「kiki」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月23日

新刊(47巻)でかなり進展したので(物語時間は相変わらず経過して
ないけど)書いてみました。
ほんっともうよーやっく。おせーよ速水さん!w

少女漫画を読みなれた私でも読む前は絵が古臭いし青筋や白目の多用に
「なんか怖いよこの漫画!」と思いました。が、読んだら引き込まれる
こと引き込まれること。
情熱が半端ない!マヤも亜弓さんも月影先生も!
第一話目からして主人公自ら冬の海に飛び込むって尋常じゃないよ。
こんな熱くて面白い少女漫画読んだことなかったので、なんだ古い漫画も
面白いやん。と以降古い漫画でも読むようになりました。

確かに紅天女編に入ってからテンポがかなり悪くなり、東京に帰って
きてからは無限ループに入ったのかと思われ(そして未完になるのかと
心配し)、作品のテンションが落ちてしまいましたが、紅天女に
たどり着くまでは最高に面白い作品だと思います。
マヤ、亜弓さん、月影先生の演劇にかける尋常のなさが面白いのですが、
ここ数巻マヤが恋愛にグジグジ悩んでその情熱を見せてないのが
物語を面白くなくさせてるのかもしれませんね。

最近の出来が悪くてもパワーがあって約20年も私を惹きつけてる
作品なので(休載のせいでもあるけど)9点。


演劇への情熱だけでなく、魅力的な作中劇(紅天女除く)、月影先生の
激情を越えるレッスン、古典的な二人の恋愛模様、臭いポエミーな
桜小路くん、ライバル亜弓さんのカッコ良さなどもたまりません。

特に亜弓さん、一見なんでもこなせて美しいのに実は孤独で愛も知らず
(そういえばマネージャーの松川さんどこ行ったの?クビ?)
物凄い努力が天才マヤにいつも砕かれて思わずマヤより応援してしまいます。
美内先生もライバルを引き上げすぎてどっちが紅天女になるかを選べなくて
こんなグダグダな連載状態になってるのかな?と思ってしまいます。
個人的にはもうダブルキャストでええやんかと。

それにしてもコミックス化にあたって全部書き直すんだったら雑誌に
連載しなくてもいいんじゃないのか…(どーせ売れるんだし)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-02 17:22:31] [修正:2011-08-03 18:15:50] [このレビューのURL]

たらたらした漫画は苦手なのですが、この作品は別格。
最初かわいい絵柄でロボットの女の子がカフェを営む話って
なんかあざとい感じがするなぁとしか思ってなかったのですが…
読みすすむうちにアルファさん達の世界にどっぷりはまってました。

連載が終わった時はがっかりしたし(続けようと思ったらいくらでも
続けられそうな漫画なのに!)、今でも時々読み返してしまいます。

不思議な黄昏の時代。世界のあり方の説明は全然なされてないけど
ものすごくしっくりきました。
海に沈む街灯が光るシーン、形が崩れた富士山、地上からみあげる
ターポン。こんな風景が見られるなら世界の終焉も悪くないなぁ。

ちょっとした物事を見て楽しむ。バイクで、歩いて景色を楽しむ。
(特に一人で)そういうのが好きな人にはたまりませんね。

ほんと何気ない話で、くどい説明も写実的な画でもないのに
読んでいると、色、味、匂い、湿気や温度、手触り、空気などなど
自分の感覚もゆさぶられる時があります。
ココネが色や音でできているってセリフがありましたが、まさに
彼女達を通じて読んでるこちらもそれらを刺激される気がします。
すごい漫画だなぁ。

そして時間は流れ行くのに変わらないアルファさん。
いつもはノホホンした感じの彼女の切ない思いがたまりません。
先生からペンダントを譲り受けるシーンとラスト一個前の夕凪通信
ではホロリと涙がでてしまいます。
切なくてでも暖かさがあるラストは素晴らしい!

ちょっとした描写やセリフだけで読者にものすごく色々想像を
させる稀有な漫画だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-07-16 13:09:51] [修正:2011-07-16 13:09:51] [このレビューのURL]

元々こうの史代さんの描くあたたかい絵や昭和の庶民の生活風物詩満載の
作風が好きだったのですが、この作品はそのあたたかさと「長い道」で
やってた実験的な漫画の作りとそして戦争の話が見事に融合した傑作だと
思います。

主人公は広島から呉に嫁ぐしタイトルに昭和○年○月と入りそれが刻一刻
と昭和20年8月に近づいていくので、原爆が出てきて主人公の身に何が
起こるのか気にかけながら読むことになります。
が、作中のほとんどが戦時下での普通の人の暮らしぶりを丁寧に楽しく
描かれていて(何を食べてたかとか防災訓練とか)戦中の生活がどういう
ものであったのかとても分かりやすいです。
生活だけでなく呉の海軍のことも垣間見えて随分勉強されたんだなぁと
感心しますし、それを面白く描いているのがまたすごい。

原爆のことはあくまでも呉から見た原爆なのでえぐい描写はそんなになく、
むしろ呉での空爆の方が詳細に描かれてます。
それでもあのピカッのシーンとすずさんの心の変化を上手く掛け合わせて
てて感心しました。

又今までの彼女の作品は恋愛面は夫婦であってもフワフワした感じで描かれ
ていて、この物語も途中までは二人の胸中が読めなくいまいちつかみどころ
がない夫婦だなと思ってました。が、今回はすずさんのモヤモヤがちゃんと
表現されていたり、あの側溝のシーンでの胸中の吐露シーンではメロドラマ
みたい!とドキドキいたしました。夫婦の愛情の変化がより上手く描かれて
いると思います。

そしてすずさんの右手の物語。絵を描くことが大好きな右手とすずさんの
物語上の様々なリンク、後半の左手で描かれた背景、もうほんと傑作!
あまりの物語の描写のすごさに下巻だけ何回も読み直してしまいます。

戦中色々な出来事を生き抜いて、最初ポワーとした娘さんだったすずさんが
凛とした女性に成長しこの世界の片隅であたたかにしっかりと生きていく
姿に言葉にならない感動を覚えました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-17 17:17:50] [修正:2011-05-17 17:17:50] [このレビューのURL]

一応北海道を舞台としたしゃべくりが非常に上手いミナレさんが、
ラジオのパーソナリティーにスカウトされるラジオ業界物語…
なのか?

会話のテンポやセンスが非常に素晴らしい!
物語も予想外に進むこともありで笑いがありまくりで楽しい作品。

ヒロイン、ミナレさんのキャラが良すぎるわ。
一見別嬪さんなのに無駄に熱くてアホ行動が多く、
人の感情など分かり切ったキレ者にみえてだめんず好きとか最高!

ラジオ業界の小話や北海道あるある小話もためになります。
物語はこれからって所ですが(2巻まで既読)先が楽しみです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-19 21:36:42] [修正:2016-06-19 21:36:42] [このレビューのURL]

上橋菜穂子さんの守り人シリーズは読んだことがあって
いいファンタジー書く作家さんだなと思ってました。
この話は読んだことがなかったので、せっかくだから漫画で
読んでみようと手にとってみました。

最初はかわいらしい感じの絵に、私の脳内ではファンタジーは
渋めの絵柄で展開してるので違和感がありました。
が、作画家さんは本当にこの話のファンなんでしょうね。
物凄く丁寧に人物も背景も描かれてて読み進むうちにどんどん
武本さんの紡ぐ異世界にひき込まれていきました。
もうね、5巻なんて涙でまくりでしたよ。

作画もいいのですが、エリン達の世界観もすばらしい。
独特の国家体制、獣と王家の謎めいた関係、母親の行動の真意
の謎、などなど意外と骨太なストーリーで魅惑的。
ヒロインだけが主体で話が進んでいるのではなく、その国の
様々な立場のキャラ達の視点で進んでいるのも面白い。
それぞれがどう物語の核心部分に作用していくのか楽しみです。

原作は完結しているけど漫画はまだまだ連載中。結末は気になり
ますが、漫画がかなりいい出来なので原作は漫画が終わってから
読もうと思ってます。


---------追記

上では原作は後でと書きましたが、結局待ち切れずに漫画では描かれなかった続編まで全部先に読んでしまいました。
が、正直言って、原作ではポカーンとした王獣編の終りが武本さんのこの漫画で読んだらもうね、ダーダー涙出ちゃいましたよ。改変はほとんどされてないのにこれは武本さんの描写力の方が私には響きましたねー。足りないパーツが絵の迫力によって補強されて素晴らしかった!!
できれば続きも武本さんに描いて欲しいけど、物語的に厳しいのかなぁ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-03-02 17:30:40] [修正:2016-06-19 21:25:26] [このレビューのURL]

8点 寄生獣

[ネタバレあり]

読みだすとラストまで一気に読んでしまう(巻数も全10巻と手頃ですし)ストーリーの運び、強くなるにつれ心を失いつつある主人公が人間らしさを取り戻すという王道性、地球にとったら実は自分たち人間の方が悪いんじゃないか?と誰でも当てはまるスケールの大きな問題を取り上げる点などなど非常にうまく練られた作品だなぁと思います。

平凡な主人公がすごい強さを身につけていくけど、ヒーローになるのではなく、最後まで周りには内緒ですませるところも現実的な感じがしていいかと。



ただ個人的にラストのミギーの眠りには、死なせるでもなしに物語を終わらせるための無理やりな展開に思えイマイチに感じます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-02-07 01:43:53] [修正:2015-02-07 01:43:53] [このレビューのURL]

冬、フィギュアスケートを見ると読み返してしまう作品。
今季は特に日本人同士のペアが久々に出たのでよりマッチしてますね。

この一見ふざけたような題名にも溢れる川原色は見事。
ストーリーは普通に、微妙に畑違いの二人がスケートでペアを組んで苦労の末に”銀のロマンティック”を氷上で表現するというスポーツものだけど、マジメにそれを漫画にしちゃうのが照れくさいてたまらないと内容に散りばめられた笑い部分。そして「…わはは」と題名に継ぎ足してしまう川原さんのセンスが個人的にたまらなく好きです。

さすがに古い作品なので競技の薀蓄はルール変更によって違うものになってしまっているけど、ストーリーの王道さは色褪せないものだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-01-27 22:56:19] [修正:2014-01-27 22:56:19] [このレビューのURL]

8点 capeta

[ネタバレあり]

カーレーシングにはあんまり興味なかったけどこれは面白い!
彼の今までの作品と同じく才能が突き抜けた天才が主役の熱い作風。
作者の名前の横にクレジットされてる方と一緒に作っているせいか、もう少し地に足がついてる感があって私はこの作品が一番好き。
16歳でF3のレーサーになっちゃうとか色々ありえねーってことは健在ですが。

前作の大吾や昴はすげーことをやらかしても「なんとなくこうした方がいいって思っただけだもん」とセリフをはくのみで、彼らの天性の勘がクローズアップされてました。
もちろんそれはそれで面白かったのですが、カペタではレースで勝つための綿密な計算をカペタ自身がしていたり、周りの人によって解説されてるのが読んでいてより納得できてよかったです。

またカペタだけの才能でレースを勝っていくのではなく、周りの協力によっても成り立っており、カペタがそれを成長と共にちゃんと理解し、周りの人々に頭をキチンと下げる姿も好感が持てました。

カート→フォーミュラステラ→F3とテンポよく主人公がステップアップしていくのとともに、それぞれの車の特性やレースの解説があったので分かりやすかったし、飽きがこない展開でいいです。

あと少ししか描かれてないけどナオミとモナミの取り合わせがいいですね。
曽田先生って恋愛面に関しては少年漫画の王道を描かなくて好きです。
ただカペタがナオミに対して頬を赤く染めすぎなのが気になりますが…。なんなのあれ。

個人的なベストシーンは(27巻までだけど)「もうミラーは見ねー!」です。


++追記

ラストまで読みました。
個人的にこの作品勝負シーンはずっとテンションMAXで描かれてたせいか、一番の上げ所を間違ったように感じました。
私の中ではマカオよりF3のラストで車と一体化したカペタの方が感動したし。あれで最終回でもよかったかななんて思ったり(苦笑

あとマカオはF1の登竜門じゃなかったの!?
どうせ「ねーよ!」ってなミラクルが多すぎる漫画なんだから、F1チームからオファーが来たで終わってもよかったんじゃ?なんか中途半端すぎる。

色々惜しい終わりだったけど、ラストまで面白かったから8点のままで。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-04-11 15:43:23] [修正:2013-07-03 20:23:08] [このレビューのURL]

連載が終わってもつい読み返してしまう作品。
短?中編で成り立っているので、壮大な物語を読む感じではないのですが、死人がほとんど出ないほのぼの系な(事件の当本人にとっては重めなんだけど)探偵ものなので、肩肘はらずに読めて楽しめる作品かと。
どちらかというとコメディですね。

5巻ぐらいまでは探偵のまわりに清純、お色気、ロリなどの女性を配した萌え系のライトな探偵ものかと思ってたのですが、私の中でこの作品の肝は”日常における自分勝手さやマナー違反などでイライラさせる人物達の成敗”と途中で気がついてからは大好きになりました。

万引き犯、盗撮犯、家庭内DV加害者、いじめ加害者などが小気味良く成敗されていったり、小心者ゆえに周りから様々な理不尽を押し付けられるいい人達がむくわれていくのには心底スッキリします。
多分作者さんがイラっとするのをこうやっつけたら気持ちいいだろうなと考えて描いてる感がすごく出てるし、非常に共感しやすいです。

それだけでなく探偵側も悪役もキャラがたってて面白いし、予想外のストーリー展開や、適度なラブコメさも秀逸かと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-06-06 00:52:33] [修正:2013-06-06 00:52:33] [このレビューのURL]

妙な熱さをもった学校物語『鈴木先生』の外伝的短編集。
『鈴木先生』のもつ世界観などを楽しめた人は是非。
あのノリについていけなかった人は同じノリなんで同じく無理かな。
メインの物語で脇役だった者達にスポットライトが当たっていて、
鈴木先生が悩んだり、目力を発揮したりはしません。
それでも私には十分面白かったです。

4編それぞれに楽しめました。

・バタフライナイフ事件は関先生のはっちゃっけぷりとオチが
桃井先生だったことがかなり笑えました。

・ナッシーが主役の物語。これは『掃除当番』の焼き直しみたい
と思いました。ただ根底にある普通の生徒が自らを律して正しく
あろうという姿勢はよく描けていると思います。

・紺野の目を通した主に演劇&屋上事件。
思春期の気の多い男子のモヤモヤが楽しめました。

・ほぼ出番のなかった戸塚くんが24歳になってて、同窓会に行く
って話なのですが、2Aの時の同窓会ではなく3年生の時のものって
のが上手いなぁと思いました。
元2A達の何人かと他クラスで活躍しくれてた者達の未来が少ーし
だけ分かるのも面白かったし、何より鈴木先生のパワーが届かな
かった生徒がいたってのも「なるほどなぁ」と興味深かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-10 00:26:52] [修正:2013-02-10 00:26:52] [このレビューのURL]

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