「臼井健士」さんのページ

総レビュー数: 439レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年06月18日

激レベル高いアニメ版からの逆輸入で読んでみました。
なんと、アニメ版は原作2巻の新人加入のエピソードからスタートしていたんですね。
それまで1冊半に渡って、ハチマキを中心としたデブリ回収チームの背景が語られます。

只、アニメ版で「半課」などと揶揄されるほどの半端者の集まりという感じはしません。
熱血かつ単純なハチマキの夢に向かってのステップ・アップとも挑戦ともいうべき物語です。
作画ではアニメ版のようが明らかに上ですが、原作の作画をアニメが超えるなんて珍しいと思います。

やはり来るべき人類の活躍の地としての宇宙という面と、孤独な空間としての宇宙という両面を描く点が魅力でしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-31 14:02:47] [修正:2010-12-31 16:36:40] [このレビューのURL]

7点 八犬伝

ようやく文庫版全八巻を読了。現在のところの唯一の「南総里見八犬伝」の漫画と思われます。
原作は江戸時代の作家・滝沢馬琴になります。コミックスにも原作者として名前がしっかりと出ています。

物語は現在の千葉県の房総半島に本拠を持つ里見家の盛衰を、伏姫のお腹から飛び出した八つの玉を持つ勇者を中心に展開されます。
信長や家康が生まれるよりもずっと前の時代が舞台のためにイマイチ馴染みが薄いのが難点でしたが、王朝絵巻を思わせる絵柄で最後まで描き切ってくれました。

勢力としてはハッキリ言って「弱小」の部類に入れてよい安房の里見家が今日人々の間に知られているのは、ひとえに「この物語」の存在のおかげと言ってよい。
薬師丸ひろ子主演で映画化もされましたが、どちらかというと映画を思い出す人が多いことでしょう。

怨霊・玉梓の里見家滅亡の計画は伏姫が命を賭して生み出した八人の勇者をも引き合わせる。
彼等はそれぞれが周囲の環境の変化によって家族を失い、故郷を追われて流浪の身となりながらもやがては運命の糸に導かれて集結していく。
武家らしく「刀」が作中に於いて「神器」のような扱いになっており、大きなキーワードだった。
集結した八犬士たちの活躍によって関東諸将による安房・里見家討伐は阻止される。

話のスケールとしては地方の一豪族にまつわるものであり、日本全国に広がっていた戦国の世を集結に導くような話の大きなものではないので、根本的な危機は解決されていないのだが、江戸時代にすでに現在で言うところのRPG(ロールプレイング)的な要素を含む物語を完成させていた原作者と、それを見事に現代に甦らせた作者の力量に感服といったところだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-04 23:47:22] [修正:2010-12-31 16:35:29] [このレビューのURL]

森脇真末味作の漫画ではなくて、「性教育漫画」の女の子バージョンですね。

女の子が主役なので、やはり年相応に恋愛要素が重視されています。
しかし・・・この漫画に登場する「男の子」は憎たらしいですな。女の子をからかう場面なんか特に。
と、感じつつも「でもこういう男子」って何処にでもいたような・・・とも思うのです。
男の子は女の子よりも体格的な成長が遅いのでその分精神的な成長も遅くなる傾向にあるのでしょうか?
ま、勿論個人差はあるでしょうが「自身の未熟さ」に気付けないことはこのくらいの年齢の不幸ではないかと思います。逆にそれにこの年で気付けたなら、後々にかなり違ってくるとも感じます。
その辺りが「柴田」と「田島」との差なんでしょうね。

他の漫画(少女漫画は特に)はもっと「性」に関する問題も作中で取り上げていいと思います。おそらく現実では問題として表面に浮かび上がってくる頃であろうに、作中でその時期を舞台としながらも、それを取り上げる作品は少女漫画であっても少ない。ジャンルとしてもまだまだ未開拓の分野として今後ヒット作を出せるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-20 23:07:28] [修正:2010-12-31 16:32:56] [このレビューのURL]

久米田先生のブレイク作。
「南国アイスホッケー部」はあまりに出来がアレだったため、せいぜい三流漫画家で終わると思われていた方も実は多かったのでは?

ところが、久米田先生は他の漫画家の多くが最初はヒットは出せても連載作品を続けるうちに才能やアイデアの枯渇で衰退していく中、一人逆の道を行く。

すなわち連載を重ねるほどに進化し、優良作品を出すという異端の漫画家である。

これにはそもそもの最初の連載の「南国」の出来栄えが悪く、これ以上は悪くなりようもなかったことも幸いした。
後はドンドン良くなるだけだった。

改蔵も初期はまだ「南国」の影を引きずった下ネタが若干見られはするものの、中盤以降は下ネタと完全に決別し、あるあるネタという
「重箱の隅をつつくようなネタの銃弾爆撃」を仕掛けるという作風を確立。

ギャグ漫画で「新しい笑いのパターン」を確立したって凄くないか?
全26巻も続けられたこともギャグ漫画では異例。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-31 13:46:32] [修正:2010-12-31 13:46:32] [このレビューのURL]

とにかく巻数が多すぎるため、初期と中盤さらには後半ではキャラは同じでも雰囲気は大きく異なる。

部長・麗子・中川も初期のほうが結構無茶をやっていた。
ピークは100巻達成したところだろう。

100巻突破したら急に絵が雑になるわ、キャラの性格がおかしくなるわで作品としての評価が急落した。

私もコミックスは100巻以降は買っていない。
100巻で終了していれば9点。続けたため結局のところ評価を下げただけなのは非常に残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-31 13:27:47] [修正:2010-12-31 13:27:47] [このレビューのURL]

古都・鎌倉を舞台にして紡がれる家族・兄弟・仲間たちの物語。
3姉妹が家を出て浮気相手に走った父親の葬儀にて出会った腹違いの妹。
行き場を失くしていた少女を鎌倉の家に迎えることにして、4姉妹の同居が始まる。

・しっかり者の看護師である長女。
・男にすぐ騙されるチャランポランな次女。
・ゲテモノ喰いな三女(笑)。
・登場当初は大人しいと思わせつつ、サッカーを男の子たちと嗜む四女。

鎌倉という土地柄が醸し出す雰囲気を紙面上で再現するこの凄さ!
そこに暮らす人々が抱える様々な悩みを通して家族の有り様・姉妹の絆を映し出す。
江ノ電。寺社仏閣。花。息づく歴史。そして・・・・海。

住んでみたい街ランキングでも常に上位(関東圏)という鎌倉の魅力は正に
「鎌倉版・和風若草物語」の世界である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-23 16:06:15] [修正:2010-12-23 16:06:15] [このレビューのURL]

女子小学生の妊娠・出産を通して現代社会の多々の問題を問う話題作。

11歳の女子小学生・春菜はある日、同級生の男の子と知識のないままに性交・セックスをしてしまう。
春菜はもう初潮を迎えていた。そして相手の男の子も精通を迎えていた。
でも「子供の作り方」までは知らなかった。当然に性的な快感を求めたものではない。
けれど春菜のお腹の中で出会った精子と卵子は結び付いて受胎する。
望まない妊娠ではあったが、周囲の同級生たちを巻き込んで小さな命を守るための子供たちの奮闘が始まる・・・・・・。

小学生の妊娠は現実でもあり得る話ですが、昔はそういった事があっても表には出ないまま隠されてきたのでしょうね。今は情報がオープンになりやすい社会だから、あったら噂になって広まってしまう。
ただ、それでも「小学生同士の行為による妊娠」は珍しいケースだと思う。
大抵は男のほうが年上だと思われるので、男子側が求めない限りは女子小学生の妊娠はあり得ないとも言える。小学生の女の子のほうが誘う・・・・ってのも不自然だし。

さそうあきらさんの絵は版画みたいなタッチなので、こういったテーマで描いているにもかかわらず、「全くいやらしさを感じさせない」のは凄いと思います。
カバーの絵なんかみても正にそう!

だから本当に「テーマに絞ったお話」として読めるのです。
「いやらしさ皆無」で性や命を取り扱えるのはある意味「ファンタジー」でもあるんですが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-11 17:56:32] [修正:2010-12-23 00:20:22] [このレビューのURL]

最初の頃は確かに面白かったし、笑えた。
ただ今読んでみるとそうでもないし、下ネタに不快感を感じる。
ギャグ漫画はストーリー漫画と比較して賞味期限が切れるのが早いのかもしれないので長期連載は大変だ。
作者自身文庫版で「そうそう毎週毎週ギャグは出ない」と言っていたし。
その点で後半はかなり失速ぎみだったし、後に描かれた続編はギャグが滑りまくって全く面白くなかった。
ラストも実は宇宙人だった・・・って。確かにキャラを考えると「宇宙人オチ」か「夢オチ」で終わらせるしかなかったかな。
ギャグ漫画の「終わらせ方」もストーリー漫画以上に難しいと感じた漫画だった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 20:35:03] [修正:2010-12-23 00:16:33] [このレビューのURL]

名作であることに間違いはないと思います。画力も極めて高い。
東西冷戦下の影響を受けた世界観。
日米の協力で造られた最新鋭の原子力潜水艦が日本人乗員と共に出航する。
が、艦長「海江田四郎」以下、下士官に至るまでが反乱を起こして原子力潜水艦「シーバッド」を乗っ取り、「大和」を名乗って独立宣言を世界に放つ!

一隻の原子力潜水艦が核の傘下の世界情勢さえ左右するようになる。
やがて世界は大国主導から「世界政府」成立へ向けて大きく舵を取ることになるのだ・・・・。

全編を通して、海中での潜水艦「大和」のバトルと、政治部分の駆け引きが互いに影響を与える展開が秀逸だと思います。

そしてその渦中にあるのは名艦長「海江田四郎」。
潜水艦「大和」の性能が世界最高!とは言っても、操縦するのは人間であり、大和の性能を活かすも殺すも彼等乗組員次第なのは言うまでもない。

だからこそ際立つ「海江田艦長の凄み」。
好きなセリフは士官学校時代のライバルの潜水艦「たつなみ」艦長の深町と共に米国艦隊の攻撃を受けたとき、たつなみの巻きぞいでやられると叫ぶ部下に
「大丈夫だ。深町は(敵の攻撃を)かわす。」
と諭したシーン。

ライバルの実力は自分が誰よりも知っている!と断言したわけです。
ライバルの力を知っているからこその信頼です。

2人の関係がこのシーンだけで分ります。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-20 23:34:45] [修正:2010-12-20 23:34:45] [このレビューのURL]

それまでの「柔道漫画」に対する泥臭さや男臭さというイメージを塗り替えた「YAWARA!」と並び比すべき、正に柔道漫画の「NEWウェーブ」。

熱血・クール・チビ・デカ・色モノ(笑)というある意味、「戦隊もの」のキャラを主要メンバーに割り当てて展開される部活動の日々は、爽やかさを前面に押し出した青春ライフ。

ライバル・女子生徒・指導者等の魅力的な脇キャラの数も物凄いことになっており、作者の出世作といってよい。

気楽に部活動をしていた面々が全国大会にまで行くぐらいに急成長を遂げるのはちょっと無理があるところなのだが、全30巻一気に読めてしまうから不思議である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-19 08:33:46] [修正:2010-12-19 08:33:46] [このレビューのURL]

<<前の10件
12345