「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

[ネタバレあり]

中日時代の落合、北別府、亀山、伊藤智仁などなど…90年代前半に活躍した往年の
プロ野球選手が実名で出ており、またちょうど少年ジャンプ黄金期と重なっていることも
あり、当時野球少年だった20〜30代の世代には幅広く読まれていると思われる作品。

内容は「努力・友情・勝利」三拍子そろったスポーツ(少年)漫画の王道的展開。
野球理論やキャラの過去エピソード、セリフに至るまでなど小難しくなりそうな箇所は
極力単純明快に描かれており、上でも書いたがまさに家で漫画読むより外で野球やるのが好きな
野球少年のためにあるような作品作りをしている。
そういう面では現在のジャンプ読者でも小学校低学年ぐらいの層までが抵抗なく
歓迎されるだろうが反面、理屈を受け入れてしまうそれ以上の年齢層にはキツイかな。

ただ熱い場面はしっかりと描かれてあり、キャラ達がよだれ鼻水垂らしながらも奮闘し、
勝利を勝ち取る姿は現在の少年誌のスマートかつカッコよさ、センス第一なスポーツ漫画を
読み慣れている人に新たな見方を提示してくれるかもしれない。主人公がピッチャーやりだした
辺りから少々パワーダウンした印象を受けたが、きっちり1シーズンで連載終了しているので
そこまでグダグダせず量的にもすっきり読める。

矢島の引退試合が個人的なベストシーン。
ベタなんだけどここだけはいつみても泣ける。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-07-04 00:15:07] [修正:2008-10-13 00:31:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

大人気少女漫画家のサイン会に嬉々としていく主人公ヤマモト

当の漫画家がものすごい美人だった!

ヤマモト
「だましやがったなァ てめぇの実家を燃やしてやるー!!
 先生はこういう人(ブサイク)じゃなきゃダメなんだー!!」
「マンガは己の妄想の産物
 恋愛マンガを描くのはモテないから!!
 美しいものを描くのはブサイクだから!!
 そんな自分の欲望や妄想を
 毎日毎日一人部屋の中で黙々と考えているような
 そんな人でなければあなたはいけないんだ!!」

のっけからこれだもんなあ〜w
全編にわたって萌えとは何かを追求するオタク漫画。
話の内容は己の萌えるシチュエーションをただ全力で叫んでいるだけなのだが
それがものすごい馬鹿正直に読み手に語りかけるので
出てくるセリフの数々がどれも名言に聞こえてしまってヤバイ
そしてそんな名言を吐きながら己の内面をさらけ出すオタク達の姿は
どれもこれも汚い事この上ないw
しかしこれにより同人買いに数十万人集まるようなオタクパワーの
真髄をどのオタク漫画よりも克明にあらわしてくれているのである

最近では完全にその分野を確立しつつある「オタク漫画」ではあるが
「げんしけん」以降ヌルくまったりとしたオタクライフを描くスタイルが主流となっている
そんな中で特に異彩を放つ存在としてまだまだ読み継がれていく…のかもしれない
連載が00年〜と言うことで萌えのトレンドが若干古いところがあるが
各エピソードが現実に通じるようないやに生々しいところがあって
爆笑しながらも少々恥ずかしい気持ちになった。自分を省みろということかw

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-17 19:06:06] [修正:2008-10-10 23:07:52] [このレビューのURL]

ジャンプ読者でも比較的低い年齢層のための作品
キン肉マンみたいに作中のキャラ募集やってたところが
根強い人気を誇っていた理由ではないかなと思う。

正直連載開始当初の地球での戦いはあんまり好きではなかったが
その後の展開が意外にもバトル、トーナメント、インフレ、キャラ乱発等のお決まりのジャンプ路線に
非常に順応しており、よっちゃん編、さっちゃん編と展開が進んでも作品の面白さを損なわない所は
やはり作者自身の構成力は凄いんじゃないか→やはりガモウ=大場つぐみではないかと疑ってしまう

キャラの一人一人の無駄に細かい設定や
80年代のアイドルネタなど作者の趣味全開なところもツボなので1点プラス。6点
個人的には友情マンVSスペードマンのババ抜き対決が好き

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-29 21:07:13] [修正:2008-09-29 21:07:13] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

どのスポーツ漫画にもいえるが、一つのスポーツでも楽しみ方は様々あり、
それに応じて、題材を扱う漫画はいろいろな切り口からその魅力を引き出していく。
野球漫画はその性質上、特に最近の傾向として、戦略性や心理戦などの「静」の魅力に
ウェイトをおいたものが多く、逆に気合、熱闘、説明不要な迫力プレイなどの「動」の部分で
魅せる作品は少なくなってきたように思う。

「やったろうじゃん!」でも序盤は喜多条監督を主人公に据えて、選手の育成を中心に
ストーリーを進めていたがが、どうもパッとせず非常に地味な印象だった。
しかし新入生江崎が入部してから、方向性を変え、江崎のピッチング能力を伸ばす=江崎のピッチング
の凄さがクローズアップされるようになり、一球一球に力の入る、どの野球漫画よりも熱気のこもった
描写が描かれるようになった。
基本的に朝霧と対決する周辺が陰気というかドロドロとした高校球児達ばかり(笑)で、
朴訥な江崎がそれらをねじ伏せるように投げる対比が素晴らしい。朝霧VS成京戦でこの作品の
最高潮に達しており「あと一球!」コールが連呼されるシーンは漫画に引き込まれる圧巻の迫力。

が、
ここを過ぎた後の展開は正直評価が難しい。
この後江崎は苦難の道を進むことになり、むしろ野球外のドラマに主眼がおかれるが、
これがなんとなく重苦しく閉塞感があり前半のピークと比べてちょっと…といった感じ
そして終盤の「アレ」
確かに並々ならない江崎の完全復活→物語のシメを描ききってしまうために「アレ」は
理由付けにちょうど良い題材かもしれない。
けど必要不可欠なものでも無い。だからこそなんとか回避できなかったものかなあ…と思ってしまう。
読了後は感動もしたが少々の後味の悪さも残った。結局監督は空気になっちゃったし

野球のシンプルな面白さと青春群像劇としてどっぷりと漬かりたい場合にお勧めかな
ただし終盤は確実に欝入りますので(まあラストは救われるか?)それでもよいという人に

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-09-27 01:38:22] [修正:2008-09-27 01:38:22] [このレビューのURL]

エロかわいい絵ですなー

バイオレンスギャグ一辺倒だった前作「子供学級」から
よくここまでの萌え漫画が作れたなと感心。
作者が充電期間中に何を学んできたのかすごい気になる。
間接的に攻めてくる微エロネタや作中に漂うどことなく
フェチっぽい雰囲気は女性の描く萌え漫画だからだろうか。

ストーリーはすれ違い系ギャグがよく出ており
お笑い芸人アンジャッシュのコントを見てるみたいとは言い得て妙。
最近一話一話のマンネリ感がひどくなってきたが
代わりにキャラに広がりを見せてより萌え漫画らしくなって来た気がする。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-20 13:08:31] [修正:2008-09-16 00:46:18] [このレビューのURL]

特に20〜30代のジャンプ読者へ狙いを絞っている点が受け
連載中は個人の有名漫画レビューサイトでよく取り上げられた。
それもあって人気はかなりあり、なかなか長期連載となったが
後半に進むにつれて連載開始当初の勢いに陰りが出たかなと感じた。
もともとパロ以外の部分が勢いに任せたところがあるので
息切れするとそこら辺の短所が目立つ結果となった。
下ネタはまだしも作者の内輪ネタとかちょっとね…

パロディの魅せかたとしては他の作品と比べると微妙な点も多々有ったが
ネタがほぼジャンプ漫画に徹している点は好印象を受けた。
掲載週のすぐ前のパロディネタとか持ってくる辺り
筋金入りのジャンプ読者のための作品といえる。
ジャンプは毎週欠かさず買って全ての作品をチェックしてますよ!的な人にお勧めなのかな?
まあそんな人ならお勧めするまでもない気がするが。

個人的に、この漫画によって作者=パロディ漫画家のイメージが決定付けられてしまった感がするが
次回はそれらを覆すようなオリジナル作品をみてみたいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-27 23:05:16] [修正:2008-08-27 23:05:16] [このレビューのURL]

名作「寄生獣」の次回作ということもあり、よく比較されがちだが
民俗学+SFと個人的な趣向からこっちの方が好き。

とにかくこの作品、起承転結が非常にハッキリしており、洗練された物語構成が一番の特徴である。
特に物語の随所に散りばめられた丸神の里の謎が、ラストの巻で一気に集結していく様子は
非常に鮮やかで見事というしかない。
主人公が観測者的な立場にいる点や、物語の肉付けを極力省いている点も加わって
全体的に非常に計算尽くされたスマートな印象を受ける。

ただしこの展開全体からみたまとまりの良さは短所ともとれ、物語の盛り上がりに欠けるとも言える。
特に作品の最大の山場であるヒロインが主人公に説得されるラストシーンは
ここら辺の歪みが出ており少々違和感があった。そこが惜しいと言えば惜しいかな。
(ただ、ここで主人公の主張している内容こそ非常に共感できた部分だったりもするが)
もしこの作品が丸神頼之の今までの経緯や東丸兄妹の関係など掘り下げたストーリーであれば
また違った評価を受けていたのかも知れないがこの作品の魅力である謎解きと展開のスマートさが
失われるとすれば…うーん…迷うところ

ほの暗く、淡々と静かでありながらも作品の底に力強さを感じる、
岩明均の真骨頂と言えるお勧めの作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-19 22:38:25] [修正:2008-08-19 22:38:25] [このレビューのURL]

基本的に一話完結でまとめられたオムニバス形式のSF短編集。
単に土台となっているSFに限らず生物、医生理、歴史、果ては宗教哲学に至るまで
非常に幅広いジャンルの知識を取り入れて、ショートショートとしてまとめ上げている。
しかしなによりもその見識の広さが充分に生かされたストーリーとアイディアセンスが
素晴らしい。専門知識が多分に入っているとはいえ、デフォルメされた
かわいらしい画風と、小学生でも理解できるぐらいに極力噛み砕かれた
わかり易いストーリーにより万人に受け入れられる内容に仕上がっており、
さながら星新一の小説を読んでいるような印象を受ける。

ただその平易さゆえ漫画にインパクトを求める人にはかなり薄味に感じるだろうし、
また童話性においても所々にみられる訓話的なメッセージなどが鼻につく人も
いるかもしれない。あと個人的に中編の「大いなる眠り子」シリーズは
オムニバスに比べると少し面白みに欠けるかな?

絵本が好き、もっと言うと藤子F不二夫の描くファンタジー
(SF短編集のようなブラックさでは無く、その世界観)が好きな人、
そして何より理科嫌いの人に科学の面白さを伝えるのに向いている作品。

現在でも手に入る旧版のコミックスも内容が同じだが、「トワイライトミュージアム」
に掲載された作品も非常に読み応えがあるものばかりなので、読むとしたら
これらが一緒に収録された再編集版がいいと思われる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-02 01:47:23] [修正:2008-08-09 14:12:22] [このレビューのURL]

コミックスの表紙にも書かれてあるように楽しさを中心に描き
今までの柔道のイメージを一新させた「ニューウェーブ柔道漫画」

初見は作者絵特有のシンプルさ・白さに少々戸惑うかもしれないが
お前らホントに高校生か?と突っ込みたくなるような初々しい青春群像に
随所に挿入されたギャグが程よいバランスとなり30巻の長期連載を苦にせず読める。

序盤10巻あたりまでは、楽しい高校生活が主体のコミカル展開が占めるが
全国大会に出場する辺りから、柔道本来の面白さが加味され、
さらに本格的に全国大会優勝を目指す辺りから、その制覇までの単純ではない
道のりと努力を丁寧に描ききっている。
これにより一層物語に惹きこまれ、後半から加速度的に読み進んでしまう。
終盤のシーンで「思えばあのときから…」と柔道部メンバーが
全国制覇を決意した主人公に引き込まれていった道のりを回想するシーンがあるが
実は作中のキャラ達だけではなく読み手までも引きずりこまれていたんですねー
その集大成とも言える斉藤VS橘、粉川VS鳶嶋戦の流れはホント鳥肌の立つ程の面白さ
全国大会後すぐに連載を終了してしまうが、ここが作品のピークであると考えると却って引き際として最適だったと思う。
物語構成として文句なし、現代の少年スポーツ漫画でも間違いなく傑作と言える作品でしょう。

私自身、授業でさわり程度をやったぐらいでも非常にキツかったあの柔道が、
コレを読むとそのキツさを経験した後でも、楽しそうだな柔道やってみたいなと
錯覚させてしまうのだから恐ろしいw

ワイド版、文庫版とあり作品そのものを見かけるのに苦労はしないと思われるが
もし読むならコミック版のほうがお勧め。
90年代初頭の今見ると恥ずかしい、ちょっと痛げなセンスはあるものの
安西信行、モリタイシなどを輩出(?)した伝説のイラスト投稿コーナー「絵筆をもってね!」や
カバーの四コマ漫画は本編プラスαのいい読者サービスだった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-08-09 14:03:06] [修正:2008-08-09 14:03:06] [このレビューのURL]

かわいい魔女っ娘たちが繰り広げるドタバタコメディー
…と言えば何の変哲もない漫画のようだが
そこは近藤るるる、兄妹愛だの801同人だのロリコン不審者(しかもコレがかなり強烈!)だの
キュートな絵柄の癖にファミ通の大きなお兄さん層にちょこちょこネタを忍ばせており、
それが見る人にとっては不快感すら与えるようなエグ味を残す、なんだか業の深い萌え漫画。

前のレビューでも言われてるようにストーリー自体は薄く軽いものであるが、
出てくるキャラが非常に立っており、特にメインキャラであるトルテ、プディング、マカロン、
エクレア、グラニテの5人はそれぞれ均等にエピソードが与えられているので
この漫画を読了している頃には誰彼かの派閥に属しているかもw
00年代初めのちょっと懐かしいゲームネタも小気味良い。
かなり好きな作品だけどこの点数あたりで。まあ萌え漫画ですし。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-06 00:00:37] [修正:2008-08-06 00:00:37] [このレビューのURL]