「臼井健士」さんのページ

水沢先生のメジャー化成功作品であると共に、凋落のスタートともなった作品。
アイテムを使って魔法世界になる・・・という設定自体は全く目新しくなどないのだが、この作品以前の作品がシリアス路線だっただけにギャップで驚かされた。それ以前の作品よりも小さい子供を読者に意識したのだと思う。ぬいぐるみのライオンが喋ったり、目覚まし時計が話したり、好きな男の追っかけをしているライバルの騒がしい女の子が出てきたりと「お約束」な要素がふんだんに散りばめられてアニメ化もされての大ヒット・・・・にはなった。確かに。しかしこの作品のコメディ調の雰囲気が今後に連載していく他作品にまで及んでしまうとは誰が思ったことだろう。絵柄も明らかに丸っこくなった。何よりも話の展開が「アホらしくなった」ことが大問題。そういう作品が掲載誌「りぼん」の看板だと必然的に雑誌自体も幼稚化していくことになった。
水沢先生の作品は「これ」しか知らないという人も多いことだろう。この作品よりも前の作品と、後の作品とでは全く路線が違ってきていることは続けて読んでいた方には一目瞭然だ。
「りぼん」を幼稚な雑誌に貶めたという点においては先生はA級戦犯です。

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[投稿:2010-07-17 22:59:14] [修正:2010-07-17 22:59:14]