りハッピーエンドで締めている処がたまらなく良いです。

「冬霞」
児童虐待のトラウマが描かれます。
幼き双子と「おにいさん」の逃亡劇。
親に虐待されて生きてきた双子は連れ出された彼によって初めて愛情を与えられます。
なぜ家に押し入ったのか、なぜ双子を連れ出したのか、などの謎めいた彼の言動の真相には心打たれました。

3作のどの題材も読み切りとしてここまで高い完成度で話をまとめられる方はそうそういないのではないでしょうか。
オススメです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-03-09 23:56:42] [修正:2011-03-09 23:56:42] [このレビューのURL]

7点 Dreams

今回はちょっとイレギュラー的なレビューを。
既刊全巻を持っているわけではないです。

本作は週刊少年マガジンにて「今週は一体何球ボールを投げるのか」が話題になるほどのゆっくりペースで連載開始。
後にマガジンSPECIALに移籍となり、作者の病気などで休載をはさみつつ現在も連載してる長期連載マンガです。
自分が小学生の頃から連載してます…w

現在ではリアル指向の野球漫画も珍しくないですが、科学的な観点から野球を分析し、難解な理論などをネタにした作品として当時は結構新鮮でした。
主人公の久里は茶髪のロン毛、ガムを噛み素行は悪くすぐ怒る。
しかし見た目に反して野球に対しては誰よりも真剣で、人一倍ストイック。その努力によって得た技術は超一流。
そんな久里が「高校球児なのになんだアイツは」と高校野球をまるで神聖化している周囲からの「負の期待」を軽々と打ち破っていく様が痛快。
久里のセリフの数々が一流と凡人の差を如実に表す様なものばかりで、スポーツをやってる方なら「成程」と感じるものもあるのでは。

ずば抜けた才能と技術をもつ久里がチームを引っ張り、相手の弱点を攻略し勝ち抜いてくというのがこの作品のパターンです。
久里が一体どんなアドバイスをしてくるのか、とても楽しみでした。
がしかし、盛り上がりの頂点をすでに予選決勝戦で迎えてしまっています。(甲子園一回戦はまだマシですが…)
決勝で遂に久里が「今の自分の限界」を見せてしまうからです。
限界を超えてしまっては後はインフレあるのみ。
カツオより後は魔球の量産、月刊化による更なるペースダウンなどでどうもイマイチです。

ちなみに、コミックスの他に文庫化もされていますが、予選決勝までしか文庫化されていません。
予選決勝までで読むのを止めるのは正解だと思います。
文庫版がキリ良いとこまで出ているので、この点数はそこまでの点数です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-18 00:00:16] [修正:2011-02-18 00:00:53] [このレビューのURL]

どこか西洋風な国のとある町を舞台とした日常系漫画です。

オールカラーですが、アニメっぽい塗りではなくキャラの髪の毛の光り方とかが綺麗です。
作者が予想以上に若くて驚き。

キャラが可愛くかけているので読んでいてニヤニヤできます。
しかし、大ゴマが多い所為か一冊があっという間。
まぁでもせっかくのオールカラーなのでそんなこまごましてもアレですね。

ストーリーの軸らしいものが無いのでいつ終わってもまったく問題無さそう。

にしてもただでさえ4コマサイズは高いのにオールカラーともなると一冊が1300円(+税)ってのは高い…

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 23:38:28] [修正:2011-01-12 23:38:28] [このレビューのURL]

「ゆるゆる」に続きこれまた「たかみち」だなぁって感じとしか・・・w

カラーの塗りが結構特徴的で様々な青を使って描かれているなぁという印象。
離島で暮らす人達をたんたんと描かれています。
海!雲!太陽!ていうカラー映えしそうな題材を使われています。

作者の絵の魅力ありきなので、話は二の次ってくらいのファンの方でないと印象に残りづらい作品かもしれません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 23:16:53] [修正:2011-01-12 23:16:53] [このレビューのURL]

オールカラーで、シンプルで読みやすい絵柄で、日常の中のあるあるネタ。
それに基本1ページ完結。

ちょっとした暇つぶし・息抜きにぴったり。
ただの自虐ナルシストだとよく言われている気がしますが…言われるまで自分はそんな事感じませんでした。
視覚的に「凄い!」と思わされる様な作品ではないですが、会社の人との距離感とか、生活の中での何気ない仕草などいろいろと共感できる点が多く、素直に楽しめました。

あと編集の源さんのキャラが好きです。(実際はどんな人なのか気になるっちゃなりますが、知ったら知ったでいろいろ幻滅しそうなのであえて知ろうとはしてません笑)

仕事と並行して進めているのは凄いですね。自分には真似出来ません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-09 00:56:09] [修正:2011-01-09 00:56:09] [このレビューのURL]

すみません「ホームセンターてんこEX」の発売が決まった頃にようやく一連の騒動から存在を知りました。完全に後追いです。
「マガジンイーノ」といえば「Q.E.D証明終了」しか知りませんでした…まさにこの作品は「埋もれていた良作」だと思います。
読んでいてことごとくツボにはまりました。

まるっこくて読みやすい絵柄は少年向けにも見えますが、内容はどうみてもオッサンの描いた中年向け作品です。
工作漫画なのに主人公はドリルを持った天真爛漫な女子高生。
元気一杯で工作に関しても興味津津で、本来「お父さん」や「男子」が活躍するべきフィールドで主人公のてんこが活き活きとしている様はまさしくオヤジキラー(作中でもたびたび言われてます)。
更に時折挟まれるサービスカット。健全で全然エロくはないんですけど、欠かさず狙ってくるあたりがまたオヤジっぽい。
こんな女子高生いないよ って実際はちょっと思いますが^^;

キャラクターにも世界観にも毒が一切なく、「モノづくりって楽しいよね!」というシンプルなメッセージを存分に描かれています。
作中に出てくる工作を実際に作者が作ってHPで公開してるのも、リアリティを増してくれてます。なんとかしてDIYに興味を持ってもらおうっていう気概が伝わってきます。

工作部発足などで世界観が広がりを見せてきたあたりで打ち切りの方へ話が入っていってしまったのはなんとも残念です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-21 21:43:31] [修正:2010-11-21 21:43:31] [このレビューのURL]

DEATH NOTEの様にうんうん頭を使って読む必要は少なく、ジャンプの内情暴露をばんばんと読めるので読むのが気楽かつ面白い。
なんで自分はこの原作者のセリフは長くなりがちなのに読むのに疲れないのか不思議です。セリフが長いというのはバクマンでは気にした事がなかったです(指摘されて「そうかも・・?」と思ったレベル)

あれだけデスノで人気を博した絵柄をあっさり変えてコミカルな雰囲気を出す絵に変えてきたのも凄い。
キャラクターの顔付きが別物になってますし、コマの形や割り方もデスノと比べて奇抜(?)になってます。

そこまで長く続けられる題材の漫画ではないと思うので、今度は綺麗にまとめきってほしい。
今のところ全く飽きずに読めています。

あと、既に多くの方が描かれていますが、恋愛部分は面白いかというとそこまででもない。
どうみても不自然だし無理がありますよね。
キャラクターは個人的に皆好きですが・・
編集部からこういう漫画をつくって欲しいと依頼されて連載された漫画らしく、なので「暴露」という部分が作品の中心となって、ストーリー部分がおまけという風に見えてしまうからかもしれません。(「題材」ありきでつくられる漫画は沢山あると思いますが、この作品は特に露骨というか)

暴露部分の内容はおそらくほぼノンフィクションで描かれているため、たびたび「あ、これはこの漫画の中の世界のジャンプの話だった。そうだった」と現実と困惑してしまうほどリアル。
(連載がそんなうまくいってたまるか!という部分のリアリティではなく)

※8/3 7→6
ここ数巻のご都合展開とキャラの使い捨てっぷりが目に余るので減点。やっぱりジャンプの作品が合わなくなってきてるのかなぁ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-11-10 06:01:49] [修正:2010-08-04 01:16:38] [このレビューのURL]

高評価につられて購入。
読後に残るなんともいえない感じが凄い。
決してハッピーエンドや教訓的なオチで終わらない、ブラックなネタ・風刺の様なネタも多数。

F先生のSF嗜好がとても表れていて、そのアイディアの豊かさに驚かされっぱなしです。
F先生の漫画を最後まで読んだのはこの作品が最初になるのであんまり大したことは書けませんが、扱う題材自体が他の漫画とは一線を画していると感じました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-29 23:41:31] [修正:2010-07-29 23:41:31] [このレビューのURL]

表紙の線と色遣いに「おっ」と目がとまりました。
帯に藤田先生の文字があったので、作者をみたら藤田先生のアシだったジョニーじゃないですか。
そんなわけでとりあえず購入してみました。

主人公のガチンコでまっすぐで熱血な性格とかはもうなんていうか今時だと珍しいって思えるほど。でもちょっと鬱陶しいと感じてしまったり。
江戸の街になんで巨大な蟲が発生しているのか、とかあの巨大さに対して蟲奉行所の人数少なすぎやしないか、とか疑問点というかツッコミ所は多く、今後そこらへんを納得いく説明をしてほしいです。

蟲の凝った描き込みと、ヒロインの可愛さと、作者のこだわりを感じる様なくどいサービスシーンは良いんじゃないかと思いますよ。少年誌ですから。

こういういかにも「少年漫画」みたいなのが肌に合わなくなってきたなぁと、自分の年齢を感じた作品でした。

※7/20
得点だけ変更。6→5

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-21 22:17:32] [修正:2010-07-20 23:25:36] [このレビューのURL]

個人的思い入れの強い作者ではあるのですが、この作品は特にオススメできます。
同時発売だった「たまりば」の方が本命だと思っていたらこっちの方が個人的にはヒットでした。

タヌキが恩返しに主人公の家にやってきて、奇妙な同棲生活がはじまる、というコメディ作品。

タヌキはタヌキらしく変身が出来、普段は二頭身のちびっこメイドみたいな格好をしています。
この状態のタヌキは言葉をしゃべり、表情豊か。
喜怒哀楽がはっきりしていてマスコット的可愛さが半端ないです。

しかし主人公が女性&動物好きの為、たいていいつも無理やり元のタヌキ姿(これはリアルタヌキっぽく描かれます)に戻され、その状態が愛でられるという一風変わったバランスを保っています。
キャラクターのデフォルメ具合、作画の安定度も良いです。

4年かかってようやく1冊、という事でこれ1冊の中に46話収録というのも満足度が高かった理由の一つです。
その分、2巻ははたして刊行されるのかというのが微妙なのですが…

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-27 11:36:17] [修正:2010-06-27 11:36:17] [このレビューのURL]

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