「アルゲマイネ原野」さんのページ

総レビュー数: 131レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年01月18日

コミックスの表紙にも書かれてあるように楽しさを中心に描き
今までの柔道のイメージを一新させた「ニューウェーブ柔道漫画」

初見は作者絵特有のシンプルさ・白さに少々戸惑うかもしれないが
お前らホントに高校生か?と突っ込みたくなるような初々しい青春群像に
随所に挿入されたギャグが程よいバランスとなり30巻の長期連載を苦にせず読める。

序盤10巻あたりまでは、楽しい高校生活が主体のコミカル展開が占めるが
全国大会に出場する辺りから、柔道本来の面白さが加味され、
さらに本格的に全国大会優勝を目指す辺りから、その制覇までの単純ではない
道のりと努力を丁寧に描ききっている。
これにより一層物語に惹きこまれ、後半から加速度的に読み進んでしまう。
終盤のシーンで「思えばあのときから…」と柔道部メンバーが
全国制覇を決意した主人公に引き込まれていった道のりを回想するシーンがあるが
実は作中のキャラ達だけではなく読み手までも引きずりこまれていたんですねー
その集大成とも言える斉藤VS橘、粉川VS鳶嶋戦の流れはホント鳥肌の立つ程の面白さ
全国大会後すぐに連載を終了してしまうが、ここが作品のピークであると考えると却って引き際として最適だったと思う。
物語構成として文句なし、現代の少年スポーツ漫画でも間違いなく傑作と言える作品でしょう。

私自身、授業でさわり程度をやったぐらいでも非常にキツかったあの柔道が、
コレを読むとそのキツさを経験した後でも、楽しそうだな柔道やってみたいなと
錯覚させてしまうのだから恐ろしいw

ワイド版、文庫版とあり作品そのものを見かけるのに苦労はしないと思われるが
もし読むならコミック版のほうがお勧め。
90年代初頭の今見ると恥ずかしい、ちょっと痛げなセンスはあるものの
安西信行、モリタイシなどを輩出(?)した伝説のイラスト投稿コーナー「絵筆をもってね!」や
カバーの四コマ漫画は本編プラスαのいい読者サービスだった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-08-09 14:03:06] [修正:2008-08-09 14:03:06] [このレビューのURL]

女子高生マーニーが繰り広げるショートストーリー型の探偵物語。
身の回りで起きる小さな事件や悩み事を解決するのがメインであり、
先に前作の「ふらん」を読んでいるとどうしても比較しちゃって
インパクトに欠ける印象をもたれるかもしれません。
それでも毎週毎週捻りの利いた話を作る木々津先生の力量に感心させられます。
飄々としたマーニーのキャラクターもなかなか魅力的。
欲を言えば話の描ききれない部分が補完ができる程度
もう少しページ数を増やしてもらえればありがたいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-01-20 01:20:38] [修正:2013-01-20 01:20:57] [このレビューのURL]

正直評価が難しい。
同時期に連載した作品群の中では唯一生き残って連載してるし
果てはドラマ化までされたし、誌面の中でも人気の高い部類である事は
間違いないと思います。

大まかに言えば主人公達が、自分達の通う高校の不良ナンバーワンを獲るというが目的なんですが
不良漫画にありがちな裏切りや策略、復讐などドロドロした展開が一切無く、あるのは己の拳のみ。
そして敵味方、互いにポエミーな台詞を吐きながら殴りあうというなんとも現実離れした世界観。
しかも10巻以上連載してるのに、ヒロインはおろかモブすら女性キャラが一切出てこない。(ドラマは出してしまったけど)
更に学校を舞台としてるのに教師すら出てこない。とにかく混じりっ気なし100%喧嘩三昧。
もはや「クローバー」みたいな青春漫画とも違う、ある種のファンタジーなんですね。
結局のところ、この清々しいまでの流れと世界観に何かぐっと来るものがあるかどうかかなあと思います。
個人的にいまいち琴線に響かなかったのでこの点数にさせてもらいました。
ただキャラクターはなかなか良いと思います。
すぐ気絶するくせに、脅威の回復力と負けん気はピカ一の主人公の岳はもちろん、
一番の肉体派でありながら理性的なマルモとか、ルー語を駆使するキリオとかインパクトの強いキャラが多いんですが
何よりラスボスである現ナンバーワンのシャケが絶対的なカリスマ性で他を圧倒しているので
正直こいつに勝って完結する事ができるのか疑問だったりします。

最近岳が、なぜ自分が喧嘩をするのか、その意味について問い直す回があったんですが
「俺にそんなものはない」という結論に至ったのは大いに笑いました。そこはこの作品の根幹だろが!w
もうこの際、連載終了までこの姿勢で突っ走ってもらいたいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-10-20 14:53:25] [修正:2012-10-20 15:01:57] [このレビューのURL]

感想については下のほうで皆様非常に素晴らしいレビューを
語ってくださっているので私からあまり言うことはありません…

エンターテイメント性から言えば万人に楽しめないかな?
そういう意味で6点にしました。

ただ読むと何だか長文感想を書きたくなる。そんな作品です。
現チャンピオンの台風の目みたいな存在ですね。
この勢いがどこまで続くか見ものです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-10-14 02:48:20] [修正:2012-10-14 02:48:20] [このレビューのURL]

週刊少年チャンピオン40周年特別企画として短期連載された同名作品の単行本化。

ブラックジャック本編に関するお話も含まれていますが、
メインはBJ連載当時の手塚治虫先生の多方面での活躍ぶりを、
永井豪先生や寺沢武一先生など名だたる漫画家さんを初め、編集者・スタッフさんへの
インタビューを基にしたエピソードとして描かれています。

作画は青年誌を中心に描かれている吉本浩二先生。
泥臭くも味のあるタッチで描かれる手塚治虫先生は、どのページ開いても汚いオッサンですw
しかし無精ひげで汗だくになりながら必死こいて机に向かう姿は
言葉では言い表せない迫力と、きっと裏の現場ではこんな感じだったんだと納得させる力があります。
また、あるときは興味のある事に対しては子供のようなキラキラした目をしたり、
周囲に迷惑をかけてでも自分の作品には一切妥協を許さない徹底した姿勢を見せたり、
帯に紹介されているように、神様の人間臭さと温かみを存分に引き出してくれています。

そしてもうひとつ、この作品で焦点をスポットを当てているもの、
それは70年代後期?80年代初期にかけてチャンピオンを少年漫画誌のトップに押し上げた
編集長の壁村耐三氏をはじめ、ボロボロになりながら原稿のために奮闘する
当時のチャンピオン編集者の負けないくらい熱い情熱!!
職場的には明らかに問題だらけなんですがwこれら面々の情熱のぶつかりあいによって
今、自分達は名作が読めるんだという事に改めて感謝せざるを得ません。


『漫画家は漫画を描くのに必死
 編集者は原稿を取るのに必死
 必死な奴同士が一緒にいるんだから
 何が起こっても不思議じゃねぇ』
 by壁村耐三


うーん、名言だ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-24 22:28:13] [修正:2011-08-24 22:31:17] [このレビューのURL]

青年誌中心に活躍しているまりお金田氏の初となる週刊連載作品。
萌え系コメディなのでお色気シーンもあるんですが
作者特有の非常にクセのない絵柄のせいかあまりエロさは感じません。
現在は連載当初に比べ、よりコメディ色が強く出ていますが方向性としては
正解だったかなと思います。
人によってはあまり間を使わず、コマいっぱいに描き込まれるところなんかが
詰め込み過ぎて読んでて若干窮屈な印象をもたれるかもしれません。

オーソドックスなドタバタコメディで特筆して面白いと言うわけではないですが
どのキャラクターも嫌味が無くキャラ萌え作品としては安定した
出来に仕上がっていると思います。
作中のキャラクターを好きになるかならないかがで評価が大きく変わってきますが
作品そのものとしてはこのぐらいの点数で。
個人的にはアイドル業界を行きぬくために芸人並みの根性を見せるかすみと
マネージャーにして永遠のアイドル熟女の天地さんがお気に入りです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-05-31 15:06:23] [修正:2011-05-31 15:10:06] [このレビューのURL]

「孤独のグルメ」の久住昌之先生原作、そして作画はうさくn…
もとい期待の大型新人水沢悦子先生のコンビが描くグルメ漫画。
しかも連載はレディース誌「Eleganceイブ」。
…どういう経緯でこの作品が生まれたのか非常に気になるんですが、本作品では
鮭フレークマヨトースト、卵ご飯、3日目のカレー…などなど一人暮らし経験者なら
誰しもやったことがあろうズボラ飯を主人公の花ちゃん(30)が
手抜きまくり、食べまくります。

まあとにかく水沢先生の描く花ちゃんが非常にかわいいです。
作画はもちろん、一人きりなのにやたらコメント(ダジャレ多し)するわ、
部屋の中でやたら服脱ぎ捨てだすわ細かな生活描写も面白い。

また孤独のグルメよろしく料理への感想も名言連発しています。
「今ならアタシブタと呼ばれてもいいっ」
「このうまさには大森貝塚やむを得ず!!」
「ほぁああ」「ほぁああああああああ」
など最後なんか感想ですら無いんですが、花ちゃん(30)のリアクションとマッチして
決して極上ではない料理達が非常においしそうに見えるんだから不思議。

書籍扱いなので少々割高ではありますが、貴重なこのコンビのいつ終わるとも知れない
月8ページの連載なので一気読みすればお腹いっぱいの充実感が得られるはず。
もちろん男女ともおすすめです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-19 21:03:52] [修正:2010-12-19 21:12:55] [このレビューのURL]

石黒正数先生が贈る半ノラ猫のフルットと
半飼い主で「それ町」の紺先輩に良く似た鯨井先輩ののんびりギャグ漫画。
毎週チャンピオン巻末で掲載されており、
だいたい1ページ4コマ×2=8コマ漫画なスタイル

基本的にはゆる目なギャグが中心ですが
独特の石黒テイストが本作品でも発揮されており
政治や詐欺手口をネタにしたり、引き出しがとても多彩。
そうでなくても鯨井先輩や頼子など3頭身のキャラクターが見ていてかわいいので
それ町好きなら比較的満足できると思います
時たま読み返したくなるのでこうやってコミックまとめてもらうとありがたい。

鯨井風汁なし麺はたまに食べてます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-01 23:22:01] [修正:2010-11-01 23:25:44] [このレビューのURL]

6点 かるた

チャンピオンゲーマーの主人公が「競技カルタ」に出会い
その面白さにひかれ取り組んでいく物語。

珍しいジャンルですが本質的にはスポーツ漫画として描かれています。
特に良かったのはキャラクター面。
主人公から敵キャラ含め皆、非常に爽やかで
かるたにかける青春がわかりやすく伝わり何とも清々しい気分になります。
札を詠まれた後の一瞬の取り合いの描写も力が入れてありGOOD。

…が、テンプレちっくな萌え作画が受けなかったのが原因か
売り上げが及ばず2巻で打ち切り。
欲を言えば主人公が競技カルタと出会ってから初期の段階を
もう少しじっくり描いてくれた方が良かったかなと思う
(数話ですでに百首全部暗記しちゃってたし)

何にせよ、このすぐ後にご存知「ちはやふる」が連載され大ヒットしたのをみれば
目の付け所自体は非常に良かったといえます。
それゆえにもうちょっと編集部には様子を見て欲しかったんですが…

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-10-30 20:09:05] [修正:2010-10-30 20:12:31] [このレビューのURL]

7点 マギ

魔法を操る不思議な少年アラジンの世界冒険譚。
前作「すももも?」でヤングガンガンの看板はっていた作者が
少年漫画に挑戦するためにサンデーに移籍した意欲作。

持ち味である卓越した画力が魅力的。
前作同様女性キャラがかわいいですし、
キャラの喜怒哀楽が上手く表現されています。
作品が、冒険を通じた心のふれあいと成長をメインにしているので
この表情の豊かさが非常に効果的に働いています。
イケメン男性陣も数多く登場する点やギャグの傾向から女性にも受け入れやすい作風。

ちょっと油断すると重い展開になりがちなので
連載開始時のように明るく楽しい雰囲気で続けて欲しいものです。

現在のサンデー連載の中でも特に一押しの作品。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-25 23:38:46] [修正:2010-05-30 02:08:59] [このレビューのURL]